Photo by Gabriel Barletta on Unsplash ジャズ・ミュージシャンの日野皓正氏が、東京・世田谷で開催されたライブ・イベントで演奏中、中学生であるドラマーの頭を掴みビンタを加えたことが報じられた。 ネット上でも様々な声が飛び交っているが、次のポイントを見失ってはいけない。
さらに文部科学省の通知から冒頭の箇所を引用しておく。 体罰は、学校教育法第11条において禁止されており、校長及び教員(以下「教員等」という。)は、児童生徒への指導に当たり、いかなる場合も体罰を行ってはならない。 今回の一件は学校教育の現場で発生したものではないが、教育委員会主催のプログラムという公教育の延長線上での出来事であった。
教育委員会は教職員による体罰の監視・監督を求められている組織であり、当事者である日野氏はもとより世田谷区教育委員会が責を負っているのは明白である。 これらの点において、「ジャズやミュージシャンとはこういうものだ」「これはライブやステージだから学校の教室とは違う」「日野氏と生徒の関係は先輩と後輩、もしくは親子のようなもの」「本人も納得しているんだから外部は黙っていろ」などの主張は、すべて効力を失う。 しかし実際のところ話はもっと単純で、「いい歳した大人が、子供を相手に手を上げるのは、どんな場合であれダメ」というだけだ(ただし刑法上の正当防衛は除く)。 こんな話に法律論を展開する必要性自体、バカバカしいと言わざるを得ない。 なお日野氏自身、事件発覚後の記者会見で「これからもやるよ。ビンタもね」と明言している。 こうした人物はミュージシャンとしての技能に関わらず、教育の場からは徹底排除されなければならない。 問答無用である。
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At Shibuya, one of the busiest districts in Tokyo, silent standing was held for solidarity with Ms. Heather Heyer who was hit and killed by Neo Nazi in Charlottesville, VA.
Preparing in the hot climate.
And started.
Coverage by Shingetsu News
Coverage in Japanese by Mainichi News
Rest In Power. Photo by Michael Mroczek on Unsplash ネットに溢れるサイト、特にブログを中心に、誹謗中傷や名誉毀損、著作権侵害など権利の侵害が相変わらず散見される。 このような場合、侵害された側の取るべき手段の流れの基本は、
もし削除が為されなかった場合には、削除仮処分のための裁判手続きとなる。 また賠償請求まで求めるのであれば、発信者情報開示請求を経て損害賠償請求訴訟を検討すればよい。 このような法的措置の一連の手続きや送信防止措置依頼書の書き方については、弁護士である清水陽平氏の著書「サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル」に詳しいので、是非参照いただきたい。 ここでは私自身が対応し、実際に削除に持ち込んだ幾つかのサンプルをケーススタディとして紹介してみたい。 アメブロ 株式会社サイバーエージェントが運営する国内最大規模のブログサービスである。 多くの有名人がブログを開設していることでも知られているが、残念ながら匿名で誹謗中傷を繰り返す輩もまた多い。 しかし最大級のサービスプロバイダーだけあって、誹謗中傷や個人情報侵害などに対する対応は極めて迅速である。 権利侵害のブログを見つけ、「権利者向け窓口」から必要な情報を入力すると、休日であるにも拘わらず数時間後に該当記事が削除されたこともあった。 最長でも翌日には削除され、今のところ削除申立が拒否されたことは一度もない。 ライブドアブログ ライブドアも大手ブログサービスの一つで、LINE株式会社が運営している。 ライブドアブログで権利侵害を発見した場合には、まず「権利侵害対応について」のページを読み、そこからリンクされている「問い合わせフォーム」へアクセスする。 そこで「お問い合わせの種類」から「プライバシーや権利の侵害について」を選択し、続けて「お問い合わせの項目」から該当する被害の種類を選べばよい。そしてこのページ上で被害の詳細を記載し、送信する。 送信後30分以内にはサポートからメールが届き、送信防止措置依頼書と本人確認書類を送付するためのページのリンクが案内される。 このリンク先から各書面のソフトコピーを送信すればよい。早ければ数日、平均的に一週間程度で該当記事は削除される。 またライブドアブログはホスティングも行っているため、独自ドメインを使用したブログでも、実運用はライブドアであるケースが多い。 実際にライブドアにて上記のプロセスで削除に至った独自ドメインのブログの一部を、下記にリストしておく。
なお、他の大手ブログも基本的には同様の流れであるが、プロバイダーによっては書面の送付を郵送で求めてくるところもある。 各社の通報フォームは、例外なく見つけにくいので、敢えて通報しにくくしているのかと勘繰りたくもなるが、当記事の最後に各社の通報窓口のページのリンクを掲載しておくので、参考にしていただければ幸いである。 Yahoo! ブログ 最悪の対応がYahoo!ブログである。「Yahoo!ブログの違反サイトに関するご連絡 - 情報提供フォーム」が一応あるのだが、入力して何らかの対応や返信があったことは一度もない。 業を煮やしたので、ヤフー株式会社「法務ご担当者様」宛の書留郵便にして、送信防止措置依頼書と本人確認書類を送付したところ、一か月ほど経って「該当記事を削除した」との文書が送られてきた。 これで判明したのが、担当部門の名称である。 Yahoo!ブログの対応でお困りの方は、書面を郵送で次の宛先へ送ればよい。 〒102-8282 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー ヤフー株式会社 コーポレート統括本部 政策企画本部 独自ドメインの場合 ブログやサイトが、プロバイダーによるサービスをそのまま使用しているのではなく、独自ドメインで運用されている場合は、まず最初にwhoisで登録者情報を探ることになる。 大抵のケースではドメイン登録業者になっているので、その時はドメイン登録業者の通報窓口のページから連絡を入れるとよい。 ドメイン登録業者自身がホスティングしている場合にはブログサービスのプロバイダーへの対応と変わらない。 またホスティング先が別の業者である場合には、その情報を知らせてくれる。そこから先も同じである。 なおwhoisで登録者の氏名や電話番号が判明したこともあった。この場合は直接電話をかけ、該当記事を削除させるに至った。
Photo by Dakota Corbin on Unsplash
8月12日、米ヴァージニア州シャーロッツヴィルに白人優越主義者、ネオナチ、KKK、オルトライトなどあらゆるタイプのレイシストが集結し、これに反対する多くの市民がカウンターとして声を上げた。 この市民の列にレイシストが猛スピードの車両で突入、32才の女性が死亡したほか、多数の人々が負傷する事態となった。 正にヘイトクライムと呼ぶしかない。
車両突入の瞬間(5:35前後、閲覧注意)
さらに事態の悪化に拍車をかけたのが、米大統領トランプだった。 ヘイトクライム直後の会見で「あらゆる側」との表現を使い、あたかもレイシストとカウンターの双方に非があるかのような発言を行ったのである。 全米の広範な人々から非難を受けた結果、14日にKKKとネオナチを名指しで非難はしたものの、翌日15日には掌を返すかの如く、再び「双方に非がある」と明言。 もはやレイシストがホワイトハウスを牛耳っていることを自ら認めるような形になった。 ここに至っては、さすがに産業界や与党共和党、さらには米軍トップからさえも激しい非難を受ける状況となる。 日本では、こうした様々な声が断片的に伝えられているだけなので、ここでは米国の各界それぞれの反応をまとめてみたい。
エンターテイメント業界
とりわけ反応が早かったのが、エンターテイメント業界である。 多くのロック・ミュージシャン達の動きは、ロッキンオン誌にまとめられているので、ぜひ参照いただきたい。 特にトランプ就任時から “No Trump. No KKK. No Fascist USA.” と激しく政権と対峙してきたグリーン・デイは、即座に “Troubled Time” という曲をリリースし今回の事態を非難。 ビリー・ジョー・アームストロングは「俺は何よりもレイシズムが嫌いだ。ナチのクソ野郎」とFacebookでメッセージを残している。 Green Day - Troubled Times from Rev Rad on Vimeo. ハリウッドの関係者の多くも非難の声明を発表。特にアーノルド・シュワルツェネッガーは、ネオナチとトランプを激しい言葉で糾弾する動画をリリースしている。
ジェニファー・ローレンスは、ヘイトデモに参加したレイシストの人定に繋がる身元情報の提供を呼びかけた。 さらに非難はスポーツ界にも広がり、14日には地元シャーロッツヴィル出身のNFL選手であるクリス・ロングとカイル・ロングの兄弟が「私たちは正しいことを続けることができる」との声明を発表。 さらにプロバスケットボールNBAのスター選手であるケビン・デュラントは、ホワイトハウス表敬訪問を拒否することを表明した。
ハイテク業界
シリコンバレーを拠点とするネット系のハイテク業界も素早い反応を示した。 14日にはホスティング・サービスのGoddayがネオナチ系サイト「デイリー・ストーマー」の登録を抹消。「デイリー・ストーマー」はGoogleのサービスへ移行したが、その後数時間でGoogleからも追放されている。 ソーシャル・メディアのRedditとFacebookもヘイトグループを直ちに閉鎖。 Facebookは閉鎖したグループのリストを公開している。 さらにFacebookのCEO マーク・ザッカバーグ氏は16日、ヘイトスピーチを全面的に追放する方針を明らかにした。 TwitterはGoddayやGoogleに追随し、ネオナチ系の「デイリー・ストーマー」に関連するアカウントを凍結したことを発表している。 さらにオンライン予約システムの大手Airbnbは、白人優越主義者による予約を拒否。 Spotifyは、ストリーミングサービスからヘイト関連の楽曲を削除し、27のヘイトグループを追放している。 また小口決済のPayPalは、オルトライトのリーダーであるリチャード・スペンサーをはじめ、ヘイトグループのアカウントを凍結し、サービス利用の拒否を開始した。(なおPayPalのCEOは、シリコンバレー系では珍しく、トランプ支持者として知られていた。) アップルのCEO ティム・クック氏は、全従業員に向けて人種差別に反対する旨のメールを配信し、また反差別団体に巨額の寄付を行うことを明らかにしている。
産業界
ヘイトクライムやトランプ政権に対する非難は、シリコンバレー系企業だけにとどまらず、トランプの足元の製造業諮問委員会を構成する企業にも波及した。 まず14日、製薬大手メルクのCEOで、自らもアフリカ系市民であるケネス・フレーザー氏が、事件に対するトランプの曖昧な態度を理由に辞任。 続いて半導体大手のインテルCEO ブライアン・クルザニッチ氏とスポーツ用品大手のアンダーアーマー CEO ケビン・プランク氏が辞任した。 さらに15日には、労働団体の米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)と米製造業提携協会(AAM)のトップが相次いで製造業諮問委員会から辞任している。 この時点で、辞任した彼らを「スタンドプレイヤー」と揶揄していたトランプだが、16日にはゼネラル・エレクトリック会長のジェフ・イメルト氏、日曜雑貨大手ジョンソン・アンド・ジョンソン、産業材大手スリーエム、重電大手ユナイテッド・テクノロジー、食品大手キャンベル・スープのCEO達が相次いで製造業諮問委員会を辞任。 さらに戦略・政策諮問委員会からはIBMのCEO バージニア・ロメッティ氏が辞任し、遂にトランプは戦略・政策諮問委員会と製造業諮問委員会の双方とも解散せざるを得ない状況に追い込まれた。
政界
当然ではあるが、地元ヴァージニア州知事は、激烈な言葉でレイシストを非難している。
また事件を受けてツイートされたオバマ前大統領のコメントは、ツイッター史上最大の360万以上もの「いいね」が付けられた。 トランプの「双方に非がある」との発言に対する批判は共和党にも広がり、元大統領のブッシュ父子も「あらゆる形での人種差別を拒む」と声明を発表している。 さらには海軍ジョン・リチャードソン作戦部長、海兵隊ロバート・ネラー総司令官、陸軍マーク・ミリー参謀総長ら、米軍幹部がそろって白人優越主義グループを非難する事態に至った。
国際社会
国際社会も黙ってはいなかった。 国連人権高等弁務官事務所は16日、米国でのレイシズムに対する懸念の声明を発表している。 同盟国の首脳たちも沈黙していない。 独メルケル首相は早くも14日に「シャーロッツヴィルの事態は、レイシストによる極悪なもの」と非難。 続けて英メイ首相も「双方が非ではない」とトランプをストレートに批判している。
翻って日本の状況はどうだろうか。
政治家たちからは米英独のようなレイシズムやヘイトクライムへの非難はおろか、何等かの関心を示した形跡すら見えてこない。 メディアの態度も、総じてヘイトクライムに対しては相変わらず「どっちもどっち」といった論調で、これではまるでトランプと同じではないか。 また本国ではヘイト排除に取り組み始めたFacebook、Twitter、Googleでさえ、日本法人においては何ら改善が見られず、未だにヘイトコンテンツを放置したままだ。 そして街の書店には目を覆わんばかりのヘイトに満ちた書物が大量に平積みされている。 最悪の事件が起きたアメリカと比べても、日本は何周も遅れていると言わざるを得ない。 そして日本の市民社会は、この状況を絶対に容認してはならない。 Photo by Tamara Menzi on Unsplash 元NBA選手のレイ・アレンが8月3日、”Why I Went to Auschwits” と題してアウシュヴィッツ訪問記を公開した。 私の友人のタケウチさんが翻訳してくれたので、全文紹介する。 また豊富な写真が掲載されているので、ぜひ原文にもアクセスしてほしい。 台所の床に小さな穴があり、その下に秘密の隠し場所がある。
このイメージが私の記憶に焼き付けられている。 その空間はたぶん5フィート四方ほどだったと思う。 家主は「ナチスが来るとなったら、ここに6人の人が隠れました」と語った。 彼の名はタデウシュ・スコツィラス、そして私たちがいる家は彼の家族が第二次大戦中に所有していたものだ。 チェピエルフというポーランドの町にある小さなレンガ造りの家だった。 赤い屋根を持ち、だいぶ古びている。玄関の扉は通りからすぐだ。裏庭には小さな小屋や納屋がいくつかある。 ポーランドにきてすでに数日が経っていたが、私は体験する歴史の恐ろしさに圧倒されていた。 しかし、これはまた少し違っていた。大変個人的なものだったからだ。 私はこの小さな空間を眺めていた。 6人の人間が死を逃れてここに隠れている様子を想像した。 6人の、生身の人間。 私の目の前にある小さな穴をくぐり抜けて。それほど昔の話ではない。 歴史書でもない。 博物館でもない。 それは、まさに、この場所だった。 タデウシュが説明してくれた。 1942年のある日に、密告によってナチの兵士たちがこの家にやってきた。 村の誰かが、一家がユダヤ人をかくまっていると知らせたのだ。 この家にはスコツイラス家の10人家族が住んでいた。 この日、兵士たちがやってきた時、末の息子は家にはいなかった。 ナチは疑惑を深め、家探しを始めた。 彼らは穴と隠し場所を見つけたが、家族がかくまっていたユダヤ人はいなかった。 すでに脱出していたのだ。 ナチは何も言わずに隣家へ行き、その一家の息子を連れてきた。 ユダヤ人をかくまった罰は一家皆殺しであり、人数を合わせる必要があったのだ。 兵士は10人を裏庭へ連れ出し、まさに今まだそこにある小屋や納屋の前で、処刑した。 小さなスコツィラスの末っ子が戻ってきた時、彼は家族が全員殺されているのを目の当たりにした。 その少年がタデウシュの祖父だ。 その家はずっとスコツィラス家のものであり、祖父はこの家に住んでいた。今はタデウシュと母が暮らしている。 信じられない。 家の中を回っている間に、私をそんな感情が襲った。 歴史がまさに私の目の前にある。 それは現実だった。 手を伸ばせば触れることができる。 指先で触れ、空気の匂いを嗅ぐことができる。 感じることができるものだった。 この旅をしたのはほんの数ヶ月前だ。 ポーランドを訪れるのは初めてのことだった。 ティーンエイジャーの頃から私がとりつかれていたことについてもっと学ぶためだーホロコーストについて。 たくさんの本や記事を読んできたが、ページ上の文字を読むことは実際に間近に見ることと同じではなかった。 そこで、ワシントンDCにあるホロコースト博物館を訪ねた。 1998年、ミルウォーキー・バックスでプレイしていた時のことだ。 夏の間にオーナーのハーブ・コールに会いにDCへ行った。 滞在最終日に少し自由な時間があり、コール氏がホロコースト博物館に行ってはどうかと提案してくれた。 2時間の訪問の後の気持ちは決して忘れることができないだろうー2日間でもそこに過ごすことができたと思う。 まず感じたのは、誰もがここへ行くべきだ、と言うことだった。 中でも特にある一室のことをよく思い出す。 それはあるポーランドの町に住んでいたユダヤ人の写真が飾られた部屋だった。 壁一面に並べられた写真は空に向けて伸び、天窓からは光が注いでいた。 この写真の人々の90%は殺された。 強制収容所に送られる前、あるいは処刑される前に、彼らは大切なものを友人や家族に残して行った。 これらのユダヤ人コミュニティの人々は人間の本能の極限にまで追い詰められた。 ただ、生き延びたいと願ったのだ。 そこから生まれた兄弟愛や同胞意識の物語には畏敬の念を覚えるしかない。 人間の精神がどれほどのことが可能なのかー善にも悪にもーを思い起こさせてくれる。 率直なところ、私は自分自身がまるで無意味な存在であるかのように感じた。 それは、若いNBAプレイヤーで、世界の頂点にいるような気分にあるはずの人間としては不思議な感覚だった。 この経験は、私の狭い世界の外にもっと大切なことがあるということを気付かせてくれたのだ。 私はチームメイトにも同じことを感じて欲しかった。 そこで、それ以降に所属した全てのチームで、ウィザーズとの対戦でDCを訪れた時にはコーチに頼んで博物館に行く時間を取ってもらった。 体験はその時々で違っていたが、誰もが連れてきてくれてありがとうと礼を言ってくれた。 みんなの目を見れば、彼らがこの経験の後で、人生の新たな視点を知ったということがわかった。 私はホロコーストがなんであるか、それが何を意味するかを知っているつもりでいた。 もっと学ぶために親友を何人か連れてポーランドに行った。 しかし、この訪問が私にどれほど深い影響を与えたかは予想を超えていた。 アウシュヴィッツに関する映画やドキュメンタリーをたくさん見てきたが、実際にそこに行く体験の準備となるものは何もなかった。 あの鉄の門を初めてくぐった時私が感じたのは…重さだった。 私の周りの空気が重かった。 囚人が到着する鉄道の線路に立った時、列車がやってきて止まる音が聞こえたような気がした。 深呼吸をして自分の体制を整えなければならなかった。 それはあまりに近かった。 あまりに圧倒的だった。 バラックやガス室を回ったが、私が最も鮮明に覚えているのは聞こえてきたもの--無だ。 これほどの沈黙を経験したことはなかった。 足音以外に何も聞こえない静寂はほとんど不快なほどだった。 薄気味悪く、かつ目が醒めるような。 あれほど多くの命が奪われた場所に立って、その空間で起きたことと精神がなんとか折り合いをつけようとしている。 一つの疑問が脳裏に浮かんでは消え続ける。 どうして人間が他の人間にこのようなことができるのか? どうやってこれを実行することができたのか?自分にはできない。 これは歴史ではない。 これは人間だ。 これは今なのだ。 人として我々に突き付けられる、生きた教訓だ。 タデウシュ・スコツィラスが家を案内してくれたあと、しばらく外で一人、経験したことを反芻していた。 なぜホロコーストを学ぶのか? このようなことが二度と起きないようにするため? 600万人の人が死んだから? その通りだが、もっと大きな理由があると私は思う。 ホロコーストは、人間が--現実の、私やあなたと同じような現実の人間が--お互いをどのように扱うかということなのだ。 スコツィラス家が命を賭けてよく知りもしない人々を守ったとき、それは彼らが同じ宗教だからでも同じ人種だからでもなかった。 彼らがそうしたのは、まともな、勇気ある人間だったからだ。 彼らはあの小さな穴に隠れていた人々と同じ人間だったからだ。 そして、彼らが不当な扱いを受けているということを知っていた。 私は自分に難しい質問を課した。私なら同じことができただろうか? 真剣に、私にはできただろうか? アメリカに戻った時、ソーシャルメディアで私の旅行についてうんざりするようなメッセージを受け取った。 私がポーランドに行き、そこで起こったことについての意識を高めるために時間を使ったこと、ブラック・コミュニティをサポートするために時間や労力を使わなかったことが気に入らない人もいた。 お前の祖先がお前のことを恥じるだろうとさえ言われた。 ネットにトロールがいることは知っているし、気にするべきでもないのかもしれないが、これには頭にきた。 どういうところからこういう意見が出るかわかっていたからだ。 今、この国に十分すぎるほど問題が溢れていることはわかっている。 だが彼らはこの旅行を曲解している。 私はポーランドに黒人、白人、クリスチャン、ユダヤ人という括りで行ったのではない。 ただ一人の人間として行ったのだ。 「このようなことが二度と起こらないようにするために行った」というのは簡単だ。 だが、私はホロコーストで実際に何が起きたのか真実を学ぶため、そしてそこから何を受け取れるかを知るために行ったのだ。 私が自分の時間を正しく使っていないと信じている人たちは、そもそものところがわかっていないのだ。 人に対してお前はこれだ、あれだと名札を貼るべきではない。 そうすることが先入観を植え付け、まさに今のような恐ろしい状況を作り出しているのではないか。 私たちは2017年の社会を蝕んでいる無知や視野の狭さ、分断を打ち破っていかなければならない。 小学校の時、世界の人と文通をしたりしたことを覚えている。 外国の人から返事が来た時とてもワクワクしたものだ。 彼らがどのような生活をしているのか知りたかった。 彼らの人生を知りたかった。 その感覚を私たちは少し失ってしまっているのではないかと感じている。 私たちは「我々」のことだけを見ているようだ。 「我々」のことだけ気にしていたいようだ。 「我々」が何を意味しているにせよ。 タデウシュの家族のことを考える。彼らは「我々」を誰と定義したのか? 彼らは「我々」をすべての人間と考えた。 見た目や信仰に関係なくだ。 彼らはすべての人間に守る価値があると考えた。 そのために命を賭けても惜しくないと思ったのだ。 このことは覚えている価値がある。いつまでも。 レイ・アレン Photo by Jack Hamilton on Unsplash この数年、ロック・ミュージシャンの訃報が相次いでいる。 考えてみれば、リスナーである私のほうも50代後半に差し掛かっているのだから、ミュージシャン側はさらに高齢化しているのも当たり前と言えば当たり前である。 しかし中にはプリンスやジョージ・マイケルのように若くして亡くなる人達もおり、70才を超えられない「70の壁」があるような気がしたので、2015年から2017年7月にかけて亡くなったミュージシャンを死亡時の年齢で並べてみた。 ロック・ミュージシャンの死亡時の年齢 網掛けは癌が死因だった方(Wikipediaを参照) 世界保健機関のデータでは、2013年時点でのイギリス男性の平均寿命は79才、アメリカ男性の場合は76才となっている。
90才近くまでライブを続けていたチャック・ベリーやB.B.キングは別格として、やはり「70の壁」を超えずに亡くなった人が多い。 残念でならない。 特に癌で亡くなった人たちを網掛けしてみたところ、60代に集中していることが見えてきた。 私自身は医学の知見が無いので無責任な発言はできないが、ロン・ウッドは今年5月に検診で発見された肺癌を手術で克服しツアーに復帰、チャーリー・ワッツも2004年の咽喉癌発覚後の治療により76才になる現在まで現役であることを考えると、亡くなった人たちの中にも早期発見と適切な治療で救える命があったのではないだろうか。 モーターヘッドのレミーは、癌が発見された時には既に全身に転移し、もはや手の施しようが無かった状態だったとのことである。 一方、ロン・ウッドの場合、ツアー開始前に必ず受診する検診で初期の癌が発見され克服することができた。 別にミュージシャンでなくても、中高年になったら検診から逃げ回らず、定期的に受けておきたいものだ。 それにしても、2015年夏のフジロックでモーターヘッドを観てから、半年も経たない年末にレミーは逝ってしまった。 クリス・スクワイアはイエスで最後の来日後、アラン・ホールズワースもビルボードでの久しぶりのライブからさほど時間をおかないでの訃報である。 もう来日したミュージシャンのライブは予算と時間が許す限り、片っ端から観ておくしかないのかもしれない。 自然の摂理とは言え、寂しいものだ。 今回のブログは落ちも結論もない。合掌。 Photo by Dark Rider on Unsplash 7月29日の毎日新聞に「東京五輪 34度超え予測、熱中症対策早急に」と題した記事が掲載された。 桐蔭横浜大学、東京大学都市工学科、環境省、さらには日本ランニング協会まで、研究者や専門家らが「夏の東京は運動を中止すべき危険なレベル」と口をそろえている。 なぜこうした声が今まで出てこなかったのか、まったく不思議なくらいだ。 実際、連日30度を超える猛暑となった7月の東京では、3日に32人が熱中症で搬送、うち3名が重症となっている。 さらに気温が上がった9日は59人が救急搬送され、男性1名が意識不明の重体となった。 また東京消防庁のデータでは、平成23年から27年までの5年間で熱中症により救急搬送された人は20,593名におよび、これらは7月と8月に集中している。 月別の熱中症による救急搬送人員(東京消防庁による) こうした方々の救急搬送時の初診症状は、入院の必要がある「中等症」1,840人、生命の危険が強いと認められる「重症」130人、生命の危険が切迫している「重篤」43人となっており、4人が死亡と診断されている。極めて深刻な事態である。 では2020年に向けて政府の対策はどうなっているのだろうか。 平成27年から「東京2020に向けたアスリート・観客の暑さ対策に係る関係府省庁等連絡会議」が不定期に開催されており、直近では6月19日に会議が持たれ、議事録として各省庁の取組が公開されている。 この資料によると、具体的な暑さ対策は「競技場の屋根設置」「路面温度上昇抑制機能を有する舗装」「競技場周辺の街路樹」となっているが、いずれも根本的な解決策になるとは思えない。 他にも「熱中症等関連情報の発信」や「救急体制の整備」が挙げられているものの、周知活動や事後対策だけでは余りにも無力であろう。 一方、東京都は、5月25日に「東京2020大会に向けた暑さ対策推進事業」の一環として「補助対象地域の決定及び補助事業者の募集開始」を発表している。 具体的には東京国際フォーラム、東京スタジアム、武蔵野の森総合スポーツプラザの三か所の周辺にミストや日よけを設置する内容となっており、各地域にそれぞれ5,000万円の予算を割り当ててはいるが、これも広い東京全域から見ればいったいどれだけの効果があるのか甚だ疑問である。 文字通り焼け石に水と言わざるを得ない。 先日の記事「専門職スキル軽視の蔓延」で指摘したように、五輪スタッフの多くをボランティアに頼る構造になっているが、こうした人たちの健康への配慮に対しても、考慮や議論が為されている形跡が観られない。 ところでこの件をリスク・マネジメントの観点から考えてみたい。 リスクは、発生可能性と影響度の積で表される。 このリスクを分析・評価し、コントロールによって低減させることがリスク・マネジメントである。 では東京五輪での熱中症リスクのケースではどうだろうか。 現実的に予防策はほぼ無策に近いうえ、東京の蒸し暑さに慣れない海外からの選手や観客が大量に訪れるため、数千人規模で熱中症患者が発生する可能性は100%と言える。 むしろ例年よりも多いと考えるほうが正確だろう。 また影響度を軽減するためには、発生した事態から早急に原状回復することが求められるが、医療関係者や救急搬送設備の数には限界があることに加え、五輪開催による幹線道路の封鎖も考慮する必要がある。 したがって「大量に発生する熱中症患者の生命の危機」であるリスクは、現状のままでは軽減されないと考えなければならない。 そしてリスクを受容できるレベルまで軽減するためには、10月以降の開催とする、もしくは中止という選択肢しかなかろう。 毎年同じ季節に開催されているフジロックが2020年にどうなるのか、私には知るすべはない。 しかし確実に阿鼻叫喚の熱中症地獄と化す東京を避けるため、一か月ほど苗場あたりに山籠もりでもしようかと真剣に考え始めているところである。 追記 (23:00 7/8/2017)
屋外でのスポーツや作業中に熱中症で倒れ死亡する事故が全国で相次いでいる。こんな季節に五輪開催とは正気の沙汰ではない。 高校野球部の女子マネージャー 練習後に倒れ死亡 新潟 熱中症か アメフット練習中に学生死亡 札幌 熱中症? 浜松で45歳男性が死亡 伊万里の50代男性、熱中症疑いで死亡
このところ専門的なスキルに対する誤解と軽視の風潮がひどい。
まず一つ目は4月16日、地方創生担当大臣・山本幸三の「学芸員は観光マインドが全くなく、一掃しないとだめだ」との発言である。 この人はいったい学芸員を何だと思っているのだろう。 文部科学省のサイトでは、「学芸員は、博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事業を行う “博物館法” に定められた、博物館におかれる専門的職員」と紹介されている。 そして学芸員になるためには、大学で文部科学省令の定める博物館に関する科目の一定数以上の単位収得が最初の条件となっており、そのうえで学芸員資格認定試験に合格しなければならない。 文部科学省が提供している「学芸員資格認定受験案内」によれば、試験はこれだけの範囲に及んでいる。 博物館運営に関するあらゆる知見を求められているのである。
では実際に学芸員の方々はどんな仕事をこなしているのだろうか。
折しも山本の発言の直後である5月4日の「タウンニュース町田版」に「教えて!学芸員さん どんな仕事をしてるの?」という特集が組まれていた。 副題に「〜がんじゃない本当のこと〜」と付けられていることから、激烈な言葉はひとつも出てこなくても、山本の発言に対する怒りの特集であることは明らかだ。 この特集はぜひ元の記事を全文ご覧いただきたいが、ここでいくつか引用させていただく。 例えば「陶磁の保存管理、調査研究」のほかに「ダンボール箱を運ぶ力仕事も展示作品のネーム(キャプション)札作りもポスター・チラシの発送準備も、何でもやります。電卓抱えて予算書を作ったりもします」と自己紹介される方。 「史料の発見→整理→保管→研究→活用が主な仕事」としながら、「講師や展示解説をした際、熱心な方とお会いするとやりがいを感じます」と語る方。 どの学芸員の方も “博物館法” による専門的な業務に加えて、限られた予算の中で如何に来館者に喜んでもらえるのか、必死で知恵を絞っている。 よくも「観光マインドが全くなく、一掃しないとだめ」などと言えたものだ。
そして次は、経済評論家を自認する人物の「薬剤師は有害無益な免許の最たるもの。今や処方箋に書かれた薬を売るだけの仕事に、なんで免許が必要なのか」という6月5日付のツイートである。
これにも開いた口が塞がらない。 改めて言うまでもなく、薬剤師になるためには大学で6年間の専門教育を受け、薬剤師国家試験に合格する必要がある。 薬剤に関しては、医師よりも深い知識を有している専門職である。 ではなぜこの御仁のような浅薄な誤解が生まれるのだろうか。 ここでは公益社団法人日本薬剤師会のサイトから引用させていただく。 薬剤師といえば、医師の処方箋にしたがって薬を出してくれるイメージが先行し、薬局は「薬を調剤してもらうところ」と生活者の9割が考えています。 経済評論家ともあろう方が、日本薬剤師会の指摘するような認識そのものであったのだろう。 しかし実際には同会が紹介しているように「薬が開発・製造され、病院や薬局を通じて生活者の手に届くまで、すべての段階において薬学の専門家として薬の安全性に責任を負っている」のが薬剤師なのである。 消費者に対面する現場では、医師の処方箋に基づいて薬剤を調剤するだけではなく、薬に関する相談に乗ったり、処方箋の不要なOTC薬の購入についてアドバイスすることなども業務になる。 さらには医師の処方箋についてもただ調剤するだけでなく、薬剤師の観点からチェックする機能ももつ。 万に一つのミスも許されない、人の生命に直接関わる重大な責任を負った仕事なのである。 まったくどうしたら「有害無益な免許の最たるもの」などと言えるのだろうか。
このような専門知識、あるいは専門職に対する誤解と軽視は、2020年に予定されている東京五輪に向けて全開となる。
2016年12月に東京都とJOCが公開した文書「東京 2020 大会に向けたボランティア戦略」を紐解いてみたい。 もうタイトルからして「タダで人を使うぞ」感が満々である。 この文書によると、東京五輪のボランティアは、競技会場や選手村などの大会施設での「大会ボランティア」と、空港や主要駅・最寄り駅などでの「都市ボランティア」に大別される。 「大会ボランティア」の種類は、物流、通訳、医療など幅広い専門的業務に及んでいる。 そして「人数の多い活動においては、ボランティアの中にリーダー役をおく。 リーダー役は、メンバーへの連絡調整や出欠確認、シフト調整などを行う」とされている。 街頭で観光・交通案内を担うことになる「都市ボランティア」についても「語学能力以外にも、様々な専門的知識・技能を有する方」を募集条件とするそうだ。 こんな専門職かつ管理職の能力を備えた人たちを二週間に渡って拘束するのである。 これを「ボランティア」と呼んでしまっていいのだろうか。 しかも「原則として、東京までの交通費を負担していただくことと、宿泊場所の確保に当たっては自己手配をお願いする」とのことだ。 五輪期間中の東京での宿泊手配なんか困難を極めるであろうことは、誰が考えても明白である。 ロジスティックスの観点からも最初から完全に破綻していると言わざるを得ない。 しかもこの「ボランティア」の内容は、明らかに政府の施策と矛盾している箇所もある。 例えば「都市ボランティア」に相当する業務、すなわち外国語を用いて旅行に関する案内を「有償」で行う場合には、通訳案内士法により通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受けなければならない。 これは他でもない日本政府の観光局が明らかにしていることだ。 通訳案内士の試験の科目は、外国語に加えて、日本地理、日本の歴史、そして産業・経済・政治及び文化に関する一般常識となっており、なかなかの難関試験である。 このような専門性を要求する政策を取る一方、他方では専門性を備えた人たちを無償で使おうとする。 そこに専門職スキルに対する敬意は感じられない。 専門職スキルによる業務への正当な対価を否定してしまえば、たった二週間の宴の後にやってくるのは、各業界に対するダンピングの嵐であろう。 経済的効果なんて甘いものではない。
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この数年、プログレ系の集まりで知り合った人たちの中で、周辺諸国に対する根拠なき蔑視を口にしたり、ファシズムを公然と肯定する連中がいて閉口したことがある。 その都度たしなめはするのだが、中には頑迷な排外主義を意地でも変えようとしない人物もいた。 こういった人たちとの付き合いに時間を費やすほどこちらも暇ではないので、同じ趣味を持つ間柄と言えどもSNSでのつながりを含め一切の関係を断つことにしている。 プログレの様式美がファシズムと相性がいいのではと仮説を立ててみたが、プログレ・マニアの多くが排外的なわけではないので、音楽的な好みとの有意性はないと信じたい。 またミュージシャンの側はむしろ積極的に反レイシズム、反ファシズムの立場を表明しているのが事実である。 ここでは、そのいくつかのサンプルを見てみたい。
ピーター・ガブリエル
ジェネシスのヴォーカルだったピーター・ガブリエルは、三枚目のソロ・アルバム「III」に”Biko”という曲を収めている。 これは南アフリカの反アパルトヘイト活動家で、1977年に30才の若さで獄死したスティーヴン・ビコ氏に捧げられたものである。 ピーターは、ライブでのMCで「非暴力でレイシズムに立ち向かい、南アフリカの刑務所に収監、拷問で殺された勇敢な男、スティーヴン・ビコ」と紹介している。
ゲディ・リー
カナダの人気トリオ、ラッシュのベーシストであるゲディ・リーの両親はユダヤ系ポーランド人で、ナチスのダッハウ強制収容所とベルゲン・ベルゼン強制収容所からの生還者である。 その後二人はカナダに移住し、1953年にゲディが生まれた。 ゲディは、幼少時に母親からホロコーストの話を聞き、悪夢を見て眠れなかったことがあると話している。 また両親のホロコーストの体験に基づいて ”Red Sector A” という曲を書いた。
ブライアン・イーノ
ロキシー・ミュージック出身のブライアン・イーノは、デヴィッド・バーンやロジャー・ウォータースらと共に、パレスチナ問題にコミットしているミュージシャンの一人である。 2014年7月、イーノはデヴィッド・バーンへの書簡という形で、イスラエル軍によるガザ侵攻を強く非難した。(なお書簡全文を翻訳したので、こちらを参照いただきたい。) また2017年7月には、難民救済のNGO “MOAS” を支援するため、コールドプレイとシングル “A L I E N S” を共作、プロデュースし、アニメとして発表している。
ロジャー・ウォータース
ロジャーは、イーノのパレスチナ問題に関する書簡に対して、自身のFacebookで強い賛同の意を表明した。 この中で「沈黙と無関心は最大の罪」(To stand by silent and indifferent is the greatest sin of all.)と明言している。 また最近のライブでは、ピンク・フロイド時代の曲 “Pig” の演奏で米大統領トランプのイメージを使い、「豚野郎」と断じている。
トッド・ラングレン
トッドもまた、反トランプの意志を明確に表明している一人である。 2017年5月には、スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンとの共作で、反トランプの楽曲 “Man in the Tin Foil Hat” を制作し、徹底的にトランプをこき下ろしている。 この曲の動画で登場する「ビル・オランウータン」(Bill O’Rangutan)とは、トランプの御用メディアとして知られるFox NewsのBill O’Reilly を揶揄したものであるのは明白だ。
レイシストやファシストがジェネシス、ラッシュ、ロキシー・ミュージック、ピンク・フロイド、トッド・ラングレンを聴くのは、彼らに対する冒涜であり、また人類に対する冒涜である。
スティーリー・ダンも禁止。彼らの音楽を聴きたいのであれば、まずレイシストやファシストであることを止めるべし。
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堀江貴文がヒットラーのイメージをプリントしたTシャツを着用してNHKの番組に出演したことにより、NHKが謝罪を発表する事態となった。 ところが、Tシャツに「No War」との文字があることを言い訳にして、本人は「シャレわかんねー奴多いなあ」「頭悪いな」と開き直る始末である。
出来の悪い小学生のような言い訳が国際的に受け入れられるはずもなく、イスラエルを含む世界中のメディアで報じられたあげくに、遂にはナチス政権下での戦犯追及で知られるサイモン・ヴィーゼンタール・センターが非難の声明を出すに至った。 堀江の言い訳を一刀両断である。(原文はこちら) ヒットラーが反戦のシンボル? 日本のビジネスマンが公共テレビでヒットラーの画像のTシャツを着用 こんなガサツで幼稚な行為を「ノリ」で誤魔化そうとしても、国際社会で通用するわけがない。 冷笑サブカルはめちゃくちゃダサいうえに有害でしかないことを知るべきだ。 もう一度言う。ダサい。 |