Photo by Rita Morais on Unsplash
日本のSNSにおけるヘイトスピーチの蔓延は目を覆わんばかりである。とりわけTwitterの状況は酷い。数年に渡って差別煽動を垂れ流すヘイトグループのアカウントが凍結されないばかりではなく、在日外国人やLGBTなどマイノリティに対するヘイトスピーチをTwitter側へ報告してもツイートを削除されるケースは殆どない。逆に通報した側のアカウントがなぜか凍結されてしまうという事態すら生じている。 これは明らかにヘイトスピーチ解消法違反であり、またヘイト行為を禁じたTwitterルールを自ら踏みにじる行為と断言できる。 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律 Twitterルール
一方、ドイツでは2017年6月30日、SNS企業がヘイトスピーチに相当する投稿を削除しない場合、最大で60億円の罰金を科す法案が可決されている。Twitterも24時間以内に削除することに合意しているが、施行は10月からということもあり、まだ多くのヘイトが放置されているのが現状だ。こんな状況に業を煮やしたユダヤ系アーティストが、独Twitter社のハンブルグ・オフィス前の道路に、Twitter上の大量のヘイトをスプレーで書きつけるという行動に出た。
日本のアンティファはドイツでのこの行動に大いにインスパイアされた。日本法人であるTwitter Japanに対しても、これまでのヘイト放置の反省や、明確かつ具体的なヘイト対策を迫るアクションが求められたのである。しかし東京では道路にスプレーで文字を書くわけにはいかない。ともあれTwitter Japan前での行動の呼びかけが開始された。
これに対し、Twitter Japan公式アカウント、続いて日本法人代表の笹本裕氏が、ヘイト問題へ真剣に取り組む意志を表明するに至った。
さらに Twitter APAC & Japan Marketing DirectorのNick Watanabe氏をはじめ、世界中のTwitterの上級管理職の個人アカウントが、続々とアイコンを “No Hate” に替え始めたのである。
9月8日18時、Twitter Japanが入居する東京スクエアガーデン前の歩道は、Twitter上で報告したにも拘わらず未だ削除されていないヘイトをプリントした数千枚の紙で埋め尽くされた。すべてTwitter Japanが放置してきたヘイトである。
人の心を踏みにじり傷つけてきたヘイトが、路上で踏みにじられる。
見るも悍ましいヘイトの数々。
抗議のスタンディングとスピーチ。
最後は破られ、ゴミ箱へ放り込まれるヘイト。ゴミはゴミ箱へ。
いまや殆どの企業が、就業規則でも差別やハラスメントを明確に禁ずる条項を定めている時代である。冒頭に述べたようにTwitterによるヘイト放置は、ヘイトスピーチ解消法違反であり、かつサービス・プロバイダーとしての自社のルールにも反している。
今、世界中が見つめているのはTwitter Japanの行動だ。繰り返すが言葉だけではなく、具体的で迅速な行動である。このことをよく肝に銘じていただきたい。
0 コメント
返信を残す |