久保田直己 不撤不散
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柏(かしわ)原発な人たち

5/6/2022

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Photo by Kilian Karger on Unsplash
5月31日、札幌地裁が北海道電力に対し、泊原発の1~3号機の運転差し止めを命じた。
判決の核は「津波防護施設が存在せず、津波に対する安全基準を満たしていない」という事実であり、北海道電力の怠慢でしかない。
北海道電力は、原子力規制委員会が要請した資料もまともに提出せず、更田委員長に「十分な対応がみられず数年が経った」と指摘されるほどの体たらくである。
札幌地裁の判決は、きわめて当然の判断と言えよう。

ところで、この判決直後、ネトウヨたちが一斉に判決を揶揄するツイートをし始めたのだが、何かおかしい。
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よく見ると「泊(とまり)」ではなく「柏(かしわ)」原発になっているのである。
それも一人や二人ではなかった。
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確かに原発の立地は読み方が難しいものが多い。
東通(ひがしどおり)、女川(おながわ)、柏崎刈羽(かしわざきかりわ)、志賀(しか)、大飯(おおい)、川内(せんだい)あたりは、ネトウヨの頭では読めないのも無理からぬ話である。
しかし読み方はともかく、どうやったら「泊(とまり)原発」を「柏(かしわ)原発」と誤記できるのだろう。
かな入力の誤変換はあり得ない。
考えられるのは
  1. コピペ元が間違っていた。
  2. 脳内に「かしわ原発」として定着していた。
の二点だ。
原発の話題で揶揄するにしても、あまりにも愚かである。
なお泊原発は2012年5月5日に停止し、既に10年以上稼働していない。
電力を供給していないのだから、ネトウヨたちの「柏(かしわ)原発を停めたらクーラーが停まる」という戯言は、完全に言いがかりにすぎない。

こういう底辺ネトウヨたちがバカなのは既定の事実であるが、論客を自称する人物まで「柏(かしわ)原発」をやらかしているのには驚かされる。
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この御仁も10年以上にわたって原発問題に関する嫌味を垂れ流し続けているわけだが、「泊(とまり)」を「柏(かしわ)」と思い違いしたままという程度の認識であるのが露呈してしまった。
興味がないなら、せめて黙っていりゃいいのにね。

なお、元祖「柏(かしわ)」は、こちらの方の2018年のツイート(現在はアカウント剥奪)のようである。
さもありなん。
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このように、愛国者ぶるくせにネトウヨが日本語をまともに使えない現象に対して、何らかの名称を付けることはできないだろうか。
とりあえず「かしわ問題」とでもしておけばいいかもしれないが、次の事例も捨てがたい。
大阪知事・松井の発言である。
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「更迭」ではなく「更送」。
これも「こうてつ」との読み方を知っていれば、誤変換しようがないものである。
むしろどうしたら「更送」と打ち込めたのか、教えてほしいものだ。
「更に」と打ち込んでから「送る」と加えてカナを削ったんでしょうか。
頭の悪い人たちの行動を理解するのは、本当に難しい。
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恩田川支流の暗渠

17/4/2022

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ここ数年、渋谷川など、暗渠となって都内を流れる川が話題になっている。
最近では週刊文春の記事がていねいに取材されており、たいへん興味深かった。

都内の暗渠は有名だが、多摩地区の暗渠なんか誰も知らないし、興味もないだろう。
しかし我が地元にも恩田川、そして鶴見川へ連なる支流が暗渠となって存在しているのである。

田園都市線の「すずかけ台」駅と「南町田グランベリーパーク」駅の間に、暗渠の出発地点となる源流がある。
まさに田園都市線の土手の元である。
この付近は宅地造成が始まる1970年ころまで一面の田んぼだった所だ。
暗渠になる以前の小川にはザリガニやドジョウが豊富に生息しており、春にはカエルの産卵地になっていたことを記憶している。
ウナギが採れることもあったらしい。
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源流から200mほど。
​親子連れでにぎわうつばき公園の周囲を直角に曲がり、暗渠が続く。
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つばき公園からさらに徒歩数分で、やなぎ公園に到着。
ここでは数メートルの区間だけ、水の流れが現れる。
きれいな水だ。
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やなぎ公園を抜けると、再び暗渠となり、住宅の間を潜るように流れが続く。
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そして、どうやらこの先が行き止まりになっているもよう。
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近づいてみると、ここから先は入れないようになっていた。
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行き止まりの反対側。
およそ50mくらいの区間が封鎖されていた。
防犯上、人の出入りがないほうが良いのだろう。
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ここからまた公道に沿って延々と暗渠が続く。
このあたり一帯も、以前は田んぼだった。
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そして、またしても行き止まり。
しかし簡単な柵と標識が設置されているだけで、徒歩の通行は禁じられていない様子。
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この真横から杉山神社の参道が見える。
普段は実に静かだが、元旦の初もうでには30分待ちになるくらい人が集まる場所である。
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さらに100mほど進むと、暗渠は五差路の地下を斜めに突っ切って、姿を現すようになる。
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暗渠ではなく、公道と住宅の間を小川となって流れる。
本来の姿である
川沿いの住宅は、道路まで橋をかける仕掛け。
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道の両側は桜並木になっており、春先には数kmにわたって桜のトンネルが出現する、素晴らしい所である。
水辺に根付いて、桜の成長にもよいのだろう。
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横浜線の線路とぶつかるところは、トンネルとなっていた。
長年住んでいても気にしたことすらなかったが、こんな仕組みになっていたのか。
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トンネルを超えると、別の支流と合流し、立派な川らしくなる。
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そして恩田川へ流れ込む。
恩田川の本流も、きれいな水流だ。
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恩田川も、川の両岸が桜で埋め尽くされており、桜の季節は圧巻の風景となる。
毎年、多くの花見客であふれる、地域有数の桜の名所である。
恩田川を下ると鶴見川に合流し、川崎で東京湾へ流れ込む。
暗渠でなければ、今でも生き物たちが息づいていたかもしれない。
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町田に維新は要らない

6/2/2022

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Photo by Element5 Digital on Unsplash
町田市議会議員・市長選挙の投票が2月22日に予定されている。
告示は一週間前の2月13日で、市議会議員36人の議席に向けて、既に駅前での街宣やポスティングなどが始まった。
様々な方面からの情報によると、日本維新の会(以下「維新」)は、市長選での独自の候補者の擁立に加え、市議会議員の候補者2名も公認するようである。

関東地方に住んでいると、幸い現在のところあまり維新の活動は目に入ってこないが、既に"不祥事のデパート「維新」やらかしリスト" でまとめたように、維新の議員たちは全国的に数々の不祥事をやらかしている。
地方議員に限っても、公選法違反での逮捕はもとより、傷害や下半身露出まで、ハレンチな事件のオン・パレードである。
首長でも、宅建法違反が露呈したり、市長室に勝手にサウナを設置するなど、やりたい放題だ。
国政にいたっては、カジノを廻る収賄や、公設秘書による殺人未遂など、目を覆わんばかりの惨状である。
いやしくも国政政党を名乗る集団で、ここまでハレンチでハチャメチャなのは、自民党を含めてもさすがに見当たらない。
もはやこれだけでも、なぜ「町田に維新は要らない」のか、説明は尽くされていると言えるだろう。

さて、この2週間ほどの間、維新を廻っていくつかの騒動があった。
一つ目は、菅直人・元首相によるこのツイートである。

橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす。

— 菅直人 衆議院議員(府中・小金井・武蔵野) 立憲民主党 (@NaotoKan) January 21, 2022
これに橋下徹が激しく反応した。

ヒットラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度。こういうことを平気でやるのは京都大学の藤井聡氏のような非常識な学者。まあ今回は弁舌の巧みさということでお褒めの言葉と受けっておくが。それよりも強い野党を本気で作る気があるなら、大阪では自民に圧勝している維新政治を謙虚に研究すべき。

— 橋下徹 (@hashimoto_lo) January 23, 2022
この「ヒットラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度」とのご高説、いったいどこから持ち出したのであろうか。
そんな話は一度も耳にしたことがない。
もちろんナチス式の敬礼などは社会的生命を絶たれるほど「国際的なご法度」であるが、よくもまあテキトーなことを言うものだ。
当然、菅・元首相は言いがかりを撥ねつけた。
当たり前である。

闘うリベラル派宣言
維新との闘いで、リベラル派は軟弱と見られていると痛感。私は改めて「闘う(たたかう)リベラル」であることを宣言する。私は学生時代からのリベラル派。ゲバ棒を持った対立グループに取り囲まれたが、要求された自己批判は断固拒否した。今回の維新の脅しは私には通用しない。

— 菅直人 衆議院議員(府中・小金井・武蔵野) 立憲民主党 (@NaotoKan) January 27, 2022
そして、なぜかここで維新の幹事長・馬場が登場。
大勢のメディアを引き連れて菅・元首相の元へ抗議に現れるも、「あなたから抗議を受ける必要はないし、あなたにお応えする必要はありません。お帰りください。」と一刀両断され、すごすごと引き下がる間抜けぶりである。

菅さんに一喝される維新の馬場さん。#維新のトンチンカン pic.twitter.com/M1a7T7eS23

— 藤原采 (@December7171) February 1, 2022
ところで建前上は、橋下徹は維新から離れていることになっているのではないか?
どうして橋下ではなく、維新の幹事長・馬場が、抗議に現れるのか?
橋下徹が維新と離れている前提であれば、菅・元首相の指摘する通り、馬場の抗議はまったく筋違いと言うしかない。
逆に、未だ維新の関係者であるとの認識に立った抗議なら、彼がテレビに出演しまくっている行為は放送法4条2項の「政治的に公平であること」に抵触するのではないか。
これほど矛盾だらけで、彼らは恥ずかしくないのだろうか。

続いて2月3日、れいわ新選組の大石あきこ・衆議院議員が、橋下徹に名誉毀損で訴えられたことが発覚した。
大石議員のツイートによると、橋下を「たびたび攻撃的な表現行為を繰り返している」ことが訴因だそうである。

ちょ、待て
橋下徹 @hashimoto_lo にうったえられたんだが#パニック訴訟 #大石あきこ橋下徹に訴えられたってよ pic.twitter.com/a7hBMYSeht

— 大石あきこ れいわ新選組 衆議院議員(大阪5区) (@oishiakiko) February 3, 2022
これに対して、ツイッター上では「#ファシモトさん」「#パニック訴訟」「#大石あきこ橋下徹に訴えられたってよ」などのタグが拡散し、一時はトレンド入りするような状態になった。
大石議員も、売られた喧嘩を買う気満々の様子である。
なお、橋下徹は過去、有田芳生・参議院議員を被告とする名誉毀損の訴訟を起こしているが、こちらは請求棄却された。
これらの件を通して考えてみると、維新側は菅・元首相も大石議員も強く反撃してこない相手だと舐めていたのではないかとの推定が浮かび上がってくる。
特定の人物に狙いを定めて恫喝を加えてくるのが維新の手口であるが、今回はいずれのケースも強烈な反撃に遭い、ただ間抜けぶりを露呈するだけの結果になってしまった。
こんなことを繰り返していれば、ヒットラーに重ね合わせる批判が出てくるのも当たり前でしょう。

さて、話を町田市の選挙に戻そうと思う。
維新の予定候補者2名のうち一人は、私が在住する南地区を拠点にする現職議員・矢口まゆである。
本人のブログによると、2021年12月に維新に入党したそうだが、その動機についてこんな事を書いている。
もともと、維新は大好きな政党でした。初めて政治に興味を持った5年程前、維新が好きになり、橋下徹さんのオンラインゼミにも入会したほどです。
まったく話にならない。
これだけで、全力をあげて拒絶する十分な理由になるはずだ。
しかし本当に警戒すべきは、こちらの入党理由である。
ともに仕事をする機会が多かった杉並区議会議員の松本議員にも、半年前から維新にお誘いいただいていた経緯もあり、ついに入党する決意にいたりました。
察するに、東京に地盤を持たない維新は、無所属の現職議員の一本釣りを開始したのではないか。
町田市の市議会議員の選挙がその橋頭堡とされるのであれば、断固阻止する必要がある。
維新の候補者には一議席たりとも、いや一票たりとも与えてはならない。
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自民党・公明党の不祥事 2021年版

10/10/2021

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Photo by Ricardo Gomez Angel on Unsplash
コロナ対策の無策を批判され、内閣支持率が暴落して回復のめども立たない中、菅内閣が総辞職し、岸田政権へとすげ替えが行われた。
衆議院議員の選挙が迫っているタイミングでの目眩ましのつもりなのだろうが、そうは問屋が卸さない。
今こそ忘れてはならない与党・自民党、そして公明党の不祥事を、2021年分だけでも振り返っておきたい。

不祥事の筆頭は、まず何と言っても、河合克之・案里や菅原一秀による買票行為である。
買票、すなわち買収による公職選挙法違反は、自民党の伝統的なお家芸といってもいい。
そして新たに発足したデジタル庁をめぐる接待疑惑では、デジタル相・平井卓也の名前が取り沙汰された。
10月に交代したばかりの牧島かれんも、さっそく高額な接待を受けていたことが発覚している。
管轄する業界、業者との癒着も自民党の伝統芸だ。
こんな事だけにはスピード感を発揮するのもさすがと言うしかない。

全国がコロナ禍にあった2021年に自民党や公明党がやらかした不祥事のもう一つの特徴は、自分たちが言い出した「自粛」もできないだらしなさであった。
非常事態宣言で市民には大きな行動制限を要求しておきながら、自分たちはちゃっかりと銀座のクラブなどへ繰り出していたことが何件も発覚している。
これには自民党のみならず、公明党の遠山清彦も関与しており、大顰蹙を買う中、結局は辞任に追い込まれた。

そのほか、国会への遅刻や悪質な交通事故など、不祥事の列挙には事欠かない。
特に武井俊輔による当て逃げ事件では、車検や自賠責保険が切れていたことまで判明している。
もはや議員の資質以前に、「人としてどうなのか」と問うべきレベルである。

2021年以前に安倍・菅政権下で発生した、いわゆるモリカケ疑惑や「桜を見る会」疑獄も何一つ解明されていない。
それどころか、岸田文雄は今後も見直す必要はないと開き直る始末だ。
こんな自民党や公明党には、一票たりとも投票する価値はない。

​(最終更新 2021年12月31日 18:00)

1月

吉川貴盛元農相を収賄罪で在宅起訴
東京地検特捜部によりますと、吉川元大臣は大臣在任中の平成30年11月からおととし8月にかけて、秋田元代表から大臣室などで3回にわたって合わせて現金500万円の賄賂を受け取ったとして収賄の罪に問われています。
NHK
河井案里議員に有罪判決 懲役1年4月、執行猶予5年
2019年7月の参院選広島選挙区を巡り、票の取りまとめを依頼する趣旨で地元議員5人に現金計170万円を渡したとして、公選法違反(買収)罪に問われた参院議員河井案里被告に対し、東京地裁は21日、「選挙の公正を害する犯行」として、懲役1年4月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。
東京新聞
亀井静香の元秘書も現金受領 河合克行から計300万円
証言によると、元秘書は19年5月、克行議員から「助けてください」と言われ100万円を渡された。同年7月にも、企業訪問の依頼とともに200万円入りの封筒を差し出された。
朝日新聞
「深夜の銀座クラブ」で相次ぎ役職辞任、公明幹事長は「国民に申し訳ない」
緊急事態宣言下に銀座のクラブに深夜まで滞在していた自民党の松本純・元国家公安委員長と公明党の遠山清彦衆院議員が29日、党の役職である国会対策委員長代理と幹事長代理を相次いで辞任した。
遠山氏によると、4件は、公設秘書が福岡市でキャバクラ代として、残る1件は遠山氏が宮崎県でスナック代として支出した。29日付で政治資金収支報告書を訂正し、秘書と遠山氏が団体に返金した。
読売新聞

2月

首相、国会で「心からおわび」 自民議員の深夜クラブに
自民党の松本純衆院議員は1月18日深夜、銀座のクラブを訪れ、これが発覚すると党国会対策委員長代理を辞任した。当初は閉店後に1人で行ったと説明していたが、のちに田野瀬太道・文部科学副大臣、大塚高司・党国会対策副委員長も同席していたことが判明。これとは別に、公明党の遠山清彦衆院議員も銀座のクラブを訪れていたことが判明し、議員を辞職した。
朝日新聞
河井案里、参院議員辞職へ
2019年の参院選広島選挙区の公職選挙法違反事件を巡り、東京地裁で有罪判決を受けた参院議員の河井案里被告=自民党を離党=は3日午前、議員辞職する意向を党幹部に伝えた。
毎日新聞
河井案里元議員 有罪判決が確定 5年間立候補禁止
公職選挙法違反の買収の罪で有罪判決を受け辞職した河井案里元参議院議員について、検察も控訴せず、有罪判決が確定しました。これにより、案里元議員は参議院選挙の当選が無効になり、5年間、すべての選挙で立候補が禁止されます。
NHK
西村経済相の秘書官、3人交代 150日以上連続勤務も
政府の新型コロナウイルス対応を担う西村康稔経済再生相は12日の衆院予算委員会で、自身の秘書官が過労により相次いで交代していると報じられたことについて、大臣就任から1年4カ月で秘書官3人が交代したことを認めた。150日以上の連続勤務があったことも明かし、「申し訳なかった」と陳謝した。
朝日新聞
自民・白須賀貴樹が緊急事態宣言中に女性と高級ラウンジ訪問し離党へ 次期衆院選出馬も断念
自民党の白須賀貴樹衆院議員 =千葉13区=が緊急事態宣言中の今月10日夜に、女性と東京都内の高級ラウンジを訪れていたことが17日、分かった。白須賀氏は離党し、次期衆院選への出馬を断念する意向を固めた。
東京新聞
「記憶にない」→「一部は事実」→「発言あった」 更迭の総務省幹部、小出しの接待説明
放送事業会社「東北新社」に勤務する菅義偉首相の長男による接待問題は19日、総務省幹部2人の事実上の更迭劇に発展した。情報流通行政局長から官房付となる秋本芳徳氏は、同省が許認可権を持つ衛星放送事業が首相長男との会食で話題になったことを認め「記憶にない」と繰り返していた姿勢を転換させた。
東京新聞
東北新社、二宮社長が引責辞任 菅首相長男を懲戒処分―総務省幹部接待
東北新社は26日、総務省幹部への接待問題の責任を取り、二宮清隆社長が辞任したと発表した。二宮氏も総務省幹部との会食に同席していた。菅義偉首相の長男で、メディア事業部の統括部長を務めていた正剛氏は懲戒処分とし、人事部付に更迭した。
時事

3月

武藤元衆院議員を書類送検 ひき逃げ容疑、男性軽傷
乗用車で男性との接触事故を起こし逃走したとして、警視庁野方署は1日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで武藤貴也・元衆院議員を書類送検した。
日本経済新聞
河井元法相が辞職表明 一転して買収認める
克行被告はこれまでの全面的な無罪主張を一転させ、起訴内容の大半について買収の目的を認めた。衆院議員を辞職する考えも明らかにした。
中国新聞

4月

特捜部が再捜査 菅原一秀元経産相“有権者買収”の証拠文書を公開する
選挙区内での行事で主催者側に「祝儀」などの名目で、現金を配った疑惑が浮上、東京地検特捜部の再捜査を受けている菅原一秀元経産相。今回、現金配布の実態を事務所の元スタッフが証拠文書を示しながら、「週刊文春」に証言した。
週刊文春

5月

三原じゅん子副厚労相が委員会遅刻 会議5時間以上中断
参院厚生労働委員会は13日、三原じゅん子副厚労相が約30分遅刻したことに野党側が猛反発し、5時間以上にわたり空転した。
毎日新聞
副大臣また遅刻、国会混乱 防衛・中山氏、参院委に
中山泰秀防衛副大臣(自民)が20日の参院外交防衛委員会に遅刻し、同委員会の開催が取りやめになった。三原じゅん子厚生労働副大臣(同)が13日の参院厚労委に遅刻して謝罪に追い込まれたばかり。
時事
河井案里の連座制適用を認める 広島高裁判決
公職選挙法違反(買収)の罪で有罪が確定した河井案里 =参院議員を失職= について、広島高検が連座制適用による参院広島選挙区での立候補禁止を求めた行政訴訟の判決が21日、広島高裁であった。横溝邦彦裁判長は、案里への連座制適用を認め、今後5年間の立候補を禁止する判決を言い渡した。
朝日新聞

6月

河野太郎大臣、政治資金規正法違反の疑い 「後援会バス旅行」を収支報告書に記載せず
バス旅行の主催者であるはずの「河野太郎後援会」に至っては、これだけ大規模な「政治活動」を毎年、あちらこちらで行っているにも拘わらず、政治団体の届出すらしていない。従って報告書の提出もない。
100万単位の金銭の出入りがあるバス旅行の収支が、約10年間に亘り、まったくの「闇」に包まれてしまっているというわけである。
デイリー新潮
自民・武井俊輔議員 “当て逃げ” 事故被害者が激怒した不遜な態度
6月8日、東京・港区の六本木交差点で当て逃げ事故が発生した。車を運転していたのは、自民党・武井俊輔衆院議員(46・当選3回)の60代男性秘書だ。後部座席には武井議員も同乗していた。
この事故で、武井議員の車は車検と自賠責保険が切れた状態だったことも判明した。
Yahoo!ニュース
河井元法相の保釈、高裁も認めず
2019年の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)の罪で実刑判決を受け、東京拘置所に再度収容された元法相の河井克行被告について、東京高裁は21日、保釈を認めない決定をした。
日本経済新聞
鶏卵業者、吉川元農水相への賄賂提供を認める
元農林水産相の吉川貴盛被告=収賄罪で起訴=に計500万円の賄賂を渡したとして贈賄罪に問われた鶏卵大手「アキタフーズ」前代表・秋田善祺被告(87)の初公判が28日、東京地裁であった。秋田前代表は「間違いありません」と述べ、起訴内容を認めた。
朝日新聞

7月

平井大臣の「暴言騒動」に新たな疑惑 IT総合戦略室幹部「慶大教授」の密接業者が受注
対応に苦慮するスタッフに対し大臣が、「(NECが)ぐちぐち言ったら完全に干す」「NECには(五輪後も)死んでも発注しない」「(NEC会長を)脅しておいて」と述べ、優越的地位を背景に民間業者に圧力をかけたのでは、と報じた。
デイリー新潮
菅原前経産相の公民権停止3年確定 違法寄付
選挙区内の団体や住民に違法に寄付したとして公選法違反(寄付行為の禁止)罪で東京簡裁から略式命令を受けた前自民党衆院議員菅原一秀前経済産業相 =東京9区、議員辞職=が、期限までに不服申し立てをせず、罰金40万円、公民権停止3年が確定した。
時事
平井デジタル相に資産公開法違反の疑い “五輪アプリ受注”の親密ITグループの株を不記載
五輪向けアプリの事業費を巡っては、NECが契約から外れるなど大幅に削減されたが、この会社は減額されていなかった。また、平井大臣は、この企業の株を保有していたことを「資産等報告書」に記載していなかった。資産公開法に違反する疑いがある。さらに、この株の売却益が「所得等報告書」に記載がないこともわかった。
週刊文春
平井デジタル相、IT株購入を陳謝 大臣規範違反、納税もせず
平井卓也デジタル改革担当相は16日の閣議後記者会見で、内閣府政務官だった2006年に大臣規範に反してIT企業の株式を購入していたとして「不注意だった。おわびを申し上げたい」と陳謝した。
毎日新聞

8月

公明党の吉田宣弘衆議院議員と太田昌孝衆議院議員の事務所捜索 貸金業法違反事件の関係先
関係先として捜索を受けたのは、東京 永田町の衆議院第1議員会館にある、いずれも公明党の、吉田宣弘衆議院議員と太田昌孝衆議院議員の事務所などです。
関係者によりますと、政府系金融機関からの融資を無登録で仲介したとされる貸金業法違反事件があり、議員2人の秘書らもこれに関わっていた疑いがあるということです。
NHK
公明幹部、5人会食を陳謝
公明党の石井啓一幹事長は19日の中央幹事会で、自身を含む与党幹部5人が17日に昼食をともにしながら会談したことについて、「どういう理由があるにせよ、国民に多大な協力をお願いしている中、大変申し訳ない」と陳謝した。昼食に同席した高木陽介国対委員長も謝罪した。
時事

10月

鶏卵大手元代表の秋田被告に有罪判決 吉川元農相への500万円贈賄罪で東京地裁
自民党衆院議員だった元農相の吉川貴盛被告 =収賄罪で公判中=に現金計500万円を渡したなどとして、贈賄と政治資金規正法違反の罪に問われた鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)元代表の秋田善祺被告(87)に対し、東京地裁は6日、「農林水産行政や国政などに対する国民の信頼を大きく害した」として、懲役1年8月、執行猶予4年(求刑懲役1年8月)の判決を言い渡した。
東京新聞
牧島デジタル相、NTTからの接待認める 「5万円コース」報道
会食の相手はNTTの秘書室長で、牧島氏は1人5万円のコースで接待を受けたとされる。
毎日新聞
元法相・河井克行、懲役3年の実刑判決確定へ
2019年参院選をめぐる大型買収事件で公選法違反(買収、事前運動)罪に問われ、一審で実刑判決を受けた元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)が、控訴を取り下げる意向を示したことが19日、関係者への取材で分かった。取り下げた場合、懲役3年、追徴金130万円とした東京地裁判決が確定する。
時事

11月

​政活費の不正受給問題、自民県議が辞職 総額500万円以上の見込み
​山形県議会の自民党会派所属の野川政文県議が政務活動費を不正に受給していた問題で、野川県議は議員の辞職願を提出し、許可された。
不正受給は7年以上にわたり、総額は500万円以上となる見込みだという。
朝日新聞
遠山元議員を任意聴取 元秘書らが不正融資仲介疑惑
財務副大臣だった遠山清彦元衆議院議員の元秘書らが関わったとされる貸金業法違反事件を巡り、東京地検特捜部が6日、遠山元議員から任意で事情を聴いたことが分かりました。
公明党の遠山清彦元衆院議員の秘書を務めていた男性ら3人は、日本政策金融公庫からの融資を巡り、無登録の事業者が行っていた仲介に関与したとみられています。
テレビ朝日
「少なくとも2000万円」遠山元議員に毎年現金提供と会社役員
遠山清彦元財務副大臣の元秘書らが違法な融資の仲介に関与したとされる事件をめぐり、仲介に関わった会社役員が遠山氏に対し、「毎年現金を提供し、少なくとも2000万円を渡した」と周囲に話していることがわかりました。
TBS
自民党区議を逮捕 覚醒剤使用疑い 職質でパイプ見つかり尿検査で陽性
覚醒剤を使用したとして、警視庁上野署が覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで、東京都北区議の榎本一容疑者(53)を逮捕していたことが、同署への取材で分かった。
東京新聞
衆院選後、次々発覚する自公の選挙違反
岸田首相、安倍元首相「茨城6区」応援演説に「日当5000円」でサクラ動員…公選法違反の可能性も
「私が演説会場に足を運んだのは、聴衆として話を聞くだけで、5000円の日当が出ると聞いたからです。街頭演説が一時間足らずで終わると、用意されていた領収書に名前と住所を書かされ、現金を渡されました。宛名の欄には何も書かれていませんでした。こんなことでお金をもらっていいのか、不安になりましたね」
Flash
領収証入手 岸田首相の応援演説で 国光文乃議員陣営が有権者「集団買収」
茨城6区から当選した自民党の国光文乃衆院議員(42)の支援団体が選挙活動で現金を配布するなどして、公職選挙法違反(有権者買収)の疑いが強いことが「週刊文春」の取材でわかった。案内状や領収証を入手し調査したところ、複数の有権者が現金授受を認めた。
週間文春
「賄賂の可能性」 西川公也元農水相受領認める 年200万を6年間
大手鶏卵業者が吉川貴盛・元農林水産相(71)に賄賂を渡したとされる贈収賄事件をめぐり、西川公也・元衆院議員(78)が東京地検特捜部の今年1月の聴取に対し、農水相や内閣官房参与(非常勤の国家公務員)の在任中を含む約6年間に、毎年200万円程度をこの業者から受け取ったと認めていたことがわかった。
朝日新聞
衆院選で投票依頼の報酬に「1時間千円」約束した疑い、自民候補陣営の米沢市議の遠藤正人を逮捕
遠藤容疑者は10月14日頃、米沢市内で、陣営の男性運動員1人に対し、鈴木氏の投票を依頼する選挙運動の報酬として1時間につき1000円を渡す約束をし、立候補の届け出前に選挙運動をした疑い。
読売新聞
多古町長を逮捕 衆院選、町職員に投票依頼か 公選法違反疑い 激戦の千葉10区
院選で町長の地位を利用して選挙運動をしたとして、千葉県警は公選法違反(公務員の地位利用など)の疑いで多古町長の所一重容疑者を逮捕した。
所容疑者は2018年の町長選で自民推薦で立候補し初当選した。
千葉日報
茨城5区でも自民応援演説に日当 前参院選は21人に支払い
衆院選茨城6区で行われた岸田文雄首相による自民党候補者応援演説の際、参加者21人にそれぞれ5千円が支払われていた問題で、動員と支払いをした任意団体「茨城県運輸政策研究会」は18日、菅義偉前首相らが訪れた茨城5区の応援演説で4人に同様の日当を支払っていたと明らかにした。また2019年の参院選でも、21人に日当を渡していた。
東京新聞
斉藤鉄夫国交相の支援団体も「有権者買収」の疑い
広島3区から当選した公明党の斉藤鉄夫国交相(69)を支援した団体が旅費名目で現金を配布し、公職選挙法違反(有権者買収)の疑いがあることが「週刊文春」の取材でわかった。支援団体の責任者が取材に対し、旅費の支払いを認めた。
週刊文春
元文科副大臣・山内俊夫元参院議員を逮捕 関連会社の資金1億円を私的流用の疑い
自身の関連会社の「羽田空港格納庫合同会社」(東京)の資金約1億円を私的に流用したとして、警視庁捜査2課は28日、業務上横領容疑で元参院議員の山内俊夫容疑者を逮捕した。
東京新聞
喜多方市議会議長、同僚に現金 活動費名目 公選法抵触の可能性
喜多方市議会の自民党議員団団長などを務めていた佐藤は衆院選公示後の10月下旬、衆院選の活動費の名目で議員団の同僚議員1人に15万円を渡し、計5人に3万円ずつ配った。
河北新報
自民党の山本幸三元地方創生担当相の運動員、買収の疑いで逮捕
衆院選で、大学生に選挙活動の報酬を支払う約束をしたとして、福岡10区で落選した自民党の山本幸三元地方創生担当相の運動員2人が逮捕された事件で、2人が会員制交流サイト(SNS)で大学生を勧誘したことが30日、捜査関係者への取材で分かった。福岡県警は同日、北九州市にある山本氏の事務所を家宅捜索した。
共同
自民・国光文及、衆院選中にネット広告 公選法に抵触恐れ
衆院選で茨城6区から立候補して再選した自民党の国光文乃(42)が選挙期間中、自身のPRや政策を訴えるインターネット広告を出していたことが30日、分かった。公選法は候補者が選挙期間中に選挙運動のために有料のネット広告を出すことを禁じており、同法に抵触する恐れがある。
茨城新聞

12月
自民党・元幹事長の石原伸晃、雇用調整助成金受領で内閣官房参与を辞職
自民党の石原元幹事長は、今月3日に観光政策を担当する内閣官房参与として起用されましたが、その後みずからが代表を務める自民党東京都第8選挙区支部が去年、国の「雇用調整助成金」あわせて60万円余りを受け取っていたことが明らかになりました。
NHK
自民党の山本左近衆院議員の政治団体、コロナ助成金82万円余を受給
山本議員が代表を務める「山本左近政策研究会」は去年10月、新型コロナの影響で設けられた「小学校休業等対応助成金」を82万円余り受け取ったということです。
NHK
自民京都府議の岸本裕一を書類送検、衆院選で運動員に報酬約束疑い
初当選した勝目康衆院議員陣営の運動員に報酬を支払う約束をしたとして、京都府警捜査2課などは15日、公選法違反(買収約束)の疑いで、自民党の岸本裕一府議を書類送検した。
京都新聞
山口県副知事の小松一彦副知事ら、公職選挙法違反容疑で書類送検
山口県警は23日、10月の衆院選山口3区で当選した自民党の林芳正外相の後援会に入るよう幹部職員を通じて勧誘させたとして、同県の小松一彦副知事(65)と山口市の幹部職員2人を公職選挙法違反(公務員の地位利用)容疑で書類送検した。
毎日新聞
公明党・遠山清彦、貸金業法違反の罪で在宅起訴
遠山清彦元財務副大臣らとともに貸金業法違反の罪で在宅起訴された太陽光関連会社の元顧問が融資を仲介した会社に対し、「成功報酬をくれ」と繰り返し要求していたことが分かりました。
テレビ朝日
片山さつきの訴え棄却 週刊文春の「口利き」報道巡り
自民党の片山さつき参院議員が、国税庁への口利きの対価として100万円を受け取ったとする週刊文春の報道で名誉を傷つけられたとして、発行元の文芸春秋に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、「重要な部分について真実と信じる相当の理由がある」として、片山の請求を棄却した。
毎日新聞
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安倍の完コピだった菅の式辞

15/8/2021

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Photo by Antonio Manaligod on Unsplash
8月15日の敗戦の日、首相・菅義偉が追悼式典で述べた式辞が、昨年の安倍晋三の「ほぼコピペ」であるとの衝撃的なニュースが、共同通信から発せられた。
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これは実際に検証してみねばなるまい。
まず最初に、首相官邸のサイトで公開されている2020年度の安倍晋三の式辞。
2021年度のものと一致する部分を赤くしてみた。
天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦没者のご遺族、各界代表のご列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行いたします。
あの苛烈を極めた先の大戦では、300万余の同胞の命が失われました。
祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦
陣に散った方々。終戦後、遠い異郷の地にあって、亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などで、無残にも犠牲となられた方々。今、すべての御霊の御前にあって、御霊安かれと、心より、お祈り申し上げます。
今日、私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆様の尊い
犠牲の上に築かれたものであることを、終戦から75年を迎えた今も、私たちは決して忘れません。改めて、衷心より、敬意と感謝の念を捧げます。
未だ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。一日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として全力を尽くしてまいります。
戦後75年、我が国は、一貫して、平和を重んじる国として、歩みを進めてまいりました。世界をより良い場とするため、力の限りを尽くしてまいりました。
戦争の惨禍を、二度と繰り返さない。この決然たる誓いをこれからも貫いてまいります。我が国は、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えながら、世界が直面している様々な課題の解決に、これまで以上に役割を果たす決意です。現下の新型コロナウイルス感染症を乗り越え、今を生きる世代、明日を生きる世代のために、この国の未来を切り拓いてまいります。
終わりに、いま一度、戦没者の御霊に平安を、ご遺族の皆様にはご多幸を、心よりお祈りし、式辞といたします。
そして2021年度の菅義偉の式辞。
こちらも一年前の安倍のものと重なる箇所を赤くしてみた。
まだ首相官邸のサイトで公開されていないため、時事の記事からお借りした。
天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦没者のご遺族、各界代表のご列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行いたします。
先の大戦では、300万余の同胞の命が失われました。
祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦
場にたおれた方々。戦後、遠い異郷の地で亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、各都市での爆撃、沖縄における地上戦など、戦乱の渦に巻き込まれ犠牲となられた方々。今、すべてのみ霊の御前にあって、み霊安かれと、心より、お祈り申し上げます。
今日、私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆さまの尊い
命と、苦難の歴史の上に築かれたものであることを、私たちは片時たりとも忘れません。改めて、衷心より、敬意と感謝の念をささげます。
いまだ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。一日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として全力を尽くしてまいります。
わが国は、戦後一貫して、平和を重んじる国として歩
んでまいりました。世界の誰もが、平和で、心豊かに暮らせる世の中を実現するため、力の限りを尽くしてまいりました。
戦争の惨禍を、二度と繰り返さない、この
信念をこれからも貫いてまいります。わが国は、積極的平和主義の旗の下、国際社会と力を合わせながら、世界が直面するさまざまな課題の解決に、全力で取り組んでまいります。今なお、感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症を克服し、一日も早く安心とにぎわいのある日常を取り戻し、そして、この国の未来を切り開いてまいります。
終わりに、いま一度、戦没者のみ霊に平安を、ご遺族の皆さまにはご多幸を、心よりお祈りし、式辞といたします。
全文字数691文字のうち、完全に一致するものは実に579文字で、84%に達する。
重なっていない部分も含意は殆ど一緒と言える。
しかもコロナウイルスに関する箇所でさえ、ほぼ同じと言っても過言ではない。
バンド用語でいえば、いわゆる「完コピ」である。

原稿を用意した官僚にどんな意図があったか知る由もないが、読み上げた菅を含め、式典にまったく関心がなかったことだけは確かであろう。
バカにするのもいい加減にしろ。
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東京五輪は台風の季節でもある

12/6/2021

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Photo by Neenu Vimalkumar on Unsplash
COVID-19の蔓延が一向に収まる気配を見せず、東京五輪の開催が危ぶまれている。
そもそもCOVID-19以前から散々指摘されていた東京の真夏の酷暑や、トライアスロン会場として予定されているお台場地域の水質の問題は、何も解決されていない。
さらにリスク管理の観点から考えておかなければならない重大な要素がもう一つある。
東京は、毎年夏に必ず台風に襲われるということだ。

​気象庁は、関東甲信越地方に接近した台風の数を、年次ごとに記録して公開している。
ここでは、台風の中心が茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都(島しょ部を除く)、神奈川県、山梨県、長野県のいずれかの気象官署等から300km以内に入った場合を「関東甲信地方(伊豆諸島および小笠原諸島を除く)に接近した台風」としている。
この中から、過去20年(2001年~2020年)の7月、8月、9月のデータを拾ってみた。
なお、東京でのオリンピックは7月23日から8月8日まで、パラリンピックは8月24日から9月5日までの期間に予定されている。
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一目瞭然であるが、過去20年間で7~9月の間に、台風に襲われなかった年はひとつもない。
さらに続けて、関東地方に甚大な被害を及ぼした台風に関する、気象庁や内閣府の記録を見てみたい。

  • 2001年9月8日~9月12日 台風第15号  ​引用元:気象庁
死者・行方不明者8名、負傷者51名
住家全半壊・一部損壊300棟
床上浸水183棟、床下浸水1,202棟など

11日09時半ころ神奈川県鎌倉市付近に上陸した。
台風は次第に弱まりながら、東京都から茨城県北部を経て海上に進み、12日15時に千島列島付近で温帯低気圧に変わった。
この台風により、東海から関東地方の山沿いで大雨となった。
期間降水量は奥日光(栃木県日光市)で895mmとなったのをはじめ、山沿いでは600~800mmとなったところがあった。
​平野部でも静岡市で320mmとなったほか、東京都千代田区でも160mmを観測するなど、200mm前後の大雨となったところがあった。

  • 2002年7月8日~7月12日 台風第6号  ​引用元:気象庁
死者6名、行方不明者1名、負傷者39名
住家全壊27棟、半壊55棟、一部損壊415棟
床上浸水2,453棟、床下浸水8,400棟など

11日00時過ぎ千葉県館山市付近に上陸し、鹿島灘から三陸沖を北北東に進み、11日21時頃北海道釧路市付近に再上陸した。
その後オホーツク海に進み12日00時に温帯低気圧に変わった。
この間、梅雨前線が本州上に停滞し活発化したため、中部地方から東北地方にかけて大雨となった。
9日から10日にかけて岐阜県では1時間90mm以上の激しい雨が降り、期間降水量は樽見(岐阜県根尾村)で510mmを観測したほか、関東地方の山沿いでも400mmを超えたところがあった。
また静岡市で318.5mmとなるなど、東海、関東、東北地方の平野部でも期間降水量が200mmを超える大雨となったところがあった。
​また、八丈島(東京都八丈町)で最大風速27.3m/sなど、伊豆諸島、関東沿岸などで20m/sを超える暴風を観測した。

  • 2005年8月24日~8月26日 台風第11号  ​引用元:気象庁
負傷者10名
住家半壊4棟、一部損壊148棟
床上浸水69棟、床下浸水259棟など

強い勢力で26日2時過ぎに三浦半島を通過、4時半頃、千葉市付近に上陸した。
台風はその後進路を東寄りに変えつつ鹿島灘から本州東海上へ進み、28日00時に温帯低気圧に変わった。
この台風が硫黄島南西海上を北上中の24日、宮崎県では対流雲が東海上から次々に流入し、青島(宮崎県宮崎市)で1時間降水量が72mmなど、非常に激しい雨が降った。
台風が関東地方に接近・上陸した25日から26日にかけて伊豆諸島、関東地方、静岡県、山梨県、宮城県などで大雨になった。
特に25日には関東地方南部や静岡県、伊豆諸島で日降水量が200mmを超え、箱根(神奈川県足柄下郡箱根町)では528mmを観測した。
伊豆諸島ではさらに暴風となり、同日大島(東京都大島町)で最大瞬間風速57.0m/sを観測した。
この台風により関東地方、伊豆諸島、静岡県、山梨県、宮城県で住家損壊、同浸水、停電、断水等の被害が発生した。

  • 2007年9月5日~9月9日 台風第9号  ​引用元:気象庁
死者1名、行方不明者2名、負傷者90名
住家全壊11棟、半壊60棟、一部損壊830棟
床上浸水411棟、床下浸水1,309棟など


7日00時前に強い勢力で静岡県伊豆半島南部に上陸すると、徐々に勢力を弱めながら関東地方から東北地方を縦断し、8日01時前に北海道函館市付近に、03時半頃に北海道胆振支庁西部に再上陸した。
台風は同日09時に石狩湾付近の海上で温帯低気圧に変わった。
この台風により、関東甲信地方から北海道にかけての各地と東海地方、北陸地方の一部で大雨となった。
降り始めからの総雨量は、関東甲信地方と東海地方の一部で600mmを超え、東京都、埼玉県、群馬県では9月の月間平均雨量の2倍を超える記録的な大雨となった。
24時間雨量は7日に静岡県伊豆市湯ヶ島で627mmとなるなど、東海地方の一部と関東甲信地方の各地で観測史上最大となった。
また、東海地方から北海道の各地で暴風となり、台風の通過した小笠原諸島や伊豆諸島から北海道の太平洋では波の高さが6mを超える大しけとなった。
この台風により、関東甲信地方で死者1名、行方不明者2名となり、大雨となった各地で住家損壊、土砂災害、浸水害等が発生した。
​また、農業・林業・水産業被害や鉄道の運休、航空機・フェリーの欠航等による交通障害の発生もあった。

  • 2019年9月7日~9月9日 台風第15号  ​引用元:内閣府
死者1名、負傷者150名
住家全壊219棟、半壊2,126棟、一部損壊39,828棟
床上浸水86棟、床下浸水111棟など

7日から8日にかけて小笠原近海から伊豆諸島付近を北上し、9日3時前に三浦半島付近を通過して東京湾を進み、5時前に強い勢力で千葉市付近に上陸した。
その後、9日朝には茨城県沖に抜け、日本の東海上を北東に進んだ。
台風の接近・通過に伴い、伊豆諸島や関東地方南部を中心に猛烈な風、猛烈な雨となった。
特に、千葉市で最大風速 35.9 メートル、最大瞬間風速 57.5 メートルを観測するなど、多くの地点で観測史上1位の最大風速や最大瞬間風速を観測する記録的な暴風となった。 
停電による最大供給支障戸数、約 934,900戸。
​千葉県の71の病院において停電が発生。

ほんの2年前に関東を襲った第15号規模の台風が、今年は襲来しないという保証はどこにもない。
さらに五輪期間中に大災害が発生した場合のプランが、国民として共有された記憶もない。
もし万が一の事態が生じても、この無能な政権では何もなす術がないであろう。
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五輪・トライアスロン会場の水質は改善したのか

3/5/2021

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Photo by Damir Spanic on Unsplash
2020年の夏に開催される予定だった東京オリンピック・パラリンピックは、COVID-19の蔓延で丸一年延期になった。
しかし開催まで2か月となった2021年5月上旬の時点でも、ウイルスの感染は収まる気配がまったく見られない。

そもそも疫病による延期以前の問題として、東京の真夏の酷暑や、トライアスロンの会場として予定されていたお台場地区の劣悪な水質の件などはどうなったのか?
当ブログでは2018年7月に水質の問題を指摘しておいたが、COVID-19の話題に隠れたせいか、このところ新しい情報を耳にすることがなくなってしまった。
そこでお台場地区の水質を定期的に測定している港区の情報を確認してみることにした。

港区では、お台場海浜公園の水際の三か所で、定期的に水質を調査している。
  • 地点A:お台場学園前水際
  • 地点B:都営台場一丁目アパート1号棟前水際
  • 地点C:区立台場保育園前水際
以下、簡略名として地点A、地点B、地点Cとする。

3年前にブログを書いた直後に発表された、2018年5月15日午前および午後の調査結果では、糞便性大腸菌群数が次のように報告されている。
なお単位は、個/100mLである。
<午前>
地点A:19,000
地点B:16,000
地点C:12,000

<午後>
地点A:5,200
地点B:3,700
地点C:2,700
水浴場水質判定基準の糞便性大腸菌群数は「1,000個/100mL以下」とされている。
この時点では、海水浴場としてはまったく適していなかったことが分かる。

その一年後の2019年6月3日は、いずれの地点においても糞便性大腸菌群数は2~13の範囲に収まっていた。
しかし雨天だった7月9日には、370~520と跳ね上がっている。
この現象も以前のブログで指摘していたことだが、雨が降ると東京中で下水処理場の処理能力を超えた下水、すなわち糞尿が河川に垂れ流しになり、東京湾に流れ込むのである。

そして本来、東京オリンピック・パラリンピックの半年前のはずだった2020年2月19日午前、糞便性大腸菌群数は再び上昇している。
<午前>
地点A:420
地点B:250
地点C:380

<午後>
地点A:64
地点B:65
地点C:50
この調査の3日前の2月16日、東京は雨天であった。
17日と18日は晴天である。
16日の降雨の影響によって、19日に糞便性大腸菌群数が増加したのだとすれば、その間の17日と18日の状況はどうだったのだろうか。
19日も午前から午後にかけて急速に減少していることを考慮すれば、17日や18日の糞便性大腸菌群数は非常に大きな値だったことは容易に想像がつく。

東京オリンピックが開催されている最中であったはずの2020年7月30日、日本テレビの水中撮影班がお台場海域に潜水し、その様子をレポートしている。
この記事によると「前を泳いでいる人がやっと見えるくらいの透明度」だったそうだ。
こんな場所で、生身の人間を泳がせて良い筈がない。
COVID-19対策どころか、従前から指摘されていた問題すら全く解決されていないのが、この東京オリンピック・パラリンピックの実情である。
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Google COVID-19感染予測の検証

10/4/2021

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Photo by Kelly Sikkema on Unsplash
GoogleがCOVID-19の感染者数や死亡者数について都道府県別に予測値を公開しており、ダッシュボードの形式で見ることができるほか、CSVファイルでのダウンロードも可能になっている。
これらの予測値は、実績値を踏まえて定期的に更新されているが、残念ながら予実対比を行っているものは見当たらなかった。
そこで、予実の記録を残してみることにした。
とりわけ爆発的な感染が懸念される東京都と大阪府の感染者数にフォーカスする。

参考:COVID-19感染予測(日本版)

2021年5月1日18:00

4月27日のGoogleの予測値更新分を追加した。
東京は4月6日に計算された予測値のほぼ半分ほどの実績値だが、4月13日以降のモデルでは、ほぼ予測値と実績値が一致している。
5月1日は1,050人に達してしまい、1月23日(1079人)以来の1,000人を超える土曜日となった。
大阪は、4月6日の予測値が大きすぎたが、4月13日と20日の予測値は小さすぎたという結果が見えた。
いずれにせよ東京を超える日が続いており、5月1日の1,262人は過去最多である。
大阪では救急搬送が不可能となっているとの報道が流れている。
いよいよ医療崩壊が始まった。
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2021年4月23日19:00

4月20日、Googleの予測値が更新された。
東京は4月6日に計算された予測値と比べると実績値が若干小さく見えるが、減少する気配は見られない。
4月13日以降のモデルでは、予測値と実績値が不気味なほど付合している。
大阪に関しては、4月6日の予測値が大きすぎ、逆に4月13日の予測値は小さすぎた。
4月20日の予測値は、実績値と大きな乖離はないものの、東京と同様に減少する傾向は見られず、今後は実績値が予測値を超えて推移すると思われる。
25日から各地に3度目の緊急事態宣言が敷かれるが、安心できる余地はまったくない。
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2021年4月17日18:00

4月13日、Googleが予測値を更新した。
一週前のものと比べると、東京の場合はほとんど変わっていないが、大阪については4月14日をピークにして収束へ向かう形に大きく変わっている。
しかし残念ながら大阪の現実は、収束どころか連日1,000人を超える感染者数が報告される事態になっており、4月16日には遂に過去最多の1,208人になってしまった。
恐らく次週には予測値が再度上昇する方向へ変更されるであろう。
東京もゴールデン・ウィークへ向けてさらに拡大していくと思われる。
この状況下で、五輪まで三か月となった。
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2021年4月10日17:00

4月6日に再計算された予測値が公開された。
これらに東京都と大阪府から発表された4月8日~10日分の実績値を対比させてみたのが以下のグラフである。
東京都の場合、すでに実績値が予測値を超えている。
大阪府は予測値より実績値が低い状況ではあるが拮抗しており、今後の感染者数の増加が心配される。
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ヨーロッパにおける極右の動向

21/2/2021

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Photo by Christian Lue on Unsplash
反ファシズム・キャンペーンのために2004年にイギリスで設立された HOPE not hate Ltd が、ヨーロッパにおける極右の動向を調査したレポート "State of Hate: Far-Right Extremism in Europe" を公開した。
ヨーロッパ大陸全体に及ぶ極右の動向を知ることは、日本でのファシズム進行を食い止めるための方策を練るうえでも参考になるであろう。
レポートは豊富なデータと図表から成るものだが、128ページもの分量があるため、このうち "Executive Summary" の部分の翻訳を以下のように試みた。
なお、総ての著作権は HOPE not hate Ltd が所持しており、また誤訳の責任は訳者にあることを申し上げておきたい。
またレポートの原文にもぜひ当たっていただければと思う。

2020年の主な極右事件
  • ドイツでのテロ攻撃​
2月、ドイツのハーナウで極右テロリストによる銃乱射事件が発生し、主に移民のバックグラウンドを持つ人々が訪れる2つのシーシャ・バーへの攻撃で10人の命が奪われた。
2019年10月のハレのシナゴーグとケバブ・ショップに対する攻撃に続く、半年足らずの間のドイツでの2番目の極右殺人テロ攻撃だった。
さらに2020年6月、ドイツ国防相は、エリートとされる陸軍特殊作戦コマンドの下士官の中に極右がいるとの批判が高まる中、その組織の一部に解体を命じた。

  • ポーランド大統領選挙での極右の勝利
7月、極右「法と正義党」の Andrzej Duda が、ポーランド大統領選挙で対立候補の Rafal Trzaskowki を僅差で打ち負かした。
これは醜悪な反LGBTキャンペーンがもたらした結果であり、異論の多い司法改悪と、ゲイの権利や中絶の権利に対する更なる反動を意味する。

  • クライストチャーチ射殺犯とヨーロッパ極右の多方面にわたる関連が明らかに
8月、クライストチャーチの殺人犯 Brenton Tarrant は、92件のテロ、殺人および殺人未遂で有罪となり、仮釈放の可能性がない終身刑を宣告された。
この攻撃を担当する王立委員会が12月に発表したところによると、この殺人犯は2017年以降、国際的な極右グループや人物達に少なくとも16もの寄付を行ったことが判明した。
これには、アイデンティタリアン運動 Generation Identity の多数のヨーロッパ支部への合計2,500ポンドの寄付が含まれる。

  • ギリシャでの「黄金の夜明け」の裁判
10月、5年以上続いた裁判の結果、ギリシャのネオナチ党「黄金の夜明け」の指導者が、犯罪組織を運営した罪で有罪判決を受けた。
「黄金の夜明け」のリーダーである Nikos Michaloliakos と6人の幹部は、犯罪組織を率いたことで有罪判決を受け、 Giorgos Roupakias は殺人罪で有罪となり、また他の15人が共謀で有罪判決を受けた。
ギリシャでの極右暴力の脅威は残っているものの、この裁判はヨーロッパで最も危険なネオナチ組織の1つを破壊したことになる。

  • イタリアの Matteo Salvini の法的な問題
10月、極右のレガ党の元内務大臣 Matteo Salvini は、116人の移民がシチリア島で下船するのを阻止した2019年の事件に関して、誘拐罪で裁判にかけられた。
彼が有罪判決を受けた場合、通常よりも重い誘拐罪で、最大15年の刑に直面する可能性がある。

2020年の主なトレンド 
  • Covid-19蔓延を通じて陰謀論に嵌る人々の数が劇的に増加した。
  •  ヨーロッパ全土で、強力な反エリート、反ロックダウン、反ワクチンの課題に駆り立てられた、陰謀論に基づく多くの抗議グループが街頭に現れるのを目撃した。
  •  陰謀論の拡散に対する責任の一部はデジタル・プラットフォームとソーシャル・メディアにあり、あらゆる種類の虚偽情報が、より速くより攻撃的に拡散するのを助けてきた。 
  • Covid-19に関連する陰謀論は、反ユダヤ主義の策略へ連なる、憂慮すべき新たなルートを与えてしまった。オンライン・スペースは、反ロックダウンや、パンデミックに対する陰謀論を推し進めるために使用され、さまざまな経路を提供した。反ユダヤ主義、ホロコースト否定、ヒトラー賞賛に向けて徐々に悪化する段階が構築され、実際、さまざまな陰謀論を通じて進行している。こうした陰謀論は潜在的な反ユダヤ主義の場合もあるが、必然的にこの段階を踏むことになる。
  • Qアノンの陰謀論がアメリカで始まったのは2017年だが、2020年にはヨーロッパ全体、特にイギリスとドイツで登場し拡大した。党派に関係なくアメリカ中心主義だった理論のルーツを超えて、明らかにヨーロッパでの変化を伴い、幅広く多様なタイプの現象に発展した。今日のヨーロッパでのQアノンは、中核を持たない巨大で多面的な現象であり、陰謀論と政治運動と擬似宗教が同時に混在し、さまざまなサブカルチャーや国の状況に合致するように変化した亜種になっている。

「人種的ナショナリズム」の上昇 
  • 2020年、ヨーロッパ全体で行われたBLMのデモに応じて、ヨーロッパの極右は非常に活気づいた。
  • すでに人種の概念に熱中していた既存の人種的ナショナリストの活動家や組織は、自分たちの既存の政治的基盤をより多くの聴衆に押し付けるために、BLMの抗議を窃用した。
  • 人種的政治を公言することから伝統的に距離を置き、代わりに「文化的ナショナリズム」を促進してきた極右の一部は、BLMの抗議に乗じて、露骨な人種的政治に対して積極的になり、その態度を隠さなくなった。この変化が永続的であるかどうかはまだ分からないが、短中期的には、ヨーロッパの極右の一部で「文化的ナショナリズム」の「人種的ナショナリズム」への転換が観察された。 

脅威を提起し続ける極右テロ 
  • 2020年の極右テロは、2019年の憂慮すべき傾向をほぼ継承した。その結果、多くの逮捕を招いた。一方でテロと暴力を拡散する活発なオンライン・シーンに支えられている。
  • 現在の極右のテロの脅威は、個人を国際的につなぎ、緩く組織化されたグループで構成されている。これらのグループの主な目的は、攻撃をあからさまに計画するのではなく、個人が暴力行為を継続し、ネットワークを構築して、知識を共有するように奨励することである。多くの場合、こうしたグループは過去のグループをモデルにしており、短命である。 
  • 極右活動家はしばしば複数のグループに同時に関与し、グループの1つが解体された場合にも、新たに関わるネットワークを見つけることがある。これは、個々のグループを粉砕してもその影響がほとんど継続しないため、脅威に対抗するのが難しいことを意味している。 
  • 陰謀論の信念によって部分的に動機付けられたテロリズムと、エコファシズムと呼ばれることもある環境保護主義は、比較的新しい傾向であり、これらのテーマに関連する攻撃が発生する可能性は依然として深刻である。 

継続的な国際化
  • 極右政党など従来の極右組織の傾向を調査することは引き続き重要だが、現在の極右は、より広くより根本的な変化を遂げている。つまり、国境を越え、組織にとらわれない脅威の出現である。
  • 極右活動家は主に自分たちの地方や国の問題について熱中する一方、常に全ヨーロッパあるいは世界的な文脈でとらえている。しばしば世界中の極右活動家が短期間集まって特定の問題について協力する。こうした緩いネットワークは、世界中に情報を流通させるシナプスとして機能する。
  •  憎しみと分裂の政治によってもたらされる危険性を理解するためには、もはや自分たちの街路、コミュニティ、さらには自国を見ることですら事足りない。政党、正式な組織、さらには国境を越えた思考が必要である。 

投票に関する主な項目
  • 極右は2020年の間、政治的にさまざまな運命をたどり、政府内部での支持は急激に低下する一方、Covid-19やその他の問題に関する政府の不人気ぶりを悪用している連中は、強い支持を得ている。イタリアでは、ファシスト「イタリアの同胞」への投票が12%で、2018年の総選挙で得た票の2倍になった。スウェーデンでの有権者の関心は「犯罪」が「健康」を上回っており、さらに「移民」が3番目となっている。極右のスウェーデン民主党は、2018年の選挙で獲得した16%と比較して、現在は21%になっている。
  •  しかし、政府内の極右政党は、パンデミックの最中にひどく苦しんでもいる。ポーランドの「法と正義党」は、2019年の総選挙で達成した32%と比較して、現在は18.4%の投票率である。さらに従来の極右よりもポピュリストである「五つ星運動」は、支持率が2018年の28%から現在はたった12%に落ちている。 
  • ほとんどの人々が自国で実施されているロックダウンの措置を支持しており、ドイツでは64%が政府措置を支持し、反対はわずか13%である。 
  • 多くの国が、政治体制の状況と自国の方向性に対する深い不安感に満ちている。フランスでは3分の2の人々が自国の政治体制が壊れていると考えており、イギリスではわずか6%だけが「上手く機能している」と考えているにすぎない。 しかし、他の国々では民主主義の状況に前向きな感情があり、ドイツ人の60%が「上手く機能している」と考えている。 
  • 調査対象の8か国すべてでマイノリティに対する態度は貧弱で、吐き気を催すような国もある。イタリア人の3分の2(67%)がロマに対して否定的な見方をしており、ハンガリー人の60%は移民に対して否定的な見方をしている。イギリス人の間にはマイノリティに対する最も前向きな態度が存在しているが、イスラム教徒に対する前向きな態度は29%で、依然として憂鬱なほど低い。
  • マイノリティに対する態度は貧弱であるが、BLMの抗議がマイノリティ・コミュニティが経験しているレイシズムや差別を浮き彫りにしたと感じる人は増えている。しかしこの感情は、ドイツ(52%)とイギリス(51%)でのみマジョリティによって共有されているにすぎない。ハンガリーではわずか23%だった。 
  • 陰謀論に対する態度は国によって大きく異なり、多くの場合、問題が既存の懸念や偏見を利用しているかどうかに依存している。ハンガリーでは、オルバーン大統領がEUの介入に反対し、また移民がヨーロッパのアイデンティティにもたらす危険性に反対しており、45%が「エリートはヨーロッパを弱体化させるために移民を奨励している」と考えている。イタリアでも、EUが移民問題について手を差し伸べないことに対する政治的な怒りがあり、39%がハンガリーと同様の考えを抱いている。
  • 8か国すべての回答者の大多数は、「Covid-19ワクチンが悪意を持って人々を毒に感染させるために使用される」という考えを否定している。しかし、ポーランド人の22%、ハンガリー人の20%、イタリア人の16%は、これが事実であると信じている。ポーランドでは48%だけが、この主張が「おそらく」または「間違いなく」誤っていると信じているにすぎない。イギリスでは、「Covid-19ワクチンを介して毒に感染する」と考えている人はわずか7%であり、79%が否定している。
  • 「ハリウッドのエリート、政府、メディア、その他の高官が大規模な子供の密輸と搾取にひそかに関与している」というQアノン信者の主要な主張の1つは、はるかに大きく支持されている。ポーランドの回答者の3分の1は、この主張が間違いではなく、あるいはおそらく真実であると信じており、誤りだと考えている人はわずか27%である。ドイツでは、21%がこの主張は正しいと信じているのに対し、48%は間違っていると考えている。 
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深刻だった連邦議会議事堂襲撃の最前線での暴力

30/1/2021

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Photo by Om Malik on Unsplash
1月6日、ドナルド・トランプに扇動された極右のデモ隊が連邦議会議事堂を襲撃した。
この攻防戦の最前線にいた警察官たちが所属する議事堂警察労働組合が1月27日、声明を発表し、報道で一般に知られている状況よりもはるかに暴力的で危険であったことを告発している。

日本では憲法第28条で労働者の団結権、交渉権、団体抗議件(争議権)が認められているが、警察職員、消防職員、海上保安庁職員、自衛隊員、刑務所職員はその例外となっている。
したがって警察官が労働組合を結成することは認められていない。
公益財団法人国際労働財団の報告によると、アメリカ合衆国ではおよそ40の州で警察官労働組合の団体協約が存在し、団体交渉が認められている。
これに対し共和党は、教員やバス運転手など公共事業を担う労働者の権利を弱体化させる立場から、警察官労組を攻撃している。

一方CNNなどが報じているところによると、黒人男性ジョージ・フロイト氏がミネアポリスの警察官に虐殺された件で警察労働組合員が集結し、虐殺に加担した警察官を支援する行動を取った。
警察官による人種差別などの不正行為に対する処罰がなかなか進まないのも、警察官労働組合が非常に強い力をもっているからだと指摘されている
。

こうした背景を考慮すると、警察官労働組合による声明を鵜呑みにすることは極めてナイーブな態度であるという前提をつけておく必要があろう。
しかしそうした前提のもとでも、警察官たちが極右デモ隊から加えられた暴力の深刻さや、彼らの上司たちの無能ぶりについては、一聴しておく意義があると思われる。

話を連邦議会襲撃に戻したい。
襲撃した連中が水牛のコスチュームを纏っていたり、首から勤務先の社員証をぶら下げていたことで身元が判明し即座に解雇になったりなど、あまりにも常軌を逸した姿や行動に目を奪われがちであるが、前述したように現場での暴力は悲惨極まりないものであった。
この実態について1月26日、議事堂警察長官代理であるヨガナンダ・ピットマンが証言に応じており、その内容はNew York Timesのアーカイブで確認できる。

さらに翌27日に発表された議事堂警察労働組合の声明は、ピットマンの証言に新たな情報を追加する形となった。
これらピットマンの証言と警察労働組合の声明から得られる情報の詳細は、Raw Story誌が7つのポイントにまとめているので、以下に訳出してみたい。

1. 議会議事堂警察のトップは攻撃について十分に認識していた

ピットマンは証言で次のように話している。
1月4日までに、警察は1月6日の事態が、2020年に開催されたこれまでの抗議のいずれとも異なることを知っていた。
民兵グループと白人至上主義組織が参加することを私たちは知っていた。
また、これらの参加者の一部が銃やその他の武器を持ち込むつもりであることも知っていた。
​私たちは、暴力の可能性が極めて高く、議会が標的であることを知っていた。
ピットマンは警察が事件に向けた適切な準備を怠り、さらに事前に州兵の助けを求めなかったことを認めたが、なぜこのような失敗が起こったのか、未だに明らかになっていない。
なおピットマンによると、1月6日は1,200人の議会議事堂警察官しか勤務に就いておらず、数万人の抗議の群衆による包囲に対応するには少なすぎたという。
2. しかし警察官たちはこれらの認識を知らされていなかった

「トップ・チーム全員(サンド元議会警察長官、ピトルナン現議会警察長官代理、トーマス副課長)、何が起こるのかを知っていたくせに、私たち警察官に対する発砲も含む暴力の可能性に備えることができなかったと開き直っている。
​こうした態度は、まったく良心的でない」と組合は声明の中で指摘している。
「彼らが暴動の前に当直の警官へこの情報を伝えなかったという事実は許しがたい。」
3.  約140人の警察官が負傷した

「議事堂警察と首都警察の警察官は、約140人が負傷した」と組合は述べている。
なお、これまで怪我の程度は明らかになっていなかった。
4. 何人かの警察官は重態となっている

「攻撃される前にヘルメットを提供されず、脳挫傷を負った警察官がいる。
​ある警察官は、肋骨の2つのひび割れや、椎間板の2か所を破壊された」と労働組合委員長のガス・パパサナシューは述べた。
「1人の警官は失明し、また別の1人は金属製のフェンスの杭で刺された。」

これらの怪我は今まで報告されていなかった。
包囲戦で負傷した翌日に死亡した警察官ブライアン・シックニックの死のみが報告されていただけである。
5. 労働組合は、攻撃の最中の指導者からの通信崩壊を主張している

「ピットマン長官代理は暴動中の問題として無線通信を挙げているが、暴動の前や暴動の最中の本当の通信崩壊は指導部の沈黙だった。
彼らは事前に重要な情報を警官たちと共有することができなかったし、十分な準備もせず、まさにその日の計画に基づいて警察官たちに装備もさせず、リードできなかった。
これは "警察全体" の失敗ではなく、指導部の失敗だった」とパパサナシューは語った。
6. 議会議事堂警察の階級の間で深い不満が充満している

「警察官たちは怒っている。
私は彼らを責めない。
トップ全体が私たちを失敗させたのだ。
彼らは責任を問われなければならない。
彼らの怠慢は命にかかわるのだ。」とパパサナシューは続けた。
​
「私たちの組合は長い間、より多くの訓練、より多くのスタッフ、より良い装備を提唱してきたが、トップによって繰り返し握りつぶされた。
しかし、ピットマン長官代理は現在ようやく、1月6日の議会議事堂の保護の失敗につながったこれらの明白な失敗を非難するようになった。」
7. 一人の警察官が攻撃後に自殺で死亡した

シックニックの死に加えて、別の警察官が攻撃後に自殺したと報告された。
​1月27日、複数の関係筋が、首都警察のジェフリー・スミスも事件の後に自殺したと報告した。

民主的な手続きの破壊に加担したのは誰か。
ドナルド・トランプ、共和党、極右、そして警察トップの連合体であるのは明白だ。
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