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コロナウイルスが世界中に拡散し、音楽業界でも大規模なフェスからライブハウスの演奏に至るまで、様々なイベントが延期や中止を余儀なくされている。
こうした中、正面から影響を受けているロック・ミュージシャン達がどのようなメッセージを発信しているか、彼ら・彼女らのツイートから集めてみた。 (なお私自身は医学的知識を持ち合わせていないので、ここで言及されている対策に対しては、肯定も否定もできる立場でないことを予めお断りしておく。)
またエアロスミスは、自分たちがライブの最中に接触している場面を編集した動画を作成し「こういうのは止めろ」と主張している。
その他、モトリー・クルーやジーン・シモンズも「ソーシャル・ディスタンス」を求めている。
マスクを着用した投稿も多い。
例えば、ジャケットのイメージのメンバー全員にマスクを着用させたガンズ・ン・ローゼズ。 — Guns N' Roses (@gunsnroses) March 9, 2020
リンゴ・スターはビートルズのメンバーの中でマスクを着けている。
デフ・レパードやレイジ・アゲインスト・ザ・マシンは「手を洗え」とのメッセージを出すために、自分たちのヒット曲にかけ合わせたツイートを行っている。
そしてまさかのオジー・オズボーン。
— Ozzy Osbourne (@OzzyOsbourne) March 16, 2020
ポール・スタンレーは、医療関係者への感謝を表明。
パリ公演が中止になったブライアン・メイは「あきらめるな」とのメッセージを出している。
「世界のどこにいても気を付けろ」とツイートしているのは、ホワイトスネイクやスコーピオンズ。
カール・パーマーとポール・マッカートニーは、ベテランらしく「互いに助け合え」と主張している。
そして3月20日にマドンナが公開した動画が極めつけであった。
一切の説明を省いた上で、トランプの優柔不断な発言を時系列に並べ、彼の無能無策ぶりを糾弾する内容になっている。 さすがだ。
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新型コロナウイルスの蔓延で、3月中は殆どのライブが中止や延期に追い込まれてしまった。
私がチケットを持っていた分だけでも、マイケル・シェンカーが中止、ホワイトスネークとグリーン・デイは延期になり、また5月来日予定のアヴリル・ラヴィーンまで延期になっている。 8月開催予定で、3月6日にチケット予約開始だったはずのフジロックも、予約そのものが3月17日に延期された。 おそらく状況を判断するために時間を確保したのであろうと思われる。 ライブ自粛は大型のものだけではない。 例えばビルボード東京は3月11日まで営業停止、ブルーノート東京は3月をバーのみの営業に切り替えている。 危機的状況に追い込まれているのはクラシック業界も同様である。
さらに演劇のほとんども公演中止になってしまった。
鴻上尚史氏の悲鳴。
ライブや公演本番に向けてリハや練習を積み上げてきた関係者たちの無念は如何ばかりであろうか。
さらに照明、ミキサー、フロワなどスタッフたちの明日からの生活はどうなるのか。 彼らの多くは非正規労働者であり、ライブや公演の中止は収入を失うことに直結する。 政府は非正規労働者やフリーランスが休業した場合に10万円を融資するとの特例策を発表しているが、彼らに「10万円借金しろ」というのがまともな政策とは思えない。 ところで、ライブハウスの観客から罹患者が見つかったことから、どうやらライブハウスが槍玉に上げられているようである。 前述したビルボードやブルーノートなどのように、一定期間閉鎖するのは防疫上仕方がないとは言え、関係者には大きな痛みを伴っているのだ。 それを観客まで含めて揶揄するような物言い、とりわけメディアでの発信は許されるものではない。
「40代、50代、60代が全国から集まるコンサート」って、例えば最近では何万人も集まったクイーンとか知らないのだろうか。
いったい誰なのかと思っていたら、案の定この御仁であった。
この人物の頭の中は恐らくこんな感じなのであろう。
悔しいので、状況が落ち着いたら、またライブに行きまくってやる。
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2月17日、ロンドンでジンジャー・ベイカーの追悼ライブが行われた。
クリームとブラインド・フェイスでジンジャーの盟友だったエリック・クラプトンが呼びかけたもので、ロジャー・ウォータース、ロン・ウッド、ケニー・ジョーンズ、スティーヴ・ウィンウッド、ナイル・ロジャース、ウィル・ジョーンズ、そしてジンジャーの息子であるコフィがゲストで参加している。 ゲスト以外のバンドのメンバーもベテランで固めており、手堅い顔ぶれとなった。
なおロジャー・ウォータースはライブ当日にポスターのイメージをツイートしている。
setlist.comによると、セットリストは前半がクリーム、後半は主にブラインド・フェイスのものとなっていた。
1曲目は定番の "Sunshine of Your Love" で、いきなりロジャー・ウォータースがベースで参加。
2曲目もロジャー・ウォータースが残り "Strange Brew" を演奏。
もともとこの曲はスタジオ録音にアレンジが固められているため、ライブ演奏されるのは初めてではないかと思われる。
ここでロン・ウッドとケニー・ジョーンズが登場し "White Room" に突入。
ソロはエリックとロンの掛けあいで、ワウペダルを使ったプレイはロンが引き受けることになった。 余談だが、ワウの効果をリズムギター代わりにしてソロを弾くという斬新的なアイデアは、エリックがこの曲で開発したものだろう。
続く "I Feel Free" と "Tales of Brave Ulysses" ではロジャー、ロン、ケニーの3人が抜け、ナイル・ロジャースが登場。
リードボーカルはポール・キャラックが執り、またナイルが切れのいいカッティングを聴かせてくれる。 さらに "Tales of Brave Ulysses" では、珍しくナイルがソロを弾いている。
イギリスのブルース・ギタリストであるウィル・ジョーンズが参加し "Sweet Wine" を演奏。
"Blue Condition" ではエリックが全面に出て歌とギターを披露した。
そして再びロンが登場して、ジョージ・ハリスンとエリックの共作である "Badge"。
前半のソロはエリックで、後半はロンがスライドを炸裂させた。
続く "Pressed Rat and Warthog" は動画の記録が見当たらなかった。
コフィ・ベイカーが近年の持ち曲としているだけに残念である。 さて、ここからスティーヴ・ウィンウッドが参加して、ブラインド・フェイスのカバーに切り替わる。 "Had to Cry Today" ではスティーヴ・ウィンウッドが歌とギターを担当し、さらにナイル・ロジャースもギターで参加。
スティーヴ・ウィンウッド作の "Presence of the Lord" では、スティーヴがオルガンに廻り、エリックと歌を分担。
この曲はエリックのソロ活動ではすっかりレイドバックしたアレンジになってしまっていたが、ここでは原曲に近い激しいアレンジに戻っている。
"Can't Find My Way Home" では、スティーヴ・ウィンウッドが再びギターに戻り、ボーカルも執った。
さらにスティーヴ・ウィンウッドがオルガンに戻っての "Well All Right"。
"Do What You Like" と "Toad" ではコフィ・ベイカーが参加し、父親を彷彿とさせるソロを披露した。
この間、アンコール直前の楽屋では、ロンが寛いだ姿を自撮りしている。
最後は全員揃ってのアンコール "Crossroads" でフィナーレ。
終演後もロンがエリックと並んで写真を撮り、ツイッターに上げていた。
この翌日の18日、ロン・ウッドとケニー・ジョーンズは揃ってロッド・スチュワートのステージに参加し、またロジャー・ウォータースは22日、アサンジ氏強制送還に反対するデモで演説を行っている。
元気な爺さんたちである。 — Roger Waters (@rogerwaters) February 22, 2020 2020年2月7日、新宿ロフトにて "My Voice, My Liberty" と題するライブが催された。
出演は、オーサカ=モノレールとソウル・フラワー・ユニオンのダブル・ヘッダー。 いずれも常日頃から「物申す」ミュージシャンとして知られている。
またバンド転換の時間でDJを務めたのは野間易通さん。 彼もまた反レイシズム運動のC.R.A.C.で知られている人物である。 さて、オーサカ=モノレールは、キレッキレのファンク。
中盤では The Impressions の "Choice of Colors" をカバー。
この曲は「生まれ変わるとしたらどんな色の肌に生まれたいか」と問う歌詞で、中田さんは「選択権なんか無いねん。どんな肌の色、どこの国、どんな親、どんな兄弟に生まれるか、選択権は無いねん。」と、この曲をカバーする意義をMCでぶちかました。
そしてソウル・フラワー・ユニオンは、リクル・マイさんと共に、オリジナリティ溢れるロックを炸裂。
中川さんのTシャツには "This Machine Kills Fascists" の文字。 リクル・マイさんは "Anger Is An Energy" のプラカードを掲げていた。
当然と言えば当然なのだが、対ヘイト・スピーチのカウンターや様々なデモなどでお見かけする多くの面々が観客として詰めかけていた。
さながら反ファシズムの集会である。 このまま近くの柏木公園を出発地にしてデモのひとつもできそうな勢いだ。 デモなら、たぶん3梯団くらいは可能な人数であろう。 また、日本共産党の議員の方々もたくさん来ておられた。 共産党の皆さんも普通にお洒落でロックな出立ちだったのだが、ハイライトは何と言ってもこちら。
日本共産党の小池晃・中央委員会書記局長が鋲打ちの黒レザー!
さすがにこれは驚くわ。
ご本人も堪能されたようで、何よりである。
2019年11月13日、南町田グランベリーパークがオープンした。 2017年2月に閉店したグランベリーモールの跡地に、隣接した鶴間公園を合わせる形で建設された施設である。 全店舗数は234に及び、またスヌーピーミュージアムなど目玉となる設備も作られている。 町田市と東急電鉄の共同運営の「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」によって進められてきたため、私企業の商業施設に税金を投入することはどうなのかと考えてもいたが、完成してみれば地元住民としても中々便利であった。 話題のショップの紹介などは公式サイトや出店ウォッチのような記事に任せることにし、ここでは地元住民として有難いと感じたポイントに焦点を当ててみたい。 1. タリーズコーヒー いきなりのタリーズだが、実はこの地域で、改札を出たところに喫茶店があるのは画期的なことなのだ。 田園都市線の駅は始発の中央林間から、つきみ野、南町田グランベリーパーク、すずかけ台、つくし野、長津田と続くが、これまで駅前の喫茶店といえば中央林間のサンマルクカフェと長津田駅構内のヴィ・ド・フランスくらいであった。 ちなみに隣のつきみ野とすずかけ台の駅前はこんな具合である。 はっきり言うと、駅前で打ち合わせ一つできないような沿線なのである。 「鳥取県に初めてスタバができた」みたいなニュースは他人事ではない。 2. QBハウス 私のようなおっさんにとって、QBハウスもまた必須の生活インフラだ。 以前は小田急線の中央林間駅に直結した店舗があったのだが、残念ながら2019年に閉店したため、近隣では長津田駅構内の店舗だけになってしまっていた。 あとは都心から帰宅する途中に溝の口で下車して、駅構内の店舗に寄るくらいしか手立てがなかったのである。 たいへん失礼ながら、グランベリーパーク店はQBハウスとは思えないお洒落な外観や内装で、驚かされる。 3. グランベリーパーク郵便局 郵便局についてもこの地域は壊滅的と言っていいだろう。 なにしろ横浜市分になる長津田、田奈、青葉台まで行かないと駅前に郵便局がない。 町田市の南部にももちろん郵便局がないわけではないのだが、車を必要とする距離に点在しているのが実情だった。 銀行に関しても、三菱UFJ、みずほ、横浜、セブン各行のATMが設置されたので、たいへん便利になった。 4. 東急ストア スーパーとしては特に大きな特長があるわけでもないが、駅前で23時まで営業しているので、帰宅時にちょっとした買い物ができるようになった。 とりわけ夕刻以降になると惣菜や弁当などが破格の値段になるので、ちょくちょく利用させていただいている。 109シネマはグランベリーモール時代の建物を壊さず、内装を変えただけで再利用している唯一の設備である。 映画館については町田市全体が不毛の地で、JR町田駅周辺も含め、ここ以外には存在しない。 もう何十年も前だが、JR町田駅近くにエロ映画館が一軒、小田急町田駅前にVシネマ系の小さなスクリーンが一軒あったものの、これらもとっくの昔に潰れてしまった。 2019年のヒット作「ボヘミアン・ラプソディ」を見るにも、わざわざ電車を乗り継いで横浜市都筑区のセンター北まで行かざるを得なかったのである。 あとは二子玉川や南大沢、新百合ヶ丘まで行くしかない。 なお、つきみ野にもイオンシネマがあるにはあるが、駅から遠いので車がないとどうにもならないし、車ではビールを飲むわけにもいかない。 しかしグランベリーパークなら、23:30くらいに映画が終わってもサクっと歩いて帰ることができる。 なにより地元の数少ない文化的インフラである。 6. 銀座山野楽器 改札を出て右手の「セントラルコート」の二階にまさかの山野楽器。 グランベリーパークの新しいテナントの中では、これが一番びっくりした。 楽器店もまた町田は不毛の地であり、JR町田駅前にあった石橋楽器も数年前に撤退してしまっている。 ギター弦やピックを買うにもわざわざ渋谷まで出なければならなかったのだ。 地元でアーニーボールのベース弦が買える日が来るとは夢にも思わなかった。 7. リブロ 大型書店は青葉台にブックファーストがあり、また中央林間や長津田にも駅直結で小型の書店がある。 グランベリーパーク内のリブロは特に際立った特徴があるわけではないように見えるが、たいへん重要なことに気が付いた。 あの実に不愉快な嫌韓・嫌中本、ヘイト本がまったく無いのである。 しかも1月27日のアウシュビッツ解放記念日に合わせた特別コーナーまで設置されていたのには驚いた。 神保町の大型書店でもなかなか目にできない企画である。 海外からのお客様が多い商業施設の中の店舗であるし、また近隣に東京工業大学の大学院があるため、様々な国の留学生たちが居住している地域でもあるので当然の配慮ともいえるが、多くの書店の悲惨な棚の状況を考えると、高い見識を持った店員の方がいらっしゃるのだろうと思われる。 「韓国はxx」「中国がxx」のような表紙を見るのもおぞましいヘイト本を平積みにしているつくし野駅前の●教堂は、リブロの爪の垢を煎じて飲んでほしい。 地元住民にしてみれば、毎日毎週のようにCOACHで買い物をしたりスヌーピーミュージアムに行ったりするわけでもない。
そうした中で、地元住民の日々の生活に欠かせないインフラとなる店舗が揃ったことは有難いことだ。 近年移り住んで来た方々には信じてもらえないだろうが、隣のすずかけ台駅の駅前に郵便ポストが初めて設置されたことすら、当時のこの地域では驚嘆すべき出来事だったのである。 Photo by Christopher Burns on Unsplash 2019年12月、AI研究者による差別を廻る事件が注目を浴びた。 まずその概要について、ハフィントン・ポスト紙の記事を引用しておきたい。 東京大学大学院情報学環・学際情報学府で特任准教授を務める大澤昇平さんが12月1日、Twitterで「当職による行き過ぎた言動が、皆様方にご迷惑、不快感を与えた点について、深く陳謝します」と謝罪した。 彼が東京大学で担当していた「情報経済AIソリューション寄付講座」は、その名称通り寄付で運営されていたが、このツイートのような差別は許されるはずもなく、寄付元のすべての企業が寄付を停止する結果となった。 さらに彼がCEOを務めるDaisy社の提携先であるSteamr社(スイス)も、直ちに提携解消を発表している。 この一件は、産学共同のあり方、理系学部・学科における歴史や倫理などの教養科目の重要性、労働関連法などの企業コンプライアンスといった様々な問題を提起するものであるが、ここでは「AIと差別」に焦点を当てて考えてみたい。 AIと差別については2016年3月、マイクロソフトのAI「Tay」がヘイトを「学習」してしまい、ナチス賛美や反ユダヤなどの発言を始めたため、リリース後わずか16時間で停止に追い込まれた事件が知られている。 この事件によって、AIと倫理に関する問題が広く認識されるようになった。 とりわけヨーロッパにおいては、欧州委員会で「信頼できるAIのための倫理ガイドライン」が検討され、2019年4月8日に「7つの要件」が制定・発表された。 1. 人間の活動と監視 特にその要件の一つが、多様性・非差別・公平性に関するものとなっていることに注目したい。 多様性、差別の禁止、公平性:不公平なバイアスは避けなければならない。 欧州委員会の「信頼できるAIのための倫理ガイドライン」の検討には、多くの企業や機関、学術関係者、市民団体などが協力した。 その中の一つが、2016年にAIのプロジェクトで失敗を経験したマイクロソフトである。 マイクロソフトは2019年4月9日、「AIに関するEUでの諸問題」担当のシニア・ディレクターである Cornelia Kutterer氏の名前で、次のような声明を発表した。 特定のシナリオに対するガイドラインのストレス・テストや日々の運用に関する視点を持って、今年欧州委員会がラウンチ予定のパイロット・フェーズに参加することを、私たちは楽しみにしています。 さらにマイクロソフトは「Microsoft の AI の基本原則」を制定し、「公平性:AI システムはすべての人を公平に扱う必要があります」と明言している。 また「信頼できるAIのための倫理ガイドライン」発表に先立つ2019年1月17日、企業向けAI「ワトソン」で知られるIBMも、AI倫理グローバル・リーダーの Francesca Rossi氏による次のようなコメントを発表している。 私たちはEUの「信頼できるAIのための倫理ガイドライン」を策定するための取り組みを大きく支持しており、現在完成に近づいています。 欧州委員会の発表に続けて2019年5月22日、経済協力開発機構(OECD)加盟の42か国が「AIの開発・利用に関するガイドライン」を採択した。 ガイドラインは人権と民主的価値を尊重する内容となっており、「人権・多様性・公平性」を含む5原則が制定されている。 AIは、包摂的成長と持続可能な発展、暮らし良さを促進することで、人々と地球環境に利益をもたらすものでなければならない。 さらに2019年6月10日、英国政府がガイダンス「AIの倫理と安全性の理解」を発表した。 こちらでも「AIプロジェクトが確認すべき4つの目標」が明示され、差別禁止がはっきりと謳われている。 公平と差別の禁止 - 個人や社会的グループに対する差別的な影響の可能性を考慮し、モデルの結果に影響を与える可能性のあるバイアスを緩和し、設計と実装のライフサイクルを通じて公平性の問題を認識する。 このように、AIプロジェクトでの公平性確保や差別排除は、既に国際的な規範になっているのである。 日本の企業や大学においても、AIの研究者や開発者は、公平性や差別について、いくら配慮しても配慮し過ぎることはない。 またAIプロジェクトを進めるにあたっては、要件定義から設計、製造、運用と保守に至るすべてのシステム開発フェーズにおいて、公平性確保や差別排除が確認されるべきである。 とりわけ2016年のマイクロソフトの事件のように、開発者が明確な差別の意図を持っていない場合ですら、運用段階でAIが「差別主義者」になってしまう危険性が十分にあり得るのだ。 だからこそ、AIによる出力結果に対して絶え間のない内容確認を行うと共に、修正の必要があれば人間による介入も求められることを自覚しておきたい。 最後に、IT最大手の一社であるインテルの「人権原則」における「多様性と反差別」の項目を確認しておく。 人種、肌の色、宗教、宗教的信条、性別、国籍、祖先、年齢、身体的または精神的障碍、健康状態、遺伝情報、軍役および退役の状況、婚姻状況、妊娠、性別、性別表現、性同一性、性的指向、または地域の法律・規制・条例によって保護されているその他の特性に基づく差別は行いません。 追記 (21:30 15/01/2020)
東京大学は当該教職員の懲戒解雇を発表した。 大澤昇平特任准教授に対する懲戒処分について Regarding Disciplinary Dismissal of Project Associate Professor Shohei Osawa
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しばらく前に1970年のロックの状況について整理したが、今回は一気に10年すっ飛ばして1980年のことを思い出しながら書いてみたい。
1980年はポール・マッカートニーの初来日で幕を開けるはずだったのに、いきなり成田で逮捕され強制送還されるという事態になってしまった。 さらに秋にはジョン・ボーナムが過剰な飲酒で死亡、年末はジョン・レノンが射殺されるという、ロック・ファンにとって悪夢のような年であった。 脱退劇も相次ぎ、キッスからはピーター・クリスが辞め、ローリング・ストーンズではビル・ワイマンが脱退の意志表明をしている。 その一方でポリスやブロンディなどがヒット曲を飛ばしており、80年代ロックの胎動を予感させるものとなっていた。 また日本ではこの年、山口百恵が引退し、替わって松田聖子、柏原よしえ、田原俊彦、近藤真彦らのアイドルが次々とデビューしていった。 1980年という区切りはあくまでも便宜的なものに過ぎないが、時代の風景は確実に移り変わっていたのである。(以上、敬称略)
1/7 レッド・ツェッペリン「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」プラチナ
1/11 ボブ・ディラン、第二期ゴスペル・ツアー開始 1/18 キャプリコーン・レーベル破産 1/16 ポール・マッカートニー、大麻所持の容疑で成田空港内で逮捕 1/25 ポール・マッカートニー、日本から強制退去 1/26 エジプトとイスラエルが国交樹立 2/7 ピンク・フロイド、全米でウォール・ツアー開始 2/9 トム・ペティ&ハートブレイカーズ「破壊」全米二位 2/18 ビル・ワイマン、ローリング・ストーンズから脱退の意志表明 2/19 ボン・スコット死去 2/23 クイーン「愛という名の欲望」全米一位四週 2/29 韓国で金大中氏が公民権を回復 3/22 ピンク・フロイド「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール」全米一位 3/23 U2、アイランドと契約 3/29 ブライアン・ジョンソン、AC/DCとして初ライブ 4/1 松田聖子「裸足の季節」でデビュー 4/5 ジェネシス「デューク」英一位 4/19 ブロンディ「コール・ミー」全米一位 4/23 アメリカ軍がイラン人質救出作戦に失敗 4/29 ブラック・サバス、ロニー・ジェイムス・ディオとのツアー開始 5/18 韓国で光州虐殺 5/18 ピーター・クリス、キッスから脱退 5/24 日本のモスクワオリンピック不参加が決定 5/31 「マッカートニーII」英一位 6/13 ポール・マッカートニー「カミング・アップ」全米一位 6/14 ビリー・ジョエル「グラス・ハウス」全米一位、ピーター・ガブリエル「III」英一位 6/17 レッド・ツェッペリン、最後となるツアー開始 6/21 田原俊彦「哀愁でいと」でデビュー 6/28 ロキシー・ミュージック「フレッシュ・アンド・ブラッド」英一位 7/5 ローリング・ストーンズ「エモーショナル・レスキュー」英一位二週 7/7 レッド・ツェッペリン、西ベルリンで最後のライブ 7/12 オリビア・ニュートン・ジョン&ELO「ザナドゥ」英一位二週 7/19 モスクワオリンピック開幕、日本やアメリカなど67ヶ国のIOC加盟国がボイコット 7/19 クイーン「ザ・ゲーム」英一位二週、ビリー・ジョエル「ロックンロールが最高さ」全米一位二週 8/1 デフ・レパード、初の米国公演 8/2 「ディーペスト・パープル」全米一位 8/9 AC/DC「バック・イン・ブラック」英一位 8/15 ジョン・レノン「ダブル・ファンタジー」のレコーディング開始 8/19 新宿西口バス放火事件 9/6 ジャム「スタート!」英一位 9/13 ジャクソン・ブラウン「ホールド・アウト」全米一位 9/17 ポーランドで独立自主管理労働組合「連帯」結成 9/20 ケイト・ブッシュ「魔物語」英一位 9/22 イラン・イラク戦争勃発 9/25 ジョン・ボーナム死去 9/27 デヴィッド・ボウイ「スケアリー・モンスターズ」英一位二週、ポリス「高校教師」英一位四週 10/4 クイーン「地獄へ道連れ」全米一位 10/5 山口百恵の引退コンサート 10/8 ボブ・マーレー、ステージで転倒、これが最後のステージに 10/11 ポリス「ゼニヤッタ・モンダッタ」英一位四週 10/17 ジョン・レノン「スターティング・オーヴァー」リリース、ブルース・スプリングスティーン「ザ・リバー」リリース 10/21 巨人の長嶋茂雄監督、退任 11/4 巨人の王貞治選手、現役引退 11/4 米大統領選でロナルド・レーガンが現職のジミー・カーターを破り当選 11/16 ブロンディ「夢見るNo.1」英一位二週 11/17 ジョン&ヨーコ「ダブル・ファンタジー」リリース 11/21 スティーリー・ダン「ガウチョ」リリース 11/22 アバ「スーパー・トゥルーパー」英一位九週 12/2 ジョン&ヨーコ、ダコタ・ビルで最後のフォト・セッション 12/4 レッド・ツェッペリン解散発表 12/6 スティーヴィー・ワンダー「ホッター・ザン・ジュライ」全米三位 12/8 ジョン・レノン銃殺事件 12/12 近藤真彦「スニーカーぶる〜す」でデビュー 12/20 ジョン・レノン「スターティング・オーヴァー」英一位 12/27 ジョン&ヨーコ「ダブル・ファンタジー」全米一位七週
音楽以外に目を向けると、世界中で戦後の冷戦体制が断末魔の叫びをあげ始めた年であった。
例えば全斗煥・軍事政権による光州虐殺、西側諸国によるモスクワ五輪ボイコット、ポーランド自主労組「連帯」結成などが起こっている。 更に10年の時間をかけて、韓国の本格的な民主化やソ連崩壊を、私たちは目撃することになった。 一方、日本はバブル景気で国を挙げて浮かれた結果、10年後にはバブル崩壊後で回復不可能な痛手を負う羽目になるのである。 2017年、2018年とライブ観戦の総括を毎年書いてきたが、2019年も片っ端からライブを観に行くことになってしまったので記録しておきたい。 2019年のライブを通して感じたのは、いわゆる一部の「昔の名前で出ています」系のバンドの劣化が激しく、観るに堪えない状態だったことである。 詳細は後述するが、はっきり言ってしまうとイエスとグラハム・ボネットが酷かった。 逆にトト、ブライアン・フェリー、カルメン・マキ&OZなどは、演奏のクオリティが非常に高く、素晴らしいライブであった。 一方、エリック・クラプトンやキッスは、もはや伝統芸能とも言うべきパフォーマンスを見せてくれた。 キッスはこれが最後の来日と謳っていたが、同じようにもう観ることができないバンドが今後増えると思われる。 もう残された時間は少ないので、機会があればできる限り見ておきたいものだ。 スラッシュ ft. マイルス・ケネディ & ザ・コンスピレイターズ 新木場STUDIO COAST 1/17(木) 2017年のガンズ・アンド・ローゼズ以来、ちょうど2年ぶりのスラッシュの来日。 まずオープニング・アクトのデンマークのバンド H.E.R.O.からなかなか良いのだが、開場時間から遅れて到着したので、オール・スタンディングの後ろのほうになってしまい全然見えなくて辛い。 ところがいったんトイレに出たら、ステージ真横に通じている入り口を発見し、ここから潜り込んだところ、打って変わってスラッシュのかぶりつきのポジションを確保できた。 当たり前だが落ち着いて観るには、整理券の順番で入場できる時間に行かなければならない。 年初から反省。 PUFFY×土岐麻子 ビルボード東京 1/19(土) 「松本隆作詞の昭和歌謡」縛りという企画のため、数あるオリジナル曲はたった一曲しか歌わなかった。 YMOの「君に胸キュン」から始まって、森進一の「冬のリヴィエラ」やら「ハイスクールララバイ」やら、このためだけに振り付けの練習をしたのはたいへんだっただろう。 松本隆氏の仕事の幅広さにも改めて圧倒された。 ウルリッヒ・ロート 中野サンプラザ 1/21(月) 2016年のLOUD PARKから3年ぶり、単独のライブとしては2015年以来。 19時から22時まで3時間近くにわたり、たっぷり演奏してくれた。 「22時まで」というサンプラの規則がなければ、いくらでも続けるくらいの勢いである。 LOUD PARKではスコーピオンズのステージにウルリッヒが飛び入りしたが、今回はルドルフ・シェンカーらがゲストとして現れた。 ライブは二部構成で、前半は Electric Sun の曲が中心。 若干の休憩をはさんで、後半はアコースティック・ソロで始まり、スコーピオンズの "Virgin Killer" や "Pictured Eye" なども披露した。 トト 武道館 2/20(水) 結成40周年記念のライブ。 "Africa" や "Hold The Line" など数々のヒット・ナンバーに加え、マイケル・ジャクソンの "Human Nature" なども演奏。 さらにスティーヴ・ルカサー自ら「憧れでありライバルだった」とMCで語るジョージ・ハリスンに、 "While My Guitar Gently Weeps" が捧げられた。 イエス 東京ドームシティホール 2/23(土) 3日連続の東京公演はコンセプトやセットリストが毎日異なるとのことで、2月22日(金)は「危機」完全再現、23日(土)はベスト・セレクション、24日(日)は「サード・アルバム」全曲再現という触れ込みだったため、複数回観に行かれた方も多かったのではないだろうか。 私が行った23日では、スティーヴ・ハウの指が追い付かず、リズムを外しまくり。 特に8分音符の8連のモタりが酷い。 さらに数曲のみだがドラムを叩いたアラン・ホワイトもヨレヨレだった。 ビリー・シャーウッドが何とか全体を引っ張っていたが、バンドとしてはそろそろ限界であろう。 ブライアン・フェリー Bunkamuraオーチャードホール 3/13(水) "Love Is The Drug" や "More Than This" など、ロキシー・ミュージックの楽曲が半分以上を占めた。 ギターのクリス・スペディングをはじめ、ヴァイオリンやサックスの女性メンバーのパフォーマンスも完璧で、プロフェッショナルなステージであった。 2019年のライブのうち、ベストのひとつ。 DOWNLOAD JAPAN 2019 幕張メッセ 3/21(木) ヘッドライナーのオジー・オズボーン出演が健康問題でキャンセルとなり、一時はどうなることかと思ったが、なんとジューダス・プリーストが代打で登場。 2018年のジューダス・プリーストのチケットは抽選で外れて観られなかったので、これはこれで大歓迎である。 その他、アンスラックス、アーチ・エネミー、ゴースト、スレイヤーなど、爆音の各ジャンルを取りそろえた充実したフェスであった。 ステージ終了後にロブ・ハルフォードが号泣しており、それを見た中高年のメタル・ファンも泣いていた。 リンゴ・スター 東京ドームシティ 4/5(金) リンゴも3年ぶりの来日。 今回はスティーブ・ルカサーやコリン・ヘイ、ヘイミッシュ・スチュワートらを迎え、トト、サンタナ、メン・アット・ワーク、AWBなどの曲もたっぷり演奏し、リンゴはマイク・スタンドよりもドラム・スツールに座る割合が高くなった。 スティーヴ・ルカサーはトトでの来日から二か月も経っていない。 なおトッド・ラングレンとリチャード・ペイジがいなくなったため、どうにもバンドとして切れが悪くなった。 楽器だけでなく、明らかに歌も弱くなっており、誠に残念。 エリック・クラプトン 武道館 4/13(土) さらにエリックも3年ぶりの来日である。 今回は全キャリアを通じたメガヒットを揃えた中に、定番のブルース・ナンバーを散りばめた珠玉のセットリストとなった。 ブルースだけで埋め尽くした前回とは大きく異なり、ベストな選曲だったのではないか。 またアンコールでは、同時に来日中のジョン・メイヤーが参加するというサプライズもあった。 ジョージ・クリントン ビルボード東京 4/29(月) ビルボードとしては2年ぶり、2018年のサマーソニックからは一年も経っていない。 狭いステージに総勢18人も並んで、しかもバンド側から「写真撮ってSNSで拡散しろ」との指示が出たため、ビルボードらしからぬハチャメチャな状態になった。 (通常、ビルボードでは撮影禁止です。) 最後は総裁自ら客席におりて、さらに大混乱。 トッド・ラングレン すみだトリフォニーホール 5/22(水) 2015年のフジロックで来日したものの、この時は全曲打ち込みのカラオケ大会だったので、フルバンドでの演奏は2013年以来である。 ギターのトラブルがあったものの、二部構成で往年の曲をたっぷり演奏。 やっぱりトッドのライブはバンド・サウンドあってのものである。 Suomi Feast 2019 赤羽ReNy alpha 5/25(土) 2017年から行われているフィンランドのメタル・バンドを集めたフェスで、2019年は5月24日(金)から26日(日)の3日間にわたって開催された。 LAメタルのようにメロディを全面に出すビースト・イン・ブラックに加え、デス、スラッシュ、ドゥームなどメタルのサブジャンルのショーケースのようであった。 なおプロモーターの Evoken de Valhall Production が5月31日に事業休止を発表し、これが最後の企画となってしまった。 アルカトラス TSUTAYA O-EAST 5/31(金) グラハム・ボネット・バンドがアルカトラスに改名し来日。 この日の内容は「DOWN TO EARTH 完全再現」とのことであったが、残念ながらグラハムは音程を外しまくり、結局最後まで音程が合うことなくやり通した。 若干フラットしている程度ではなく、キーがAの曲なのにD#で歌って不協和音になっているような状態である。 コーラスが付く時だけは音程が合っていたので、もしかしたらカラオケのようにガイドが必要なのかも知れない。 イエスと並んで2019年のダメダメ・ライブのひとつ。 サイモン・フィリップス Protocol 横浜 Motion Blue 6/9(日) サイモンのソロ・プロジェクト Protocol 結成30周年のライブ。 ドラムの他、ギター、サックス、キーボード、ベースの編成である。 サイモンのドラムはツーバスにスネアが複数、タムは10発以上で、期待した通りの手数の多さだった。 ギターは26才とのことで、結成時には生まれていなかったはずだが、アラン・ホールズワースを彷彿させる速弾きを炸裂させていた。 すべての楽器で、超絶テクを楽しませてくれた。 キャラバン クラブチッタ 7/20(土) 結成50周年記念の来日で、第一部と第二部に分けての演奏だった。 第一部は "In the Land of Grey and Pink" から長編の "Nine Feet Underground" を披露したが、演奏時間は1時間にも満たなかった。 演奏はしっかりしているものの、パイ・ヘイスティングスのボーカルの音程が安定せず、やはり中高年になってからのプログレはきついのであろうと感じるものがあった。 バナナラマ マイナビBLITZ赤坂 8/15(木) シヴォーンはいないものの、実に27年ぶりの来日。 8月10日のサマーソニック出演に先駆けた単独公演で、80年代のメガヒット曲を炸裂させた。 懸念されていたカラオケやクチパクではなくフルバンドで歌ったが、コーラスや振り付けは超テキトー。 しかも短い曲ばかりなので、15曲演奏しても70分くらいで終了してしまった。 まあ、こんなものだろう。 サマーソニック マリン・スタジアム & 幕張メッセ 8/16(金) - 17(土) 例年は二日間だが、2020年はオリンピックにより開催がないため、2019年度は特別に3日間となった。 このうち16日と17日の2日間に参加。 16日はマリン・スタジアムでストラッツ、屋内でパスコード、マイケル・モンローの流れ。 パスコードは何の予備知識もなく流れで観ただけだったので、何かのアイドルグループかと舐めてたら、いきなりのデスボイスでたまげた。 デスメタル・アイドル・ユニットとでも言えばいいのか、いろいろ考えるものである。 この日のマイケル・モンローは10回くらい客席に飛び込んできて、大サービスであった。 翌17日は、ゼブラヘッド、マシンガン・ケリー、ダムド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズで、爆音大会。 ゼブラヘッドは、ギターが何故かヴァン・ヘイレン・モデル。 ステージでビール一気飲みしたうえ、「チンコチイサイ」とか意味不明な日本語を連発し、客にタオル振り回させたり中指立てさせたうえ、サークルピットを煽るなど傍若無人ぶりを発揮。 さらに〆はホイットニー・ヒューストンのクチパクで、あまりにもくだらな過ぎて正しいバカだった。 レッド・ホット・チリ・ペッパーズは、言うまでもなく超ヤバい。 メンバー全員の上半身裸は、グランド・ファンク・レイルロードから引き継がれるアメリカン・ロックの正義である。 タル・ウィルケンフェルド ビルボード東京 8/28(水) 元々2018年にも来日が予定されていたが、本人が交通事故に遭ってキャンセルになってしまい、容態が心配されていた。 まずは無事に来日が実現し、何よりである。 バンドはギター、ドラム、キーボードを引き連れての4人編成。 一曲目にプレベでジャズ・ロックを展開した後は、スライドギターによるブルース、五弦ベースの弾き語り。 さらにプレべに戻ってのコード弾き、サイケなハードロックに加え、自らアコギを弾いて歌う曲も3曲披露。 良く言えばバリエーションの広さがあったが、ライブとしては散漫でもあったのは否めない。 リサ・ローブ ビルボード東京 9/4(水) 5年ぶりの来日。 若い日本人男性のマルチ・プレイヤーがギター、ウクレレ、キーボードなどでサポートしたほかは、すべて本人のギター弾き語りだった。 MCの報告で、通常のライブ会場だけでなく政治集会やLGBTQパレードでも歌ってきたことを伝えていた。 こういう人が日本で存在し得るだろうか。 エグジット・ノース ビルボード東京 9/27(金) 元ジャパンのスティーヴ・ジャンセンによるユニットの、世界に先駆けた初のライブ。 2018年にリリースされたアルバムを中心に、スティーヴのソロアルバムやレイン・ツリー・クローからの楽曲も演奏された。 ライブではゲストのダブルベースに、日本人4人のストリングスも加えた大所帯のバンドである。 ステージの背景には曲とリンクした映像作品も流し、実兄デヴィッド・シルヴィアンにも通じるアンビエントな世界を展開した。 ナイト・レンジャー 昭和女子大学人見記念講堂 10/7(月) 14回目にもなる来日。 東京では10月7日と8日分が完売となり、前倒しで5日に追加公演が行われた。 前半がファースト "Dawn Patrol"、後半がセカンド "Midnight Madness" の全曲再現となった。 まず一曲目の "Don't Tell Me You Love Me" でいきなりヒートアップし、最後は三々七拍子で終了。 シンディ・ローパー Bunkamuraオーチャードホール 10/11(金) 4年ぶりの来日。 多くのメガヒット曲を炸裂させ、さらに新曲 "Hope" などが披露された。 客席に2回も飛び込んで歌う大サービスも見せてくれた。 ストラングラーズ 渋谷WWW 11/3(日) 実に27年ぶりの来日。 初来日を観に行ったのは1979年の後楽園ホールだったので、個人的にも40年ぶりの再会である。 スタッフは全員ハチマキを締めていたが、なぜかプリントされている日本語は「溝鼠」だった。 カルメン・マキ&OZ クラブチッタ 11/23(土) 2018年に続き、2019年も45周年記念として全国ツアーをやってくれた。 チケットの争奪戦が激しく、立ち見しか取れなかったが、観ることができただけでもよい。 ドラムの武田治さんが70才になっており、カルメン・マキの「古希のメンバーもいるし、緩々やろうと思っても、そんな曲無いんだよ」とのMC。 最高である。 「崩壊の前日」、「六月の詩」 から始まり、「私は風」 まで惜しみなく演奏してくれた。 ジェネレーション・アックス 豊洲PIT 11/29(金) トーシン・アバシ、ヌーノ・ベッテンコート、ザック・ワイルド、スティーヴ・ヴァイ、イングヴェイ・マルムスティーンが集まってのスーパー・ギタリストのユニット。 一曲目は全員でフォーカスの "Hocus Pocus" で開幕した。 続けて各ギタリストが30分ずつのソロを取り、3時間を超えるライブになった。 ザックは3回も客席に飛び込んで "Purple Haze"、"War Pigs"、"Still Got The Blues" などの名曲のカバーを披露した。 ポール・ギルバート 新宿ReNY 12/3(火) 2017年の Mr. Big 以来の来日。 Mr. Big の時とは異なってスライド・バーを使いまくり、さらにMCで「今日俺のギターがリード・シンガーだ」と言うようにすべてインストで押し通した。 また数々の有名なカバー曲も、歌メロをギターで弾いて披露。 カンサスの "Carry On Wayward Son"、ヴァン・ヘイレンの "Runnin' With the Devil" など、さすがツボを押さえている。 レインボウのカバー "Still I'm Sad" の途中では、ドラムのバス・ペダルが壊れてもまったく動じず、ペダルが治るまでアドリブで場繋ぎするプロ根性を見せてくれた。 なお一曲ずつのキーがC#とかBmなどと解説していたのは、観客にギターを弾く人が多いことを考えての配慮なのだろう。 キッス 東京ドーム 12/11(水) 2015年以来4年ぶりの来日で、おそらくこれが最後と思われる。 ジーン・シモンズは70才、ポール・スタンレーも67才だが、相変わらず巨大な衣装や靴を装着し、ステージのトップや会場内の空中を飛び回った。 演奏時間も2時間半に達するもので、驚くべき体力である。 NHKのインタビューでジーンが「75才になってこんなことは無理だ」と語っていたが、その通りだろう。 なおアンコールでは、なんとYoshikiが参加し、彼のピアノで "Beth"、ドラムで "Rock'N Roll All Night" を演奏するサプライズがあった。 岸谷香 ビルボード東京 12/28(土) 3年連続でライブ三昧の〆は岸谷香さん。 MCが楽しく、また来年も頑張ろうという元気を貰うことができる。 席の予約が難しくなってしまうので余り宣伝したくないのだが、心からお薦めできるライブである。 2020年もクイーン、グリーン・デイ、マイケル・シェンカー、ホワイトスネーク、ドリーム・シアター、ボブ・ディランなど、既に前半からビッグ・ネームの来日が目白押しとなっている。
夏にはオリンピックにもかかわらずフジロックが開催され、さらにサマーソニックに替わるスーパーソニックの開催も決まった。 一年後には再びライブのレポートができるように、とにかく足を運んでおきたいと思う。 2020年、安倍政権を終わらせるために、みんなで新宿を埋め尽くしましょう。 日時:1月12日(日)13時集合 13時半出発 場所:新宿中央公園水の広場 参加梯団:
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いつの間にか21世紀も20年あまりが経過し、2020年になろうとしている。
ロック史上でエポックメイキングとなった1970年からちょうど半世紀である。 この年、不仲が伝えられていたビートルズからとうとうポール・マッカートニーが脱退し、遂にビートルズは解散してしまった。 そして年末近くになるとジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリンが27才という若さで相次いで亡くなっている。 1960年代の終焉ともいうべき象徴的な出来事だ。 しかし解散したビートルズからはポール、ジョン、ジョージがソロ・アルバムを発表しており、またブラック・サバス、レッド・ツェッペリン、ピンク・フロイドらがアルバムをヒットさせている。 70年代ロック黄金期の始まりである。 世界情勢に目を向けると、アメリカによる北ベトナム爆撃再開やカンボジア介入で、インドシナ戦争が出口の見えない泥沼と化していた。 東欧では「プラハの春」が踏みにじられ事実上の終焉を迎えた一方、南米のチリで史上初の選挙によるアジェンデ社会主義政権が誕生している。 (なおアジェンデ社会主義政権は、CIAと結託した軍部ファシストの軍事攻撃を受け、1973年に崩壊してしまった。) 日本では、よど号ハイジャックや三島由紀夫割腹など衝撃的な事件があったものの、前年の東大・安田講堂陥落から学生運動が急速に収束し、大阪万博で浮かれる能天気な世相が蔓延し始めた。 その一方で沖縄では嘉手納がアメリカの軍事戦略拠点として固定化され、また米兵による女性轢殺が発火点となって、抑圧された沖縄の怒りがコザ暴動として炸裂した。 沖縄を日本とアメリカが踏みつける構図は、50年を経た現在もまったく変わっていない。
1/4 ビアフラ戦争が終結
1/28 バンド・オブ・ジプシーズ解散 2/2 エリック・クラプトンがデラニー&ボニーの全米ツアーに参加 2/7 ショッキング・ブルー「ヴィーナス」全米一位 2/14 スライ&ファミリー・ストーン「サンキュー/エブリボディ・イズ・ア・スター」全米一位二週 2/28 S&G「明日に架ける橋」全米一位六週 3/1 アメリカ軍、嘉手納基地を新たな輸送戦略基地に決定 3/14 大阪万博開幕 3/18 カンボジアのクーデターでロン・ノル将軍が実権掌握 3/31 よど号ハイジャック事件 4/1 マサチューセッツ州がベトナム戦争離脱を表明 4/1 映画「ウッドストック」公開 4/4 ジャニス・ジョプリンがニュー・ビッグ・ブラザース&ザ・ホールディング・カンパニーでライブ 4/10 ポール・マッカートニーがビートルズ脱退、ビートルズ解散 4/11 ビートルズ「レット・イット・ビー」全米一位 4/22 ベトナムのアメリカ軍15万人削減発表 4/30 アメリカ軍のカンボジア侵攻に対して全米で抗議デモ 5/1 アメリカ軍が北爆再開 5/4 ケント州立大学反戦デモで州兵が発砲し死者4人 5/9 ゲス・フー「アメリカン・ウーマン」全米一位三週 5/16 CSN&Y 「デジャ・ヴ」全米一位 5/23 「マッカートニー」全米一位三週 5/24 フリートウッド・マックからピーター・グリーン脱退 6/7 ニューヨークでロック・オペラ「トミー」開幕 6/14 デレク&ザ・ドミノスがロンドンで初のライブ 6/26 チェコスロバキア共産党、アレクサンドル・ドプチェク前第一書記など改革派幹部を除名し、プラハの春事実上終焉 7/11 スリー・ドッグ・ナイト「ママ・トールド・ミー」全米一位二週 7/18 ピンク・フロイドがハイド・パークで「原子心母」演奏 7/24 カーペンターズ「遥かなる影」全米一位四週 7/26 ジミ・ヘンドリックス、故郷シアトルでの最後のライブ 8/6 広島原爆投下の日にジャニス・ジョプリンやポール・サイモンらがニューヨークで反戦ロック・フェス 8/8 「ブラッド、スウェット&ティアーズ3」全米一位二週 8/23 ヴェルヴェット・アンダー・グラウンドからルー・リード脱退 9/6 ジミ・ヘンドリックス、西ドイツで生前最後のライブ 9/13 大阪万博閉幕、延べ入場者数約6421万人 9/18 ジミ・ヘンドリックス死亡 10/4 ジャニス・ジョプリン死亡 10/8 アレクサンドル・ソルジェニーツィン、ノーベル文学賞受賞 10/10 ブラック・サバス「パラノイド」全英一位二週 10/24 チリ大統領選で人民連合のサルバドール・アジェンデが当選し社会主義政権誕生 10/24 ピンク・フロイド「原子心母」全英一位 10/26 モハメッド・アリが再度世界チャンピオンに 10/31 レッド・ツェッペリン「III」全米一位四週 11/3 サルバドール・アジェンデがチリ大統領に就任 11/12 ジム・モリスン最後となるドアーズのライブ 11/21 ジミ・ヘンドリックス「ヴードゥー・チャイル」全英一位 11/25 三島由紀夫、市ヶ谷の自衛隊駐屯地にて割腹自決 12/11 ジョン・レノン「ジョンの魂」リリース 12/20 コザ暴動 12/26 ジョージ・ハリスン「マイ・スウィート・ロード」全米一位
あの1970年から50年後の2020年、私たち日本人はオリンピックだのカジノだのと浮かれていられる状況にあるのだろうか。
50年前の音楽を聴きながら、この閉塞した社会にどうしたら風穴を開けることができるのか、考えてみたいものだ。 |