Photo by Brooke Cagle on Unsplash 先日のビートルズ「ホワイト・アルバム」を追いかけるように、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの「エレクトリック・レディランド」50周年記念盤が届いた。 既に11月20日に宅配で到着していたのだが、これは開封の儀を執り行うべき神聖な代物なので、この週末まで取っておくことにしておいたのである。 ところで報道で聞くところによると、我が国が誇る100田センセーの信者たちは、例のコピペ本を購入するや否や神棚に供えているらしい。 傍から見たら似たような光景かもしれないが、こちらはもっと崇高なものである。 まあいい。こんなところで張り合っても仕方がない。 ともあれ開封の儀である。 まず全景だが、記念盤全体はLPサイズにデザインされている。 そして音源はCD 3枚とBlu-rayで構成されている。 CD 1枚目が「エレクトリック・レディランド」本体のリミックス盤で、2枚目はデモ音源やアウトテイク集になっている。 3枚目はなぜか「ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル」。 また記念盤自体が写真集と解説書になっており、なかなか読み応えのある内容になっている。 「エレクトリック・レディランド」のオリジナル版のジャケットは女性のヌード写真で知られているが、解説によるとジミ本人はこのジャケットを激しく毛嫌いしていたとのこと。 ジミが不快な表情を全開にして噛みついている写真が収められている。 今回の記念盤のジャケット写真は、ニューヨークのセントラル・パークでリンダ・イーストマン(言うまでもなく、後のリンダ・マッカートニー)が撮影したものが使用されている。 ジミはこちらを望んでいたそうなので、今回の記念盤で本来の形になったのだろう。 なおこの写真は、ジミの権利関係を管理するエクスペリエンス・ヘンドリックスが設立されてから再発された、1997年のリマスター盤のライナーにも収められていた。 ところで肝心の音であるが、ドラムの音が片方のチャンネルにひと塊になったままなど、さすがにリマスターでも音源の古さをカバーしきれていないところが気になってしまった。 ビートルズのように、徹底的にトラックをバラすことができるようなマスターになっていなかったのだろう。 こればかりはどうにもならない。
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Photo by Paul Stollery on Unsplash
ポール・マッカートニーの来日ツアーが無事終了した。 最新アルバム "Egypt Station" からの曲のみならず、ビートルズやウイングス時代のヒット曲も惜しみなく大量に演奏し、あらゆる年齢層のファンを楽しませてくれた。 バンドのメンバーである、Rusty Anderson、Brian Ray、Paul Wickens、Abe Laboriel Jr. の顔ぶれも、前回の来日から変わっていない。 ところで、究極のエンターテイメントを見せてくれた彼らのツイッター・アカウントを覗いてみると、実は音楽に関する書き込みはほとんど無く、逆に政治的発言にあふれていることに驚かされる。 ここでは、今回の来日前後のタイミングでの彼らのツイートをいくつか紹介してみたい。
Rusty Anderson(ギター)
アメリカ人である彼は、来日中の期間ですら、母国のファンに中間選挙での投票を呼びかけていた。
日本公演の初日前日となった10月30日には、カリフォルニア州で自身が支持する民主党候補への投票を促していた。
そして、選挙後もトランプ界隈を徹底的に批判し続けている。
Brian Ray(ギター)
Brianもアメリカ人だが、音楽活動に関するツイートは全くと言っていいほどない。 Rustyと比べると、自身によるツイートは少なくRTが多めであるが、それもトランプ政権批判のものばかりだ。 例えば、トランプ就任後にヘイト・クライムが増加したことを伝えるAFPの報道をRTしている。
Paul Wickens(キーボード)
バンドの中では唯一のイギリス人。 来日を挟んだ期間はツイート数が減っているが、11月14日にはジンバブエの密漁対策チームに対しイギリスの入国許可が出なかったことを批判する記事をRTしている。
Abe Laboriel Jr.(ドラム)
アメリカ人である彼もまた、徹底的にトランプをdisりまくっている。
ステージでの演奏からは伺い知れないことであるが、ポール・マッカートニーのバンド・メンバー全員が極めて政治的、しかもリベラルであることを隠そうともしない人たちであった。
日本で時折見かける「ポールの音楽の話に政治を持ち込むな」みたいな発言は、彼らにしてみれば幼稚で、あり得ないものなのだ。
Photo by Samuel Dixon on Unsplash
2017年の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に続き、「ホワイト・アルバム」の50周年記念となるデラックス・エディションがリリースされた。 リリース初日に早速入手したので、開封の儀を記録しておく。 セット本体はLPサイズより若干小さいものだが、164ページの分厚い写真集と解説集になっており、ずっしりとくる超重量級。
カバーには、かつてのアナログのオリジナル盤のようにシリアル・ナンバーが振られている。 そして音源は、新たにリミックスされたCD 2枚に加え、長らく「イーシャー・デモ」として知られているものが1枚。さらにアルバム制作中の別テイクがCD 3枚にわたって収録されている。またBlu-rayには5.1chの音源やモノラルも収められている。 日本盤には50ページ近いライナーが付いており、一曲ずつが詳細に解説されている。 また、メンバー4人のA4サイズのポートレートと、巨大なポスターも付属している。このポスターは "Glass Onion" のPVでも使用されているもの。 まずリミックスされたCD 2枚を聴いてみたところ、当たり前ではあるがそれぞれの楽器の輪郭や定位が、完璧と言っていいほどに改善されている。 さらに、既にYouTubeで公開されている "While My Guitar Gently Weeps" のアコースティック・バージョンなど、「イーシャー・デモ」や別テイク集にも貴重な音源が満載。 「サージェント・ペパーズ」と共に、こちらも必携である。 Photo by Jacob Miller on Unsplash
セキュリティ・インシデントが発生した場合には、様々なログの解析が必要となる。 例えば標的型攻撃の被害を受けた場合、マルウェアを含むメールを開封してしまったPCのログに加え、FireWallやIDS/IPSといったゲートのログ、サーバのOSやDBMSのログなどが多面的に解析される。 しかし複数かつ大量のログを収集し、それらの相関を解析することになるため、もはや人手では困難であり、そのためのテクノロジーを導入せざるを得ない。 それが昨今、SIEM (Security Information and Event Management)と呼ばれる、ログの一元管理のソリューションである。 何はともあれインシデントに備えるには、ある程度の期間にわたってログを保管していなければ話にならない。 そういうわけで、こんな個人のちっぽけなブログであってもサーバを管理運営する以上、最低限数か月分のアクセス・ログを保管することにしている。 なお、このサイトにはWAFも導入しているので、HTMLを書き換えられるような攻撃はまず起こらないだろう。(第一、そこまでするようなサイトでもない。) そんなことよりもっと簡単なのは、コメント欄に嫌がらせの書き込みを残すことである。 この週末、ちょっと時間ができたので、久しぶりにログを追いかけてみたところ、ヘイトまとめサイトへ誘導を促す書き込みが残っていた。 「コレお前の?」とのコメントで、「めら速」の「放射脳」なる記事のURLが書かれていたのである。子供かよ。しょうもない。 そして、さらに同一人物から複数の書き込みを確認したので、この際だから晒すことにした。
しかしエスカレートしてきた場合には、プロバイダ責任制限法に基づき該当ユーザの情報について開示請求をかけることは可能である。 またこの人物に呼応する形で書き込みを残している連中も、So-net や K-Opticomから来ていることが判明している。 個人のブログとはいえ、誰もが目にすることができる形で情報や考えを発信している以上、批判や批評を受けるのは当然であり、またコメントとして是非残していただきたいところだ。 しかしヘイトまとめサイトを引用するような、しょうもないことは全く別の次元の話である。 Photo by Arnaud Jaegers on Unsplash アメリカの国民的な女性歌手であるテイラー・スウィフトが、中間選挙に関する見解を自身のインスタグラムで公表した。 アメリカのみならず、日本の多くの有権者の方々にも読んでほしい内容なので、ここで翻訳し紹介したい。 私は11月6日の次期中間選挙について、この投稿を書いています。 日本のセレブリティで、ここまで腹を括れる人がいるだろうか。
Photo by Eva Blue on Unsplash
9月21日、カナダのモントリオールで、世界各国の女性外相を招いた会合が開催された。 しかし本邦から参加したのは河野太郎であり、しかも記念撮影では唯一の男性として、何とど真ん中で写りこむという恥ずかしい姿を晒してしまったのである。
On Friday, Japan’s Foreign Minister Taro Kono was the only man in group photo on the first day of the Montreal meeting.
無能な安倍政権が、日本は女性の地位向上でも完全に後進国であることを、またも自ら世界中に知らしめてしまった。 いい加減にこんな国辱政治は終わらせなければいけない。
写真は朝日新聞のYouTubeチャネルの動画からキャプチャー
9月14日、日本記者クラブの主催で、自民党総裁選の候補である安倍晋三と石破茂の公開討論が、二時間にわたって行われた。 討論の最中から、安倍晋三の支離滅裂な発言や不誠実な態度を指摘する声がネット上で流れてきたので、実際にどのような討論が成されたのか、確認してみることにした。 討論の動画は、朝日新聞、東京新聞、FNNなどのYouTubeチャネルで観ることができる。 今回は朝日新聞による動画から引用したため、以下の時刻表示は朝日の動画のものとご理解いただきたい。 なお討論は二部形式で構成されており、第一部は「候補者二人による討論」、そして第二部は「記者クラブの企画委員からの質問への回答」となっている。 まず第一部では、候補者がテーマを自由に選んで相手に質問し、相手が回答したあと再質問あるいは反論するという形式となっていた。 最初に口火を切ったのは、現職の総裁である安倍である。 安倍「地方政策のどこに問題があったのか。」
自分で問題点に関する質問をしておきながら、「問題点を指摘することも大切だが、具体的な政策を進めることも大切」とは、いったいどういう了見なのであろう。
出だしから不誠実さが全開である。 次に石破から民主主義のあり方について質問が成された。ここで驚くべき発言が飛び出す。24分経過したあたり。 石破「民主主義のありかたについて訊きたい。民主主義が有効に働くにはどうすればいいのか。きちんと情報を提供することと、少数意見を尊重することだ。」
トリクルダウンだと一度も言ったことはない?!
ではここで2013年12月19日、日本アカデメイアでの安倍晋三のスピーチを振り返ってみよう。 大企業の業績回復の果実が、国内の中小・小規模企業、そして、その従業員の皆さんに、行き渡らないようであれば、アベノミクスは失敗であると、私は考えています。
確かに「トリクルダウン」という言葉は使っていない。
しかしこれは「パンは食べたが米は食べてないから朝ごはんは食べていない」という「ごはん論法」の典型例である。 この後、自衛隊に関する討議に続き、石破から社会保障に関する質問が出される。34分前後の発言。 石破「社会保障のあり方について訊きたい。医療保険ができた時からまったく違う状況になっている。高齢者の方々が誇りをもって暮せ、保育は福祉だという原点に立ち返る必要がある。」
65才になっても、70才を超えても、いくつになっても働けと。
社会保障の議論になっていないばかりか、めちゃくちゃな主張だ。 そして社会保障の話題から、格差是正や働き方に関する議論に流れるが、ここでもまた恐るべき発言が飛び出す。 安倍「格差が今広がっているのか、そうではないのか。」
企業は収益が上がっているのに労働分配率が下がっているという事実に対し開き直るばかりか、最低賃金がわずか26円だけ上がったことを自慢しだす始末である。
第一部の〆は、最近頻発している災害に対する対策の話題だった。 石破「災害列島に対する対策を教えてほしい。平時からの態勢が必要である。」
防災省が必要だと主張する石破に対して、「首相である私が指示を出す」と言い張る安倍晋三。しかも行政機関でも何でもないコンビニ。呆れたものだ。
今年7月5日の豪雨で、西日本を中心に11万人もの人々が避難する夜、「赤坂自民亭」と称して飲み会を強行していたのは、いったいどこの誰なのか。 それだけではない。2014年2月16日の豪雪で、山梨県全域がアクセス不能になっている真っ最中、首相が赤坂で呑気に天ぷらを食べていたのも記憶から消えてはいない。 広島の土砂崩れでも、熊本での地震でも、この人物がいったい何を指揮したというのか。
後半一時間の第二部は、記者クラブの企画委員による代表質問である。
第一部では二人の候補者へ均等に時間が配分されたが、第二部は現役の総裁である安倍が集中砲火を浴びることになった。 委員「内閣不支持の最大の理由が、総理大臣を信頼できないとなっている。なぜこうなっているのか。何をすべきなのか。」
この後もぐだぐだの言い訳が続く。持ち時間がオーバーして、司会から注意されても無視してしゃべり続ける。
国会答弁でもよく見る姿だ。 委員「国会に嘘をついた。総理大臣の職を辞しても当たり前だと思う。そういったことが頭をかすめたことはないのか。」
さらに、ぐだぐだぐだぐだ。
委員からの「そんなことは訊いていない」との声も遮って、ぐだぐだぐだぐだ。 委員「膿を出しきったのか。」
既に第二部になってから20分が経過している。
YesかNoかで応えるべき質問から、なぜ逃げ回るのか。 質問から逃げているだけではない。 2017年2月17日の衆議院予算委員会での森友学園に関する自分自身の発言「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」からも、ひたすら逃げ回っているのである。 続く経済政策についても、委員の「経済政策でもマイナス面を振り返って進めるべきだ」との声に対し、またもぐだぐだぐだぐだ。 司会から「簡潔にお願いします。」と叱られてしまう。 アベノミクスの後始末についても、こんなザマだ。 委員「アベノミクスを続けてきた結果、日銀の国債保有量がこれほどの大きさになった。世界の中央銀行でも例がない。このリスクの高い不正常な状態をそのまま次の政権に引き渡すのか。道筋をつけて引き渡すのか。」
災害対策であれほど自分が指揮を執ることを譲らなかったのに、国債政策になったとたん、日銀の黒田に放り投げる態度。
いったい何を言っているのだろうか。 そして1時間38分あたりで、話題が拉致問題に変わり、ここでも驚くべき発言が出る。 委員「拉致問題が解決できるのは安倍政権だけだと言っていたのに、いったいどうなっているのか。」
散々拉致問題を政局に絡めておきながら、「拉致問題が解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことはございません」とは、よくも言えたものだ。
しかも被害者家族への責任転嫁とも取られかねない、配慮のない言葉まで続いている。 なお2012年12月28日に、家族会・救う会が首相官邸で安倍晋三に面会した際には、このような発言を残しているのである。 安倍総理は、「拉致問題の解決は私の使命」などと述べた。
またしても、「ごはん論法」炸裂だ。
討論の動画を丸二時間観ていたら、気分が悪くなってしまった。
「ごはん論法」によるごまかし、論点をずらして討論からの逃亡。 国会中継で日常的に見ることができる姿だが、メディアはニュース用に編集した情報として流すため、その実態がなかなか有権者の目に触れることはない。 そして政治部の記者たちによる会見も、通常はなれ合いで酷いものである。 今回の記者会見のように、全メディアは政権に鋭く突っ込んで、その結果答弁がぐだぐだに崩れていくありのままの姿をきちんと報じてほしいものだ。 Photo by Ricardo Gomez Angel on Unsplash この8月、正に自民党総裁選が始まるタイミングで、安倍晋三が暴力団への支払いをケチって火炎瓶を投げ込まれたとの過去の事件が蒸し返され、SNSを賑わせた。 ツイッターでは、「#ケチって火炎瓶」「#安倍とヤクザと火炎瓶」などのタグが連日トレンド入りしている始末である。 この事件は、1999年の下関市長選を巡るトラブルで、安倍晋三の事務所が暴力団関係者から5回に渡り火炎瓶による襲撃を受けたと言われるものである(うち一箇所は勘違いによる無関係の結婚式場だった)。 翌2000年には、福岡地裁小倉支部で事件関係者に対する判決が下っているが、判決は裁判所のサイトFで全文公開されている。 判決の文中に出てくる被告人Aとは指定暴力団組長,BはAと親交を結ぶ者で、さらに衆議院議員Gは火炎瓶を投げ込まれた当事者である。 なお1999年当時、山口県下関市選出の衆議院議員は安倍晋三のみであるため、衆議院議員Gは安倍晋三しかありえない。 さて、まず判決文の6ページ目に注目してみたい。 ア 被告人BがG議員に対し,怨恨を持つに至った経緯 暴力団による支払要求の根拠が何であれ、安倍晋三の地元秘書が300万円を支払ったことは、事実として判決で認定されているのだ。 そして42ページに犯行の動機が記載されている。 第1の各犯行は,下関市長選に関してG議員側に協力したことで金銭を要求したがG議員側からその要求を拒絶されたことから,G議員側に対して恨みを持った被告人Bが,怨恨を晴らすとともに暴力団組織の力を借り,暴力に訴えるなどしてG議員側から多額の金銭を得ようと企て,親交のあった被告人Aに依頼し, 同被告人が,被告人Bからの報酬を得ようと目論み,配下のC,F及びEに命じて敢行されたものであり,金銭を得るためには火炎びんを投げ付けたり,放火することをも厭わない身勝手な動機に基づくものであり,その理不尽な動機に酌量の余地は全くない。 暴力団に「下関市長選に関してG議員側に協力したことで金銭を要求」されることとは、いったい何なのか?
現在、全国の全ての都道府県で暴力団排除条例が施行されており、反社会勢力と何等かの関係を持つ者への利益供与は厳しく禁じられている。 民間では、売買取引やアルバイトまで、あらゆる契約行為において反社会勢力との関係がチェックされ、徹底的に排除されているのは言うまでもない。 ましてやどんな理由であれ、事務所から暴力団関係者に300万円もの金銭を支払った者が、国会議員や首相の座に留まっていていいはずがない。 どうせ本人は釈明すらしないだろうから、メディアによる追及が望まれるところである。 Photo by Jared Rice on Unsplash 2018年の国会最終日で内閣不信任案を提出した野党を代表して、枝野幸男議員が不信任の趣旨説明を3時間近くにも渡って繰り広げた。 この大演説が文字起しされ、「枝野幸男、魂の3時間大演説」と題された書物として出版されたことが話題となっている。 現在のメディア情勢では、この内容が報道記事になることは殆どないだろう。 しかしこの書籍によれば、枝野氏は簡単なレジュメだけを元に、極めて論理的かつ端的に「安倍政権が不信任に足る7つの理由」を展開している。 こうした知性こそ、国会での議論としてふさわしいものと言えよう。 一方、今回の国会での与党側の答弁は、余りにも不誠実で、国会や国民を愚弄するものであった。 さらに残念なことに、その見苦しい姿も報道では切り取られ加工されてしまい、実態が国民の目に触れることは殆どない。 しかしながら国会の模様はYouTubeなど動画で記録されているため、検索など多少の手間をかければ、生の様子を振り返ることはできる。 例えば、5月28日の衆議院予算委員会の集中審議のもようがYouTubeでアーカイブされていた。(その後削除。) この日の予算委員会では、加計疑惑に関する集中答弁が行われていた。 無会派の江田憲司議員は、「加計孝太郎から首相・安倍晋三への、飲食やゴルフなどの供与」疑惑を追及している。 これに対する安倍晋三の答弁を、まず見ていただきたい。 なお下記の文字書き起こしは、ツイッターのアカウント @buu34 氏によるものを引用させていただいた。 あのー、まるで犯罪者扱いされていることは、極めて、極めてこれは、えー、失礼な話ではないかと思いますよ、これ、自白しろとかですね、それは犯罪者扱いではないんでしょうか。つまり、対価性の認識と言うことをおっしゃった、わけでございますが、まさにずーっと、いわば、たとえば大蔵省の人はですね、えー、MOF担から御馳走されるわけでありますから、直接付き合ってる相手から、御馳走されれば、当然これは、対価性の認識っていうのは、起こるんだろうと、こう思うわけでございますが、ないんです、ずーっと御馳走してもらい続けていたんだろうと。え、こう思いますよ、で、一方、私の場合は、こちら側もですね、相当、あ、あ、あの、いわば、何回も、こちら側も、ですね、御馳走していることも、ある、わけで、あります。これ、40年間、中でもやってみなければいけないような話でありますが、しかし、ゴルフ等においてはですね、これ、たか、あの、割と、高価な、これ、あの、お、えー、費用がかかります、から、それはこちら側で、こちら側で全てもっている、と言うこと、でございます。え、焼肉、焼肉屋等で、エーの場合はですね、これもう、こちらが払ってる場合もありますし、それ、それがですね、私はその、いわば、えー、贈収賄に、なるとは、とても、考えられない、わけで、ございまして。その、えー、こちら側もですね、十分費用を出している、ところで、ございますし、またですね、先ほど申し上げましたように、秘書官、等の支払いについては、ま、あの、えー、大体、大体の場合は、こちら側が行っている、それと、たとえばですね、向こう側が開いている、この、桜を見る会、沢山ですね、この、この相当の人数、4~50人か100人か分かりませんが、そういう所に来て、いわば花を添えてもらいたいと言う事が果たして、これ向こう側に御馳走してもらう事になるのかどうかと言う、実際にですね、その食事の費用は払ったとしても、私はまさに、その後も、ま、家でもう一回食べるってことも、な、な、え、結果として、みんなと、皆さんに、お話をしなければならないわけでありますから、と言うこと、で、えーございまして、今の、えー、江田委員の推論には、私は、納得できないと言うことでございます。 何を言っているのか、さっぱりわからない。もはや不誠実などというレベルを通り越してしまっている。
幼稚な人物が口先だけでいい加減な言葉を適当に繋ぎ合わせて垂れ流しているだけなのであろう。 それでもこの酷い答弁から、何とか趣旨を抜き出してやると、「加計に奢ることもある」「ゴルフや焼き肉は40年間奢り奢られの関係なので贈収賄にはあたらない」と言いたいようだ。 それ自体、まったくもって許しがたい主張である。 加えて、その高々10秒程度で答えられる内容を、無駄な言葉で延々と引き伸ばすのは、発声者が決定的に知性を欠いているからだと考えざるを得ない。 冒頭で紹介した枝野氏の演説とは比べるまでもなく、まさに月とすっぽんである。 しかし、こんな幼稚な人物に5年もの期間、首相の座に座らせているのは、実像を伝えないメディアの責任であり、また見ようとしない有権者の責任でもある。 ぜひ先ほどの動画だけでもご覧いただき、この面々が首相や内閣にふさわしいか、よく考えていただきたい。 Photo by Jeremy Bishop on Unsplash 2017年10月4日、東京都と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、水泳とトライアスロンの五輪会場として予定されているお台場海浜公園(以下「お台場」)の水質調査結果を公表した。 この調査によると、ふん便性大腸菌群数は最大7,200個/100ミリリットルで、国際水泳連盟が定める基準値「1,000個/100ミリリットル以下」の7倍以上となっている。 トライアスロンの観点でも、大腸菌数が最大5,300個/100ミリリットルも検出されており、こちらは国際トライアスロン連合の基準値「250個/100ミリリットル以下」の20倍以上の値だ。 また都の発表の2か月前の2017年8月、港区による「お台場海浜公園を "泳げるお台場" にするための実証実験」について、TBSラジオが報じている。 お台場海浜公園はもともと、大腸菌の数や水の透明度などが、環境省の「海水浴の基準」を満たしていない日があり水質が不安定…。そのため東京都は、原則として海に入ることを禁止していて、顔を海水につけることも、泳ぐことも出来ません。 海水に顔をつけてもいけない遊泳禁止のお台場で、トライアスロン競技! 呆れるしかないが、こうした問題に対して当の競技団体はどのように考えているのだろうか。 日本トライアスロン連合は、2013年の時点で「東京港お台場水質(Q&A)」というプレスリリースを出している。 一般遊泳には適さなくとも、競技としての水泳は限定的な時間内であり、また、競技として訓練された選手たちの大会であり、対応できるものであると回答し実施されたことがあります。 「一般遊泳には適さなくても、訓練された選手たちなら対応できる」?? 何を言っているのか、さっぱりわからない。 この団体は選手たちの健康や安全を守るつもりがあるのだろうか。 さて、この地域の水質については、2014年に国土交通省が開催したシンポジウム「東京湾の水環境に関する研究」で、東大・水環境制御研究センター教授の古米弘明氏がたいへん判り安い発表を行っている。 この時の講演「台場周辺海域における雨天時越流水の流出特性と水質に及ぼす影響」から引用してみたい。 雨が降ると大腸菌だとか、ふん便性大腸菌という、お腹由来の微生物の濃度が、あっという間に上がってしまうということです。 港湾では干満がありますので、沖合の海水が満ちてくると濃度が下がったりしますけれども、やはり干潮になるとさらに上がるというように、越流が発生すればどこかから必ず到達してきます。 すなわち、下水道システムから雨が降ったときに越流した下水が出てきて、お台場下海浜公園に到達するということになるわけです。 古米教授が指摘する「雨のときの越流の発生」とは、大雨で下水処理場の処理能力が破綻してしまい、下水が河川に垂れ流しになってしまうことである。 実際、当事者のひとつである板橋区は、下水垂れ流しについて、Webサイトの記事「下水処理場は万能ではありません」で、次のように認めている。 平常時は下水処理が順調に機能しているのですが、大雨になると下水がそのまま川に流入する越流水が問題化しています。区部の汚水と雨水が同じ下水管に入る合流式下水道では、雨量が増えて下水管を流れる水量が一定量を越えると、川に放流する構造になっており、これを越流と言っています。東京湾でし尿由来の大腸菌が検出されたり、海浜公園などに一般家庭や飲食店で使用されている動植物油脂等からなる廃油ボールが漂着したりするなどは、越流水による都市問題とされています。 テレビ朝日の報道によると、今年2018年7月になって、東京都がお台場の水質改善の実証実験を開始したという。
しかし五輪本番までわずか2年しかない。 いまさら実証実験を行っているような状況で、果たして間に合うのか。 しかも要因はお台場に限られたものではなく、都内全域にまたがり、非常に複雑なものなのだ。 |