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2021年は、多くの名盤が生み出された1971年からちょうど50年目に当たる。
既に4月には「ジョンの魂」の50周年記念盤がリリースされており、さらにジョージ・ハリスンの「オール・シングス・マスト・パス」が続くことになった。 「ジョンの魂」は超重量級であったが、「オール・シングス・マスト・パス」もディスク6枚で構成されており、価格も20,000万円弱というなかなかのものである。 (なおアナログ盤は35,000円を超えている。) まず、こちらが開封前のパッケージ。
2011年にリリースされた40周年記念盤と比較してみる。
圧倒的にでかい。
ボックス裏面には、各ディスクの収録曲が掲載されている。
CD 1枚目と2枚目は、オリジナルの音源をリマスターしたもの。 なおCD 2枚目には10~14曲目にジャム音源(いわゆる Apple Jam)が追加されており、40周年記念盤では入れ替わっていた曲順がオリジナル通りに戻っている。 CD 3~5枚目は、アウトテイクやデモ音源集。 ディスク 6枚目はBlu-rayになっており、HDステレオ、5.1サラウンド、ドルビー・アトモスのオーディオが収録されている。
各ディスクは、ジャケット写真に登場する小人たちをフィーチャーしたデザイン。
なお、CD 2枚目に収録されている "All Things Must Pass" の他、CD 4枚目の "Cosmic Empire"、5枚目の "Isn't It A Pity (Take 27)" と "Run Of The Mill (Take 36)" は、動画として公開されている。
さらに50ページにわたる写真集と、ポスターも付属している。
内容物は公式トレーラーとして紹介されているので、ぜひこちらもご覧いただきたい。
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1973年7月29日にニューヨークのマディソン・スクェア・ガーデンで全米ツアーを終了したレッド・ツェッペリンは、映画「永遠の詩」の作業の後、"Physical Graffiti" のレコーディングを開始した。
一時、ジョン・ポール・ジョーンズが脱退をほのめかすなどの揉め事があったものの、レコーディングは翌年1974年まで続き、また1974年はツアーのない初めての年となった。 1974年にはアトランティック・レーベルとの契約が切れたため、独自の「スワン・ソング」レーベルを立ち上げるなど、ツアーに出ないものの、充実した音楽活動が行われていた。 1975年に入ると、オランダとベルギーでの2回のライブの後、大規模な全米ツアーを開始した。 5月にロンドンへ戻ったレッド・ツェッペリンは、アールズ・コートで5日に渡るライブを繰り広げ、その音源は2009年に正式なDVDでリリースされている。 しかし、秋、ギリシャのロードス島でロバートが交通事故を起こして両脚を折る事態となり、この年後半のワールド・ツアーは中止を余儀なくされた。 1975年のブート音源の特徴は、いわゆる「サウンドボード」ものが多いところにあり、その結果、非常に高品質な音を聞くことができる。 また When the Levee Breaks が時たま演奏されたり、"Physical Graffiti" から選曲されているのも興味深い。 なお、以下のライブ会場やセットリストなどの情報は、引き続き ledzeppelin.com を参照させていただいている。 併せて1969年から1972年まで、および1979年の音源は、下記を参照いただきたい。
1975年1月11日、レッド・ツェッペリンは1年半ぶりのツアーをオランダ、ロッテルダムから開始した。
残念ながらこの日の音源は見当たらないが、翌12日のブリュッセルでのライブが記録されている。 この日のセットリストは、Rock and Roll、Sick Again、 Over the Hills and Far Awayで始まっており、この構成は1975年のツアーで殆ど変わっていない。
1月18日、ミネソタ州ブルーミントンから全米ツアーが開始される。
1月20日から22日まで、3夜連続のシカゴでのライブ。
Kashmir, The Wanton Song, In My Time of Dying が登場。
24日にも In My Time of Dying が披露されている。
1月25日、インディアナポリス。
1月29日、ノース・カロライナ。
1月31日、デトロイト。
2月3日、一年半ぶりのマディソン・スクエア・ガーデン。
演奏の一部が8mmで動画として記録されている。
2月6日はカナダのモントリオール。
ここでの締めは、 Black Dog と Heartbreaker。
2月7日は再びマディソン・スクエア・ガーデン。
2月8日のフィラデルフィアも、8mmで記録されていた。
2月10日、ランドオーバーのキャピタル・センター。
2月12日、三回目のマディソン・スクエア・ガーデン。
2月13日と14日は、連夜でニューヨーク州のユニオンデール。
13日は、アンコールでロン・ウッドが登場する。
2月16日、セント・ルイス。
2月26日、再びカナダのモントリオール。
この直前の2月24日に "Physical Graffiti" がリリースされた。
2月28日からはアメリカの南部から西部となる。
ルイジアナ州のバトン・ルージュ。
3月3日、テキサス州のフォトワース。
3月4日と5日は、隣のダラス。
3月10日からアメリカとカナダの西海岸でのツアーが始まる。
3月11日、カリフォルニア州ロング・ビーチ。
3月14日、カリフォルニア州サンディエゴ。
3月17日、ワシントン州シアトル。
Whole Lotta Love のメドレーの中で The Crunge が演奏されている。
3月19日と20日は、カナダのヴァンクーヴァー。
3月21日、再びシアトル。
こちらも8mmの記録が残っている。
3月24、25、27日はロサンゼルスのフォーラムで全米ツアーの締めとなる。
全米ツアーを終えたレッド・ツェッペリンは5月17日から25日まで、ロンドンのアールズ・コートで連夜のライブを繰り広げた。
この後、ツアーは1977年4月まで、およそ二年にわたって中断することになる。
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ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ氏の解放を求めるイベントにスピーカーとして出席したロジャー・ウォータースが、Facebookのマーク・ザッカバーグから巨額のオファーを受けていたことを暴露し、全力で罵倒し倒した。
発言のもようは、以下のツイートやYouTubeの動画で確認できる。
ロジャーの発言の翻訳と、その原文の英文書き起こしは次の通り。
手短に言いたいことがある。 俺が言いたいのは、これが狡猾だからだ。 このプロジェクトを考えてくれる皆さんには感謝したい。
ここから、Facebookが元々はスタンフォードの学生たちによる、女子学生の「品評会」のために開発されたという歴史を持ち出して、さらに罵倒が続く。
この間抜け野郎がこう言って始めたんだ、「彼女はかわいいから4点」「このコはブスだから1点」みたいなやつだ。
書き起こしや翻訳のミスのご指摘がある際には、コメント欄にいただけると、たいへんに有難いです。
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4人のティーンの女性バンド The Linda Lindas によるロサンゼルス公共図書館でのミニ・ライブの動画が、投稿からわずか1日で200万回以上も再生されて、話題を集めている。
曲のタイトルは「人種差別・性差別野郎 (Racist, Sexist Boy)」というもの。
歌詞も、
お前ら人種差別・性差別野郎が娯楽で破壊したものを、私たちが立て直してやる お前らは聞きたくないものから目をそらす
のように、反人種差別、反性差別に満ちた内容になっている。
彼女たちのFacebookページによると、このライブはアジア・太平洋系米国人の文化遺産継承月間である5月に合わせて、全米人文科学基金の協力のもと、アジア・太平洋アメリカ図書館連合会が共催した。 The Linda Lindas は、アジア系とヒスパニック系のベラ、エロイーズ、ルシア、ミラの4人の少女たちで構成されている。 このうちアジア系メンバーの父はマーティン・ウォンで、アジア系アメリカ人向けのカルチャー雑誌 "Giant Robot" の創設者として知られている。 またヒスパニック系メンバーの父のカルロス・デ・ラ・ガルザは、パラモアやベスト・コースト、バッド・レリジョンなどのエンジニア、プロデューサーである。 折しもトランプが扇動したアジア系市民に対するヘイト・クライムが全米に広がる中、差別主義者に投げつける歌詞 "Poser! Blockhead! Riffraff! Jerk face!" は時勢を得たものとなった。 図書館でのライブの全編は、バンドのFacebookページで視聴が可能。 またNetflixによるプロモも公開されている。
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「ジョンの魂」50周年を記念した記念ボックス・セットが4月23日にリリースされた。
久しぶりの大型商品なので、4月29日の祝日まで待ってから開封の儀を執り行うことにした。 ずっしりと重量級の全景。
ボックス裏面。
音源はBlu-Ray 2枚とCD 6枚から構成されている。 Blu-Ray 1枚目にはCD 1、2、3と6の一部を拡張した内容から構成され、さらに5.1サラウンドになっている。 またBlu-Ray 2枚目はアウトテイクやジャム音源などだが、CDに収録されているものの2倍くらいの量がある。 CDが単純にBlu-Rayに置き換えられているわけではないので、要注意。
付録の "WAR IS OVER!" の特大ポスター。
絵葉書も2点付いている。
130ページを超える圧巻のブックレット。
なお、ボックス・セットの内容紹介の動画や、新しいミックスの音源がいくつか公開されているので、購入の参考にしていただければと思う。
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米ミネソタ州で2020年5月、46歳のアフリカ系アメリカ人男性ジョージ・フロイド氏の首に9分29秒にわたってひざまずき、「息ができない」との悲鳴を無視して殺害した元警察官のデレク・ショーヴィンに対して、有罪の評決が下った。
CNNによると、デレク・ショーヴィンは第2級殺人、第3級殺人、第3級過失致死の3つの罪状で訴追されていたが、陪審はすべてを有罪と判断した。 これらの禁錮刑を合算すると、最大で75年となる。 この評決を受けて、人種の属性やジャンルを超えて、幅広いロッカーたちが歓迎の意を表している。
アフリカ系米市民として被差別当事者でもあるラッパーたちは、ストレートに感情を爆発させた。
LL・クール・Jの "Hell year" は「やった、ざまあ」といったところか。
ギタリストとしてはジャンルもタイプもまったく異なるヴァーノン・リードに対して、スティーヴ・ルカサーが同意のリプライを返している。
またレニー・クラヴィッツの「歴史はどちら側にあるのか」というツイートに、セバスチャン・バックがリツイートで自分の見解を加えている。
ジェーンズ・アディクションのペリー・ファレルは「あなたは天国から微笑んでいるでしょう」とツイートした。
レイジ・アゲインスト・ザ・マシンは当然ながら有罪を歓迎。
アダム・ランバートもその気持ちを一連のタグの列挙で表した。
メタル系でも、クイーンズライクのトッド・ラ・トゥーレや、テスタメントのアレックス・スコルニックが歓迎を示す画像を投下している。
特にアレックスは、昨年からのBlack Lives Matterのデモの写真を数多くツイートした。
今回の件に限らず、ロッカーたちが率先して政治的なメッセージを出すことは、米社会では当たり前となっている。
翻って、日本はなんと幼稚な国であろうか。
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2020年4月に「COVID-19によるミュージシャン達の健康被害」と題して、ウイルスに直撃されたミュージシャン達を取り上げてみた。
それからおよそ一年が経過し、ワクチンが開発されるなど改善の兆しは見えてきたものの、ウイルスの蔓延が収まる見通しは残念ながら立っていない。 こうした中で、さらに多くのミュージシャン達に被害が広がっているため、その実態を改めて振り返ってみたい。 また毎度の繰り返しであるが、私自身は医学的知識を持ち合わせていないことを予めお断りしておく。
2020年4月19日 サム・スミス全快
Apple Musicのインタビューで、サム・スミスが感染していたことを語っている。 3週間の自主隔離後、容態は安定しているとのこと。
2020年10月6日 トレイ・ソングス陽性
R&Bシンガーのトレイ・ソングスは、幼い息子がいるため定期的に検査を受けていたところ、感染が発覚した。 インスタグラムの動画の中で「手を洗え、トランプの真似をするな」と話している。 トレイ・ソングはCOVOD-19で祖父を亡くしたことも明かしている。
2020年11月12日 バーナード・サマー陽性
ニュー・オーダーのバーナード・サマーが The Current誌のインタビューで、感染から回復中であることを明かした。 発病中は4日間の高熱が続き、ひどい二日酔いのような倦怠感に襲われたと話している。 インタビューの時点でも、嗅覚が完全に失われたままであった。
2020年12月2日 グロリア・エステファン陽性
グロリア・エステファンが11月初頭に感染したことを明らかにしている。 本人のスペイン語によるインスタグラム投稿によると、味覚障害と嗅覚障害があったとのこと。 Billboardの記事では、朝食の味がわからず、また石鹸の匂いもしなくなって、恐怖を感じたと話している。
2021年2月3日 メイナード・ジェームス・キーナン 2回目の感染
トゥールのフロントマンであるメイナード・ジェームス・キーナンが、Apple Musicとのインタビューで、2020年11月に2回目の感染に見舞われたと語った。 彼は2020年2月にも発病して一旦回復したものの、再度の感染になってしまった。 「酷い、酷い。息ができなかった。一語一語の間に咳がでる始末だ。結局、肺炎になってしまった」と話している。
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2020年を目前にした2019年11月、ちょうど50年前にあたる1970年の社会情勢とロック史を整理してみたものの、その直後にコロナ禍に巻き込まれて、続きとなるはずの1971年を記述するタイミングをすっかり見失ってしまった。
既に2021年になって2か月が経過しているが、この辺りで再び50年前を振り返ってみたいと思う。 1970年に解散したビートルズの元メンバー達は、1971年に入るとそれぞれのソロ活動へ最大限のエネルギーを注ぎ込み始めた。 ジョージ・ハリスンは年初に「マイ・スイート・ロード」をヒットさせ、夏にはバングラデッシュ難民の救済コンサートを開催している。 ジョン・レノンはアルバム「ジョンの魂」をリリースし、政治的なメッセージの強いシングル「パワー・トゥ・ザ・ピープル」「イマジン」「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」を次々とヒットさせた。 さらにこの年、ジョンはニューヨークへの移住を決行している。 ポール・マッカートニーはソロアルバム「ラム」をヒットさせるや、すぐさまウイングスを結成して、年末に「ワイルド・ライフ」をリリースしている。 まさに八面六臂の活躍である。 1971年はまた、歴史に残る多くの名盤がリリースされた年でもあった。 オールマン・ブラザース「ライブ・アット・フィルモア・イースト」、ローリング・ストーンズ「スティッキー・フィンガーズ」、EL&P「タルカス」、ピンク・フロイド「おせっかい」、そして極めつけは「レッド・ツッペリンIV」だ。 一方、社会情勢では世界的な「政治の季節」のピークは過ぎたものの、ベトナムでは戦争が続き、またバングラデッシュ独立をめぐってインドとパキスタンが戦争状態に陥った。 日本でも成田空港や沖縄返還をめぐって激しい衝突が繰り返され、東京・渋谷は暴動状態になっている。 しかしこの年、東京では地下鉄千代田線の開通、新宿西口での初めての超高層ビル建設、多摩ニュータウン開発のように、新しい生活様式が始まろうとしていた。 世界でも中華人民共和国が国連加盟を果たしており、次の時代の幕が開かれた年だったとも言えよう。
1/15 ジョージ・ハリスン「マイ・スイート・ロード」リリース
1/23 エルトン・ジョン「僕の歌は君の歌」全米八位、ジョージ・ハリスン「マイ・スイート・ロード」全米一位 1/24 ザ・タイガース、日本武道館で解散コンサート 1/30 ジョン・レノン「ジョンの魂」全米六位 2/5 アポロ14号が月に着陸 2/8 南ベトナム軍がラオス侵攻 2/17 真岡銃砲店襲撃事件 2/22 成田空港第一次代執行開始 2/27 ジャニス・ジョプリン「パール」全米一位九週 3/1 東パキスタン(現バングラデシュ)で大規模な不服従運動開始 3/5 パキスタン軍が東パキスタンを占領 3/12 アサド、シリア大統領に就任。 3/12 オールマン・ブラザース「ライブ・アット・フィルモア・イースト」レコーディング 3/20 営団地下鉄千代田線の大手町駅 - 霞ケ関駅間が開業 3/20 ジャニス・ジョプリン「ミー・アンド・ボビー・マギー」全米一位、T Rex「ホット・ラブ」英一位 3/25 東パキスタンでパキスタン軍による住民虐殺開始 3/22 ジョン・レノン「パワー・トゥ・ザ・ピープル」リリース 3/26 バングラデシュ建国宣言 3/26 多摩ニュータウンの入居開始 3/27 スリー・ドッグ・ナイト「ジョイ・トゥ・ザ・ワールド」全米一位 3/30 ジミ・ヘンドリックス「クライ・オブ・ラブ」ゴールド 4/10 アメリカ卓球チームが北京に到着、米中ピンポン外交開始 4/10 ローリング・ストーンズ「ブラウン・シュガー」リリース 4/11 大阪府知事選で社会党・共産党推薦の黒田了一が当選 4/20 営団地下鉄千代田線の綾瀬駅 - 北千住駅間が開業 4/20 カンボジア首相、ロン・ノル辞職 4/23 ローリング・ストーンズ「スティッキー・フィンガーズ」リリース 5/6 アイク&ティナ「プラウド・メアリー」ゴールド 5/8 ローリング・ストーンズ「スティッキー・フィンガーズ」英一位 5/12 ミック・ジャガー、ビアンカと結婚 5/14 横綱・大鵬が引退 5/22 ローリング・ストーンズ「スティッキー・フィンガーズ」全米一位 5/23 アイアン・バタフライ解散 5/25 集英社が「non-no」創刊 5/26 オーストリアと中華人民共和国が外交関係樹立 6/5 新宿に京王プラザホテルが開業(新宿副都心超高層ビル第1号) 6/5 ポールマッカートニー「ラム」英一位、ジェームス・テイラー「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」リリース 6/9 ポール・マッカートニー「ラム」ゴールド 6/14 EL&P「タルカス」リリース 6/17 沖縄返還協定調印 6/19 キャロル・キング「つづれおり」英一位15週目 6/26 EL&P「タルカス」英一位 6/27 NYのフィルモア・イースト閉鎖 6/30 富山地裁、イタイイタイ病第一次訴訟にて原告勝訴判決 6/30 フィルモア・ウェスト閉鎖 7/9 キッシンジャー米大統領補佐官が中国を極秘訪問 7/20 マクドナルド日本第1号店「銀座店」オープン 7/22 ドアーズ「LAウーマン」ゴールド 7/24 ジェームス・テーラー「マッド・スライム・スリム」全米二位四週、T. Rex「ゲット・イット・オン」英一位四週 7/30 全日空機雫石衝突事故、旅客機の乗員・乗客162人全員死亡 7/31 ジェームス・テイラー「君のともだち」全米一位、マービン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイング・オン」全米六位 8/1 バングラデッシュ難民救済コンサート開催 8/3 ウイングス結成 8/14 ムーディー・ブルース「童夢」英一位、ロッド・スチュワート「マギー・メイ」リリース 8/15 ニクソン・ショック 8/28 円変動相場制移行 8/31 ジョン・レノン、移住のため渡米 9/2 「グレートフル・デッド」リリース 9/5 ウィッシュボーン・アッシュの演奏中にホットドック店員射殺 9/8 中国の林彪がクーデター失敗、飛行機墜落死 9/9 ジョン・レノン「イマジン」リリース 9/11 「フーズ・ネクスト」全米四位 9/16 成田空港第二次代執行、警官3人死亡 9/18 日清食品「カップヌードル」発売 9/18 ピンク・フロイド、モンタレーに出演 9/30 新潟地裁、阿賀野川水銀中毒訴訟で原告勝訴の判決 10/1 ジョン・レノン「イマジン」ゴールド 10/1 フロリダにウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート開園 10/2 ロッド・スチュワート「エヴリィ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー」全米英一位、「マギー・メイ」全米英一位 10/10 NHKが全放送のカラー化開始 10/25 中華人民共和国が国連加盟 10/30 ジョン・レノン「イマジン」全米英一位 11/8 レッド・ツェッペリン「IV」リリース 11/10 クメール・ルージュがプノンペン攻撃 11/14 渋谷暴動事件で21歳の警察官殉職 11/12 ボブ・ディラン「ジョージ・ジャクソン」リリース 11/13 サンタナ「サンタナIII」全米一位五週、ジョン・レノン「イマジン」全米三位、スレイド「だから君が好き」英一位四週、ピンク・フロイド「おせっかい」リリース 11/19 沖縄協定反対運動激化、火炎瓶で松本楼全焼 12/1 ジョン&ヨーコ「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」発売 12/2 アラブ首長国連邦建国 12/3 第三次印パ戦争 12/4 「レッド・ツッペリンIV」英一位二週、スライ&ファミリー・ストーン「ファミリー・アフェア」全米一位三週、ザッパがモントルーでレコーディング中に火事 12/7 ウイングス「ワイルド・ライフ」リリース 12/16 東パキスタン内のパキスタン軍降伏、第三次印パ戦争終結 12/17 デヴィッド・ボウイ「ハンキー・ドリー」リリース 12/21 首都高速道路と東名高速道路が接続 12/18 スライ&ファミリー・ストーン「暴動」全米一位二週、T・レックス「電気の武者」英一位八週 12/23 大映倒産 12/24 ニューヨーク・ドールズ、ライブ・デビュー
ジョン・レノンが「ハッピー・クリスマス、戦争は終わった」と歌ってからさらに4年後の1975年、ようやくベトナム戦争が終結することになる。
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1月6日、米大統領選の選挙人投票集計を行っている連邦議会を、トランプに煽られた極右のデモ隊が襲撃した。
議会は一時中止を余儀なくされ、死者5名、逮捕者54名に達する前代未聞の事態となってしまった。 次期大統領に選出されたバイデン氏や民主党はもとより、共和党の一部も激しく非難しており、また産業界からも強い批判の声があがっている。
こうした事態に対し、ロック・ミュージシャンたちも即座に非難を開始した。
ポール・スタンレーは「これはトランプに煽動されたテロだ。恥を知れ」と指弾している。
スコット・イアンは「南軍、ナチ、トランプは多くの点で共通している。そして負け犬野郎だ」とトランプ支持者たちの本質を喝破。
ディー・スナイダーは「無法のクソ野郎」と吐き捨てている。
トム・モレロは議会での窃盗行為を非難した翌日、「ナチの命なんか知るか」との画像をアップした。
トミー・リーは "GTFOH (Get The Fuck Outta Here)" など最大限の汚い言葉を使い、「おいウイルス野郎、帰れ。ここから出ていけって言ってんだ」と罵倒している。
さらに1月9日、トランプのツイッター・アカウント凍結を受けて、「もたもたしやがって、お前らもあのピエロ野郎と同じくらいクソだ」と、今までトランプの発言を見て見ぬふりをしてきたツイッター社を批判した。
またセバスチャン・バックは、トランプ凍結に関するトランプ長男の「言論弾圧だ」というツイートに対して、「おいバカ、Orwell's ではなくて Orwells だ。あと free と speech の間に '-' は要らない。中学一年からやり直せ」と手厳しく罵倒した。
レディ・ガガは「テロを煽動したトランプを弾劾すべきだ」と主張している。
一方、このテロ行為を擁護する声も、極めて少ないながら見受けられた。
筋金入りのトランプ支持者として知られるテッド・ニージェントは、Facebookにて「アンティファの仕業だ」とのデマ画像をアップした。
しかしこの投稿にはFacebookによって「虚偽の情報」とのフラグが立てられており、「理由を見る」のリンクをクリックすると POLITIFACT の「首都を襲ったのはアンティファではない」との記事が表示されるようになっている。
なおNME誌によると、議会に乱入した暴徒に、アイスド・アースのリード・ギタリストであるジョン・シェイファーが参加していたことが明らかになっている。
ジョン・シェイファーは2020年、トランプ陣営の選挙集会にも参加していた。 1月9日現在、FBIはジョン・シェイファーを指名手配して行方を追っている。 こんな奴にギターを弾く資格なんかない。
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2017年から2019年まで毎年年末になると、その一年間に観たライブについて書いてきた。
2020年も当然そのつもりだったのだが、まさかこんな事態になろうとは、年初にはまったく予想もついていなかった。 春先にハードロック系のバンドが相次いで来日したり、ボブ・ディランが全国ライブハウス・ツアーを行ったり、ビルボード横浜のオープニングで様々なジャンルの大御所がライブを行うはずだったのである。 加えて2020年はフジロックとサマーソニックのどちらにも行くつもりで準備していたのに、コロナの影響ですべてが吹き飛んでしまった。 秋も深くなった頃、徐々にライブが再開され始めたが、海外からの渡航は叶わず、国内のミュージシャンによるものだけだ。 年末が押し迫ってもコロナが終息するどころか益々拡大する中で、2020年から2021年に延期されたライブがさらに2022年まで再延期されてしまうケースも出てきている。 いったいいつになったら、再びライブを楽しめる日が戻るのだろうか。
スタンリー・クラーク ブルーノート東京 1/3(金)
正月三が日からライブを観に行くのは初めてだったが、この頃はコロナの影響など思いもせず、最前列に陣取って観戦していた。 スタンリー・クラークに加えて、LAジャズの新進気鋭のピアニストのキャメロン・グレイヴスと、アフガニスタン出身のタブラ奏者のサラー・ナダーという変則的なトリオである。 スタンリーが大柄なのでエレクトリック・ベースがテレキャスターのように見えるうえ、でかい手が 4フレットくらい楽勝で押さえてしまう。 さらに右手の力が強いため、通常の指弾きでもスラップ奏法のような音になる。 スラップ奏法自体はむしろウッドベースで全開させていた。 そして超高速のベースのフレーズとタブラの掛け合いが凄まじい。 アンコールは定番の "School Days" で、コード弾きにスラップ奏法にと大炸裂して終了。
クイーン + アダム・ランバート さいたまスーパーアリーナ 1/25(土)
1月25日、さいたまスーパーアリーナにてクイーン + アダム・ランバートの来日が開幕した。 チケット転売を防ぐため身分証明書の携行を求められていたが、結局点検は無し。 またスマホによる写真や動画は撮り放題である。 セットリストは一週間前のソウルでのものとほとんど同じで、初期の怒涛のハードロック・メドレーから始まった。 "Bicycle Race" ではアダム・ランバートがバイクに跨って歌うという、ロブ・ハルフォードのようなパフォーマンスを見せる。 ブライアン・メイによる花道でのアコースティック・ギターのソロ・タイムでは "Teo Torriatte" に続けて "Love of My Life" を演奏し、その終盤にフレディがスクリーンに現れて共演する演出を仕掛けてくれた。 "Under Pressure" ではブライアン、ロジャー、アダムの三人が花道に集まって演奏し、本編は "Bohemian Rhapsody" で締め。 アンコールでも再びスクリーンにフレディが現れて、観客と「レーリヨヨヨヨ!」の大合唱。 最後はお約束の "We Will Rock You" と "We Are the Champions" で大団円となった。 そしてこれが、まさかの2020年最後のスタジアム級ライブとなってしまうのである。
"My Voice, My Liberty" オーサカ=モノレール、ソウル・フラワー・ユニオン 新宿ロフト 2/7(金)
詳細は既に「Anger Is An Energy」で書いたので割愛するが、今から思えば三密のライブハウスでモッシュができたのもこれが最後だった。
カーヴド・エア 川崎 CLUB CITTA' 2/8(土)
既にこの頃、コロナのクラスターと化したクルーズ船が横浜港に入港し、またチャーター機による日本人帰国が始まっていた。 2月12日にWHOが「COVID―19」と命名する直前の緊迫したタイミングである。 そんな状況の中、マイク・ウェッジウッドやカービー・グレゴリーらを迎えて10年ぶりの来日となった。 長丁場のライブは、25分の休憩をはさんだ一部と二部の構成である。 70分ほどの第一部は "Air Cut" セットで、最後は "It Happened Today" で終了。 しかし一本のジャズベース (しかもパチモン) をセッティングもストラップの長さも変えずに3人で使い回すのは、プロのミュージシャンとしてどうなのか。 第二部は "Stay Human" から始まって、"Propositions"、"Vivaldi"、"Back Street Luv" など名曲集だが、最後の "Stretch" でいきなりイントロの構成を間違えて演奏を中断する始末。 しかもアンコールは第一部の最後に演奏した "It Happened Today" をまた演奏。 明らかにバンドとしてのリハ不足で、いろいろと雑過ぎだった。 最近のプログレの「昔の名前で出ています」系は、残念なことしか起こらない。
マイケル・シェンカー・フェスト 東京国際フォーラム 3/10(火)
直前の3月4日に開催中止。
ホワイトスネイク 東京国際フォーラム 3/17(火)
3月5日に再延期、4月22日に中止。
グリーン・デイ 幕張メッセ 3/27(金)
2月28日に2021年まで延期の発表。
ボブ・ディラン Zepp Diver City 4/4(土)
3月13日に開催中止。
スウィング・アウト・シスター ビルボード東京 4/11(土)
3月14日に開催中止。
ストラッツ LIQUIDROOM 4/15(水)
4月3日に開催中止もしくは延期との発表。
ジェーン・バーキン ビルボード東京 4/25(土)
3月26日に開催中止。
野宮真貴 ビルボード横浜 4/29(水)
4月8日に7月まで延期の発表。 結局、6月12日に開催中止。 ビルボード横浜のオープニング・イベントの一つだった。
アヴリル・ラヴィーン 東京ガーデンシアター 5/8(金)
3月3日に延期の発表。 残念ながら5月8分は開催中止。
スティーヴ・ハケット 川崎 CLUB CITTA' 5/16(土)
4月3日に2021年6月まで延期の発表。
ドリーム・シアター 東京ガーデンシアター 5/16(土)
3月17日に10月まで延期の発表。 8月21日に開催中止。
アイアン・メイデン ぴあアリーナMM 5/19(火)
4月13日に開催中止。 ぴあアリーナMMのこけら落としとなるはずだった。
ゼブラヘッド 新木場STUDIO COAST 6/21 (日)
5月13日に開催中止もしくは延期を検討中との発表。 6月15日に2021年6月まで延期となった。
フジロック 苗場 8/21(金)~23(日)
6月5日に一年延期の発表。 2020年は初めて苗場地区でホテルが確保でき楽しみにしていたのだが、そのホテルもコロナの影響で廃業となってしまった。 残念無念。
SUPERSONIC ZOZOマリンスタジアム&幕張海浜公園 9/19(土)~9/21(月)
こちらも8月11日に一年延期の発表。 日程は未定。
寺井尚子 ビルボード横浜 10/16(金)
本来なら春先から営業を始める予定だったビルボード横浜が、7月になってようやく営業を再開した。 入場時の検温とアルコール消毒に加え、ソーシャル・ディスタンスを確保するため、座席は前後の空間を大きく確保している。 演奏は、4月にリリースされたアルバム「フローリッシュ」の曲を中心に、ヴァイオリン、ピアノ、ベース、ドラムのカルテットによるもの。 ライブは8か月ぶりだったが、やはり良い。
カルメン・マキ & OZ 川崎 CLUB CITTA' 11/21(土)
我慢し続けた9か月ぶりの爆音である。 17時に開幕し、途中25分の休憩をはさんだ二部構成で、20時過ぎまでの演奏となった。 代表曲は演奏し尽くし、2部の冒頭はアコースティック・コーナーにするなどの演出で、久しぶりのライブを楽しめた。 チッタでも座席は間を一人分空けており、マスク着用が必須。 さらに「声を出しての応援や声援はご遠慮ください」とのことで、恒例の「六月の詩」でのシンガロングもできず、マキさんが「心の中で歌ってください」とMCするような状態である。 それでも、当たり前だがネットで配信を観るのとは大違いである。 ロックは耳でなく全身で聴くものなのだ。 コロナで奪われたものを一言で言うと「日々の身体性」だということがよく分かった。 奪われたもの、僅かでも取り返したものを思いながら、ハードロックで涙が停まらなくて困ったのも、初めての経験になった。 なお彼らも、2020年は予定していた全国ツアーや初のフジロック出演など、ほとんどの仕事が飛んでしまったとのこと。 本当に悔しい。
MIYAVI ビルボード東京 12/10(木)
まずチケット予約のサイトになかなか繋がらなかった。 それだけライブに飢えている人が多いのだろう。 バンドはドラム、キーボード、コーラスというベースレスの編成で、MIYAVI本人はテレキャスター1本で押し通した。 ここでもマスク着用必須のうえ、歓声は禁止で、拍手で応援してくれとのこと。 MIYAVIもMCで「心の中で踊ってください」「心の中で歌ってください」と繰り返していて、やるせない。 演奏はオリジナルに加えて、沢田研二の "TOKIO" やジョンレノンの "Happy Xmas" などのカバーもあり、大いに盛り上がった。
ビルボード東京のカウンター席は、一人ずつをアクリル板で区切る徹底した防疫体制になっている。
岸谷香 ビルボード東京 12/25(金)
年末は、2017年から4年連続で岸谷さんのライブで締め。 彼女たちもまた10月まで音楽活動ができなかったとのこと。 今回のオープニングはいきなりプリンセス・プリンセスの「ダイヤモンド」だったが、ここでもサビの「アア」という声出しは禁止。 しかしこの酷い年の最後に、元気いっぱいの岸谷さんから、たっぷりの元気をいただくことができた。 心から感謝したい。
12月25日の時点で、英国発の突然変異型のウイルス日本上陸が報じられており、新年からの状況もまったく見通せないままである。
一日も早く、以前のようにライブを心から楽しめるようになることを祈るばかりだ。 |