Photo by CMDR Shane on Unsplash
昨年末あたりから、楽天やアマゾンなど実際のサービスを装った偽装メールが蔓延しており、内閣サイバーセキュリティセンターや警視庁が注意を呼び掛ける事態になっている。
また現実には、さらに多くの英語スパム・メールが飛び交っていると思われる。 幸い、そのほとんどがスパム・フィルターによって隔離されているため、目にすることは少ない。 試しに隔離されたものからサンプルを拾ってみたところ、メールのタイトルがパスワードになっており、差出人は受信者のものを偽装していたものがあった。 あたかも「お前のメールアドレスもパスワードも知っているぞ」と脅さんばかりである。 Hello!
これをざっくり翻訳すると、こんなところだろう。
お前のメールアドレスをハッキングした。
なんとも効率の悪い犯罪である。
スパム・フィルターを通り抜けたとしても、日本人の多くは見知らぬ相手からの長文の英語メールなんかそのままゴミ箱行きにするだろうし、ビットコインで送金できる人も限られているだろう。 なお、私のPCはデスクトップなので、そもそもWebカメラは付いていない。アホか。 しかしメールアドレスとパスワードの組み合わせが漏洩している事態は看過できない。 例えば、ビジネスSNSとして日本でもユーザーの多いLinkedInは、2012年にハッキングされ、1億6,000万以上ものメールアドレスとパスワードの組み合わせが窃取されている。 もしこの組み合わせをLineやAmazonなど他のサービスでも使いまわしをしていたなら、簡単にアカウントを乗っ取られてしまうだろう。 では、どのサイトからメールアドレスが流出し、その中に自分のものが含まれているかどうか、チェックするにはどうすればいいのだろうか。 こうした情報を、マイクロソフトのTroy Hunt氏が "have i been pwned?" というサイトで提供してくれている。 このサイトによると、情報漏洩を起したサイト数は398、漏洩したアカウントは延べ84億にも及んでいる。 最大の漏洩は2019年1月に発生した Collection #1 からのもので、実に7億7,000万ものメールアドレスとパスワードが窃取されている。 また、メールアドレスやパスワードが漏洩したものに含まれているかどうか、簡単にチェックすることもできる。 メールアドレスが漏洩している場合は、このような結果が表示される。
漏洩していないメールアドレスの場合は、グリーンになる。
パスワードについては、こちらのURLで同様に確認できる。
メールアドレスの漏洩が確認できた場合、それをIDとしているすべてのサービスで別のアドレスに変更、もしくはパスワードを直ちに変更すべきだ。
またパスワードを変更する場合は、英数小文字だけのシンプルなものは避けなければならない。 また単純な英単語を使うと辞書攻撃で突破されるリスクが高いが、単語の中のいくつかの文字を特殊文字に置き換えればリスクは大きく低減する。 例えば "beatles123" や "be@tles" だけではなく、"be@tle$_123" くらいにはしておきたい。 さらに各サービスごとに多要素認証の設定もしておくべきであろう。
0 コメント
Photo by Terence Starkey on Unsplash
今年も8月6日の広島と9日の長崎で、原爆慰霊式典が開催された。 首相として出席した安倍晋三は両日とも挨拶したが、その内容はまたもコピペの使いまわしであった。 まず首相官邸のサイトに掲載されている「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式あいさつ」から見てみたい。 フォントを赤くしている部分は、9日の長崎でのあいさつと同じである。 今から74年前の今日、原子爆弾により、十数万ともいわれる貴い命が失われました。街は焦土と化し、人々の夢や明るい未来が容赦なく奪われました。一命をとりとめた方々にも、筆舌に尽くし難い苦難の日々をもたらしました。
全文1091文字中、長崎と異なる箇所はわずか37文字。
実に96.6%もコピペ再利用されていたことになる。 続いて、9日の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典あいさつ」。 こちらも6日の広島での挨拶と重なる部分を赤いフォントにしてみた。 本日、被爆74周年の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
長崎では1152文字中、95文字が異なってはいるが、91.8%もの部分が広島からの使いまわしであった。
広島と異なる箇所も、単に「広島」と「長崎」を入れ替えただけであったり、若干の文言を加えた程度である。 もはや手抜きというレベルを超えて、敢えて嫌がらせとしてやっているとしか思えない。 安倍晋三のふざけた態度は、広島市長や長崎被爆者代表の挨拶の時にも、露骨に表れていた。 広島市長の挨拶では終始しかめ面をして目を閉じ、「唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受け止めて頂きたい」との市長の言葉に目を泳がせている。
長崎では、被爆者代表の山脇氏の「この場で安倍総理にお願いしたい。被爆者が生きている間に世界で唯一の被爆国としてあらゆる核兵器保有国に核兵器を無くそうと語りかけてください。」との訴えに、安倍晋三は片目を閉じ、やはり目を泳がせていた。
そんなに慰霊式典に出席するのが嫌なら、そして平和が嫌いなら、もう広島にも長崎にも沖縄にも、いっそ行かないほうが良いのではないか。 あまりにも失礼である。 そして残念ながら安倍政権下の日本は、2016年10月28日の国連総会にて、唯一の被爆国でありながら核兵器保有国と共に、核兵器禁止条約に反対した。 まったく恥ずべき事態だ。
Photo by Kunal Sahu on Unsplash
参議院議員選挙投票前日、7月20日の東京・秋葉原。 自民党の最終演説会が、安倍晋三や麻生太郎ら党幹部を迎えて行われた。 この時、自民党・中央区議によって撮影された動画に、大量の日の丸を林立させた聴衆と、憲法改悪を叫ぶ街宣車の様子が記録されている。 もはやファシストぶりを隠そうともしない、本当に気持ちの悪い異様な光景である。
しかし演説会の本当の姿は、この動画に映っていない。 実は、人垣の後方で自民党関係者あるいは自民党支持者による暴力行為が堂々と行われていた。 例えば「ここはてめえらの国じゃねえんだ、朝鮮野郎」と周囲を恫喝し、純度100%のヘイトを吐き散らす男。
さらに市民の体を掴んで暴力的に排除するチンピラのグループ。 ヒトラー・ユーゲントと何が違うのか。
自民党支持者が持ち込んだ数々のプラカードの内容もおぞましかった。 「核戦争には慣れている」「日韓断交」「外国人の政治活動は犯罪なんだよ」など、目を覆いたくなるような文言の数々。 これらのプラカードは自民党関係者によって咎められることも排除されることもなかった。 要するに自民党としては完全にOKということなのだろう。
そして、このようなプラカードは組織的に配布されていた。
しかも聴衆の多くは、バスを使った動員だったのである。
— oh-my-ft2 (@Ft2Oh) July 20, 2019 さらに「派遣」で集められてきたことを告白する「聴衆」。
こうした暴力と動員にもめげず、「安倍辞めろ」コールを最後まで貫いた市民には最大の敬意を払いたい。
動員と暴力によるハリボテ細工。 これが自民党の秋葉原街宣の真の姿だ。
画像は「年金返せデモ」告知用ツイッター・アカウントから借用
7月14日、渋谷のハチ公前広場で「年金返せ渋谷ハチ公前大抗議集会」が開催された。 抗議は特定の団体が主催や後援をしたわけではなく、個人有志の集まりによって行われたものである。 雨が降る中、18時から20時までの2時間、広場は多くの人でびっしりと埋め尽くされた。
抗議はコールとスピーチが交互に行われる形で進行していったが、ここでは年金の専門家である全厚生労働組合書記長の川奈氏と、被保険者の代表として立った中田氏(ファンクバンド「オーサカ=モノレール」メンバー)のスピーチを書き起こして紹介してみたい。 なお全厚生労働組合とは、厚生労働省およびその関係機関(日本年金機構を含む)で働く職員で組織される組合である。 (ご両者のスピーチで聞き取れない箇所を一部省略させていただいた。) 私は19才の時からずっと社会保険事務所で働いています。先ほど司会の方も言っていましたが、今回の2000万円の話、職場でも怒りの声があがっています。年金事務所でも「いくら丁寧に年金相談をしても、あんなこと言われたら全部お終いだよ。」と、そんな怒りの声が職員からもあがっています。 僕もめっちゃ怒ってますよ。これ本末転倒ですよ。ちゃいますか。 年金問題は、7月21日に実施される参議院選挙の最大の争点として、よく考えておきたいところである。
Photo by Will Schulenberg on Unsplash
6月28日から29日、二日間にわたるG20大阪サミットが開催された。 安倍政権は参院選告示直前のタイミングでサミットを最大限に利用するつもりだったのだろうが、会場設営から安倍本人の発言に至るまで、ボロが目立つ事態になってしまった。
1. 杜撰な運営
まず初日となった28日の午後、「デジタル経済」をテーマにした首脳イベントが開催されたが、ここで驚いたのは会場の狭さである。
NHKから引用
TBSテレビ報道からキャプチャー
狭い会議室で、小さな机に押し込まれる各国の首脳たち。
企業主催の一般的な無料セミナーでも苦情が出るレベルである。 いったい事務方は何を考えてこんな会場設営にしたのであろうか。 そして外国人記者に配布された飲み物も意味不明だった。これにについては、日本経済新聞の記者が次のようにツイートしている。
水素水!
既に何年も前に、国民生活センターなどにより効能が否定されているものである。 販売元等のホームページや直販サイト、商品のパッケージに、飲用により健康保持増進効果等があると受け取れる記載がありました。医薬品医療機器等法や健康増進法、景品表示法に抵触するおそれがありますので、事業者に対し、表示の改善を指導するよう要望します (国民生活センター)
事務方はどういう意図でこれを配布したのだろうか。
もしかして不良在庫の処分に協力したのですか? さらに事務方だけではなく、警備側にも弛みが目立っていた。 拳銃の置忘れや弾倉の紛失など、G20の開催にかかわらず絶対にあってはならないことである。 大阪府警は28日、大阪で開かれている主要20カ国・地域(G20)首脳会議の警備の応援で大阪(伊丹)空港の警戒にあたっていた島根県警の20代の男性巡査が、実弾入りの拳銃などをトイレに置き忘れたと発表した。 (朝日新聞) 第5管区海上保安本部(神戸)は28日、ゴムボートでG20大阪サミットの警備に当たっていた舞鶴海上保安部(京都府舞鶴市)の40代の男性職員が、自動式拳銃から弾薬14発入りの弾倉1個を、主会場に近い大阪南港の海域で落としたと発表した。弾倉は見つかっていない。 (中日新聞)
高速道路を封鎖したり、遠く関東地方の駅のロッカーまで使用停止にするなど国民に不便を強いておきながら全く何をやっているのか、だらしないとしか言いようがない。
2. 相手にされない安倍晋三
首脳全員が集まってのフォトセッションでは、安倍晋三が待ちぼうけを食うことになってしまった。
待ちぼうけは進行の不手際なので、責めを負うのは事務方であろう。 しかし首脳たちが続々と登場し互いに握手やハグ、会話を交わす中で、安倍晋三だけ1人取り残されているのだった。
英語力の問題もあるのだろうが、議長国の首脳としてあまりにも情けない姿である。 150年前の明治維新の混乱で、大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣は今から約90年前に、16世紀のものが忠実に復元されました。
まず大阪城の天守閣は16世紀には存在していない。
そしてエレベーターをつけたことを「大きなミス」と言いのけてしまったのである。 バリアフリーが推進されているこの時代に、いったい何を言っているのだろうか。 ジョークとしても全く面白くないだけでなく、人権に対する配慮に欠ける彼の人間性を、各国の首脳を前に曝け出す結果となった。 ちなみに、現在も建設が続くサグラダファミリアにもエレベーターは設置されている。 安倍晋三首相は29日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の閉幕後、議長として記者会見に臨んだが、予定の30分間を過ぎないうちに司会役が会見を打ち切り、報道陣からは不満も出た。 (毎日新聞)
あらかじめ仕込んだ質問と用意された原稿の読み上げ以外には対応ができないのであろう。
国会答弁でも常に見かける光景である。
こうして閉幕したG20は、日本として大きな成果を出すこともなく、また政治ショーとしても極めて情けないものになってしまった。
しょせんが「外交の安倍」の実体はこの程度のものなのである。
追記 (16:00 30/6/2019)
6月30日午後、米トランプ大統領と韓国・文大統領は板門店を訪問し、金正恩委員長と面会した。日本の外務省は知らされておらず、完全に蚊帳の外扱いである。G20は前座に過ぎなかった。
6月8日、東京のど真ん中の銀座エリアで安倍政権に辞任を求めるデモが決行され、およそ400名の人々が集まった。
中心となった「怒りの可視化」は、Facebookページで次のように呼び掛けている。 安倍政権の終わりの始まりにする2019年、デモ3発目になります。今回もコールは「安倍は辞めろ」のみになります(一部エリアでは例外あり)。安倍晋三が辞めなくてはいけない理由は腐るほどありますが、皆さんが考える「最も辞めるべき理由」をプラカ、ゲートフラッグ、ダンマクに託して来てください。
実際、歴代の政権の中でも最長となる気配がある中、安倍政権が行ってきたことは、憲法を捻じ曲げての「集団的自衛権」容認、特定秘密保護法や共謀罪の強行採決、辺野古での沖縄の民意無視など、国民の権利をはく奪するものばかりであった。
一方、経済や外交に「強い」安倍政権という言質も、大企業の内部留保だけを潤した「アベノミクス」や、全く進展のない北方領土問題や拉致問題など、「やっている感」を演出しているだけで何ら中身のない幻想にすぎない。 さらにここへ至っては、株価を維持するために国民の年金を突っ込んでにっちもさっちも行かなくなった挙句、責任者である金融担当相・麻生太郎が「年金で足りない分は2,000万円貯蓄しろ」と国民への責任転嫁を言い出す始末である。 本当に「安倍晋三が辞めなくてはいけない理由は腐るほどある」中で、今怒らずして何時怒るというのだろうか。
デモは、正午過ぎに日比谷公園の中幸門を出発し、東電本社前、銀座・数寄屋橋を通過して、鍛治屋橋通りへ入り、京橋で解散した。
徒歩でおよそ一時間のコースである。 ここでは #AbeOut0608 というタグで流れてきたツイートで、デモのもようを追ってみたい。
6月8日のデモは、安倍政権に対する一連の抗議行動の号砲である。
これから9日は青山・原宿地区でのデモ、16日は「年金返せ」デモ、そして25日には国会前での抗議集会が予定されている。
Photo by Paul Green on Unsplash
レッド・ツェッペリンのデビューからおよそ50年が経過した。 デビュー直後の1969年のライブについては、「1969年のレッド・ツェッペリン」と題したSo-netのブログ記事として既に纏めているので、ここでは続編として1970年のライブをブート音源中心に追いかけてみたい。 アルバムとしては、1970年に突入する直前の1969年10月、歴史的名盤 "Led Zeppelin II" がリリースされており、さらに1970年10月には大胆にアコースティックを取り入れた "Led Zeppelin III" が出されている。 ライブでも1970年前半は "I" や "II" に収録されたヘヴィーな楽曲ばかりだったが、早くも6月ころからは "III" の曲が演奏されており、セットリストが大きく変化した一年でもあった。 なおライブの日程や会場などの情報は、ledzeppelin.com を参照させていただいた。
1970年は年明け早々の1月7日から17日まで、全英ツアーで幕開けした。
ツアー3日目の1月9日、ロンドンの Royal Albert Hall でのライブは、正規の映像である「レッド・ツェッペリン DVD」として販売されている。 この頃、オープニングで演奏されていた "We're Gonna Groove" は当時レコードではリリースされておらず、1982年の "Coda" に収録されるまで待つこととなる。 なお1月9日はジミー・ペイジの誕生日であった。 全英ツアー終了から一か月後、2月23日から3月12日はヨーロッパ・ツアーが行われた。 ツアー初日は、フィンランドの首都ヘルシンキである。 3月7日のスイスのモントルー・カジノでのライブの模様は、"Super Pop70" というラジオ番組で放送されている。 3月10日は、ドイツのハンブルグ。 この頃のセットリストの特徴の一つは、"How Many More Times" を即興で崩しまくって、様々なオールディーズをメドレーで演奏しているところにある。 この手法は、後程 "Whole Lotta Love" の演奏に引き継がれることとなった。 ヨーロッパ・ツアーの直後の3月21日から4月19日は、いよいよ北米ツアーの開始である。 北米ツアー初日となった3月21日はカナダのヴァンクーヴァー。 この日、レッド・ツェッペリンはプレス・カンファレンスに応じている。 3月27日はカリフォルニア州の The Forum でのライブ。 この日は夜8時45分から11時15分まで、実に2時間半にわたるライブを繰り広げている。 4月8日のノース・キャロライナ州ラーレーでのライブは、交通渋滞で開演が1時間近くも押してしまった。 悪いことにアンプも故障してさらに遅れる事態となり、観客も我慢の限界で爆発寸前の状態となった。 そこへ現れたレッド・ツェッペリンの怒涛の演奏で、観客のイライラは一気に吹き飛ばされてしまったのである。 4月17日のテネシー州メンフィスでのライブの数日前、レッド・ツェッペリンのメンバーは、メンフィス市の名誉市民を授与されることとなった。 4月18日、アリゾナ州フェニックスではロバート・プラントの体調が優れず、ライブを1時間半ほどに短縮せざるを得ない事態となった。 翌日のラス・ヴェガスでのライブはキャンセルとなっている。 4月19日を最後に北米ツアーを終了したレッド・ツェッペリンは、5月から "III" の録音を開始した。 アルバムの制作は8月までかかっているが、6月22日から7月19日までのヨーロッパ・ツアーと並行しての作業だった。 6月28日にイギリスで行われた Bath Festival の音源では、"III" に収録されている "Immigrant Song" や "Since I've Been Loving You" を聴くことができる。 ヨーロッパ・ツアーに続く8月10日から9月19日の期間は、この年最後の北米ツアーとなった。 北米ツアー初日はヴァージニア州のハンプトンで行われたが、このライブは長年の間、8月15日もしくは17日と考えられていた。 近年確認された記録で、8月10日のことであると判明したらしい。 実際、8月15日のライブの会場は、コネチカット州ニューヘイブンとなっている。 そして8月21日、オクラホマ州タルサのアセンブリー・センター。 ここでは "Whole Lotta Love" の中間部に様々なオールディーズを挟み込むアドリブが披露されている。 このスタイルはその後数年間続けられることとなった。 ワイオミング州ミルウォーキーでの8月31日のライブは、元々27日に予定されていたものだった。 9月2日、カリフォルニア州オークランドでは、アンコールで "Train Kept a Rollin" "Blueberry Hill" "Long Tall Sally" が演奏されている。 9月3日はカリフォルニア州サンディエゴ。 9月4日、カリフォルニア州イングルウッドでのライブは、 "Blueberry Hill" とのタイトルの「ブートの名盤」として知られている。 9月6日、ホノルルでは19時と22時半からツーセットでライブが行われた。 公式YouTubeチャネルでは、セットリスト最後の曲 "Communication Breakdown" が公開されている。 9月19日、ニューヨークのマディソン・スクェア・ガーデン。 前日18日に亡くなったジミ・ヘンドリックスに捧げる内容が含まれている。 なおこの日も一晩でツーセットをこなすという超人的なライブだった。
こうして1970年のレッド・ツェッペリンのツアーは終了し、10月5日の "Led Zeppelin III" リリースを迎えることとなる。
Photo by Joey Banks on Unsplash
<閲覧注意> 引用内に民族差別表現が含まれておりますのでご注意ください。 * コメント欄でのご指摘を反映させ、一部削除加筆いたしました。(6/5/2019)
4月の統一地方選で「NHKから国民を守る党」(以下「N国」)なる団体が大きく議席を伸ばした。
4月26日付の朝日新聞の記事によると、N国に所属する地方議員は選挙前の13名から39名と三倍に拡大したとのことだ。 N国の公式サイトではNHK受信料不払だけをひたすら主張しており、このシングル・イシューに魅かれた有権者がそれなりに存在した結果だと思われる。 さらにこの勢いに乗じて、N国は夏の参院選に10人の公認候補を擁立すると発表している。 ところが統一地方選の投開票から一週間も経たない4月26日、荒川区議としてN国から当選した夏目亜季氏が、不可解なツイートを発信した。
どうやらN国から立候補して当選すると、N国への130万円の供出と毎月10万円の支払いを要求されるようである。 さらにN国の品川区議の國場雄大氏のツイートによって、4名が130万円を支払わなかったために除名となったことが明らかにされた。
★豊島区・沓澤亮治(除名処分済み)
この動画の中で立花氏は「立花が130万円を払わなければ党を除名するということを勝手に言っていると、このように彼は主張しておりますが、これは勝手には言っておりません。私は臨時総会で冒頭、全部の議事について、私が一任して決めることに異議ございませんかということを申し上げて、異議なしということで承諾されております」と語り、「臨時総会」で金銭の要求を出していたことを認めている。
なお、ここで立花氏が言う「臨時総会」についても、その全容がYouTubeで公開されているが、立花氏は「党」運営について高らかに「独裁」宣言をしていることにも驚かされる。 うちの党は明らかに立花孝志の完全に個人商店に今なってて、今直ちに崩すと崩れてしまうので、僕がもう独占的に全権持ってやります。 誰を公認するとか合議でやるとバラバラになる。もう既に相当バラバラになってます。(中略)とりあえず独裁でいきます。
ところでN国から除名となった面々についても見ておきたい。
まず豊島区議として当選した沓澤亮治氏だが、獣医師という立場にありながら、注射器を闇サイトで違法転売したことで2011年に逮捕された経歴の持ち主だ。 無許可で注射器販売した疑い 闇サイトで、男2人逮捕(日本経済新聞 2011/11/9)
さらに彼は「しきしま会」なる差別団体でボウズPと自称して、堂々とヘイトスピーチを繰り返してきた人物である。
現在彼は「東京都豊島区議会議員くつざわ亮治獣医師」と題したブログを運営しているが、この中には過去のヘイト記事のタイトルがそのまま残っている。 (なおヘイト記事そのものはライブドアから削除処分を喰らったと思われ、404 Not Found となる。) 韓国大統領候補が反日キチガイしかいない件 20170316
また杉並区議となった佐々木千夏氏は、130万円拠出の件を廻って不満を述べているが、なぜか「二重国籍の国会議員250名がNHK内の朝鮮人と結託」などという全く根拠のない陰謀論全開のヘイトを開陳する始末である。
さらに佐々木千夏氏は新興宗教団体「正理会」幹部であることも、当の正理会名誉会長のブログで明かされているが、そのブログ自体がヘイトスピーチで溢れかえっており、実に酷いものだ。 例えばいきなりトップの画像に、こんな文言が掲げられているのである。 第一期の戦いの目標は、朝鮮人問題の真実を国民に知らせることであった。 ド直球のヘイトに、開いた口が塞がらない。 なお同じく除名処分となった若林修氏はツイッター・アカウント削除、冨永雄二氏は4月22日以降書き込み停止、多田光秀氏に至っては検索結果が何も表示されないありさまであった。
冒頭に引用した朝日新聞によると、立花氏は参院選について「選挙区は当選を目指していない」と考えているらしい。
実際、立花氏は 4月26日に公開された動画で「全国比例区で立花氏と浜田氏の二人だけで出たかったのだが、政党要件の関係であと8名を出さざるを得なかった」と語っており、その文脈の直前には「東京の7名は出したくもなかった。供託金すら返ってこないと考えている。ポスター一枚に7名分を記載するつもり」と話している。東京選挙区の有権者や、立候補者本人たちさえも愚弄するやり口と言わざるを得ない。* ( * 以下削除:東京選挙区に7人を擁立するというめちゃくちゃなやり方は、比例当選のための票集めの手段に過ぎないことを自ら吐露しているのだ。) 今回騒ぎとなった130万円も、参院選の供託金集めが目的であったのだろう。 そして130万円拠出に文句を言って除名された者も、ヘイトスピーチ常習者だった。 いくらNHKに不満があっても、「NHKから国民を守る党」には絶対に投票してはいけない。 3年ぶりに来日したエリック・クラプトンが、4月13日を皮切りに連日にわたって武道館でのライブを続けている。 セットリストは基本的に変わっていないが、二日目以降は初日に無かった "High Time We Went" をアンコールで演奏しているようだ。 エリックと武道館の縁は深く、初来日公演を武道館で行ったほか、1979年の演奏はライブ・アルバム "Just One Night" として残してもいる。 ここでは Setlist.fm に掲載されている情報を基に、初来日を含む70年代の武道館でのセットリストを振り返ってみたい。 1974年 この年、アルバム "461 Ocean Boulevard" で復活を遂げたエリックが、初来日を果たした。 10月31日からの3日間の武道館公演で始まり、続けて大阪で2日間行われている。 1974年10月31日 1974年11月1日 1974年11月2日 セットリストは連日大きく変わり、アンコールも初日の "Layla" から "Little Wing"、"Blues Power" と入れ替えになっている。 なお、この頃頻繁に演奏されていた "Smile" は当時のアルバムには未収録だったが、後年ライブアルバム "Live In The Seventies" や "461 Ocean Boulevard" デラックス・エディションに記録されている。 また "461 Ocean Boulevard" に続くアルバム "There's One in Every Crowd" のレコーディング直後のタイミングであったため、アルバム発売に先駆けて収録曲 "Singing the Blues" や "Little Rachel" も披露された。 なにしろ長期のドラッグ中毒療養から復活しての初来日だったため、ミュージック・ライフなどの音楽誌が激しく盛り上がっていたことを記憶しているが、私自身はまだ中学2年であったため、残念ながら初来日を見届けることはできなかった。 1975年 初来日からちょうど一年後、再び武道館にて来日公演が開始された。 1975年11月1日 1975月11月2日 この年のセットリストも、二日間で大きく変更されている。 また私自身にとっても初めてのエリック・クラプトンのライブとなり、その後40年以上にわたってほぼ皆勤賞で観続けるきっかけにもなった。 詳細な記憶は既に失っているが、"Farther On Up the Road" で盛り上がったような気もするので、おそらく11月2日に観に行ったのだろう。 当時のバンドには女性コーラスでイヴォンヌ・エリマンとマーシー・レヴィーが参加していたが、マーシーに自身の曲 "Teach Me to Be Your Woman" を歌わせている。 今回の来日でもバンドのメンバーのためにそれぞれソロの見せ場を作っているが、この頃からそうした配慮が成されているのが興味深い。 1977年 1976年の "No Reason to Cry" の発売後で、名作 "Slowhand" のリリースを控えたタイミングでの来日となった。 武道館での演奏は10月6日と7日の二日間行われているが、残念ながら6日分の記録が残っていない。 1977年10月7日 この年の公演で覚えているのは、開始が予定より一時間以上も遅れたうえ、エリックが明らかに泥酔している様子だったことだ。 ニューアルバム "Slowhand" から "Cocaine" が披露されているが、再度アルコールなどの問題を抱えることになっていたのは皮肉である。 1979年 2年を経て、4回目の来日公演、二日連続の武道館となった。 セットリストは両日とも同じものである。 1979年12月3日、4日 この年、エリックはバンド・メンバー全員をイギリス人に替えており、新たなラインナップでの初めての来日であった。 また前述したように、12月3日分の演奏は、ライブアルバム "Just One Night" として翌1980年にリリースされている。 アルバムの曲順は、実際の演奏のセットリストから大きく逸脱はしていない。 自分がその場にいたライブがアルバムとして残るという貴重な体験をしたのは、後にも先にもこの一回きりである。 エリック・クラプトンは80年代以降も頻繁に来日を続けており、武道館で収まりきらなくなった時期には東京ドームや横浜アリーナなどを会場にしている。
歌もので売れていた頃、隣の席のカップルが「クラプトンってギターもうまいのね」などと話しているのを聞いて、倒れそうになったこともあった。 ともあれ、ポール・マッカートニーやジェフ・ベックなどと共に、未だ現役感バリバリでライブを続けている貴重なミュージシャンである。 Photo by William Hook on Unsplash このところ、Facebookのコンテンツや広告を巡る報道が相次いでいる。 Facebook自身が白人優越主義のコンテンツを禁止する一方、Facebookでの広告については米住宅当局から「ターゲティング広告が差別的である」と提訴された。 Facebookのターゲティング広告では、既に2017年に「嫌ユダヤ」など明らかにヘイトクライムにつながるキーワードが禁止されているが、アメリカ社会がさらに踏み込んだ差別対策を要求する形となった。 一方、日本語環境でのFacebookのターゲティング広告の規制はどうなっているのか。 IT系ネットメディアでも検証が見当たらないので、広告出稿の機能である「広告センター」を使って実際に確認してみたい。 1. 全対象者 基本的なターゲットのパラメータとして性別を「すべて」、年齢を「18才から65才以上」、地域を「日本」と設定する。 ここで表示されるオーディエンスサイズ 1,900万人が、対象者の母数となる。 2. 政党について 次に「趣味・関心」欄に政党名を入力してみる。 「自由民主党」については25万人が関心を示していることがわかる。 ところが他の政党名を入力してもターゲットを絞ることができない。 政権与党である「公明党」をはじめ、野党の「立憲民主党」、「日本共産党」も受け付けられないのである。 なお「民主党」と入力した場合、米国の民主党が一覧のトップに表示される。 また「共産党」と入力すると、各国の共産党が一覧で表示されるが、日本共産党は現れてこない。 (ちなみに中国共産党に関心を持っている人は78,000人だった。) 以上の結果から、Facebookが「自由民主党」以外の政党名でターゲティング広告を打たれることを嫌がっていることが伺い知れる。 3. ヘイト対策について 「趣味・関心」欄に「人権」と入力すると89,000人となり、また「差別」では11万人となる。 ところが、「人種差別」「女性差別」「レイシズム」といったキーワードでは絞り込むことができない。 さらにネトウヨやレイシストが使用する可能性がある「嫌韓」「嫌中」「在特」「在特会」「日本第一党」といったキーワードも拒否される。 当然だが「ナチス」「ナチズム」も使用不可能である。 ヘイト対策については、あり程度健全に機能していると思われる。 4. その他の諸問題について 「日本国憲法」「改憲」でもターゲットを絞り込めない。 また「森友」「辺野古」「特定秘密保護法」「元号」なども拒否されるが、なぜか「普天間飛行場」では6,000人に絞り込まれる。 領土問題については「北方領土」「尖閣」が使用できない一方、「竹島」では27,000人との結果が表示される。 この辺りのアルゴリズムについては、よくわからない。 以上のように、Facebookがターゲティング広告で一定レベルのヘイト対策を講じていることは分かったが、併せて全体的に社会問題でのターゲティングも嫌っているようである。
政党名では「自由民主党」のみがキーワードとなり得るのが不可解ではあるが、これはむしろリベラル側が有効に使えるのではないか。 ターゲットとしての関心はポジティブな要素が強く、「自由民主党」で絞り込まれる25万人はコアな支持者と予想されるからである。 この層に対して、安倍晋三や菅義偉らの国会や記者会見での不誠実な態度、統計不正の隠蔽など、大手メディアが伝えない生の状況を、Facebook広告で伝えられる可能性がある。 しかも新聞広告などと比較して、広告費用は極めて少額で済むのである。 |