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6月28日から29日、二日間にわたるG20大阪サミットが開催された。 安倍政権は参院選告示直前のタイミングでサミットを最大限に利用するつもりだったのだろうが、会場設営から安倍本人の発言に至るまで、ボロが目立つ事態になってしまった。
1. 杜撰な運営
まず初日となった28日の午後、「デジタル経済」をテーマにした首脳イベントが開催されたが、ここで驚いたのは会場の狭さである。
NHKから引用
TBSテレビ報道からキャプチャー
狭い会議室で、小さな机に押し込まれる各国の首脳たち。
企業主催の一般的な無料セミナーでも苦情が出るレベルである。 いったい事務方は何を考えてこんな会場設営にしたのであろうか。 そして外国人記者に配布された飲み物も意味不明だった。これにについては、日本経済新聞の記者が次のようにツイートしている。
水素水!
既に何年も前に、国民生活センターなどにより効能が否定されているものである。 販売元等のホームページや直販サイト、商品のパッケージに、飲用により健康保持増進効果等があると受け取れる記載がありました。医薬品医療機器等法や健康増進法、景品表示法に抵触するおそれがありますので、事業者に対し、表示の改善を指導するよう要望します (国民生活センター)
事務方はどういう意図でこれを配布したのだろうか。
もしかして不良在庫の処分に協力したのですか? さらに事務方だけではなく、警備側にも弛みが目立っていた。 拳銃の置忘れや弾倉の紛失など、G20の開催にかかわらず絶対にあってはならないことである。 大阪府警は28日、大阪で開かれている主要20カ国・地域(G20)首脳会議の警備の応援で大阪(伊丹)空港の警戒にあたっていた島根県警の20代の男性巡査が、実弾入りの拳銃などをトイレに置き忘れたと発表した。 (朝日新聞) 第5管区海上保安本部(神戸)は28日、ゴムボートでG20大阪サミットの警備に当たっていた舞鶴海上保安部(京都府舞鶴市)の40代の男性職員が、自動式拳銃から弾薬14発入りの弾倉1個を、主会場に近い大阪南港の海域で落としたと発表した。弾倉は見つかっていない。 (中日新聞)
高速道路を封鎖したり、遠く関東地方の駅のロッカーまで使用停止にするなど国民に不便を強いておきながら全く何をやっているのか、だらしないとしか言いようがない。
2. 相手にされない安倍晋三
首脳全員が集まってのフォトセッションでは、安倍晋三が待ちぼうけを食うことになってしまった。
待ちぼうけは進行の不手際なので、責めを負うのは事務方であろう。 しかし首脳たちが続々と登場し互いに握手やハグ、会話を交わす中で、安倍晋三だけ1人取り残されているのだった。
英語力の問題もあるのだろうが、議長国の首脳としてあまりにも情けない姿である。 150年前の明治維新の混乱で、大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣は今から約90年前に、16世紀のものが忠実に復元されました。
まず大阪城の天守閣は16世紀には存在していない。
そしてエレベーターをつけたことを「大きなミス」と言いのけてしまったのである。 バリアフリーが推進されているこの時代に、いったい何を言っているのだろうか。 ジョークとしても全く面白くないだけでなく、人権に対する配慮に欠ける彼の人間性を、各国の首脳を前に曝け出す結果となった。 ちなみに、現在も建設が続くサグラダファミリアにもエレベーターは設置されている。 安倍晋三首相は29日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の閉幕後、議長として記者会見に臨んだが、予定の30分間を過ぎないうちに司会役が会見を打ち切り、報道陣からは不満も出た。 (毎日新聞)
あらかじめ仕込んだ質問と用意された原稿の読み上げ以外には対応ができないのであろう。
国会答弁でも常に見かける光景である。
こうして閉幕したG20は、日本として大きな成果を出すこともなく、また政治ショーとしても極めて情けないものになってしまった。
しょせんが「外交の安倍」の実体はこの程度のものなのである。
追記 (16:00 30/6/2019)
6月30日午後、米トランプ大統領と韓国・文大統領は板門店を訪問し、金正恩委員長と面会した。日本の外務省は知らされておらず、完全に蚊帳の外扱いである。G20は前座に過ぎなかった。
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