Photo by Ashley Jurius on Unsplash この数年、自衛官募集ポスターの劣化が著しい。 いわゆる「萌え」系のイラストが席巻しているのである。 徳島地方協力本部に至っては「萌える就職先」と断言する始末だ。 さらに防衛省自体も、こうしたポスターをまとめて紹介するページまで作成している。 自衛隊の“チホン”と呼ばれる各地の地方協力本部(地本)が話題になる機会のひとつが独自に作成している自衛官募集ポスターです。特にマンガ・イラストのポスターは人気で、キャラクターを一般から公募、選ばれた作品で自衛官募集ポスターを展開しています。 「萌え」系イラストを配したポスターを制作する真意についてネット上でも様々な憶測が飛んでいるが、おそらく「何も考えていない」のが正解ではないだろうか。 一例として、2015年の神奈川地方協力本部による入札公告を見てみたい。 1 趣旨 自衛隊神奈川地方協力本部(以下、「神奈川地本」という。)では、陸・海・空自衛隊のイメージアップ及び自衛官の志願者アップを図るため、自衛官募集ポスター等を作成します。 採用基準のトップが「萌キャラ、ゆるキャラ、その他なんでも可」とは、いったい何なのか。 脱力するしかない。 そして採用されたのが、テレビアニメ「ハイスクール・フリート」とのコラボ企画だった。 同様の企画は全国の地方協力本部にも広がっていた。 特に茨城地方協力本部では、2014年から「I☆P's(アイピース)」なるキャラクターを全面的に展開し続けている。 キャラクターは三人設定されており、それぞれ「小梅」は陸上自衛隊、「のばら」は海上自衛隊、「ひばり」は航空自衛隊を表しているらしい。 改めてI☆P'sメンバーの名前を紹介します! また東京地方協力本部では、アニメ「ゲート」とのコラボになっている。 こちらは一応自衛隊をテーマにしたアニメであるが、女性のヘソだしの必然性は全く無いだろう。 そして極めつけは滋賀地方協力本部である。 こちらはカドカワの「ワールドウィッチーズ」10周年イベントとのコラボだそうだ。 さすがにこれは一線を超えてしまっている。 ミニスカートの女性が下着を見せている意味がまったくわからない。(なおアニメに詳しい人によると、これは水着とのことだが、水着であっても問題の本質は何も変わらない。) 一般企業の新卒募集でこんなイラストを使ったら、セクハラとして指弾され、一発でアウトだ。 防衛省は「何も考えていない」のを通り越して、「社会通念上許される常識的な範囲」についてすら考えていないのではないか。 武力を持った組織の人権感覚がこんな状態とは、本当に恐ろしいことだ。 ところで最近、首相・安倍晋三は憲法改悪を強引に推し進めるため、自衛官の子供が「お父さんは憲法違反なの」と訊いて泣いたとの出所不明な与太話をオハコにしている。
子供が泣いたらいちいち憲法を変えるのかよと突っ込みたくなるが、まず「お父さんはこんなポスターで応募したの」と言われないようにすべきではないのか。 訳の分からない与太話よりも、よっぽど現場の自衛官が不憫である。
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Photo by Tim Gouw on Unsplash 「アベノミクス」を盛るための恣意的な統計値の操作、辺野古に反対する沖縄の民意踏みにじりなど、安倍政権は混迷しながらも、いよいよ剥き出しのファシズムを隠そうともしなくなった。 こうした中、安倍政権に対する怒りを表明するためのデモが企画されたが、なんと主催者がツイッターで概要をアナウンスしたと同時に、アカウントが凍結されてしまったのである。 あからさまなヘイト・ツイートは放置する一方、政権に批判的なアカウントを次々と凍結し、その理由すら明かさないツイッター日本法人に対する抗議の意味も込めて、主催者のFacebookページで公開されたデモ告知を全文紹介しておきたい。 写真撮影とバナー制作:木村夏樹氏 #AbeOut0223 2月23日(土) 12時 日比谷公園中幸門集合 12時15分 出発 13時ごろ 楓川弾正橋公園終点、解散 安倍政権の終わりの始まりにする2019年、デモ二発目になります。今回もコールは「安倍は辞めろ」のみになります(一部エリアでは例外あり)。安倍晋三が辞めなくてはいけない理由は山ほどありますが、皆さんが考える最も辞めるべき理由をプラカ、ゲートフラッグ、ダンマクに託して来てください。 沖縄の県民投票前日、故翁長元県知事が過去にネトウヨの罵倒に晒された銀座のど真ん中で安倍にダメ出しすることで、沖縄で安倍政権と戦う人たちへのエールになると考えてこの日に設定しました。そういうプラカ等がたくさんあったら嬉しいです。 また、311からまもなく8年、どうせ日比谷公園出発ならと、東京電力本社前を通過するルートを設定しました。フクイチの事故は安倍晋三の責任でもありますから。なので、日比谷公園から東電前までは原発反対のコールになります。予めご了承ください。 みんなで安倍を終わらせましょう。 写真撮影とバナー制作:木村夏樹氏
[注意事項] 1.団体の幟や旗などをお持ちの方は、デモ隊の後方部にてご参加をお願いいたします。 2.主催よりゲートフラッグの用意があります。持ち手を現地で募集しますので、ご協力よろしくお願いします。 3.極左のプラカなど、主催が問題ありと判断したものは下げていただくこともございます。予めご了承ください。 4.言うまでもなく極左、極右、ネトウヨ、顕正会は見つけ次第排除します。 5.その他不明な点がありましたら、当日腕章をしたスタッフまでお尋ねください。 怒りの可視化 サイバー攻撃対策の一環として、総務省は家庭や企業にあるインターネット家電などのいわゆる「IoT機器」に無差別に侵入して対策が不十分な機器を洗い出す、世界でも例のない調査を行うことになりました。(中略) 続けて2月1日には、詳細が総務省から発表された。 ここでは、ZDnetの記事から引用させていただく。 総務省と情報通信研究機構(NICT)は2月1日、脆弱なIoT機器の調査とユーザーにセキュリティ対策を促すプロジェクト「NOTICE(National Operation Towards IoT Clean Environment)」を2月20日に開始すると発表した。NICTがネットワーク経由で調査するが、総務省は「セキュリティが目的であり、通信の秘密は侵害せず、調査などで得られた情報は厳格な安全管理措置を講じる」と主張している 昨今、いわゆるIoT機器の導入が爆発的に広がり、それらを踏み台にしたサイバー攻撃が相次いでいることから、政府が対策の音頭を取ること自体は何ら不自然なことではない。 しかしNHKの記事も指摘しているように、「予想されるIDとパスワード」で実際に機器へのアクセスを実施するというのであれば、それはパスワード攻撃そのものであり、不正アクセス行為になってしまう。 最高刑では懲役を含む刑事罰を科せられるほどの重大なことだ。 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 こうした事態を避けるため、2018年3月6日に関連法規が変更されていた。 NICTが不正アクセス禁止法の構成要件から除外されたのである。 5年間という期間限定ではあるが、NICTは堂々とIoT機器へのアクセスが行えることになった。 しかし関連法規を変えても、「通信の秘密の侵害」を禁じた日本国憲法第21条に抵触する可能性が極めて高い。 日本国憲法第21条 先ほどのZDnetの報道によると、総務省は「セキュリティが目的であり、通信の秘密は侵害せず、調査などで得られた情報は厳格な安全管理措置を講じる」と主張している。 しかしまったく同じ2月1日、総務省は、基幹統計である「小売物価統計調査」で不適切な調査が行われていたと発表した。 厚労省で発覚した、賃金統計不正に次ぐものだ。 自分たちが実施したい法案を裏付けるために、国の根幹となる基幹統計まで胡麻化すような人たちの主張を、性善説で鵜呑みにすることはできない。 ところで非常に奇妙なことに、情報セキュリティに関する重大な懸念に対して、当のセキュリティ業界からは何の声も聞こえてこない。 私が調べた限りでは、独立系のITジャーナリストとして知られる三上洋氏が「国がやるべきことではない」と懸念を表明しているだけである。 ここで総務省が1月に公開した資料「国立研究開発法人情報通信研究機構法(平成11年法律第162号) 附則第8条第2項に規定する業務の実施に関する計画の認可申請の概要」を参照してみたい。 一番最後のページの一番下に、このような記載がある。 電気通信事業者への通知に関する業務を、認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会に委託する等 非常に分かりにくいが、今回のIoT機器への無差別侵入と脆弱性調査によって発覚した情報の連絡は、「認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会」として認定された団体に外注するということだ。 そして1月8日、一般社団法人ICT-ISACが「認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会」として認定されていた。 総務省が「無差別侵入と脆弱性調査」を行うと発表する、わずか2週間前のことである。 なんと手際のよいことか。 2月2日現在、「認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会」の認定を受けている団体はICT-ISACだけだ。 これは明らかにICT-ISACへ競争入札なしに発注することを前提として、様々な準備が進められてきたということであろう。 では、ICT-ISACとはどのような団体なのだろうか。 Webサイトによると、「サイバーセキュリティに関する情報収集・調査・分析」などを目的とするとされている。 そして会員企業のリストを見てみると、実にほぼすべてのセキュリティ・ベンダー、通信キャリア、テレビキー局などが名前を連ねているのである。 アルテリア・ネットワークス株式会社 またICT-ISACの定款には、このような記述がある。 第9条 社員が次の各号のいずれかに該当する場合には、社員総会の決議によって除名することができる。 これでは、会員企業は批判を封じ込められているも同然ではないか。
しかしこうした「鞭」だけではなく、しっかり「飴」も用意されている。 降って湧いたような、2億台近くに及ぶIoT機器のセキュリティ対策需要だ。 飴と鞭を用意されたセキュリティ業界は、これからも憲法違反の疑念に対して沈黙を続けるのだろうか。
1月2日、沖縄にルーツを持つハワイ在住の日系米国人 Rob Kajiwara 氏がホワイトハウスに対して、沖縄県民投票が完了するまで辺野古埋め立て工事を延期することを求める署名を開始した。
日本国内からはローラさんや所ジョージさんらが次々と賛同を表明して話題になったが、6日にはなんとクイーンのブライアン・メイ氏が「緊急!」というツイートをしたのだった。
これが報道され広く知られるやいなや、例によってネトウヨの皆さんが噛みつきはじめたが、あまりにも頓珍漢で、各所で自爆を重ねていった。
「クイーンが反日バンドだったとかショックだわ」といつもの如くの「反日」認定であるが、「もうレットイットビーは二度と聞かない」とは。。。
いくら何でもネタであろうと思いたいところだが、このアカウントの人は某アマチュア楽団のトランペット奏者であることが知られており、しかもツイートの翌日には鍵アカウントになってしまったため、実は本気の書き込みだったのだろう。 なお単純に「反日」「親日」という二項対立で相手を位置づけるのは思考停止と言うしかないが、敢えてその図式に乗ったとしても、クイーンほど筋金入りの「親日」バンドはいないのである。
そしてなぜか「反日」認定はビートルズへ飛び火。
残念ながらクイーンは1人ではない。
ブライアン・メイがなぜ「売名行為」をする必要があるのか。
ブライアン・メイは日本共産党と何の関係もない。
ましてや映画「ボヘミアン・ラプソディ」は中国共産党と何の関係もない。
そして極めつけは百田尚樹さんである。
62才の百田さんが同時代のクイーンを知らないはずはなかろうが、悔しさだけは十分伝わってこようというものだ。
ところで署名は2019年1月14日正午現在で20万筆を超え、あと数千筆でサイトのトップに常時掲載されるところまで来た。
しかし今も沖縄では自民系首長が住民投票の実施を無視し、防衛省はさらに辺野古の西部の埋め立てを狙っている。 わずかな力かもしれないが、さらに署名数を積み重ねていきたい。 署名はこちらからどうぞ。 Photo by Konstantinos Papadopoulos on Unsplash 2018年は、森友・加計疑惑や財務省次官のセクハラなど、政府の底なしのモラル崩壊で始まった年であった。 そしてこれらの恥ずべき事態は、年末に至っても何一つ解決していないどころか、まともに説明すらもされていない。 さらに夏以降には、入管法強行採決や辺野古土砂投入など、剥き出しの強権的な体質が民意を踏みにじり、国の破壊が本格的に始まってしまったのである。 また自民党によるファシズムが進行する中、個々の閣僚や議員たちの無能っぷりや不祥事も、次々と発覚した年でもあった。 こうした自民党のデタラメが余りにも多すぎて、もはや何が何だか訳が分からなくすらなっているので、年の納めにきちんと整理しておきたいと思う。 なお2018年の前半については、「2018年も留まることのない自民党と安倍政権の不祥事」をご覧いただきたい。 6月 沖縄県連会長、喧嘩で書類送検 自民党県連会長の国場幸之助衆院議員(45)が、那覇市の路上で酒に酔った状態で観光客男性とトラブルとなって重傷を負った件で、那覇署は10日午前、国場氏と男性の2人を、傷害容疑で身柄不拘束のまま那覇地検に書類送検した。 衆院厚生労働委員会で、受動喫煙対策を訴える肺がん患者に「いい加減にしろ!」とヤジ 受動喫煙対策が議論された衆院厚生労働委員会で、6月15日、参考人として招かれたがん患者が意見を述べている最中に、自民党の穴見陽一議員が「いい加減にしろ!」とヤジを飛ばしていた。 7月 西日本の豪雨を余所に「赤坂自民亭」と称する大宴会強行 あの酒盛りをしていた時間にも西日本では避難している人たちはたくさんいましたが、安倍晋三総理や上川陽子法務大臣(衆・静岡1区)などは楽しそうに記念写真を撮影していました。 5日夜は、東日本から西日本の広い範囲で記録的な大雨になる恐れがあると気象庁が発表していた。 衆院議院運営委員長・古屋圭司、二重帳簿でパーティー券収入過少申告 自民党の古屋圭司・衆院議院運営委員長の事務所が政治資金パーティー券の販売実態をノートで管理し、政治資金収支報告書に実際の収入の半分程度に過少記載していた疑いのあることが分かった。 総務相・野田聖子巡り、金融庁が総務省側へ事前に文書開示 野田聖子総務相の事務所秘書が仮想通貨関連会社の関係者を伴って金融庁から規制の説明を求めた問題で、金融庁が総務省側に対して開示決定通知書などを事前に渡していたことが25日、分かった。 杉田水脈「新潮45」でのLGBT差別で大規模な抗議デモ、「新潮45」は事実上の廃刊に 7月18日(水)発売の月刊誌『新潮45』2018年8月号(新潮社)に、杉田議員が「LGBT」支援の度が過ぎる」というタイトルの文章を寄稿。 自民党の二階俊博幹事長は2日夜、LGBT(性的少数者)をめぐる月刊誌への寄稿で党の指導を受けた杉田水脈衆院議員などをめぐり「こういうことは大げさに騒がない方がいい。この程度の発言があったからといって、帰国してからどうだっていう話ではない」と発言したことについて、「『この程度』とは、発言者(杉田氏ら)のことであり、LGBTの方々を指して言っているわけではない」との補足コメントを公表した。 だめだ、こりゃ。二階や杉田は、次のHUFFPOSTの記事を穴が開くまで読め。 差別煽動効果の問題。政治家の差別は、一般庶民の差別に比べて、非常に強力に差別を煽動してしまうこと。これが最大の問題である。 なお杉田は、ネットメディアの「No Hate TV」から「2018最悪ヘイト王第一位」に選出された。 写真は「No Hate TV」からキャプチャー 10~12月 10月に行われた内閣改造で初入閣した面々が、さっそくポンコツぶりを全開 【詳報】初入閣12人 自民内から「在庫一掃」の声 「全裸訪問」に「不法献金」、沖縄北方担当相・宮腰光寛 宮腰光寛沖縄・北方担当相は30日の記者会見で、2007年に東京都内の衆院赤坂議員宿舎で酒に酔って裸で他の議員の部屋を訪れたという週刊文春の報道について「深く反省し、ご迷惑をかけたみなさまには改めておわび申し上げたい」と陳謝した。 新たに宮腰光寛沖縄・北方担当相が談合で処分を受けた企業から献金を受けていたことが判明した。 PCを触ったことがないしUSBも知らない最強のポンコツ、サイバーセキュリティー担当相・桜田義孝 桜田義孝五輪相は5日の記者会見で、文部科学副大臣だった平成25年に東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含むごみ焼却灰などの指定廃棄物を「福島に置けばいい」と発言したことについて、改めて陳謝した。 日本政府でサイバーセキュリティー担当を兼務する桜田義孝五輪相が日常的にパソコンを使用していないと明らかにしたことについて、海外メディアは相次いで報道した。サイバー対策の責任者がパソコンを使わないことが驚きを持って受け止められている。 野党は「USBが何であるかもわからない」「USBは穴に入れるらしいですけれども、わからないので、官僚に聞いてください」といった前回の桜田大臣の答弁に言及。この発言は米ニューヨークタイムズ紙や、英ガーディアン紙をはじめとした世界中のメディアで報道され、失笑を買った。 人は自分の能力が不足していたり、自分がそれに適していないということを認識することが難しい。そのため能力が低い人ほど、自分を高く評価してしまうというダニング・クルーガー効果がおきやすい。 弱者たたきで名を馳せた地方創生担当相・片山さつき、底なしの不正発覚 条例違反の看板、各地に設置 看板の条例違反認める片山さつき地方創生担当相は21日の衆院内閣委員会で、さいたま市、浜松市、名古屋市にそれぞれ設置された自身の書籍の広告看板が条例に基づく市の許可を得ていなかった時期があり、条例違反だったことを認めた。「更新が切れていた時期はそうだった」と述べた。 政治資金で「入浴剤」爆買いと500万円不正計上疑惑 片山さつき地方創生担当大臣(59)の疑惑が噴出。特に政治資金をめぐる疑惑は尽きず、収支報告書の訂正は40カ所以上、総額は500万円を超えている。 政治資金不記載訂正 一回目 政治資金収支報告書によると、片山氏が参院で2度目の当選を果たした2016年、投開票日(7月10日)直前の6月下旬から7月上旬にかけて、8つの業界団体から片山氏が代表をつとめる政党支部、政治団体、片山氏個人に対し、「寄附」、「陣中見舞」などの目的で計200万円が支出されている。だが、受け取った片山氏側の収支報告書には、献金は一切記載されていないのだ。 政治資金不記載訂正 二回目 片山さつき地方創生担当相が代表を務める政治団体「自民党東京都参院比例区第25支部」が平成26年と28年の政治資金収支報告書を訂正していたことが6日、分かった。収入に10万円ずつの未記載があった。2日付。この政治団体は先月31日にも報告書を訂正している。 政治資金不記載訂正 三回目 片山さつき地方創生担当相の事務所は13日、関連する政治団体の政治資金収支報告書の訂正を総務省に届け出たと発表した。収入の記載漏れが34件(計450万円)、支出の記載漏れが6件(計90万3000円)あった。日付の訂正なども7件あったという。 政治資金不記載訂正 四回目 片山さつき地方創生相の関連の政治団体3団体が、2017年の政治資金収支報告書で、計約600万円分の資金の出入りを訂正していたことがわかった。 政治資金不記載訂正って「反射的」に起こるものなのですか 政治団体の政治資金収支報告書の訂正が相次いでいる片山さつき地方創生相は4日の閣議後会見で、3回目の訂正をした際に「それ以上ない」と国会で答弁しながら4回目の訂正があったことについて、「(過去3回の訂正で)繰り越しが増えるので反射的に増えてしまうものだ」と釈明した。相次ぐ訂正には「大変申し訳ない」と謝罪した。 追加 大晦日にとんでもないニュースが飛び込んできた。 前衆院議員・赤枝恒雄が東京医大の裏口入学で口利き 東京医科大の不正入試問題で、医学部看護学科の一般入試で特定の受験生を合格させるよう前理事長に依頼した国会議員について、同大職員が、同大出身の産婦人科医で自民党前衆院議員の赤枝恒雄氏(74)だと説明していることが大学関係者の話でわかった。 2019年に行われる統一地方選や参院選の折には、ぜひとも思い出しておきたいものだ。 Photo by Nick Fewings on Unsplash この人物については、もはや自分自身の文章で言及することすら不快なので、あえて報道の引用のみで不快感の要因を共有しておきたい。 過労死遺族らが傍聴するなか質問に対し笑う安倍晋三首相と加藤勝信厚労相=26日、参院厚労委 しんぶん赤旗より引用 入管法強行採決前日、技能実習生の死亡について、安倍首相は「知らない」と笑顔で言った ハーバービジネスオンラインより引用 人間の命について真剣に議論すべき国会の場で、空疎な笑顔を見せる首相・安倍晋三。 そして沖縄県民の民意を踏みにじって辺野古に土砂を投入した翌日、またしても不誠実な笑顔を見せたのであった。 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設工事で名護市辺野古沿岸部の埋め立てが始まったことについて質問が飛ぶと、首相は苦笑い。身体を反転させて無言でゴルフ場に戻った。 朝日新聞より引用 安倍晋三は、人間の尊厳を踏みにじり、国民を痛めつけることに喜びすら覚えているのではないか。
各種の世論調査では、安倍に首相を続けさせる理由として「他に適切な人物がいない」ことを理由に挙げる人たちがいるが、誰が首相の職に就いても少なくともこの冷血漢よりはましである。 何よりもサルがバスを運転していたら、乗客はまず全力でサルを運転席から引き吊り下さなくてはならないのだ。
写真は朝日新聞のYouTubeチャネルの動画からキャプチャー
9月14日、日本記者クラブの主催で、自民党総裁選の候補である安倍晋三と石破茂の公開討論が、二時間にわたって行われた。 討論の最中から、安倍晋三の支離滅裂な発言や不誠実な態度を指摘する声がネット上で流れてきたので、実際にどのような討論が成されたのか、確認してみることにした。 討論の動画は、朝日新聞、東京新聞、FNNなどのYouTubeチャネルで観ることができる。 今回は朝日新聞による動画から引用したため、以下の時刻表示は朝日の動画のものとご理解いただきたい。 なお討論は二部形式で構成されており、第一部は「候補者二人による討論」、そして第二部は「記者クラブの企画委員からの質問への回答」となっている。 まず第一部では、候補者がテーマを自由に選んで相手に質問し、相手が回答したあと再質問あるいは反論するという形式となっていた。 最初に口火を切ったのは、現職の総裁である安倍である。 安倍「地方政策のどこに問題があったのか。」
自分で問題点に関する質問をしておきながら、「問題点を指摘することも大切だが、具体的な政策を進めることも大切」とは、いったいどういう了見なのであろう。
出だしから不誠実さが全開である。 次に石破から民主主義のあり方について質問が成された。ここで驚くべき発言が飛び出す。24分経過したあたり。 石破「民主主義のありかたについて訊きたい。民主主義が有効に働くにはどうすればいいのか。きちんと情報を提供することと、少数意見を尊重することだ。」
トリクルダウンだと一度も言ったことはない?!
ではここで2013年12月19日、日本アカデメイアでの安倍晋三のスピーチを振り返ってみよう。 大企業の業績回復の果実が、国内の中小・小規模企業、そして、その従業員の皆さんに、行き渡らないようであれば、アベノミクスは失敗であると、私は考えています。
確かに「トリクルダウン」という言葉は使っていない。
しかしこれは「パンは食べたが米は食べてないから朝ごはんは食べていない」という「ごはん論法」の典型例である。 この後、自衛隊に関する討議に続き、石破から社会保障に関する質問が出される。34分前後の発言。 石破「社会保障のあり方について訊きたい。医療保険ができた時からまったく違う状況になっている。高齢者の方々が誇りをもって暮せ、保育は福祉だという原点に立ち返る必要がある。」
65才になっても、70才を超えても、いくつになっても働けと。
社会保障の議論になっていないばかりか、めちゃくちゃな主張だ。 そして社会保障の話題から、格差是正や働き方に関する議論に流れるが、ここでもまた恐るべき発言が飛び出す。 安倍「格差が今広がっているのか、そうではないのか。」
企業は収益が上がっているのに労働分配率が下がっているという事実に対し開き直るばかりか、最低賃金がわずか26円だけ上がったことを自慢しだす始末である。
第一部の〆は、最近頻発している災害に対する対策の話題だった。 石破「災害列島に対する対策を教えてほしい。平時からの態勢が必要である。」
防災省が必要だと主張する石破に対して、「首相である私が指示を出す」と言い張る安倍晋三。しかも行政機関でも何でもないコンビニ。呆れたものだ。
今年7月5日の豪雨で、西日本を中心に11万人もの人々が避難する夜、「赤坂自民亭」と称して飲み会を強行していたのは、いったいどこの誰なのか。 それだけではない。2014年2月16日の豪雪で、山梨県全域がアクセス不能になっている真っ最中、首相が赤坂で呑気に天ぷらを食べていたのも記憶から消えてはいない。 広島の土砂崩れでも、熊本での地震でも、この人物がいったい何を指揮したというのか。
後半一時間の第二部は、記者クラブの企画委員による代表質問である。
第一部では二人の候補者へ均等に時間が配分されたが、第二部は現役の総裁である安倍が集中砲火を浴びることになった。 委員「内閣不支持の最大の理由が、総理大臣を信頼できないとなっている。なぜこうなっているのか。何をすべきなのか。」
この後もぐだぐだの言い訳が続く。持ち時間がオーバーして、司会から注意されても無視してしゃべり続ける。
国会答弁でもよく見る姿だ。 委員「国会に嘘をついた。総理大臣の職を辞しても当たり前だと思う。そういったことが頭をかすめたことはないのか。」
さらに、ぐだぐだぐだぐだ。
委員からの「そんなことは訊いていない」との声も遮って、ぐだぐだぐだぐだ。 委員「膿を出しきったのか。」
既に第二部になってから20分が経過している。
YesかNoかで応えるべき質問から、なぜ逃げ回るのか。 質問から逃げているだけではない。 2017年2月17日の衆議院予算委員会での森友学園に関する自分自身の発言「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」からも、ひたすら逃げ回っているのである。 続く経済政策についても、委員の「経済政策でもマイナス面を振り返って進めるべきだ」との声に対し、またもぐだぐだぐだぐだ。 司会から「簡潔にお願いします。」と叱られてしまう。 アベノミクスの後始末についても、こんなザマだ。 委員「アベノミクスを続けてきた結果、日銀の国債保有量がこれほどの大きさになった。世界の中央銀行でも例がない。このリスクの高い不正常な状態をそのまま次の政権に引き渡すのか。道筋をつけて引き渡すのか。」
災害対策であれほど自分が指揮を執ることを譲らなかったのに、国債政策になったとたん、日銀の黒田に放り投げる態度。
いったい何を言っているのだろうか。 そして1時間38分あたりで、話題が拉致問題に変わり、ここでも驚くべき発言が出る。 委員「拉致問題が解決できるのは安倍政権だけだと言っていたのに、いったいどうなっているのか。」
散々拉致問題を政局に絡めておきながら、「拉致問題が解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことはございません」とは、よくも言えたものだ。
しかも被害者家族への責任転嫁とも取られかねない、配慮のない言葉まで続いている。 なお2012年12月28日に、家族会・救う会が首相官邸で安倍晋三に面会した際には、このような発言を残しているのである。 安倍総理は、「拉致問題の解決は私の使命」などと述べた。
またしても、「ごはん論法」炸裂だ。
討論の動画を丸二時間観ていたら、気分が悪くなってしまった。
「ごはん論法」によるごまかし、論点をずらして討論からの逃亡。 国会中継で日常的に見ることができる姿だが、メディアはニュース用に編集した情報として流すため、その実態がなかなか有権者の目に触れることはない。 そして政治部の記者たちによる会見も、通常はなれ合いで酷いものである。 今回の記者会見のように、全メディアは政権に鋭く突っ込んで、その結果答弁がぐだぐだに崩れていくありのままの姿をきちんと報じてほしいものだ。 Photo by Ricardo Gomez Angel on Unsplash この8月、正に自民党総裁選が始まるタイミングで、安倍晋三が暴力団への支払いをケチって火炎瓶を投げ込まれたとの過去の事件が蒸し返され、SNSを賑わせた。 ツイッターでは、「#ケチって火炎瓶」「#安倍とヤクザと火炎瓶」などのタグが連日トレンド入りしている始末である。 この事件は、1999年の下関市長選を巡るトラブルで、安倍晋三の事務所が暴力団関係者から5回に渡り火炎瓶による襲撃を受けたと言われるものである(うち一箇所は勘違いによる無関係の結婚式場だった)。 翌2000年には、福岡地裁小倉支部で事件関係者に対する判決が下っているが、判決は裁判所のサイトFで全文公開されている。 判決の文中に出てくる被告人Aとは指定暴力団組長,BはAと親交を結ぶ者で、さらに衆議院議員Gは火炎瓶を投げ込まれた当事者である。 なお1999年当時、山口県下関市選出の衆議院議員は安倍晋三のみであるため、衆議院議員Gは安倍晋三しかありえない。 さて、まず判決文の6ページ目に注目してみたい。 ア 被告人BがG議員に対し,怨恨を持つに至った経緯 暴力団による支払要求の根拠が何であれ、安倍晋三の地元秘書が300万円を支払ったことは、事実として判決で認定されているのだ。 そして42ページに犯行の動機が記載されている。 第1の各犯行は,下関市長選に関してG議員側に協力したことで金銭を要求したがG議員側からその要求を拒絶されたことから,G議員側に対して恨みを持った被告人Bが,怨恨を晴らすとともに暴力団組織の力を借り,暴力に訴えるなどしてG議員側から多額の金銭を得ようと企て,親交のあった被告人Aに依頼し, 同被告人が,被告人Bからの報酬を得ようと目論み,配下のC,F及びEに命じて敢行されたものであり,金銭を得るためには火炎びんを投げ付けたり,放火することをも厭わない身勝手な動機に基づくものであり,その理不尽な動機に酌量の余地は全くない。 暴力団に「下関市長選に関してG議員側に協力したことで金銭を要求」されることとは、いったい何なのか?
現在、全国の全ての都道府県で暴力団排除条例が施行されており、反社会勢力と何等かの関係を持つ者への利益供与は厳しく禁じられている。 民間では、売買取引やアルバイトまで、あらゆる契約行為において反社会勢力との関係がチェックされ、徹底的に排除されているのは言うまでもない。 ましてやどんな理由であれ、事務所から暴力団関係者に300万円もの金銭を支払った者が、国会議員や首相の座に留まっていていいはずがない。 どうせ本人は釈明すらしないだろうから、メディアによる追及が望まれるところである。 Photo by Jared Rice on Unsplash 2018年の国会最終日で内閣不信任案を提出した野党を代表して、枝野幸男議員が不信任の趣旨説明を3時間近くにも渡って繰り広げた。 この大演説が文字起しされ、「枝野幸男、魂の3時間大演説」と題された書物として出版されたことが話題となっている。 現在のメディア情勢では、この内容が報道記事になることは殆どないだろう。 しかしこの書籍によれば、枝野氏は簡単なレジュメだけを元に、極めて論理的かつ端的に「安倍政権が不信任に足る7つの理由」を展開している。 こうした知性こそ、国会での議論としてふさわしいものと言えよう。 一方、今回の国会での与党側の答弁は、余りにも不誠実で、国会や国民を愚弄するものであった。 さらに残念なことに、その見苦しい姿も報道では切り取られ加工されてしまい、実態が国民の目に触れることは殆どない。 しかしながら国会の模様はYouTubeなど動画で記録されているため、検索など多少の手間をかければ、生の様子を振り返ることはできる。 例えば、5月28日の衆議院予算委員会の集中審議のもようがYouTubeでアーカイブされていた。(その後削除。) この日の予算委員会では、加計疑惑に関する集中答弁が行われていた。 無会派の江田憲司議員は、「加計孝太郎から首相・安倍晋三への、飲食やゴルフなどの供与」疑惑を追及している。 これに対する安倍晋三の答弁を、まず見ていただきたい。 なお下記の文字書き起こしは、ツイッターのアカウント @buu34 氏によるものを引用させていただいた。 あのー、まるで犯罪者扱いされていることは、極めて、極めてこれは、えー、失礼な話ではないかと思いますよ、これ、自白しろとかですね、それは犯罪者扱いではないんでしょうか。つまり、対価性の認識と言うことをおっしゃった、わけでございますが、まさにずーっと、いわば、たとえば大蔵省の人はですね、えー、MOF担から御馳走されるわけでありますから、直接付き合ってる相手から、御馳走されれば、当然これは、対価性の認識っていうのは、起こるんだろうと、こう思うわけでございますが、ないんです、ずーっと御馳走してもらい続けていたんだろうと。え、こう思いますよ、で、一方、私の場合は、こちら側もですね、相当、あ、あ、あの、いわば、何回も、こちら側も、ですね、御馳走していることも、ある、わけで、あります。これ、40年間、中でもやってみなければいけないような話でありますが、しかし、ゴルフ等においてはですね、これ、たか、あの、割と、高価な、これ、あの、お、えー、費用がかかります、から、それはこちら側で、こちら側で全てもっている、と言うこと、でございます。え、焼肉、焼肉屋等で、エーの場合はですね、これもう、こちらが払ってる場合もありますし、それ、それがですね、私はその、いわば、えー、贈収賄に、なるとは、とても、考えられない、わけで、ございまして。その、えー、こちら側もですね、十分費用を出している、ところで、ございますし、またですね、先ほど申し上げましたように、秘書官、等の支払いについては、ま、あの、えー、大体、大体の場合は、こちら側が行っている、それと、たとえばですね、向こう側が開いている、この、桜を見る会、沢山ですね、この、この相当の人数、4~50人か100人か分かりませんが、そういう所に来て、いわば花を添えてもらいたいと言う事が果たして、これ向こう側に御馳走してもらう事になるのかどうかと言う、実際にですね、その食事の費用は払ったとしても、私はまさに、その後も、ま、家でもう一回食べるってことも、な、な、え、結果として、みんなと、皆さんに、お話をしなければならないわけでありますから、と言うこと、で、えーございまして、今の、えー、江田委員の推論には、私は、納得できないと言うことでございます。 何を言っているのか、さっぱりわからない。もはや不誠実などというレベルを通り越してしまっている。
幼稚な人物が口先だけでいい加減な言葉を適当に繋ぎ合わせて垂れ流しているだけなのであろう。 それでもこの酷い答弁から、何とか趣旨を抜き出してやると、「加計に奢ることもある」「ゴルフや焼き肉は40年間奢り奢られの関係なので贈収賄にはあたらない」と言いたいようだ。 それ自体、まったくもって許しがたい主張である。 加えて、その高々10秒程度で答えられる内容を、無駄な言葉で延々と引き伸ばすのは、発声者が決定的に知性を欠いているからだと考えざるを得ない。 冒頭で紹介した枝野氏の演説とは比べるまでもなく、まさに月とすっぽんである。 しかし、こんな幼稚な人物に5年もの期間、首相の座に座らせているのは、実像を伝えないメディアの責任であり、また見ようとしない有権者の責任でもある。 ぜひ先ほどの動画だけでもご覧いただき、この面々が首相や内閣にふさわしいか、よく考えていただきたい。 Photo by Jeremy Bishop on Unsplash 2017年10月4日、東京都と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、水泳とトライアスロンの五輪会場として予定されているお台場海浜公園(以下「お台場」)の水質調査結果を公表した。 この調査によると、ふん便性大腸菌群数は最大7,200個/100ミリリットルで、国際水泳連盟が定める基準値「1,000個/100ミリリットル以下」の7倍以上となっている。 トライアスロンの観点でも、大腸菌数が最大5,300個/100ミリリットルも検出されており、こちらは国際トライアスロン連合の基準値「250個/100ミリリットル以下」の20倍以上の値だ。 また都の発表の2か月前の2017年8月、港区による「お台場海浜公園を "泳げるお台場" にするための実証実験」について、TBSラジオが報じている。 お台場海浜公園はもともと、大腸菌の数や水の透明度などが、環境省の「海水浴の基準」を満たしていない日があり水質が不安定…。そのため東京都は、原則として海に入ることを禁止していて、顔を海水につけることも、泳ぐことも出来ません。 海水に顔をつけてもいけない遊泳禁止のお台場で、トライアスロン競技! 呆れるしかないが、こうした問題に対して当の競技団体はどのように考えているのだろうか。 日本トライアスロン連合は、2013年の時点で「東京港お台場水質(Q&A)」というプレスリリースを出している。 一般遊泳には適さなくとも、競技としての水泳は限定的な時間内であり、また、競技として訓練された選手たちの大会であり、対応できるものであると回答し実施されたことがあります。 「一般遊泳には適さなくても、訓練された選手たちなら対応できる」?? 何を言っているのか、さっぱりわからない。 この団体は選手たちの健康や安全を守るつもりがあるのだろうか。 さて、この地域の水質については、2014年に国土交通省が開催したシンポジウム「東京湾の水環境に関する研究」で、東大・水環境制御研究センター教授の古米弘明氏がたいへん判り安い発表を行っている。 この時の講演「台場周辺海域における雨天時越流水の流出特性と水質に及ぼす影響」から引用してみたい。 雨が降ると大腸菌だとか、ふん便性大腸菌という、お腹由来の微生物の濃度が、あっという間に上がってしまうということです。 港湾では干満がありますので、沖合の海水が満ちてくると濃度が下がったりしますけれども、やはり干潮になるとさらに上がるというように、越流が発生すればどこかから必ず到達してきます。 すなわち、下水道システムから雨が降ったときに越流した下水が出てきて、お台場下海浜公園に到達するということになるわけです。 古米教授が指摘する「雨のときの越流の発生」とは、大雨で下水処理場の処理能力が破綻してしまい、下水が河川に垂れ流しになってしまうことである。 実際、当事者のひとつである板橋区は、下水垂れ流しについて、Webサイトの記事「下水処理場は万能ではありません」で、次のように認めている。 平常時は下水処理が順調に機能しているのですが、大雨になると下水がそのまま川に流入する越流水が問題化しています。区部の汚水と雨水が同じ下水管に入る合流式下水道では、雨量が増えて下水管を流れる水量が一定量を越えると、川に放流する構造になっており、これを越流と言っています。東京湾でし尿由来の大腸菌が検出されたり、海浜公園などに一般家庭や飲食店で使用されている動植物油脂等からなる廃油ボールが漂着したりするなどは、越流水による都市問題とされています。 テレビ朝日の報道によると、今年2018年7月になって、東京都がお台場の水質改善の実証実験を開始したという。
しかし五輪本番までわずか2年しかない。 いまさら実証実験を行っているような状況で、果たして間に合うのか。 しかも要因はお台場に限られたものではなく、都内全域にまたがり、非常に複雑なものなのだ。 |