Photo by Fusion Medical Animatio on Unsplash
2021年に続けて、2022年もライブには散々な年であった。
年の半ばには、東京だけで一日に5,000人を超える感染数が出るほどのコロナ蔓延で、海外のバンドの来日はおろか、ライブハウスも全滅となる事態になってしまった。 営業時間を前倒しにして、入場者も絞り、酒類の提供も控えるという状態で、恐る恐るライブが再開したのは、もう夏も近い6月だった。 フジロックもスーパーソニックも国内の顔ぶれだけで開催はされたものの、NAMIMONOGATARIの杜撰な運営で、フェス自体が大きな批判の的になったのは本当に残念である。 11月、久しぶりの海外のバンドとして、キング・クリムゾンが来日してくれたが、その前後でオミクロン株が国内外で急速に広がり始めた。 彼らは隔離期間を確保するため早めに東京入りしたが、もし一週間遅ければ来日はキャンセルになったであろう。 オミクロン株が広がりつつある日本で、粛々とツアーを続けるキング・クリムゾン。 本当に奇跡のタイミングというしかなく、無神論者の私でも、この幸運には感謝をしたい。
6/6(日) ビルボード東京 Kyoto Jazz Quartet Live
2021年、ようやく観ることがかなった最初のライブは、沖野修也氏の Kyoto Jazz Quartet。 彼がオーナーを務める渋谷のバー The Room の28周年記念イベントであった。 沖野修也氏、吉澤はじめ氏、Mondo Grosso、Kyoto Jazz Massiveの楽曲が全てジャズ・ヴァージョンで再現された。 このライブも2020年から延期されており、また The Room の経営も非常に厳しかったとのことで、アンコールで沖野氏は号泣していた。 客席も皆、泣いていた。
7/4(日) ブルーノート東京 山中千尋トリオ
コロナの感染者数が再び増加傾向に向かった中でのライブで、若手のベースとドラムを従えたピアノ・トリオ。 ところが、開演前にマスクも着けず大声で談笑する多数のバカップル。 プレイヤーには何の非もないが、観客が最悪だった。
8/19(水) ビルボード東京 PUFFY LIVE 2021 “Unplugged”
コロナ対策のため、1stステージの開始時刻が15:00になった、まだ明るいうちからのライブ。 そしてメニューにはアルコール類がなく、すべてノンアル系。 バンドはギター、ベース、ピアノのアコースティック・トリオのアンプラグドで、「これが私の生きる道」「愛のしるし」などのヒット曲の連発した。 さらに10年ぶりとなるアルバムからも新曲が披露された。(当然、買いました。) アンコールは「アジアの純真」のアコースティック版で〆。 この二人の力の抜けたMCが、非常に心地よい。
8/20(金)~22(日) フジロック
2020年に続き、チケットやホテルを押さえておきながら、コロナの状況で直前にキャンセルし、3日間YouTubeの中継で観戦することにした。 海外組はいないものの、カルメン・マキ&OZが目当ての一つだったのに、メンバーの感染で出演見合わせになってしまったことが大きかった。 ネット超しに観たCharは、コードワークがジミヘン、ソロは最近のジェフ・ベックで、やっぱりビール飲みながら、生で観たかったものである。 メイン会場のGreen Stageはステージ前に人が集中しているが、後方はかなり余裕がある様子。 これなら十分にソーシャル・ディスタンスは保てていたようである。 しかし、Red Marqeeは事前に懸念した通りの密になっており、非常にヤバい。 ところで、式典でもないフジロックという場で、いきなり君が代を歌い出したMISIA、いったい何を考えているのか。 数年前に観た、旭日旗と日の丸に囲まれた椎名林檎もクソだったが、これは最低最悪、キング・オブ・クソである。 現場にいたら、たぶんペットボトル投げつけて逮捕される可能性もあったので、本当に家にいて良かったと思う。
写真はYouTubeからキャプチャー
9/18(土)~9/19(日) スーパーソニック
本来ならスーパーソニックも両日ともに参加する予定で、チケットもホテルも確保していたのだが、コロナの収束が全然目途が立っていない。 しかも8月末に名古屋で開催されたNAMIMONOGATARIでは超密になったうえ、40人以上の感染者を出すクラスターになってしまった。 スーパーソニックではチケットが2万枚以上販売され、イベントの上限値である5,000人を超えることが確実で、千葉市の後援も取り消されている。 こうした状況の中で、主催者から払い戻し可能との連絡が着たため、フジロックに続いて、残念ながら全ての予定をバラすことにした。 きゃりーぱみゅぱみゅやPerfumeを観たかったが、仕方がない。
9/23(木) オアシス ネブワース1996(映画)
オアシスの1996年のネブワースでのライブ映画が、期間限定で急遽日本でも上映されることになった。 DVDも販売されるとことだが、これは大画面・大音量で観るしかないので、初日のチケットを確保。 26年前の25万人にのぼる観客といっしょに、マスクを着けたままシンガロング。 いったいいつになったら、また生でこうした体験ができるのか。 ガラ隙の映画館で泣けてきた。
10/1(金) ビルボード東京 Char
緊急事態宣言が解除された初日、しかも台風が関東に接近している最中であった。 しかし2021年になって初めて観る、バンド構成のロックのライブなので、這ってでも行ってやろうと思った。 そもそもフジロックで観るはずだったのだ。 ライブは18時開演だったが、ビルボードにしては珍しく、90分を超える長尺になった。 アンコールは、"Smoky"を含めて2回。 久しぶりに爆音のライブを堪能した。
10/1(金) ビルボード東京 dip in the pool
緊急事態宣言が開けて一週間目。 80年代に聴いていた dip in the poolを初めてライブで観る。 甲田益也子さんと木村達司さんに加え、ヴィブラフォンも加えたメンバー6名によるバンド編成である。 Charに続いて、今回もアンコールが2回だった。 ライブをストリーミングで流していたが、2回目のアンコールはストリーミングを停止し、ライブ会場の客にだけ聴かせる趣向となっていた。 こんな時に足を運んだ観客への感謝だったのだろう。 ありがたい心意気である。
11/13(土) Zepp Haneda カルメン・マキ&OZ
2021年になって初めての、爆音ライブである。 やっぱりライブはこうでなくてはならない。 本人たちもフジロック出演が中止になったこと、ツアー最終日であったこともあり、渾身の演奏であったと思う。 一曲目は「6月の誌」で始まり、途中で30分の休憩をはさむ二部形式ながら、2時間以上の演奏を繰り広げてくれた。 アンコールはお約束通り「私は風」で、マスクを着用しながら心の中での合唱である。 さらに入場者全員に、2020年のライブから収録した「閉ざされた街」の非売品CDが配布された。 早くまた爆音ライブの日々を取り戻したいものだ。
余談であるが、会場のZepp Hanedaは名前の通り羽田空港に隣接しており、入場待ちの列の真上を何度も飛行機が離陸していった。
京浜急行に乗ってしまえば、横浜からわずか20分で訪れることができる面白い場所である。
11/27(土) 東京国際フォーラム King Crimson
キング・クリムゾンが3年ぶりに来日した。 この2年間、コロナ禍で海外アーティストの来日が全て中止になったため、本当に久しぶりの大がかりなライブである。 トニー・レヴィンのツイートやブログによると、11月18日に来日してから、ホテルで10日間の隔離生活を送っていたとのこと。 この前後から、再びオミクロン株が蔓延したことを考えると、奇跡のようなライブだ。
セットリストは、ファースト・アルバムから全ての時代に渡り、満遍なく選曲された完璧なものであった。
<一部>
初日には Larks' Tongues in Aspic II が演奏されなかったことが残念ではあるが、彼らを観られただけでいい。
ところで、ロバートはジャッコにかなりの部分のギターを任せており、またジャッコの歌い方もグレッグ・レイクやジョン・ウェットンを意識したものに聴こえた。 いまやロバートやトニーと並んで、ジャッコもバンドの屋台骨として欠かせないメンバーとなった。
12/29(水) ビルボード東京 岸谷香
毎年年末恒例の岸谷香さんのビルボード。 今年はバンド "Girls" ではなく、チェリストの江口心一氏とのデュオとなった。 岸谷さんは、ピアノにギターにと持ち替えて、アコースティックなセットで、プリンセス・プリンセス時代のものも含め、多くの名曲を聴かせてくれた。 いろいろなことがあった一年も、彼女のステージを観ると、また来年も頑張ろうという気持ちになってくる。
岸谷香さんのライブを観た12月29日、東京のコロナ感染者は76名となり、再び感染拡大の様相を見せ始めている。
何とか感染を抑え込んで、2022年こそライブ三昧の日々を取り戻せないものだろうか。
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