<![CDATA[久保田直己 不撤不散 - Blog]]>Mon, 17 Jun 2019 14:42:59 +0900Weebly<![CDATA[#AbeOut0608]]>Sat, 08 Jun 2019 07:49:15 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/abeout0608
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6月8日、東京のど真ん中の銀座エリアで安倍政権に辞任を求めるデモが決行され、およそ400名の人々が集まった。
中心となった「怒りの可視化」は、Facebookページで次のように呼び掛けている。
安倍政権の終わりの始まりにする2019年、デモ3発目になります。今回もコールは「安倍は辞めろ」のみになります(一部エリアでは例外あり)。安倍晋三が辞めなくてはいけない理由は腐るほどありますが、皆さんが考える「最も辞めるべき理由」をプラカ、ゲートフラッグ、ダンマクに託して来てください。
実際、歴代の政権の中でも最長となる気配がある中、安倍政権が行ってきたことは、憲法を捻じ曲げての「集団的自衛権」容認、特定秘密保護法や共謀罪の強行採決、辺野古での沖縄の民意無視など、国民の権利をはく奪するものばかりであった。
一方、経済や外交に「強い」安倍政権という言質も、大企業の内部留保だけを潤した「アベノミクス」や、全く進展のない北方領土問題や拉致問題など、「やっている感」を演出しているだけで何ら中身のない幻想にすぎない。
さらにここへ至っては、株価を維持するために国民の年金を突っ込んでにっちもさっちも行かなくなった挙句、責任者である金融担当相・麻生太郎が「年金で足りない分は2,000万円貯蓄しろ」と国民への責任転嫁を言い出す始末である。
本当に「安倍晋三が辞めなくてはいけない理由は腐るほどある」中で、今怒らずして何時怒るというのだろうか。

デモは、正午過ぎに日比谷公園の中幸門を出発し、東電本社前、銀座・数寄屋橋を通過して、鍛治屋橋通りへ入り、京橋で解散した。
徒歩でおよそ一時間のコースである。
ここでは #AbeOut0608 というタグで流れてきたツイートで、デモのもようを追ってみたい。

6月8日のデモは、安倍政権に対する一連の抗議行動の号砲である。
これから9日は青山・原宿地区でのデモ、16日は「年金返せ」デモ、そして25日には国会前での抗議集会が予定されている。
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<![CDATA[ブートで辿る1970年のレッド・ツェッペリン]]>Fri, 17 May 2019 16:30:13 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/led_zeppelin_1970
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Photo by Paul Green on Unsplash

レッド・ツェッペリンのデビューからおよそ50年が経過した。
デビュー直後の1969年のライブについては、「1969年のレッド・ツェッペリン」と題したSo-netのブログ記事として既に纏めているので、ここでは続編として1970年のライブをブート音源中心に追いかけてみたい。
アルバムとしては、1970年に突入する直前の1969年10月、歴史的名盤 "Led Zeppelin II" がリリースされており、さらに1970年10月には大胆にアコースティックを取り入れた "Led Zeppelin III" が出されている。
ライブでも1970年前半は "I" や "II" に収録されたヘヴィーな楽曲ばかりだったが、早くも6月ころからは "III" の曲が演奏されており、セットリストが大きく変化した一年でもあった。
なおライブの日程や会場などの情報は、ledzeppelin.com を参照させていただいた。

1970年は年明け早々の1月7日から17日まで、全英ツアーで幕開けした。
ツアー3日目の1月9日、ロンドンの Royal Albert Hall でのライブは、正規の映像である「レッド・ツェッペリン DVD」として販売されている。
この頃、オープニングで演奏されていた "We're Gonna Groove" は当時レコードではリリースされておらず、1982年の "Coda" に収録されるまで待つこととなる。
なお1月9日はジミー・ペイジの誕生日であった。

​全英ツアー終了から一か月後、2月23日から3月12日はヨーロッパ・ツアーが行われた。
ツアー初日は、フィンランドの首都ヘルシンキである。

3月7日のスイスのモントルー・カジノでのライブの模様は、"Super Pop70" というラジオ番組で放送されている。

3月10日は、ドイツのハンブルグ。
この頃のセットリストの特徴の一つは、"How Many More Times" を即興で崩しまくって、様々なオールディーズをメドレーで演奏しているところにある。
この手法は、後程 "Whole Lotta Love" の演奏に引き継がれることとなった。

​ヨーロッパ・ツアーの直後の3月21日から4月19日は、いよいよ北米ツアーの開始である。
北米ツアー初日となった3月21日はカナダのヴァンクーヴァー。
この日、レッド・ツェッペリンはプレス・カンファレンスに応じている。

3月27日はカリフォルニア州の The Forum でのライブ。
この日は夜8時45分から11時15分まで、実に2時間半にわたるライブを繰り広げている。

​4月8日のノース・キャロライナ州ラーレーでのライブは、交通渋滞で開演が1時間近くも押してしまった。
悪いことにアンプも故障してさらに遅れる事態となり、観客も我慢の限界で爆発寸前の状態となった。
そこへ現れたレッド・ツェッペリンの怒涛の演奏で、観客のイライラは一気に吹き飛ばされてしまったのである。

4月17日のテネシー州メンフィスでのライブの数日前、レッド・ツェッペリンのメンバーは、メンフィス市の名誉市民を授与されることとなった。

​4月18日、アリゾナ州フェニックスではロバート・プラントの体調が優れず、ライブを1時間半ほどに短縮せざるを得ない事態となった。
翌日のラス・ヴェガスでのライブはキャンセルとなっている。

​4月19日を最後に北米ツアーを終了したレッド・ツェッペリンは、5月から "III" の録音を開始した。
アルバムの制作は8月までかかっているが、6月22日から7月19日までのヨーロッパ・ツアーと並行しての作業だった。
6月28日にイギリスで行われた Bath Festival の音源では、"III" に収録されている "Immigrant Song" や "Since I've Been Loving You" を聴くことができる。

​ヨーロッパ・ツアーに続く8月10日から9月19日の期間は、この年最後の北米ツアーとなった。
北米ツアー初日はヴァージニア州のハンプトンで行われたが、このライブは長年の間、8月15日もしくは17日と考えられていた。
近年確認された記録で、8月10日のことであると判明したらしい。

​実際、8月15日のライブの会場は、コネチカット州ニューヘイブンとなっている。

​そして8月21日、オクラホマ州タルサのアセンブリー・センター。
ここでは "Whole Lotta Love" の中間部に様々なオールディーズを挟み込むアドリブが披露されている。
このスタイルはその後数年間続けられることとなった。

ワイオミング州ミルウォーキーでの8月31日のライブは、元々27日に予定されていたものだった。

9月2日、カリフォルニア州オークランドでは、アンコールで "Train Kept a Rollin" "Blueberry Hill" "Long Tall Sally" が演奏されている。

​9月3日はカリフォルニア州サンディエゴ。

9月4日、カリフォルニア州イングルウッドでのライブは、 "Blueberry Hill" とのタイトルの「ブートの名盤」として知られている。

​9月6日、ホノルルでは19時と22時半からツーセットでライブが行われた。
公式YouTubeチャネルでは、セットリスト最後の曲 "Communication Breakdown" が公開されている。


​9月19日、ニューヨークのマディソン・スクェア・ガーデン。
前日18日に亡くなったジミ・ヘンドリックスに捧げる内容が含まれている。
なおこの日も一晩でツーセットをこなすという超人的なライブだった。

こうして1970年のレッド・ツェッペリンのツアーは終了し、10月5日の "Led Zeppelin III" リリースを迎えることとなる。
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<![CDATA[「NHKから国民を守る党」の正体]]>Wed, 01 May 2019 07:03:03 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/nkoku
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Photo by Joey Banks on Unsplash
<閲覧注意> 引用内に民族差別表現が含まれておりますのでご注意ください。
* コメント欄でのご指摘を反映させ、一部削除加筆いたしました。(6/5/2019)

4月の統一地方選で「NHKから国民を守る党」(以下「N国」)なる団体が大きく議席を伸ばした。
4月26日付の朝日新聞の記事によると、N国に所属する地方議員は選挙前の13名から39名と三倍に拡大したとのことだ。
N国の公式サイトではNHK受信料不払だけをひたすら主張しており、このシングル・イシューに魅かれた有権者がそれなりに存在した結果だと思われる。
さらにこの勢いに乗じて、N国は夏の参院選に10人の公認候補を擁立すると発表している。

ところが統一地方選の投開票から一週間も経たない4月26日、荒川区議としてN国から当選した夏目亜季氏が、不可解なツイートを発信した。

どうやらN国から立候補して当選すると、N国への130万円の供出と毎月10万円の支払いを要求されるようである。
さらにN国の品川区議の國場雄大氏のツイートによって、4名が130万円を支払わなかったために除名となったことが明らかにされた。

また4月29日には、N国代表の立花孝志氏自身のYouTube動画にて、5名の除名処分者リストが公表されている。
★豊島区・沓澤亮治(除名処分済み)
★杉並区・佐々木千夏(除名処分済み)
★八王子市・若林修(除名処分済み)
★志木市・多田光秀(除名処分済み)
★西東京市・冨永雄二(除名処分済み)
この動画の中で立花氏は「立花が130万円を払わなければ党を除名するということを勝手に言っていると、このように彼は主張しておりますが、これは勝手には言っておりません。私は臨時総会で冒頭、全部の議事について、私が一任して決めることに異議ございませんかということを申し上げて、異議なしということで承諾されております」と語り、「臨時総会」で金銭の要求を出していたことを認めている。
なお、ここで立花氏が言う「臨時総会」についても、その全容がYouTubeで公開されているが、立花氏は「党」運営について高らかに「独裁」宣言をしていることにも驚かされる。
うちの党は明らかに立花孝志の完全に個人商店に今なってて、今直ちに崩すと崩れてしまうので、僕がもう独占的に全権持ってやります。
誰を公認するとか合議でやるとバラバラになる。もう既に相当バラバラになってます。(中略)とりあえず独裁でいきます。

ところでN国から除名となった面々についても見ておきたい。
まず豊島区議として当選した沓澤亮治氏だが、獣医師という立場にありながら、注射器を闇サイトで違法転売したことで2011年に逮捕された経歴の持ち主だ。
無許可で注射器販売した疑い 闇サイトで、男2人逮捕(日本経済新聞 2011/11/9)

インターネット上の闇サイトで注射器を無許可販売したなどとして、警視庁サイバー犯罪対策課は9日までに、ブリーダーの西田利行容疑者(56)=津市美杉町下多気=と獣医師の沓沢亮治容疑者(44)=福島県いわき市錦町上中田=を薬事法違反の疑いで逮捕した。
さらに彼は「しきしま会」なる差別団体でボウズPと自称して、堂々とヘイトスピーチを繰り返してきた人物である。
現在彼は「東京都豊島区議会議員くつざわ亮治獣医師」と題したブログを運営しているが、この中には過去のヘイト記事のタイトルがそのまま残っている。
(なおヘイト記事そのものはライブドアから削除処分を喰らったと思われ、404 Not Found となる。)
韓国大統領候補が反日キチガイしかいない件 20170316
韓国大統領弾劾決定でいろいろとカオス、2名死亡 20170311
韓国の歴史教育が驚愕のひどさ=キチガイ製造機 20170311
韓国人観光客がスプレー強盗被害「これで朝鮮人が減ったら嬉しいんやけど」20170308
次期韓国大統領予定のムン「親日派は国の寄生虫なので粛清しる」20170308
また杉並区議となった佐々木千夏氏は、130万円拠出の件を廻って不満を述べているが、なぜか「二重国籍の国会議員250名がNHK内の朝鮮人と結託」などという全く根拠のない陰謀論全開のヘイトを開陳する始末である。


​さらに佐々木千夏氏は新興宗教団体「正理会」幹部であることも、当の正理会名誉会長のブログで明かされているが、そのブログ自体がヘイトスピーチで溢れかえっており、実に酷いものだ。
例えばいきなりトップの画像に、こんな文言が掲げられているのである。
​第一期の戦いの目標は、朝鮮人問題の真実を国民に知らせることであった。
この目標は達成され、百田尚樹先生の『日本国紀』は500万部の注文があり、これで第一期は終了です。
第二期目標は、朝鮮人を黙らせるか、国へ帰らせることだ。
第三期目標は、朝鮮人のいない日本を造ることだ。

ド直球のヘイトに、開いた口が塞がらない。

​なお同じく除名処分となった若林修氏はツイッター・アカウント削除、冨永雄二氏は4月22日以降書き込み停止、多田光秀氏に至っては検索結果が何も表示されないありさまであった。

冒頭に引用した朝日新聞によると、立花氏は参院選について「選挙区は当選を目指していない」と考えているらしい。
​実際、立花氏は 4月26日に公開された動画で「全国比例区で立花氏と浜田氏の二人だけで出たかったのだが、政党要件の関係であと8名を出さざるを得なかった」と語っており、その文脈の直前には「東京の7名は出したくもなかった。供託金すら返ってこないと考えている。ポスター一枚に7名分を記載するつもり」と話している。東京選挙区の有権者や、立候補者本人たちさえも愚弄するやり口と言わざるを得ない。*
( * 以下削除:東京選挙区に7人を擁立するというめちゃくちゃなやり方は、比例当選のための票集めの手段に過ぎないことを自ら吐露しているのだ。)
今回騒ぎとなった130万円も、参院選の供託金集めが目的であったのだろう。
そして130万円拠出に文句を言って除名された者も、ヘイトスピーチ常習者だった。
いくらNHKに不満があっても、「NHKから国民を守る党」には絶対に投票してはいけない。
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<![CDATA[エリック・クラプトン 70年代の武道館セットリスト]]>Sat, 20 Apr 2019 07:38:10 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/ericclapton70
3年ぶりに来日したエリック・クラプトンが、4月13日を皮切りに連日にわたって武道館でのライブを続けている。
セットリストは基本的に変わっていないが、二日目以降は初日に無かった "High Time We Went" をアンコールで演奏しているようだ。

エリックと武道館の縁は深く、初来日公演を武道館で行ったほか、1979年の演奏はライブ・アルバム "Just One Night" として残してもいる。
ここでは Setlist.fm に掲載されている情報を基に、初来日を含む70年代の武道館でのセットリストを振り返ってみたい。

1974年

この年、アルバム "461 Ocean Boulevard" で復活を遂げたエリックが、初来日を果たした。
10月31日からの3日間の武道館公演で始まり、続けて大阪で2日間行われている。
1974年10月31日
Smile
Let It Grow
Better Make It Through Today
Tell the Truth
Badge
Singing the Blues
Have You Ever Loved a Woman
I Shot the Sheriff
Little Rachel
Willie and the Hand Jive
Get Ready

アンコール:
Layla
1974年11月1日
Let It Grow
Can't Find My Way Home
Little Rachel
Tell the Truth
Singing the Blues
Badge
Willie and the Hand Jive
Get Ready
I Shot the Sheriff
Have You Ever Loved a Woman
Layla

アンコール:
Little Wing
1974年11月2日
Smile
Let It Grow
Can't Find My Way Home
Better Make It Through Today
I Shot the Sheriff
Key to the Highway
Willie and the Hand Jive
Badge
Presence of the Lord
Singing the Blues
Layla

アンコール:
Blues Power
​セットリストは連日大きく変わり、アンコールも初日の "Layla" から "Little Wing"、"Blues Power" と入れ替えになっている。
なお、この頃頻繁に演奏されていた "Smile" は当時のアルバムには未収録だったが、後年ライブアルバム "Live In The Seventies" や "461 Ocean Boulevard" デラックス・エディションに記録されている。
また "461 Ocean Boulevard" に続くアルバム "There's One in Every Crowd" のレコーディング直後のタイミングであったため、アルバム発売に先駆けて収録曲 "Singing the Blues" や "Little Rachel" も披露された。
なにしろ長期のドラッグ中毒療養から復活しての初来日だったため、ミュージック・ライフなどの音楽誌が激しく盛り上がっていたことを記憶しているが、私自身はまだ中学2年であったため、残念ながら初来日を見届けることはできなかった。

1975年

初来日からちょうど一年後、再び武道館にて来日公演が開始された。
1975年11月1日
Layla
Knockin' on Heaven's Door
Key to the Highway
Badge
Can't Find My Way Home
Farther On Up the Road
I Shot the Sheriff
Teach Me to Be Your Woman
Have You Ever Loved a Woman
Tell the Truth
Eyesight to the Blind
Why Does Love Got to Be So Sad?
1975月11月2日
Layla
I Shot the Sheriff
Little Rachel
Can't Find My Way Home
Blues Power
Call It Stormy Monday (But Tuesday Is Just as Bad)
Teach Me to Be Your Woman
Little Wing
Badge
Why Does Love Got to Be So Sad?
Farther On Up the Road
​この年のセットリストも、二日間で大きく変更されている。
また私自身にとっても初めてのエリック・クラプトンのライブとなり、その後40年以上にわたってほぼ皆勤賞で観続けるきっかけにもなった。
詳細な記憶は既に失っているが、"Farther On Up the Road" で盛り上がったような気もするので、おそらく11月2日に観に行ったのだろう。
当時のバンドには女性コーラスでイヴォンヌ・エリマンとマーシー・レヴィーが参加していたが、マーシーに自身の曲 "Teach Me to Be Your Woman" を歌わせている。
今回の来日でもバンドのメンバーのためにそれぞれソロの見せ場を作っているが、この頃からそうした配慮が成されているのが興味深い。

1977年

1976年の "No Reason to Cry" の発売後で、名作 "Slowhand" のリリースを控えたタイミングでの来日となった。
武道館での演奏は10月6日と7日の二日間行われているが、残念ながら6日分の記録が残っていない。
1977年10月7日
The Core
I Shot the Sheriff
Double Trouble
Badge
Nobody Knows You When You're Down and Out
Mama Told Me
Sign Language
Alberta
Cocaine
Bottle of Red Wine
Call It Stormy Monday (But Tuesday Is Just as Bad)
Layla
この年の公演で覚えているのは、開始が予定より一時間以上も遅れたうえ、エリックが明らかに泥酔している様子だったことだ。
ニューアルバム "Slowhand" から "Cocaine" が披露されているが、再度アルコールなどの問題を抱えることになっていたのは皮肉である。

1979年

2年を経て、4回目の来日公演、二日連続の武道館となった。
セットリストは両日とも同じものである。
1979年12月3日、4日
Tulsa Time
Early in the Morning
Lay Down Sally
Wonderful Tonight
If I Don't Be There by Morning
Worried Life Blues
Country Boy
All Our Past Times
Blues Power
Double Trouble
Knockin' on Heaven's Door
Setting Me Up
Ramblin' on My Mind
Cocaine
Layla
Farther On Up the Road
この年、エリックはバンド・メンバー全員をイギリス人に替えており、新たなラインナップでの初めての来日であった。
また前述したように、12月3日分の演奏は、ライブアルバム "Just One Night" として翌1980年にリリースされている。
アルバムの曲順は、実際の演奏のセットリストから大きく逸脱はしていない。
自分がその場にいたライブがアルバムとして残るという貴重な体験をしたのは、後にも先にもこの一回きりである。

​エリック・クラプトンは80年代以降も頻繁に来日を続けており、武道館で収まりきらなくなった時期には東京ドームや横浜アリーナなどを会場にしている。
歌もので売れていた頃、隣の席のカップルが「クラプトンってギターもうまいのね」などと話しているのを聞いて、倒れそうになったこともあった。
ともあれ、ポール・マッカートニーやジェフ・ベックなどと共に、未だ現役感バリバリでライブを続けている貴重なミュージシャンである。
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<![CDATA[Facebookターゲティング広告規制の実態]]>Sun, 31 Mar 2019 12:02:28 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/facebook_targetingad
Photo by William Hook on Unsplash

このところ、Facebookのコンテンツや広告を巡る報道が相次いでいる。
Facebook自身が白人優越主義のコンテンツを禁止する一方、Facebookでの広告については米住宅当局から「ターゲティング広告が差別的である」と提訴された。
Facebookのターゲティング広告では、既に2017年に「嫌ユダヤ」など明らかにヘイトクライムにつながるキーワードが禁止されているが、アメリカ社会がさらに踏み込んだ差別対策を要求する形となった。
一方、日本語環境でのFacebookのターゲティング広告の規制はどうなっているのか。
IT系ネットメディアでも検証が見当たらないので、広告出稿の機能である「広告センター」を使って実際に確認してみたい。

1. 全対象者

基本的なターゲットのパラメータとして性別を「すべて」、年齢を「18才から65才以上」、地域を「日本」と設定する。
ここで表示されるオーディエンスサイズ 1,900万人が、対象者の母数となる。
2. 政党について

次に「趣味・関心」欄に政党名を入力してみる。
「自由民主党」については25万人が関心を示していることがわかる。

ところが他の政党名を入力してもターゲットを絞ることができない。
政権与党である「公明党」をはじめ、野党の「立憲民主党」、「日本共産党」も受け付けられないのである。
なお「民主党」と入力した場合、米国の民主党が一覧のトップに表示される。
また「共産党」と入力すると、各国の共産党が一覧で表示されるが、日本共産党は現れてこない。
(ちなみに中国共産党に関心を持っている人は78,000人だった。)

以上の結果から、Facebookが「自由民主党」以外の政党名でターゲティング広告を打たれることを嫌がっていることが伺い知れる。

3. ヘイト対策について

「趣味・関心」欄に「人権」と入力すると89,000人となり、また「差別」では11万人となる。
ところが、「人種差別」「女性差別」「レイシズム」といったキーワードでは絞り込むことができない。
さらにネトウヨやレイシストが使用する可能性がある「嫌韓」「嫌中」「在特」「在特会」「日本第一党」といったキーワードも拒否される。
当然だが「ナチス」「ナチズム」も使用不可能である。
ヘイト対策については、あり程度健全に機能していると思われる。


4. その他の諸問題について

「日本国憲法」「改憲」でもターゲットを絞り込めない。
また「森友」「辺野古」「特定秘密保護法」「元号」なども拒否されるが、なぜか「普天間飛行場」では6,000人に絞り込まれる。
領土問題については「北方領土」「尖閣」が使用できない一方、「竹島」では27,000人との結果が表示される。
この辺りのアルゴリズムについては、よくわからない。

以上のように、Facebookがターゲティング広告で一定レベルのヘイト対策を講じていることは分かったが、併せて全体的に社会問題でのターゲティングも嫌っているようである。
政党名では「自由民主党」のみがキーワードとなり得るのが不可解ではあるが、これはむしろリベラル側が有効に使えるのではないか。
ターゲットとしての関心はポジティブな要素が強く、「自由民主党」で絞り込まれる25万人はコアな支持者と予想されるからである。
この層に対して、安倍晋三や菅義偉らの国会や記者会見での不誠実な態度、統計不正の隠蔽など、大手メディアが伝えない生の状況を、Facebook広告で伝えられる可能性がある。
しかも新聞広告などと比較して、広告費用は極めて少額で済むのである。
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<![CDATA[CDのバックアップの方法]]>Sat, 23 Mar 2019 10:18:24 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/cd_backup
Photo by Chris Yates on Unsplash

先日作成した記事「始まったCDの寿命問題」について、思いのほか広く関心を持っていただくことができ、一週間で30万近いアクセスと5,000以上の「いいね」を頂戴した。
通常は一日あたり1,500アクセス程度なので、ちょっとしたバイラルである。
なお自分ではFacebookページで紹介しただけなのだが、アクセス元を分析してみるとTwitterからの流入がたいへん多いことが判った。
多くの方にシェアいただいたようで、たいへん有難いことである。

その記事中で「最も確実な対策はバックアップを取っておくこと」と結論付けたのだが、複数の方からバックアップの具体的な方法についてご質問をいただいた。
そこで続編として、簡単なバックアップの方法をご案内しておきたい。

まず、バックアップ用の外付けHDDを予め用意しておこう。
外付けHDDは、既に1TBの容量でも1万円を切っている。
CD 一枚当たりの平均の容量を500MBとして計算すると、1TBあれば2,000枚まで収納できることになる。
数千枚規模で所有している方でも、HDDは安価になっているので、価格について心配する必要はあるまい。

また、バックアップのツールで最も簡単なものは、Windows Media Playerだ。
Windowsに付属しているものなので、別途ソフトウェアを購入する必要もない。

最初にWindows Media Playerを立ち上げたら、CDを挿入して「取り込みの設定」タブをクリックする。
​ここでメニューの中から「その他のオプション」を選択。
​次に「音楽の取り込み」タブで、HDDのドライブの指定と、取り込み形式の設定を行う。
ここで取り込み形式を「WAV(無損失)」にしておけば、CDの音質を損なうことなく、バックアップを取ることができる。
MP3など圧縮形式にすると容量は小さくなるが、芯のないペラペラな音になってしまうので注意が必要だ。
これではバックアップの意味がない。
そして「OK」をクリックした後、「CDの取り込み」タブをクリックすればバックアップが開始される。

バックアップの時間はCDドライブの性能やUSBポートの転送速度などに左右されるが、ざっくり一枚あたり5分程度とみておけばよいだろう。
枚数によってはそれなりの作業時間が必要になるので、特に古いものや貴重なものから優先的にバックアップすればよいと思う。
また、HDD自体も壊れるものなので、ドライブ丸ごとコピーを作っておけばさらに安心である。

CDのバックアップは、著作権法第30条に定められているように、あくまでも「個人的に又は家庭内」で使用するためのものであり、有償無償を問わず他人に渡したり、業務で使用することは厳禁である。
ネットワーク上に置いて、他のユーザーがアクセスできるようにしてもいけない。
また著作権については共謀罪の対象となっているので、「バックアップを他人に渡す相談」をしただけで、共謀罪として摘発可能な法的要件が成立してしまう。
くれぐれもご注意いただきたい。
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<![CDATA[始まったCDの寿命問題]]>Sun, 10 Mar 2019 06:40:51 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/cd_fail
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Photo by Caleb Woods on Unsplash

2月の末あたりから、長年保管していたCDに剥離が始まったとの悲鳴のツイートが相次いでいる。

​Immediateレーベルの "Blues Anytime" シリーズは私もアナログで愛聴し、その後CDで買いなおした経験があるので、同情申し上げるしかない。
ちなみにこのCDは、ジミー・ペイジやエリック・クラプトンらが60年代に自宅録音に近い形で残したブルースのセッション集で、今となっては非常に貴重な音源である。

CDは1982年に商用化された後、音楽用途で急速に普及が進み、早くも1986年には販売数がアナログを超えるに至った。
80年代当時から、CDの物理的な寿命は25~30年くらいではないかと言われていたことを記憶している。
そして今年は、初期に販売されたCDの30年目を過ぎた頃だ。

私自身が購入したアナログ盤として一番最後となったのは Gun's N Roses の "Appetite For Destruction" で、その直後にCDで買いなおしている。
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まずこれをチェックしたところ、今の時点では無事だった。
また、1988年にリリースされた Living Colour の "Vivid" 以降は、CDのみの購入になっている。
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こちらも無事。

そして90年前後から、アナログ盤で所有していた音源をCDで買いなおすという行為に走ったのであった。
このうちの何枚かをチェックしたところ、Led Zeppelin の "II" で剥離が始まっているのを発見。
ラベル面、データ面共に、端から虫食い状に穴が開いている。
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この状態ではまだ再生が可能だった。
なお Led Zeppelin であればいくらでも買いなおしが効くので、被害としてもまだましな方である。
問題はCDが廃盤になっていたりブートだったりと、もはや買いなおしが効かない場合だ。
例えば、Wet Willie の "Left Coast Live"。
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この盤は高校生だった70年代に愛聴していたレコードの一枚だが、CDは1989年に発売された際に買いそびれてしまっていた。
その後再発されることがなく、ヤフオクなどでの出品も見当たらないため、中々入手することができなかったが、数年前にスウェーデンの中古盤サイトでたまたま発見して購入できた。
こういう類のものは剥離で崩壊されてしまうと本当に困るが、取り合えずこの一枚は無事だった。

さて、CD単品をある程度ピックアップしてチェックした後は、ボックスセットの状態を確認することにした。
数あるボックスセットの中でも、個人的に最も貴重なのは Derek and the Dominos の Layla 20周年記念盤である。
これは1990年に販売されたものなので、既に29年が経過している。
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予想もしていなかった事態だが、ボックス内のスポンジが経年劣化し、粉状になって崩れ落ちていた。
不幸中の幸いでCD自体は問題なく、また崩れたスポンジが融着するような状態にもなっていなかった。
セットのCD一枚目は現在も通常の販路で容易に購入することができるものだが、二枚目と三枚目はアウトテイクやセッション音源なので、腐食は本当に困る。
(余談だが、できれば2020年になったら、50周年記念盤として再発してほしい。)

湿気や直射日光を避けることがCDを剥離から防ぐ予防策になるようだが、いずれにせよ物理的な媒体である以上、CDの経年劣化は避けられない。
最も確実な対策は、バックアップを取っておくことであろう。
ただし著作権法第30条に違反しないように、あくまでも個人使用のためと気を付けなければならない。
さらに数百枚、数千枚のCDのバックアップ作業は現実的でないので、メジャー・タイトルは買いなおせると割り切って、貴重盤に絞るしかない。
もはやこうなってくると、情報システムのバックアップとあまり変わらない気がしてくるが、仕方ない。
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<![CDATA[自衛官募集ポスターの劣化]]>Sun, 24 Feb 2019 10:37:27 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/sdfrecruit
Photo by Ashley Jurius on Unsplash

この数年、自衛官募集ポスターの劣化が著しい。
いわゆる「萌え」系のイラストが席巻しているのである。
徳島地方協力本部に至っては「萌える就職先」と断言する始末だ。
さらに防衛省自体も、こうしたポスターをまとめて紹介するページまで作成している。
自衛隊の“チホン”と呼ばれる各地の地方協力本部(地本)が話題になる機会のひとつが独自に作成している自衛官募集ポスターです。特にマンガ・イラストのポスターは人気で、キャラクターを一般から公募、選ばれた作品で自衛官募集ポスターを展開しています。 
「萌え」系イラストを配したポスターを制作する真意についてネット上でも様々な憶測が飛んでいるが、おそらく「何も考えていない」のが正解ではないだろうか。
一例として、2015年の神奈川地方協力本部による入札公告を見てみたい。
1 趣旨 自衛隊神奈川地方協力本部(以下、「神奈川地本」という。)では、陸・海・空自衛隊のイメージアップ及び自衛官の志願者アップを図るため、自衛官募集ポスター等を作成します。
このため、皆様の関心を引くようなポスターデザイン等を公募により募集します。
2 募集内容(採用基準)
①萌キャラ、ゆるキャラ、その他なんでも可
②陸・海・空自衛隊がイメージできるものであること。
③特に若手層の関心を引くものであること。
採用基準のトップが「萌キャラ、ゆるキャラ、その他なんでも可」とは、いったい何なのか。
脱力するしかない。
そして採用されたのが、テレビアニメ「ハイスクール・フリート」とのコラボ企画だった。
同様の企画は全国の地方協力本部にも広がっていた。
特に茨城地方協力本部では、2014年から「I☆P's(アイピース)」なるキャラクターを全面的に展開し続けている。
キャラクターは三人設定されており、それぞれ「小梅」は陸上自衛隊、「のばら」は海上自衛隊、「ひばり」は航空自衛隊を表しているらしい。
改めてI☆P'sメンバーの名前を紹介します!
3人それぞれが茨城県にちなんだ名前なのでおぼえてくださいね☆

小 梅:県の木「梅」
のばら:県の花「バラ」
ひばり:県の鳥「ヒバリ」

これからもI☆P'sをよろしくお願いします。
また東京地方協力本部では、アニメ「ゲート」とのコラボになっている。
こちらは一応自衛隊をテーマにしたアニメであるが、女性のヘソだしの必然性は全く無いだろう。
そして極めつけは滋賀地方協力本部である。
こちらはカドカワの「ワールドウィッチーズ」10周年イベントとのコラボだそうだ。
さすがにこれは一線を超えてしまっている。
ミニスカートの女性が下着を見せている意味がまったくわからない。(なおアニメに詳しい人によると、これは水着とのことだが、水着であっても問題の本質は何も変わらない。)
一般企業の新卒募集でこんなイラストを使ったら、セクハラとして指弾され、一発でアウトだ。
防衛省は「何も考えていない」のを通り越して、「社会通念上許される常識的な範囲」についてすら考えていないのではないか。
武力を持った組織の人権感覚がこんな状態とは、本当に恐ろしいことだ。

ところで最近、首相・安倍晋三は憲法改悪を強引に推し進めるため、自衛官の子供が「お父さんは憲法違反なの」と訊いて泣いたとの出所不明な与太話をオハコにしている。
子供が泣いたらいちいち憲法を変えるのかよと突っ込みたくなるが、まず「お父さんはこんなポスターで応募したの」と言われないようにすべきではないのか。
訳の分からない与太話よりも、よっぽど現場の自衛官が不憫である。
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<![CDATA[怒りの可視化 #AbeOut0223]]>Fri, 15 Feb 2019 13:01:31 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/abeout0223
Photo by Tim Gouw on Unsplash

「アベノミクス」を盛るための恣意的な統計値の操作、辺野古に反対する沖縄の民意踏みにじりなど、安倍政権は混迷しながらも、いよいよ剥き出しのファシズムを隠そうともしなくなった。
こうした中、安倍政権に対する怒りを表明するためのデモが企画されたが、なんと主催者がツイッターで概要をアナウンスしたと同時に、アカウントが凍結されてしまったのである。
あからさまなヘイト・ツイートは放置する一方、政権に批判的なアカウントを次々と凍結し、その理由すら明かさないツイッター日本法人に対する抗議の意味も込めて、主催者のFacebookページで公開されたデモ告知を全文紹介しておきたい。
写真撮影とバナー制作:木村夏樹氏

#AbeOut0223

2月23日(土)
12時 日比谷公園中幸門集合
12時15分 出発
13時ごろ 楓川弾正橋公園終点、解散

安倍政権の終わりの始まりにする2019年、デモ二発目になります。今回もコールは「安倍は辞めろ」のみになります(一部エリアでは例外あり)。安倍晋三が辞めなくてはいけない理由は山ほどありますが、皆さんが考える最も辞めるべき理由をプラカ、ゲートフラッグ、ダンマクに託して来てください。

沖縄の県民投票前日、故翁長元県知事が過去にネトウヨの罵倒に晒された銀座のど真ん中で安倍にダメ出しすることで、沖縄で安倍政権と戦う人たちへのエールになると考えてこの日に設定しました。そういうプラカ等がたくさんあったら嬉しいです。

また、311からまもなく8年、どうせ日比谷公園出発ならと、東京電力本社前を通過するルートを設定しました。フクイチの事故は安倍晋三の責任でもありますから。なので、日比谷公園から東電前までは原発反対のコールになります。予めご了承ください。

みんなで安倍を終わらせましょう。
写真撮影とバナー制作:木村夏樹氏

[注意事項]

1.団体の幟や旗などをお持ちの方は、デモ隊の後方部にてご参加をお願いいたします。
2.主催よりゲートフラッグの用意があります。持ち手を現地で募集しますので、ご協力よろしくお願いします。
3.極左のプラカなど、主催が問題ありと判断したものは下げていただくこともございます。予めご了承ください。
4.言うまでもなく極左、極右、ネトウヨ、顕正会は見つけ次第排除します。
5.その他不明な点がありましたら、当日腕章をしたスタッフまでお尋ねください。

怒りの可視化
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<![CDATA[憲法違反疑念に沈黙するセキュリティ業界]]>Fri, 01 Feb 2019 15:00:00 GMThttp://naomikubota.tokyo/blog/illegal_access
Photo by NeONBRAND on Unsplash

1月25日、総務省が予定しているIoT機器への無差別侵入と脆弱性調査について、NHKが取り上げた
サイバー攻撃対策の一環として、総務省は家庭や企業にあるインターネット家電などのいわゆる「IoT機器」に無差別に侵入して対策が不十分な機器を洗い出す、世界でも例のない調査を行うことになりました。(中略)
調査では予想されるIDとパスワードを実際に入力して機器に侵入する計画で、本来は不正アクセス禁止法で禁じられている行為だけに専門家からは懸念の声もあがっています。
続けて2月1日には、詳細が総務省から発表された。
ここでは、ZDnetの記事から引用させていただく。
総務省と情報通信研究機構(NICT)は2月1日、脆弱なIoT機器の調査とユーザーにセキュリティ対策を促すプロジェクト「NOTICE(National Operation Towards IoT Clean Environment)」を2月20日に開始すると発表した。NICTがネットワーク経由で調査するが、総務省は「セキュリティが目的であり、通信の秘密は侵害せず、調査などで得られた情報は厳格な安全管理措置を講じる」と主張している
昨今、いわゆるIoT機器の導入が爆発的に広がり、それらを踏み台にしたサイバー攻撃が相次いでいることから、政府が対策の音頭を取ること自体は何ら不自然なことではない。
しかしNHKの記事も指摘しているように、「予想されるIDとパスワード」で実際に機器へのアクセスを実施するというのであれば、それはパスワード攻撃そのものであり、不正アクセス行為になってしまう。
最高刑では懲役を含む刑事罰を科せられるほどの重大なことだ。
不正アクセス行為の禁止等に関する法律
不正アクセス行為の用に供する目的で、他人の識別符号(パスワード等)を取得してはならない。違反者は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる。
こうした事態を避けるため、2018年3月6日に関連法規が変更されていた。
NICTが不正アクセス禁止法の構成要件から除外されたのである。
5年間という期間限定ではあるが、NICTは堂々とIoT機器へのアクセスが行えることになった。
しかし関連法規を変えても、「通信の秘密の侵害」を禁じた日本国憲法第21条に抵触する可能性が極めて高い。
日本国憲法第21条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
先ほどのZDnetの報道によると、総務省は「セキュリティが目的であり、通信の秘密は侵害せず、調査などで得られた情報は厳格な安全管理措置を講じる」と主張している。
しかしまったく同じ2月1日、総務省は、基幹統計である「小売物価統計調査」で不適切な調査が行われていたと発表した。
厚労省で発覚した、賃金統計不正に次ぐものだ。
自分たちが実施したい法案を裏付けるために、国の根幹となる基幹統計まで胡麻化すような人たちの主張を、性善説で鵜呑みにすることはできない。

ところで非常に奇妙なことに、情報セキュリティに関する重大な懸念に対して、当のセキュリティ業界からは何の声も聞こえてこない。
私が調べた限りでは、独立系のITジャーナリストとして知られる三上洋氏が「国がやるべきことではない」と懸念を表明しているだけである。
ここで総務省が1月に公開した資料「国立研究開発法人情報通信研究機構法(平成11年法律第162号) 附則第8条第2項に規定する業務の実施に関する計画の認可申請の概要」を参照してみたい。
一番最後のページの一番下に、このような記載がある。
​電気通信事業者への通知に関する業務を、認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会に委託する等
非常に分かりにくいが、今回のIoT機器への無差別侵入と脆弱性調査によって発覚した情報の連絡は、「認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会」として認定された団体に外注するということだ。
そして1月8日、一般社団法人ICT-ISACが「認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会」として認定されていた。
総務省が「無差別侵入と脆弱性調査」を行うと発表する、わずか2週間前のことである。
なんと手際のよいことか。
2月2日現在、「認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会」の認定を受けている団体はICT-ISACだけだ。
これは明らかにICT-ISACへ競争入札なしに発注することを前提として、様々な準備が進められてきたということであろう。

では、ICT-ISACとはどのような団体なのだろうか。
Webサイトによると、「サイバーセキュリティに関する情報収集・調査・分析」などを目的とするとされている。
そして会員企業のリストを見てみると、実にほぼすべてのセキュリティ・ベンダー、通信キャリア、テレビキー局などが名前を連ねているのである。
アルテリア・ネットワークス株式会社
株式会社インターネットイニシアティブ
インターネットマルチフィード株式会社
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
NTTセキュリティ・ジャパン株式会社
エヌ・ティ・ティ・データ先端技術株式会社
株式会社NTTドコモ
株式会社FFRI
沖電気工業株式会社
株式会社カスペルスキー
株式会社QTnet
株式会社ケイ・オプティコム
KDDI株式会社
株式会社KDDI総合研究所
KDDIデジタルセキュリティ株式会社
株式会社サイバーディフェンス研究所
株式会社シマンテック
株式会社ジュピターテレコム
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
ソフトバンク株式会社
株式会社TBSテレビ
株式会社テレビ朝日
株式会社テレビ東京
トレンドマイクロ株式会社
西日本電信電話株式会社
日本電気株式会社
日本電信電話株式会社
日本放送協会
ニフティ株式会社
日本テレビ放送網株式会社
株式会社日本レジストリサービス
パロアルトネットワークス株式会社
東日本電信電話株式会社
株式会社日立製作所
ビッグローブ株式会社
富士通株式会社
株式会社フジテレビジョン
マカフィー株式会社
またICT-ISACの定款には、このような記述がある。
第9条 社員が次の各号のいずれかに該当する場合には、社員総会の決議によって除名することができる。
(2)当法人の名誉を傷つけ、又は目的に反した行為をしたとき
これでは、会員企業は批判を封じ込められているも同然ではないか。
しかしこうした「鞭」だけではなく、しっかり「飴」も用意されている。
降って湧いたような、2億台近くに及ぶIoT機器のセキュリティ対策需要だ。
飴と鞭を用意されたセキュリティ業界は、これからも憲法違反の疑念に対して沈黙を続けるのだろうか。
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