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Photo by Helloquence on Unsplash 2019年3月、ツイッターで「ヘイトの先頭に立っていた」と指摘されていた「凪論」なる人物が名誉毀損の民事訴訟を起こしたが、東京高裁は2019年9月、その主張をすべて退ける判決を下した。 東京高裁の判決は「凪論」の目論見に反し、ヘイトスピーチ解消法(判決内では「差別的言動解消法」)に基づいて、原告である「凪論」のヘイトスピーチを指弾する画期的な内容となってしまった。 最高裁へ上告する2週間の期限が過ぎ判決が確定したため、このほど入手した判決文に沿って詳細に紹介していきたい。 なお個人情報に配慮し、「凪論」を含め関係者の本人特定につながる情報には可能な限りマスクをさせていただいている。 1. 訴状の概要 対象となったツイートの内容は次のようなものである。 あろうことかaaaのbbbの職員、「凪論」ことccc某がヘイトの先頭に立っていたことが発覚。きっちり社会的責任取ってください。ブログ削除して逃亡程度では落とし前つかんよ。 要は当ツイートでの「ヘイトの先頭に立っていた」との記述、およびブログのリンクを張り付けた行為が名誉毀損に当たるから損害賠償を払えという告訴である。 なお以下の判決文引用において判りやすくするために、原告である「凪論」を「N」、被告を「H」、上記ブログの持ち主を「B」として記載させていただくこととした。 2. 東京高裁の判断 東京高裁は、以下に引用するように、Nの主張を「すべて理由がないもの」として退けた。 違法性阻却ないし責任阻却事由が認められ、また評価を述べた部分も論評としての域を超えた人身攻撃であるとまでは認められず、違法な侮辱により名誉感情を侵害したとはいえないから、NのHに対する請求はすべて理由がないものと判断する。 3. 判断の理由 東京高裁は上記のような判断に至った理由を、ツイートの内容と趣旨、およびリンク先のブログの内容に大別して列挙している。 ツイートについてはNが「ヘイトの先頭に立っていた」ことを「事実を摘示したもの」と認めた。その根拠は、Bがブログで指摘していたN自身によるブログの内容そのものであった。まさに告訴したら返り討ちに会ったというしかない。 また何より重要なのは、Nのブログの内容について「本邦外出身者を不当に差別し、地域社会から排除することを扇動することにつながりかねない言動として、差別的言動解消法のヘイトスピーチに該当する可能性がある」として、ヘイトスピーチ解消法に基づく判断を下した箇所であろう。 以下、判決文から引用する。 「本件ツイートの趣旨・内容はいかなるものか」 「事実の真実性、又は真実と信じることについて相当の理由があるか」 4. ツイートに関する結論 前述したように、東京高裁はツイートの「ヘイトの先頭に立っていた」との記載について「真実性があるか、又は真実と信じるについて相当の理由がある」と断じた。 本件ツイートの「ヘイトの先頭に立っていた」との記載は、Nが率先してヘイトスピーチを行っていた事実を摘示するものであるが、上記「凪論」の記載が、ヘイトスピーチに該当する可能性があるということができるから、真実性があるか、又は真実と信じるについて相当の理由がある。 5. Bブログに関する結論 またBによるブログでのNに関する記述も悉く「真実性があるか又は真実と信じるについて相当の理由がある」とされている。 ヘイトスピーチの被害者に対し酷薄な感情しかもっていない事実およびその被害者をブログで貶めている事実を摘示しているが、上記「凪論」の記載が、同被害者を揶揄し、貶めている記載であるということが可能であるから、真実性があるか又は真実と信じるについて相当の理由がある。 6. 総合的な結論 以上のように、「凪論」ことNにとって完膚なきまでの敗訴となった。 本件ツイート及びそれにリンクする本件B投稿中の本件各B記述の内容は、名誉侵害の不法行為の違法性ないし責任を欠くものというべきで、NのHに対する損害賠償請求は理由がない。
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国民民主党・参院議員の森ゆうこ氏による質問内容が事前に漏れ、質問が予定されていた予算委員会よりも前にネット・メディアで公開されたうえ批判を受けるという事態が発生した。 まず当件のおおよその流れを整理するため、10月19日の朝日新聞の紙面から引用させていただく。 国民民主党の森ゆうこ参院議員が政府側に事前通告していた質問内容が外部に流出していたとされる問題で、野党側の「質問通告漏洩問題調査チーム」が18日、内閣府からの聞き取り調査の結果を発表した。
記事内では実名を伏せられているが、この大学教授とは嘉悦大学の高橋洋一氏である。
右派論客、あるいは安倍晋三応援団として知られている人物だ。 当の高橋氏は10月18日にツイッターで次のように吠えている。
「いじめのための質問」なのかはさておき、実は高橋氏のこの主張はあながち間違っているわけでもない。 某国会議員のベテラン元秘書に確認したところ、実は質問通告に関しては明確な規定がないとのことである。規定がないから罰則もない。 特に野党側の質問には、所轄省庁から民間に問い合わせを求めるものも含まれるため、省庁から外部へ関係ない質問内容が送られてしまうことは従来もあったそうだ。 とても法治国家とはいいがたいが、与野党ともに紳士協定として運営してきた。 それを国会よりも前にネットで晒しものにするという形で踏みにじる人物が現れたのだから、たまったものではない。 この件を踏まえて自民党側でも民間側に守秘義務や罰則を課す動きがあるようだが、当然であろう。 ところで野党側の質問についてあれこれ言われているようだが、自民党が野党だった時の質問内容はどうだったのか。 これについては、立憲民主党の有田芳生・参院議員が、小泉進次郎氏の質問要旨を実例として公開している。
1. 政権交代について 事前に用意した答弁資料を読み上げる無難なデビューを選択したようだ。
官僚が用意した文面を読み上げるだけの答弁。
「無能」の誹りを受けても反論のしようがあるまい。 こうした事態を受けて、野党側の怒りも限界を超えてしまったようである。 10月17日のテレビ朝日は次のように伝えている。 野党の統一会派は、政府側に事前に通告した国会での質問内容が外部に漏れていた疑いがあるとして、今後は詳細な質問内容を通告しないと決めました。
当面、質問の詳細な内容は事前通告されないことになってしまった。
石炭火力発電をどのように減らしていくのかと国連で質問されて答えに窮するような環境大臣・小泉進次郎をはじめ、閣僚として居座る安倍内閣の無能な面々は、官僚による事前の準備無しで、これからどのように答弁するつもりなのだろうか。 高橋洋一氏が不用意にも与党側へ加えてしまった傷はあまりにも深い。
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2019年のノーベル化学賞を吉野彰氏が受賞した。 吉野氏らによるリチウムイオン電池の開発がスマホの普及に大きく貢献したことは、私ごときが言うまでもない。 しかし、リチウムイオン電池も軽く吹っ飛ぶ驚くべき技術を体験した方がいる。 自由民主党所属の衆議院議員である杉田水脈氏である。 なんと電源を切ってあるスマホからデータを丸ごと抜くことができるのだそうだ。 とりあえずご本人の弁を記録した動画をご覧いただきたい。
以下、動画から肝心のポイントを抜粋しておく。 でももう仕方がないじゃないですか。
一言で「スマホのデータ」と言っても当然ながらサイズは様々であるが、とりあえず私自身のiPhoneの環境で杉田氏のご高説を検証してみたい。
機種は iPhone X で、ストレージの容量は256GBである。 このうちOSも含めて、現在はおよそ60GBの領域を使用している。 ビットに換算すると480Gbitになる。 キャリアはソフトバンクでLTE回線なので、理論上の最大速度は150Mbpsとなっている。 しかし「データを抜かれる」速度を計算するためには、実際のアップロードの速度が必要だ。 10月13日15時時点での、私のiPhoneからのアップロード実測値は24.2Mbpsであった。
この環境でiPhoneに入っているデータをすべて抜くためには、5時間30分の時間を要する。
空港でチェックインして搭乗するまでの時間では収まらないだろう。 なお現在導入が進められている5Gでは、速度が桁違いに速くなる。 2019年4月に、Verizonの広報担当であるDavid Weissmann氏が計測したところ、ダウンロードで762Mbpsもの速度が出たとのことだ。
残念ながらアップロードのデータは公開されていないが、ダウンロードとほぼ同じ速度が出ると仮定して計算してみたい。 その結果、10分強の時間で私のiPhoneのデータを転送可能であることが判った。 それにしても10分以上も送信しっぱなしであればスマホ本体がかなり発熱するので、注意深い人であれば、スマホが何か不審な挙動を執っていることに気づくだろう。 さらにキャリアの回線以外でデータを抜く手段としては、WiFiのアクセスポイントを悪用することが考えられよう。 ちなみに私の自宅のネットワーク環境は、2Gの光回線にIEEE802.11ac対応の無線ルータで構成されている。 個人ユーザーのスペックとしては、高速の部類に入るであろう。 実際にアップロードの速度を測ったところ、401Mbpsであった。
この環境でiPhone内のすべてのデータをアップロードすると、およそ20分の時間を要することになる。
LTEほどの長さではないが、先ほどの5Gの場合と同様に、スマホ本体が発熱するレベルである。 なお、2019年7月にリリースされたiOS 12.4以降のOSを搭載したiPhone同士であれば、ネットワークを経由せずにデータを移行することも可能である。 しかし2台のiPhoneをペアリングさせるなど、いくつかの手順を踏む必要があるため、他人のiPhoneの中身をコピーすることは不可能だ。 またApple製品の専門誌であるMacRumorsの検証によると、iPhone同士のデータ転送は「iCloudよりは速かった」ということなので、WiFiより多少速い程度と思われる。 ここまでiPhoneのケースで検証してみたが、Androidはどうだろうか。 Androidの場合、あらかじめバックドアを仕掛けておけば、データを抜くことは技術的に可能である。 実際フォーブス誌は、一部のAndroid系廉価スマホに出荷時点で "Triafa" なるバックドアが仕込まれていたことを報じている。 しかしバックドアを悪用したデータ伝送でも、先ほど計算したような時間が必要であることには何ら変わらない。 そして何といっても大前提となるのは「スマホに電源が入っていること」である。 ここで話を杉田水脈議員に戻したい。 彼女によると「スマホを電源を切って鞄の中に入れておいても、空港なんかをこう通過したりとかするときに、全部データを抜かれる」技術が存在するそうだ。 このような技術があれば、5Gすら不要であろう。 しかも当のAppleやGoogle自身も持ち合わせていない技術である。 とにかく極右やネトウヨの皆さんは、前代未聞・驚天動地の技術を数々ご存知のようで、まったく驚かされるばかりである。 例えば、ツイートの文面だけで相手の国籍を読み取ってしまう「国籍透視」能力も、広く普及しているようだ。 一般社会ではまったく知る由もない技術だが、ここはひとつノーベル賞でも目指してもらいたいものだ。
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「アビー・ロード」50周年記念のボックスセットが到着した。 2017年の「サージェント・ペパーズ」、2018年の「ホワイト・アルバム」に続く企画である。 早速アマゾンの段ボールを開封したところ、ボックスセットの上にミニ・ポスターが張りつけられていた。 ひっくり返してボックスの裏面を見ると、セットの内容が一目でわかるようになっている。 セット自体はLPサイズで、リミックスのCD 1枚とアウトテイクやデモが収録されたCD 2枚、さらにオーディオのBlu-rayで構成されている。 また写真集を兼ねたボックス本体ですべての曲が詳細に解説されており、さらに日本盤では付属のライナーで翻訳を読むことが可能だ。 なお開封の儀はビートルズの公式YouTubeチャネルでも公開されているので、こちらも参考にしてほしい。 肝心のリミックスの音だが、オーバーダビングされたコーラスやギターなどの分離がはっきりして、定位もクリアになった。 特にピアノやパーカッションなど、今まで気づかなかったような音まで聴こえるようになっており、オリジナルから50年も経っているのに新たな発見があることに驚かされる。 ボックスセットのリリースに合わせて "Here Comes The Sun" のプロモ動画が9月27日に公開されているが、特にこの曲で楽器の輪郭が顕著に改善されているのが判るので、聴いてみてほしい。 ところでApple Musicでは、このスーパー・デラックス・エディションのリミックスのみならず、アウトテイクやデモも含めた全曲を試聴できるようになっている。 ボックスセットの購入を検討する際には、こちらも是非利用いただければと思う。 いよいよ来年2020年は、怒涛の1970年から50年目に当たる。 これから10年は50周年記念商法に付き合うことになりそうだが、こうなったらとことん付き合うしかあるまい。
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"Led Zeppelin III" をリリースした翌年の1971年、遂にレッド・ツェッペリンが待望の初来日を果たした。 ライブ会場は東京と大阪だけでなく、バンド側の強い希望で広島が加えられている。 広島に着いたレッド・ツェッペリン一行は原爆ドームと原爆資料館を訪れ、また広島でのギャラをすべて原爆の被害者に寄贈した。 こうした彼らの思いであろうか、広島はもとより、東京や大阪でも長時間にわたって緊張感の高い演奏が繰り広げられた。 1971年は歴史的名盤 "Led Zeppelin IV" がリリースされており、レッド・ツェッペリンにとっても頂点のひとつを極めた年でもある。 ここでは東京、広島、大阪での全5公演の他、この年のライブ音源をブートで辿ってみることとしたい。 また1969年の音源は「1969年のレッド・ツェッペリン」、そして1970年については「ブートで辿る1970年のレッド・ツェッペリン」を併せて参照いただければ有難い。 なおセットリストなどの詳細な情報は、ledzeppelin.com を参照した。
1970年9月まで怒涛の全米ツアーを繰り広げたレッド・ツェッペリンは、1971年3月5日から北アイルランドのベルファストを皮切りに、ヨーロッパ・ツアーを開始した。
半年ぶりのライブは、前年にリリースされた "III" に収録されている "Immigrant Song" で開幕。 さらにこの時点では未公開だったアルバム "Led Zeppelin IV" から "Black Dog" "Stairway to Heaven" "Rock and Roll" が初めてライブ演奏されている。 翌日3月6日のダブリンでは、"Rock and Roll" がアンコール曲となった。 3月9日から4月1日まで全英ツアーをこなし、一か月後の5月3日と4日にデンマークでライブを行っている。 5月3日もアンコールの "Rock and Roll" で〆られた。 5月10日にリバプールで、また7月5日にはミラノで散発的にライブを行った後、8月7日のスイスに上陸したレッド・ツェッペリンは、続けて大規模な北米ツアーを開始した。 ロサンゼルスでのライブは8月21日と22日と二回続けて行われた。 いずれも最終曲はジョン・ポール・ジョーンズのオルガン・ソロに続く "Thank You" となっている。 23日のテキサス州フォート・ワース、31日のフロリダ州オーランドでのセットリストもほぼ同様。 9月4日、カナダのトロントでは、ライブ前に "Led Zeppelin III" に対するゴールドを受賞した。 9月9日のヴァージニア州ハンプトンでの音源は、残念ながら "Moby Dick" の途中で切れてしまっている。 アンコール曲は、9月11日のニューヨーク州ロチェスターまで "Thank You" だったが、13日のカリフォルニア州バークレーでは再び "Rock and Roll" となった。 14日にもバークレーでライブが行われているが、この日は "Whole Lotta Love" で終了している。
そして9月23日、ついにレッド・ツェッペリンが日本に上陸した。
初日の武道館では、バンドが登場する前に司会者によるMCがあり、「レッド・ツェッペリンの演奏会、今日は第一部も二部もありません」などと話していて、現代とは違う時代の空気を感じさせる。 しかしバンドが登場するやいなや "Immigrant Song" でロバートが吠え、"Heartbreaker" でジミーが炸裂。 "Since I've Been Loving You" も、その後公開されたマディソン・スクェア・ガーデンでの演奏を凌ぐ凄まじさである。 さらに30分にわたる "Whole Lotta Love" では、"How Many More Times" "You Shook Me" なども交えた変幻自在のアドリブ大会。 こんな演奏を突き付けられた当時の観客は、腰を抜かしたであろう。 なおこの日のアンコールは "Communication Breakdown" だった。 武道館の二日目は、初日に無かったジョン・ポール・ジョーンズによるオルガンのソロと "Thank You" で終了し、その後アンコールの "Communication Breakdown" へ突入。 9月27日、東京に続く広島でのライブ。 武道館でのライブも凌ぐ緊張感で演奏されている。 アンコールの "Communication Breakdown" の途中で演奏をいったん停め、ロバートが観客に「ステージに押し寄せるな。落ち着け。そこで座れ」となだめたうえで演奏を再開した様子が判る。 9月28日、大阪の初日ではビートルズの "Please Please Me" と "From Me to You" のサワリを歌って "Celebration Day" に突入するという遊びを見せている。 さらにアコースティック・セットの中では "We Shall Overcome" や "Down by the Riverside" を交え、また最後の "Communication Breakdown" の前に "C'mon Everybody" をカバー。 翌29日、大阪の二日目では "Thank You" に続けて "Rock and Roll" が演奏されるという豪華なセットリストとなった。
来日後およそ一か月の休暇を取り、11月8日に "Led Zeppelin IV" をリリースしたレッド・ツェッペリンは、11月11日のニューキャッスルから全英ツアーを開始する。
11月16日は初めて "Gallows Pole" でライブを終了してみせた。 11月24日、マンチェスターでは再び "Thank You" を最後に持ってきている。 12月21日のサリズビュリーでのライブで、1971年のツアーは終了した。 翌年1972年は、二回目にして最後となった再来日が行われる。
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昨年末あたりから、楽天やアマゾンなど実際のサービスを装った偽装メールが蔓延しており、内閣サイバーセキュリティセンターや警視庁が注意を呼び掛ける事態になっている。
また現実には、さらに多くの英語スパム・メールが飛び交っていると思われる。 幸い、そのほとんどがスパム・フィルターによって隔離されているため、目にすることは少ない。 試しに隔離されたものからサンプルを拾ってみたところ、メールのタイトルがパスワードになっており、差出人は受信者のものを偽装していたものがあった。 あたかも「お前のメールアドレスもパスワードも知っているぞ」と脅さんばかりである。 Hello!
これをざっくり翻訳すると、こんなところだろう。
お前のメールアドレスをハッキングした。
なんとも効率の悪い犯罪である。
スパム・フィルターを通り抜けたとしても、日本人の多くは見知らぬ相手からの長文の英語メールなんかそのままゴミ箱行きにするだろうし、ビットコインで送金できる人も限られているだろう。 なお、私のPCはデスクトップなので、そもそもWebカメラは付いていない。アホか。 しかしメールアドレスとパスワードの組み合わせが漏洩している事態は看過できない。 例えば、ビジネスSNSとして日本でもユーザーの多いLinkedInは、2012年にハッキングされ、1億6,000万以上ものメールアドレスとパスワードの組み合わせが窃取されている。 もしこの組み合わせをLineやAmazonなど他のサービスでも使いまわしをしていたなら、簡単にアカウントを乗っ取られてしまうだろう。 では、どのサイトからメールアドレスが流出し、その中に自分のものが含まれているかどうか、チェックするにはどうすればいいのだろうか。 こうした情報を、マイクロソフトのTroy Hunt氏が "have i been pwned?" というサイトで提供してくれている。 このサイトによると、情報漏洩を起したサイト数は398、漏洩したアカウントは延べ84億にも及んでいる。 最大の漏洩は2019年1月に発生した Collection #1 からのもので、実に7億7,000万ものメールアドレスとパスワードが窃取されている。 また、メールアドレスやパスワードが漏洩したものに含まれているかどうか、簡単にチェックすることもできる。 メールアドレスが漏洩している場合は、このような結果が表示される。
漏洩していないメールアドレスの場合は、グリーンになる。
パスワードについては、こちらのURLで同様に確認できる。
メールアドレスの漏洩が確認できた場合、それをIDとしているすべてのサービスで別のアドレスに変更、もしくはパスワードを直ちに変更すべきだ。
またパスワードを変更する場合は、英数小文字だけのシンプルなものは避けなければならない。 また単純な英単語を使うと辞書攻撃で突破されるリスクが高いが、単語の中のいくつかの文字を特殊文字に置き換えればリスクは大きく低減する。 例えば "beatles123" や "be@tles" だけではなく、"be@tle$_123" くらいにはしておきたい。 さらに各サービスごとに多要素認証の設定もしておくべきであろう。
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今年も8月6日の広島と9日の長崎で、原爆慰霊式典が開催された。 首相として出席した安倍晋三は両日とも挨拶したが、その内容はまたもコピペの使いまわしであった。 まず首相官邸のサイトに掲載されている「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式あいさつ」から見てみたい。 フォントを赤くしている部分は、9日の長崎でのあいさつと同じである。 今から74年前の今日、原子爆弾により、十数万ともいわれる貴い命が失われました。街は焦土と化し、人々の夢や明るい未来が容赦なく奪われました。一命をとりとめた方々にも、筆舌に尽くし難い苦難の日々をもたらしました。
全文1091文字中、長崎と異なる箇所はわずか37文字。
実に96.6%もコピペ再利用されていたことになる。 続いて、9日の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典あいさつ」。 こちらも6日の広島での挨拶と重なる部分を赤いフォントにしてみた。 本日、被爆74周年の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
長崎では1152文字中、95文字が異なってはいるが、91.8%もの部分が広島からの使いまわしであった。
広島と異なる箇所も、単に「広島」と「長崎」を入れ替えただけであったり、若干の文言を加えた程度である。 もはや手抜きというレベルを超えて、敢えて嫌がらせとしてやっているとしか思えない。 安倍晋三のふざけた態度は、広島市長や長崎被爆者代表の挨拶の時にも、露骨に表れていた。 広島市長の挨拶では終始しかめ面をして目を閉じ、「唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受け止めて頂きたい」との市長の言葉に目を泳がせている。
長崎では、被爆者代表の山脇氏の「この場で安倍総理にお願いしたい。被爆者が生きている間に世界で唯一の被爆国としてあらゆる核兵器保有国に核兵器を無くそうと語りかけてください。」との訴えに、安倍晋三は片目を閉じ、やはり目を泳がせていた。
そんなに慰霊式典に出席するのが嫌なら、そして平和が嫌いなら、もう広島にも長崎にも沖縄にも、いっそ行かないほうが良いのではないか。 あまりにも失礼である。 そして残念ながら安倍政権下の日本は、2016年10月28日の国連総会にて、唯一の被爆国でありながら核兵器保有国と共に、核兵器禁止条約に反対した。 まったく恥ずべき事態だ。
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参議院議員選挙投票前日、7月20日の東京・秋葉原。 自民党の最終演説会が、安倍晋三や麻生太郎ら党幹部を迎えて行われた。 この時、自民党・中央区議によって撮影された動画に、大量の日の丸を林立させた聴衆と、憲法改悪を叫ぶ街宣車の様子が記録されている。 もはやファシストぶりを隠そうともしない、本当に気持ちの悪い異様な光景である。
しかし演説会の本当の姿は、この動画に映っていない。 実は、人垣の後方で自民党関係者あるいは自民党支持者による暴力行為が堂々と行われていた。 例えば「ここはてめえらの国じゃねえんだ、朝鮮野郎」と周囲を恫喝し、純度100%のヘイトを吐き散らす男。
さらに市民の体を掴んで暴力的に排除するチンピラのグループ。 ヒトラー・ユーゲントと何が違うのか。
自民党支持者が持ち込んだ数々のプラカードの内容もおぞましかった。 「核戦争には慣れている」「日韓断交」「外国人の政治活動は犯罪なんだよ」など、目を覆いたくなるような文言の数々。 これらのプラカードは自民党関係者によって咎められることも排除されることもなかった。 要するに自民党としては完全にOKということなのだろう。
そして、このようなプラカードは組織的に配布されていた。
しかも聴衆の多くは、バスを使った動員だったのである。
— oh-my-ft2 (@Ft2Oh) July 20, 2019 さらに「派遣」で集められてきたことを告白する「聴衆」。
こうした暴力と動員にもめげず、「安倍辞めろ」コールを最後まで貫いた市民には最大の敬意を払いたい。
動員と暴力によるハリボテ細工。 これが自民党の秋葉原街宣の真の姿だ。
画像は「年金返せデモ」告知用ツイッター・アカウントから借用
7月14日、渋谷のハチ公前広場で「年金返せ渋谷ハチ公前大抗議集会」が開催された。 抗議は特定の団体が主催や後援をしたわけではなく、個人有志の集まりによって行われたものである。 雨が降る中、18時から20時までの2時間、広場は多くの人でびっしりと埋め尽くされた。
抗議はコールとスピーチが交互に行われる形で進行していったが、ここでは年金の専門家である全厚生労働組合書記長の川奈氏と、被保険者の代表として立った中田氏(ファンクバンド「オーサカ=モノレール」メンバー)のスピーチを書き起こして紹介してみたい。 なお全厚生労働組合とは、厚生労働省およびその関係機関(日本年金機構を含む)で働く職員で組織される組合である。 (ご両者のスピーチで聞き取れない箇所を一部省略させていただいた。) 私は19才の時からずっと社会保険事務所で働いています。先ほど司会の方も言っていましたが、今回の2000万円の話、職場でも怒りの声があがっています。年金事務所でも「いくら丁寧に年金相談をしても、あんなこと言われたら全部お終いだよ。」と、そんな怒りの声が職員からもあがっています。 僕もめっちゃ怒ってますよ。これ本末転倒ですよ。ちゃいますか。 年金問題は、7月21日に実施される参議院選挙の最大の争点として、よく考えておきたいところである。
Photo by Will Schulenberg on Unsplash
6月28日から29日、二日間にわたるG20大阪サミットが開催された。 安倍政権は参院選告示直前のタイミングでサミットを最大限に利用するつもりだったのだろうが、会場設営から安倍本人の発言に至るまで、ボロが目立つ事態になってしまった。
1. 杜撰な運営
まず初日となった28日の午後、「デジタル経済」をテーマにした首脳イベントが開催されたが、ここで驚いたのは会場の狭さである。
NHKから引用
TBSテレビ報道からキャプチャー
狭い会議室で、小さな机に押し込まれる各国の首脳たち。
企業主催の一般的な無料セミナーでも苦情が出るレベルである。 いったい事務方は何を考えてこんな会場設営にしたのであろうか。 そして外国人記者に配布された飲み物も意味不明だった。これにについては、日本経済新聞の記者が次のようにツイートしている。
水素水!
既に何年も前に、国民生活センターなどにより効能が否定されているものである。 販売元等のホームページや直販サイト、商品のパッケージに、飲用により健康保持増進効果等があると受け取れる記載がありました。医薬品医療機器等法や健康増進法、景品表示法に抵触するおそれがありますので、事業者に対し、表示の改善を指導するよう要望します (国民生活センター)
事務方はどういう意図でこれを配布したのだろうか。
もしかして不良在庫の処分に協力したのですか? さらに事務方だけではなく、警備側にも弛みが目立っていた。 拳銃の置忘れや弾倉の紛失など、G20の開催にかかわらず絶対にあってはならないことである。 大阪府警は28日、大阪で開かれている主要20カ国・地域(G20)首脳会議の警備の応援で大阪(伊丹)空港の警戒にあたっていた島根県警の20代の男性巡査が、実弾入りの拳銃などをトイレに置き忘れたと発表した。 (朝日新聞) 第5管区海上保安本部(神戸)は28日、ゴムボートでG20大阪サミットの警備に当たっていた舞鶴海上保安部(京都府舞鶴市)の40代の男性職員が、自動式拳銃から弾薬14発入りの弾倉1個を、主会場に近い大阪南港の海域で落としたと発表した。弾倉は見つかっていない。 (中日新聞)
高速道路を封鎖したり、遠く関東地方の駅のロッカーまで使用停止にするなど国民に不便を強いておきながら全く何をやっているのか、だらしないとしか言いようがない。
2. 相手にされない安倍晋三
首脳全員が集まってのフォトセッションでは、安倍晋三が待ちぼうけを食うことになってしまった。
待ちぼうけは進行の不手際なので、責めを負うのは事務方であろう。 しかし首脳たちが続々と登場し互いに握手やハグ、会話を交わす中で、安倍晋三だけ1人取り残されているのだった。
英語力の問題もあるのだろうが、議長国の首脳としてあまりにも情けない姿である。 150年前の明治維新の混乱で、大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣は今から約90年前に、16世紀のものが忠実に復元されました。
まず大阪城の天守閣は16世紀には存在していない。
そしてエレベーターをつけたことを「大きなミス」と言いのけてしまったのである。 バリアフリーが推進されているこの時代に、いったい何を言っているのだろうか。 ジョークとしても全く面白くないだけでなく、人権に対する配慮に欠ける彼の人間性を、各国の首脳を前に曝け出す結果となった。 ちなみに、現在も建設が続くサグラダファミリアにもエレベーターは設置されている。 安倍晋三首相は29日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の閉幕後、議長として記者会見に臨んだが、予定の30分間を過ぎないうちに司会役が会見を打ち切り、報道陣からは不満も出た。 (毎日新聞)
あらかじめ仕込んだ質問と用意された原稿の読み上げ以外には対応ができないのであろう。
国会答弁でも常に見かける光景である。
こうして閉幕したG20は、日本として大きな成果を出すこともなく、また政治ショーとしても極めて情けないものになってしまった。
しょせんが「外交の安倍」の実体はこの程度のものなのである。
追記 (16:00 30/6/2019)
6月30日午後、米トランプ大統領と韓国・文大統領は板門店を訪問し、金正恩委員長と面会した。日本の外務省は知らされておらず、完全に蚊帳の外扱いである。G20は前座に過ぎなかった。
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