Photo by Colton Duke on Unsplash.
1972年12月に全英ツアーを開始したレッド・ツェッペリンは、クリスマス休暇を挟んでそのままツアーを継続した。
そして1月30日に全英ツアーを終了した後は一か月の休養を取り、早くも3月2日からヨーロッパ・ツアーに乗り出している。 4月2日のパリでのライブを最後に再び一か月間休暇を取った後、5月4日からは全米ツアーに突入した。 この全米ツアーの最後の三日間はニューヨークのマディソン・スクェア・ガーデンで行われ、その模様は映画「永遠の詩」として記録されることになった。 正にレッド・ツェッペリンのライブの絶頂期と言える年であるが、マディソン・スクェア・ガーデンでのライブ以降はツアーを停止し、翌1974年はまったくライブ活動を行っていない。 彼らのライブが再開されるのは一年半後の1975年1月のことであった。 以下、ライブ会場やセットリストなどの情報は、ledzeppelin.com を参照させていただいた。 なお1969年から1972年までの音源は、下記のリンク先にそれぞれ整理しているので参照いただきたい。
1973年、レッド・ツェッペリンは早くも1月2日にシェフィールドから全英ツアーを再開させている。
このツアーでは全部で12公演が行われているが、残念ながらブート音源はあまり残されていない。 まずツアー2日目のオックスフォードでの演奏。
1月22日のサウスハンプトン大学でのライブは、複数の音源が存在する。
1月25日のアバディーンでのライブの後に3公演行って、全英ツアーが終了する。
ヨーロッパ・ツアーは3月2日のデンマークの首都コペンハーゲンを皮切りに開始。
3月6日のストックホルムでのセットリストは、後のマディソン・スクェア・ガーデンでのものとほぼ同じ内容になっている。
3月16日のウィーンでの音源は複数残っているもよう。
3月17日のミュンヘン。"Whole Lotta Love" のメドレーが凄まじく長い。
3月19日はベルリン。この頃は必ず "The Ocean" が演奏されているのが興味深い。
3月22日はドイツのエッセン。この直後の3月28日、アルバム "House of the Holy" が全世界同時発売になる。
そして4月1日のパリがヨーロッパ・ツアーの最終公演となった。
全英ツアーで喉を傷めたと言われるロバートのボーカルはパリで再び炸裂しており、ジミーとボンゾの演奏も鬼気迫るものがある。
ヨーロッパ・ツアーから一か月後の5月4日、三か月にわたる歴史的な全米ツアーがアトランタから開始された。
翌5月5日はフロリダのタンパで6万人近くを動員。
13日のアリゾナのライブでは地元紙が「あまりにもヘヴィだった」とのレビューを残している。
5月16日はアンコールの最後が "Communication Breakdown" になっている。
5月18日と19日は、隣町であるダラスとフォトワースで行われた。残っている音源はダラスのみ。
5月26日はソルトレイク・シティ。
5月28日のサン・ディエゴでは "Moby Dick" が披露された。
6月3日、ロサンゼルスの The Forum では久しぶりに "Thank You" がアンコール最後の曲になった。
シカゴでは7月6日と7日の二日間行われ、そのいずれも音源が残されている。
デトロイトでも7月12日と13日に行われた。こちらは12日分の音源のみである。
7月15日のニューヨーク州バッファローでのライブは3時間近くに及んだ。
再び西海岸に戻り、7月17日はシアトル。
7月21日のローズ・アイランドでは、チケットを持たない群衆が会場へ突入を図ったため警察が出動する騒ぎとなり、13人が逮捕された。
そして7月27日から29日の三日間、ニューヨークのマディソン・スクェア・ガーデンでのライブとなる。
全米ツアー終了後、帰国したレッド・ツェッペリンは映画「永遠の詩」の追加撮影などの作業を行い、11月から "Physical Graffiti" のレコーディングを開始する。
0 コメント
Photo by Hussain Badshah on Unsplash
ジョージ・フロイド氏虐殺を契機とした抗議行動に続き、人種差別主義者たちの彫像を倒す動きが欧米で広がっている。
アメリカではクリストファー・コロンブスが先住民を虐殺した先兵とみなされ、全米各地で彼の像の撤去が始まった。 ヨーロッパでも、ベルギー王だったレオポルド2世の像が倒されている。この人物はアフリカのコンゴを私有地として支配し、ゴムの収穫のノルマを達成できなかった奴隷に対して、彼らの子どもたちの手足を切断して懲罰するという残虐行為をはたらいていた。彼の支配の期間、数百万の現地人が亡くなったとみられている。
こうした中、テネシー州出身のテイラー・スウィフトが州内に残る人種差別主義者の彫像に関する見解を表明した。
ここでは彼女の一連のツイートを翻訳のうえ紹介してみたい。 テネシー人として、邪悪な行為をはたらいた人種差別主義の歴史上の人物を祝う記念碑が私たちの州に立っていることに私はうんざりしている。エドワード・カーマックとネイサン・ベッドフォード・フォレストは私たちの州の歴史の中で特に卑劣な人物であり、そのように扱われるべきである。
Photo in Atlanta by Maria Oswalt on Unsplash
5月25日にジョージ・フロイド氏がミネアポリス警察に虐殺されてから2回目の週末となった6月6日と7日、抗議行動は全米だけでなくヨーロッパ、オーストラリア、そして日本など世界各地へ広がった。
こうした中、ロック・ミュージシャンたちも自らデモに参加する姿があちこちで目撃されたほか、SNSや動画などで連帯の意志を表明している。
6月6日
マドンナは膝の怪我でライブをキャンセルせざるを得ない状態だったにもかかわらず、ロンドンでデモに参加した。
ビリー・アイリッシュは、ロサンゼルスでのデモに参加している様子をツイートしている。
ポール・マッカートニーは Black Lives Matter を支持するツイートの中で、ビートルズ時代にジャクソンヴィルでのライブで観客席の人種隔離に反対したことに言及している。
この時は、人種隔離を撤廃させることを契約に明記させたうえで演奏したとのこと。 — Paul McCartney (@PaulMcCartney) June 5, 2020
リヴィング・カラーは、全米各地での警察による暴力行為を集めた動画をリリースした。
ニール・ヤングはファン・サイトで Black Lives Matter 運動に絡めてトランプを激しく非難する書簡を公開した。
6月7日
日本では、数千人規模となった大阪でのデモに、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬氏が参加した。
ケンドリックス・ラマーは、カリフォルニア州コンプトンでデモに参加。
プリンスの公式YouTubeチャネルは、2015年にボルティモアで警察によって虐殺されたフレディ・グレイ氏に捧げる "Baltimore" の動画をリリースした 。
トム・モレロは、96歳の母と共に写った写真を使って、Black Lives Matter 支持のメッセージをツイートした。
このTシャツのロゴがブラック・サバスのパロディであったため、ギザー・バトラーがさっそく賞賛のツイートで反応している。
6月8日
ABBAのビョルン・ウルヴァースが、抗議デモへの支持を表明。
デモに対する批判的な意見については「世の中はばか者であふれている」と一蹴した。
マイク・ポートノイも、警察による暴力シーンを集めた動画をリリースした。
この動画ではマイクが全楽器を一人で演奏し、ジョン・レノンの "Gimme Some Truth" をカバーしている。
ビリー・アイリッシュ、リアーナ、そしてアリアナ・グランデなど多くの人たちが、ニューヨーク警察法の改正を求めて公開書簡を発表した。
現状の警察法では、警察の不正行為の記録を第三者による監視から隠蔽することができるとしている。
一方このような状況下で本邦のNHKは、7日に放送した番組「これでわかった!世界のいま」で Black Lives Matter 運動を取り上げたものの、極めて差別的なアニメで揶揄し、駐日アメリカ大使館を含む各方面から多くの批判を浴びる事態になった。
謝罪文を出したものの、例によって「不快な思いをされた方にお詫びいたします」というテンプレートに過ぎず、問題の本質を理解していないことを露呈してしまった。 さらに英ガーディアンを皮切りに、独ドイチェベレ、仏AFP、ロイター、アル・ジャジーラなどで瞬く間に世界中で報道されてしまい、またも日本人の人種差別に対する認識の低さと政治への無関心を晒してしまったのである。 まったく恥ずかしいことだ。
米ミネアポリスでアフリカ系男性のジョージ・フロイド氏が白人警官に虐殺された事件を受けて、全米で抗議活動が広がっている。
音楽業界でもこの事件が深刻に受け止められ、ツイッターやインスタグラムなどのSNSでハッシュタグ #TheShowMustBePaused (ショーは中断すべきだ)が使われるようになった。 さらにこのハッシュタグを使って、6月2日を音楽業界全体としての抗議のストライキの日とすべく呼びかけが開始され、瞬く間に大手レーベルから個々のミュージシャンまでが参加の意志を表明する状況になった。 ここでは配信プラットフォーム、レーベル、楽器メーカー、音楽誌、そしてミュージシャンらの #TheShowMustBePaused の意思表明をできる限り集め、記録として残しておきたい。 またこれらは「音楽に政治を持ち込むな」などと平然と幼稚な戯言を垂れ流す、この国の間抜け共へのカウンターにもなるであろう。
配信プラットフォーム
iTune、Apple Music、Spotifyなどほぼ全ての音楽配信プラットフォームが通常の配信を停止し、トップページを黒くしたうえで、黒人音楽や抵抗のための曲をプレイリストを流し続けた。
レーベル
著名なレーベルもほぼ全てが抗議を支持する声明を出している。
— Universal Music Group (@UMG) June 1, 2020
— Sony Music (@sonymusic) May 31, 2020
— Def Jam Recordings (@defjam) May 31, 2020
音楽誌
ロック系の音楽誌も全面的に抗議を支持する行動に入った。 通常はラップやソウルなどとは縁の薄い Kerrang! や LOUDWIRE といったメタル系メディアによる強いメッセージが印象的である。 特に LOUDWIRE は数時間おきに一日中、抗議のツイートを流し続けた。
— Loudwire (@Loudwire) June 2, 2020
— Loudwire (@Loudwire) June 2, 2020
— UltimateClassicRock (@UltClassicRock) June 2, 2020
楽器メーカー
ギターの二大メーカー、フェンダーとギブソンも抗議に参加した。
— Fender (@Fender) June 1, 2020
ミュージシャン
ロック・ミュージシャンたちも、ジャンルを問わず幅広い顔ぶれの面々が抗議のメッセージを表明した。 ローリング・ストーンズは公式ツイッター・アカウントに加え、ミック、キース、ロンの三人が抗議のツイートを出している。
— Mick Jagger (@MickJagger) June 1, 2020
ブラック・サバスも、オジー・オズボーンとギザー・バトラーが参加した。
— BlackSabbath (@BlackSabbath) June 2, 2020 — Ozzy Osbourne (@OzzyOsbourne) June 2, 2020 — Geezer Butler (@geezerbutler) June 2, 2020
キッスは、公式アカウントのほか、ポール・スタンレーとジーン・シモンズが抗議を表明している。
— KISS (@kiss) June 2, 2020
ホワイトスネークとデヴィッド・カヴァーデイルの抗議は同一のもの。
ビートルズ関係では、公式アカウント、ジョン・レノン、オノ・ヨーコから抗議が発信されている。
以下、多くのロック・ミュージシャンたちの抗議のツイートをアルファベット順で転載しておく。
日本からは Yoshiki の参加が確認できる。 ピーター・ガブリエルやラッシュのように従来から差別問題に声を上げてきた人たちに加え、差別発言で批判された過去のあるロッド・スチュワートや、アパルトヘイト体制での南アフリカのサン・シティに出演して非難されたザ・フーまで、今回はこの抗議に参加しているのが興味深い。 とにかく、ここに名を連ねている彼らに向かって「音楽に政治を持ち込むな」のような幼稚なことを言えば、徹底的に軽蔑されることは間違いない。
— Bryan Adams (@bryanadams) June 2, 2020
— Cheap Trick (@cheaptrick) June 2, 2020
— Duran Duran (@duranduran) June 2, 2020
— Joan Jett (@joanjett) June 2, 2020
— Red Hot ChiliPeppers (@ChiliPeppers) June 2, 2020
— Rick Springfield (@rickspringfield) June 2, 2020
— Sir Rod Stewart (@rodstewart) June 2, 2020
Photo by Nicole Baster on Unsplash
5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が無抵抗のアフリカ系男性の首に肘を押し当てて殺害するという事件が発生した。
その現場の動画がSNSで拡散されることによって多くの人々が怒り、アメリカ中に抗議行動が広がっている。 NBCによると、犯行に及んだ警官デレク・ショーヴィンは過去にも、少なくとも10件以上ものヘイト・クライムに関与していたとのことだ。 この残虐なヘイト・クライムに対して、アメリカの多くのミュージシャンたちが抗議の声を上げた。 例えば自らもアフリカ系市民であるレニー・クラヴィッツ。
何人死んだか知ってるか?
そしてリヴィング・カラーのツイートも同じ画像を使用している。
この数年モータウンのカバーに注力しているポール・スタンレーは、ツイッター140文字の制限を超える声明を出すため、画像を使うという手段を執った。
露骨な偏見や人種的プロファイリングの最近の動画や事件、そしてどう見ても黒人男性に対する冷血な殺人としか言いようがないことには、げっそりする。
レイジ・アゲインスト・ザ・マシンのトム・モレロは、逮捕された抗議者を運ぶことを拒否したバス運転手に関するツイートに、「これこそ連帯だ」とのコメントを付けてリツイートした。
またマドンナは、トランプを名指しで非難している。
ジョージ・フロイド虐殺に抗議して、アメリカ中でデモが起きている。
若手も続々と声をあげている。アダム・ランバートは警察機構を強く批判。
法執行機関のトレーニング、規約、心理スクリーニングの全面的な改革を要求する必要がある。警察官として働いているいじめ野郎が多すぎる。我々は行動違反に対する説明責任と法的手段を要求するべきだ。
テイラー・スウィフトは、この事件に対するトランプの政治姿勢を激しく罵倒し、今年の大統領選挙での落選運動を宣言している。
大統領職の間中ずっと、白人優越主義や人種差別をさんざん煽っておきながら、暴力で脅す前に道徳的に優れているふりをする神経くらいないのか。略奪が起きたら銃撃を始める?11月の選挙で落選させてやる。
ビリー・アイリッシュに至っては、インスタグラム上でトランプに対し「お前、本気か?クソ野郎!」と面罵した。
さて、ここで思い出しておきたいのは、日本でも先般、検察官の定年延長を可能にする法案への抗議に、きゃりーぱみゅぱみゅ等をはじめ、多くの芸能人が参加したことだ。
とは言え、ツイッター上で「#検察庁法改正案に抗議します」とのタグを使用する程度のことであり、テイラー・スウィフトやビリー・アイリッシュに比べれば極めて穏健なものである。 しかし、これくらいのことに対してすら、一部の幼稚な連中は「芸能人は政治に口を出すな」と喚きたてた。 こうした連中に対するきゃりーぱみゅぱみゅの回答が、こちらのラップだ。
でも私はアニメのキャラじゃない
政治を忌避し、正義を嘲笑する幼稚な日本人はいい加減目を覚ましたほうがよい。
Photo by Matthew T Rader on Unsplash
5月9日にリトル・リチャードが87才で亡くなったことを Rolling Stone誌が伝えた。
リトル・リチャードは、1950年代から活躍したロックの創設者のひとりである。 数々のヒット曲が多くのミュージシャンたちにカバーされてきたが、ハードロックに与えた影響もまた大きかった。 ここではハードロック・ミュージシャンによるリトル・リチャードのカバーを振り返ってみたい。
Long Tall Sally
ビートルズによるカバーが余りにも有名で、ビートルズ解散後もポール・マッカートニーはライブで演奏を続けている。
ジョニー・ウィンターはライブの名盤で知られる "Johnny Winter And" にて、ロックンロール・メドレーで収録。
ジェリー・リー・ルイスの "Great Balls of Fire" に続けて、激しい演奏が展開されている。
レッド・ツェッペリンも初期のライブで演奏していた。
1970年1月9日のロイヤル・アルバート・ホールでは、アンコールが4回も行われたが、そのトップを飾っている。
1971年のカクタスのライブでは、ミドルテンポで重厚なハードロックとなっており、まるで別の曲のようだ。
スコーピオンズも名盤 "Tokyo Tapes" で、日本でのライブを残してくれた。
Lucille
ディープ・パープルが70年代にライブで取り上げていたのが知られている。 1972年の来日の際にも演奏されたが、"Live in Japan" には収録されておらず、後にリマスターとして再発された際に公式に公開された。 改めて聴いてみるとかなり粗い演奏なので、オリジナル盤では収録を見合されたのであろう。
またクイーンも1977年のロンドンでのライブ映像を残している。
Tutti Frutti
さらにクイーンは1986年のウェンブレーでもリトル・リチャードをカバーしていた。
まったく面影が違うが、MC5は独特のガレージ・サウンドでライブ演奏している。
こうして整理してみると、カバーしている側にも鬼籍に入っている人たちが多かった。
合掌。
Photo by Markus Spiske on Unsplash
「コロナウイルスに関するロック・ミュージシャン達のメッセージ」との記事を書いたのはほんの2週間前だったが、それから瞬く間にミュージシャンの間でも感染が蔓延してしまった。
ライブ活動ができず、CDの売上も急減する中、経済的な損失だけではなく、いよいよ健康や命そのものが直撃を受ける事態になっている。 状況は日々刻刻と急激に変化しているので、ここではその記録の整理に努めたいと思う。 なお繰り返しになるが、私自身は医学的知識を持ち合わせていないことを予めお断りしておく。 (最終更新 2020年5月5日 11:30)
3月29日 アラン・メリル死去
ジョーン・ジェットのヒット曲 "I Love Rock 'n' Roll" の制作者で知られているアラン・メリルが71才で亡くなった。 娘のローラ・メリルがFacebookで詳細を報告している。
3月31日 ゲイリー・ホルト陽性
メタル専門誌 Blabbermouth によると、エクソダスやスレイヤーで知られるギタリストのゲイリー・ホルトの陽性が判明した。 ゲイリーは3月中旬から体調不良を訴えており、検査の11日後に結果が出た。 なおテスタメントやデス・エンジェルとヨーロッパ・ツアーを行っていたため、デス・エンジェルのドラマーのウィル・キャロルや、テスタメントのヴォーカリストのチャック・ビリーも感染したことが判明している。 特に症状が重いウィル・キャロルは集中治療室へ搬送された。
4月1日 アダム・シュレシンジャー死去
ファウンテンズ・オブ・ウェインのギタリストのアダム・シュレシンジャーが、52才の若さで亡くなった。 ガーディアン紙によると、3月31日にニューヨークで病院に搬送され、翌日に息を引き取ったとのこと。
4月3日 クリストファー・クロス陽性
クリストファー・クロスが陽性と判定されたことを、自身のFacebookにて公表した。 幸い重篤にはなっていないもよう。
4月4日 サラ・バレリス全快
アメリカのシンガー・ソングライターであるサラ・バレリスが、感染から完全に回復したことを明らかにした。
4月4日 マリアンヌ・フェイスフル陽性
ビルボード誌によると、マリアンヌ・フェイスが陽性と診断されロンドンの病院へ搬送された。 マネージャーのフランソワ・ラバードは「容態は安定している」と話している。 またマリアンヌの友人であるペニー・アーケイドがFacebookで詳細を伝えている。 DEAR FRIENDS OF MINE after giving some thought to this, I have decided to share with you that I tested positive with the Corona Virus almost three weeks ago.
4月9日 マドンナ 従兄らを失う
マドンナがツイッターに投稿した動画で「24時間のうちに、従兄二人とボディーガードの兄弟が亡くなった」ことを明らかにした。
4月11日 ベビーフェイス全快
ベビーフェイスが自分の誕生祝に対する感謝のメッセージと併せて、家族と共に感染し、全快したことをツイートしている。
4月18日 マシュー・セリグマン死去
トーマス・ドルビーやデヴィッド・ボウイのバンドでベーシストを務めたマシュー・セリグナンが、2週間の闘病の後、脳出血の合併症で亡くなった。 トーマスがFacebookで明らかにしている。
4月20日 レックレス・エリック陽性
レックレス・エリックが陽性であることを、自身のブログとFacebookで明らかにした。 3~4週間ほど前から腰や胸などに痛みがあり、咳と微熱が続いていたため、検査を受けたところ陽性だったとのこと。 幸い重篤には至らず、自宅で隔離生活を送っている。
4月22日 マリアンヌ・フェイスフル退院
ロンドンの病院に入院していたマリアンヌ・フェイスフルが21日ぶりに退院した。 今後はしばらく自宅で静養する。
5月1日 マドンナ陽性
マドンナが自身のFacebookとインスタグラムでの動画で "I have the anti-bodies" と語り、陽性で抗体ができていることを明らかにした。
5月3日 デイヴ・グリーンフィールド死去
ストラングラーズのデイヴ・グリーンフィールドが、心臓の問題で入院中に感染し亡くなった。 71才だった。
Photo by ?? Claudio Schwarz | @purzlbaum on Unsplash
コロナウイルスが世界中に拡散し、音楽業界でも大規模なフェスからライブハウスの演奏に至るまで、様々なイベントが延期や中止を余儀なくされている。
こうした中、正面から影響を受けているロック・ミュージシャン達がどのようなメッセージを発信しているか、彼ら・彼女らのツイートから集めてみた。 (なお私自身は医学的知識を持ち合わせていないので、ここで言及されている対策に対しては、肯定も否定もできる立場でないことを予めお断りしておく。)
またエアロスミスは、自分たちがライブの最中に接触している場面を編集した動画を作成し「こういうのは止めろ」と主張している。
その他、モトリー・クルーやジーン・シモンズも「ソーシャル・ディスタンス」を求めている。
マスクを着用した投稿も多い。
例えば、ジャケットのイメージのメンバー全員にマスクを着用させたガンズ・ン・ローゼズ。 — Guns N' Roses (@gunsnroses) March 9, 2020
リンゴ・スターはビートルズのメンバーの中でマスクを着けている。
デフ・レパードやレイジ・アゲインスト・ザ・マシンは「手を洗え」とのメッセージを出すために、自分たちのヒット曲にかけ合わせたツイートを行っている。
そしてまさかのオジー・オズボーン。
— Ozzy Osbourne (@OzzyOsbourne) March 16, 2020
ポール・スタンレーは、医療関係者への感謝を表明。
パリ公演が中止になったブライアン・メイは「あきらめるな」とのメッセージを出している。
「世界のどこにいても気を付けろ」とツイートしているのは、ホワイトスネイクやスコーピオンズ。
カール・パーマーとポール・マッカートニーは、ベテランらしく「互いに助け合え」と主張している。
そして3月20日にマドンナが公開した動画が極めつけであった。
一切の説明を省いた上で、トランプの優柔不断な発言を時系列に並べ、彼の無能無策ぶりを糾弾する内容になっている。 さすがだ。
Photo by John Matychuk on Unsplash
新型コロナウイルスの蔓延で、3月中は殆どのライブが中止や延期に追い込まれてしまった。
私がチケットを持っていた分だけでも、マイケル・シェンカーが中止、ホワイトスネークとグリーン・デイは延期になり、また5月来日予定のアヴリル・ラヴィーンまで延期になっている。 8月開催予定で、3月6日にチケット予約開始だったはずのフジロックも、予約そのものが3月17日に延期された。 おそらく状況を判断するために時間を確保したのであろうと思われる。 ライブ自粛は大型のものだけではない。 例えばビルボード東京は3月11日まで営業停止、ブルーノート東京は3月をバーのみの営業に切り替えている。 危機的状況に追い込まれているのはクラシック業界も同様である。
さらに演劇のほとんども公演中止になってしまった。
鴻上尚史氏の悲鳴。
ライブや公演本番に向けてリハや練習を積み上げてきた関係者たちの無念は如何ばかりであろうか。
さらに照明、ミキサー、フロワなどスタッフたちの明日からの生活はどうなるのか。 彼らの多くは非正規労働者であり、ライブや公演の中止は収入を失うことに直結する。 政府は非正規労働者やフリーランスが休業した場合に10万円を融資するとの特例策を発表しているが、彼らに「10万円借金しろ」というのがまともな政策とは思えない。 ところで、ライブハウスの観客から罹患者が見つかったことから、どうやらライブハウスが槍玉に上げられているようである。 前述したビルボードやブルーノートなどのように、一定期間閉鎖するのは防疫上仕方がないとは言え、関係者には大きな痛みを伴っているのだ。 それを観客まで含めて揶揄するような物言い、とりわけメディアでの発信は許されるものではない。
「40代、50代、60代が全国から集まるコンサート」って、例えば最近では何万人も集まったクイーンとか知らないのだろうか。
いったい誰なのかと思っていたら、案の定この御仁であった。
この人物の頭の中は恐らくこんな感じなのであろう。
悔しいので、状況が落ち着いたら、またライブに行きまくってやる。
Photo by Frankie Lopez on Unsplash
2月17日、ロンドンでジンジャー・ベイカーの追悼ライブが行われた。
クリームとブラインド・フェイスでジンジャーの盟友だったエリック・クラプトンが呼びかけたもので、ロジャー・ウォータース、ロン・ウッド、ケニー・ジョーンズ、スティーヴ・ウィンウッド、ナイル・ロジャース、ウィル・ジョーンズ、そしてジンジャーの息子であるコフィがゲストで参加している。 ゲスト以外のバンドのメンバーもベテランで固めており、手堅い顔ぶれとなった。
なおロジャー・ウォータースはライブ当日にポスターのイメージをツイートしている。
setlist.comによると、セットリストは前半がクリーム、後半は主にブラインド・フェイスのものとなっていた。
1曲目は定番の "Sunshine of Your Love" で、いきなりロジャー・ウォータースがベースで参加。
2曲目もロジャー・ウォータースが残り "Strange Brew" を演奏。
もともとこの曲はスタジオ録音にアレンジが固められているため、ライブ演奏されるのは初めてではないかと思われる。
ここでロン・ウッドとケニー・ジョーンズが登場し "White Room" に突入。
ソロはエリックとロンの掛けあいで、ワウペダルを使ったプレイはロンが引き受けることになった。 余談だが、ワウの効果をリズムギター代わりにしてソロを弾くという斬新的なアイデアは、エリックがこの曲で開発したものだろう。
続く "I Feel Free" と "Tales of Brave Ulysses" ではロジャー、ロン、ケニーの3人が抜け、ナイル・ロジャースが登場。
リードボーカルはポール・キャラックが執り、またナイルが切れのいいカッティングを聴かせてくれる。 さらに "Tales of Brave Ulysses" では、珍しくナイルがソロを弾いている。
イギリスのブルース・ギタリストであるウィル・ジョーンズが参加し "Sweet Wine" を演奏。
"Blue Condition" ではエリックが全面に出て歌とギターを披露した。
そして再びロンが登場して、ジョージ・ハリスンとエリックの共作である "Badge"。
前半のソロはエリックで、後半はロンがスライドを炸裂させた。
続く "Pressed Rat and Warthog" は動画の記録が見当たらなかった。
コフィ・ベイカーが近年の持ち曲としているだけに残念である。 さて、ここからスティーヴ・ウィンウッドが参加して、ブラインド・フェイスのカバーに切り替わる。 "Had to Cry Today" ではスティーヴ・ウィンウッドが歌とギターを担当し、さらにナイル・ロジャースもギターで参加。
スティーヴ・ウィンウッド作の "Presence of the Lord" では、スティーヴがオルガンに廻り、エリックと歌を分担。
この曲はエリックのソロ活動ではすっかりレイドバックしたアレンジになってしまっていたが、ここでは原曲に近い激しいアレンジに戻っている。
"Can't Find My Way Home" では、スティーヴ・ウィンウッドが再びギターに戻り、ボーカルも執った。
さらにスティーヴ・ウィンウッドがオルガンに戻っての "Well All Right"。
"Do What You Like" と "Toad" ではコフィ・ベイカーが参加し、父親を彷彿とさせるソロを披露した。
この間、アンコール直前の楽屋では、ロンが寛いだ姿を自撮りしている。
最後は全員揃ってのアンコール "Crossroads" でフィナーレ。
終演後もロンがエリックと並んで写真を撮り、ツイッターに上げていた。
この翌日の18日、ロン・ウッドとケニー・ジョーンズは揃ってロッド・スチュワートのステージに参加し、またロジャー・ウォータースは22日、アサンジ氏強制送還に反対するデモで演説を行っている。
元気な爺さんたちである。 — Roger Waters (@rogerwaters) February 22, 2020 |