久保田直己 不撤不散
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2011年3月11日当日の記憶

11/3/2018

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Photo by Alex Knight on Unsplash

7年前の2011年3月11日、日本を東日本大震災が襲った。地震に続く津波や原発爆発などの被害も加わって、この日を境に日本の風景と日常は一変してしまったと言えよう。
多くの死傷者を出し、また今なお避難生活を余儀なくされている東北地方の被災者の方々を思えば、東京在住の私の体験など比べようもない。それでも、ある種の心的外傷により、当日の詳細について書き起こすことが躊躇われていたのは事実である。
しかし時の経過とともに記憶が曖昧になってきたので、そろそろ自分自身の身に起こったことを書き残しておこうと思う。
なお Blockquote で囲んだ部分は、後に報道で知ったところである。

14時46分
東北地方から関東地方にかけて巨大な地震発生。当時、私は千代田区麹町にあるオフィスビルの6階にいた。揺れは大きいだけでなく長い時間続いたため、ラック上のサーバが次々と床へ落下し、また大きなコーヒーマシンも倒れて熱湯が床に溢れてしまった。窓から見えるニューオータニの最上階がゆっくりと左右に動いているのがわかる。
入居していたオフィスビルは新しくないものだったので、倒壊の不安が心を横切った。本気で生命の危機を覚えたのは生れて初めての経験である。
なおこの後家族と連絡を取り合ったはずなのだが、なぜか記憶から欠落している。
15時30分ころ
東北地方から千葉県にかけて、太平洋岸に巨大な津波が襲来。

15時45分
福島第一原子力発電所全電源喪失。
16時ころ
オフィスのテレビから、東北地方の津波と火災の被害の映像が次々と流れてきて、言葉を失う。
外出先から戻ってきた同僚からは、オフィス近くの九段会館でも天井崩落で救急搬送された人たちがいるとの話を耳にした。
自宅の方向へ向かう鉄道は全て停止しており、復旧の見通しも立っていない中、オフィス近隣のホテルは全て満員で、また周辺のコンビニからは既に食料がほとんど消えていた。
仕方がないので意を決して、30km先の町田の自宅まで歩くことにした。
(なお東京都は2013年、東日本大震災を教訓にした条例で、帰宅困難者が3日間過ごせるよう、水や食料などの備蓄の努力義務を事業所に課している。)

17時30分ころ
オフィス出発。
国道246号線の車道は渋滞でまったく動いておらず、歩道も大混雑。青山にある自転車専門店では10万円近い高額な商品まで全て売り切れてしまっていた。やはり歩くしかない。
途中の渋谷は大混雑で、歩道橋を渡るにも一苦労であった。
いったん夕食を摂るために池尻大橋のラーメン店に入り休憩。
19時03分
原子力緊急事態宣言。
19時30分ころ
二子玉川到着。
途中の三軒茶屋あたりでは、徒歩の帰宅者にスープを振る舞う飲食店もあった。ここまでの間、国道246号線沿いの歩道の混雑はまったく減る事もなく大渋滞であった。
二子玉川ライズのフロアで30分ほど足を休ませてもらったが、ここも同じような人でいっぱいだった。
多摩川を渡る橋も歩行者で埋め尽くされていた。
20時ころ
安倍晋三、永田町の鉄板焼店で宴会。
23時ころ
ただひたすら西へ向かって歩き続けながら、時々携帯をチェックして東急の運行状況を見ていたが、横浜市青葉区荏田付近へ来たところで電車が動き始めたことがわかり、駅まで向かいようやく乗車。
最後の10kmほどは歩かずに済み、何とか日付が変わる前に帰宅して家族に再会することができた。

​震災当日、私自身は自宅へ帰りつくことで頭がいっぱいだったが、同時に福島第一原子力発電所ではたいへんな事態が進行していた。そして翌12日、1・3・4号機が大爆発を起こし、最悪の原子力事故となる。
7年が経過した2018年現在に至っても原子力事故は何一つ収束していないし、今なお7万3000人もの人たちが避難生活を強いられている。何が「美しい国」なのだろうか。
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「素手でトイレ掃除」は拷問でしかない

3/3/2018

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Photo by Chris Barbalis on Unsplash

自社サイトの採用ページで、社員に素手でトイレ掃除をさせる写真を掲載した企業が、多くの批判を浴びた。
感染症など衛生面で問題視されるのは当然であるし、なによりまず倫理の面で全否定しておきたい。
この「素手でトイレ掃除」は、悪名高いスタンフォード監獄実験で看守役が囚人役に対して行った残虐な拷問の一つである。
スタンフォード監獄実験とは、1971年に米スタンフォード大学で行われた心理学の実験で、公募した学生たちを看守役と囚人役に分け、その役割や肩書によってどのような振る舞いを取るのか観察するものであった。
しかし看守役による囚人役に対する虐待がエスカレートし、精神を破綻してしまう学生まで出てしまい、途中で中止を余儀なくされたのである。

このスタンフォード監獄実験でどのような虐待が行われたのか、実験の公式サイトにて確認してみたい。
The guards again escalated very noticeably their level of harassment, increasing the humiliation they made the prisoners suffer, forcing them to do menial, repetitive work such as cleaning out toilet bowls with their bare hands. 
The guards had prisoners do push-ups, jumping jacks, whatever the guards could think up, and they increased the length of the counts to several hours each.

看守役は再び虐待の度合いを顕著にエスカレートさせ、囚人役が苦しむように屈辱を強めていった。素手で便器を掃除するような、常軌を逸した反復作業を強いたのである。
さらに看守役は、腕たせ伏せや無理な跳躍など思いつくことを何でも囚人役にさせて、それぞれ数時間にも増やしたのだった。
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出典:スタンフォード監獄実験公式サイト
再度確認しておくが、「素手でトイレ掃除」は、スタンフォード監獄実験で最悪の拷問の一つとして断罪されている。
そしてこの行為は、いったいどんな違いがあるのだろうか。
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出典:ホッピービバレッジ株式会社サイト
なお、社員に「素手でトイレ掃除」をさせる行為は、イエローハットの創業者による考案と言われている。
ご本人は東洋経済のインタビューにて、「素手でトイレ掃除」の効用で「謙虚な人になれる」と語っているが、謙虚どころか人としての尊厳を奪われているだけであろう。
こんなことが研修と称してまかり通ってよいわけがない。
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銃乱射事件への米社会の反応

26/2/2018

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Photo by Sofia Sforza on Unsplash

2月14日、米国フロリダ州南部の高校で、自動小銃 AR-15 を手にした少年が教室に乱入し乱射、17人もの生徒や教員が亡くなるという最悪の事件が発生した。
この事件に対し、被害にあった高校の学生たちは悲しみをこらえて、3月24日に首都ワシントンなどで銃規制を求める大規模なデモを計画している。
こうした動きを受けて、俳優のジョージ・クルーニー夫妻、映画監督のスティーヴン・スピルバーグ夫妻が、50万ドルもの寄付を行うことを発表した。また、企業の中からもグッチのように、同様の寄付を申し出るところも出ている。
さらに、ミュージシャンではジャスティン・ビーバーやレディ・ガガ達が学生たちに賛同の意を表明しており、大リーグもオープン戦で支援活動を繰り広げている。

​銃規制に反対するロビー団体 NRA (National Rifle Association of America) との関係を清算する企業も相次いだ。
大手航空会社ではデルタ航空とユナイテッド航空が、NRA会員に対するディスカウント・プログラムを凍結した。

United is notifying the NRA that we will no longer offer a discounted rate to their annual meeting and we are asking that the NRA remove our information from their website.

— United Airlines (@united) 2018年2月24日

Delta is reaching out to the NRA to let them know we will be ending their contract for discounted rates through our group travel program. We will be requesting that the NRA remove our information from their website.

— Delta (@Delta) 2018年2月24日

レンタカー業界ではほぼすべての大手企業がNRAとの関係を断ち、またホテルや保険業界からもディスカウント・プログラムの凍結などが相次いでいる。

In the past 24 hours, these companies have ended their relationship with the @NRA:

Best Western
Wyndham Hotels
Alamo Rent A Car
National Rent A Car
Enterprise Rent A Car
First National Bank of Omaha#BoycottNRA

— Michael Skolnik (@MichaelSkolnik) 2018年2月23日

We have notified the NRA that we are ending the NRA’s rental car discount program with Hertz.

— Hertz (@Hertz) 2018年2月23日

Thank you for contacting us! All three of our brands have ended the discount for NRA members. This change will be effective March 26. Thank you again for reaching out. Kind regards, Michael

— EnterpriseRentACar (@enterprisecares) 2018年2月23日

The rewards program from Wyndham Hotels has dropped its affiliation with The NRA. https://t.co/puIBdnoDwa

— Sergio Quintana (@svqjournalist) 2018年2月23日

We value all our customers but have decided to end our discount program with the NRA.

— MetLife (@MetLife) 2018年2月23日

​ソフトウェア業界でも、セキュリティ大手のシマンテックがNRAに対するディスカウント・プログラムを取りやめた。

Symantec has stopped its discount program with the National Rifle Association.

— Symantec (@symantec) 2018年2月23日

またマサチューセッツ工科大学をはじめとする多くの大学が、高校生たちによる銃規制のデモを称賛すると同時に、デモ参加を入試でのペナルティとしないことを明言した。

MIT officially applauds the student walk-out protests against gun violence and states that any suspension "will not negatively impact a student's admissions outcome." This is how a prestigious academic institution behaves. With honor and decency. https://t.co/pB8mJJeepF

— Eugene Gu, MD (@eugenegu) 2018年2月22日

We want to reassure students who have applied or have been admitted to Northeastern University that disciplinary actions associated with participation in peaceful protests will not jeopardize your admission.

— Northeastern U. (@Northeastern) 2018年2月23日

こうした動きに対して、米大統領トランプは、銃規制どころか教師を武装させる提案をするなど、常人にはとうてい理解不能な対応を見せており、アメリカ社会での銃の問題の根深さが浮き彫りになっている。
とは言え、選挙権を持たない高校生たちの勇気あるデモが、多くの大人たちに行動を促したことは、アメリカ社会に根付いている民主主義の強さとも言えよう。
一方、同じような事件が日本で起きたとすれば、アメリカ社会のような反応を示す企業、あるいは大人たちがいったいどれだけいるだろうか。
2016年に相模原の障害者施設で発生した大量殺人事件(19人が死亡)で、首相も官房長官も未だ一度も現場を訪れてさえいない。
銃規制が徹底している日本であるが、社会の健全性を振り返ってみたとき、大きな疑問を持たざるを得ないのである。
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他人事ではない米軍機事故

25/1/2018

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Photo by Mitchel Lensink on Unsplash

相変わらず沖縄での米軍による事故がひどい。
2017年12月7日、普天間基地付近の保育園にヘリコプターの部品を落下させたと思えば、12月13日には普天間第二小学校の校庭に90cm四方の窓枠を落下させた。事故当時、校庭には多くの児童がおり、被害が軽症で済んだのはまったくの偶然に過ぎない。
さらに2018年、1月6日には伊計島の砂浜に、8日に読谷村儀間に、24日に渡名喜村に、米軍のヘリコプターが立て続けに不時着事故を起こしている。
ところが数々の事故後も米軍のヘリコプターは、小学校を含む住宅密集地を平然と飛びまわっている。まったく呆れるほかない。
普天間基地が住宅地の真ん中に存在しているのも理不尽な話だが、不時着のような事故は普天間から辺野古へ移設したところで何ら根本的な解決にはならないことも確認しておきたい。
また、こうした事故に対して日本の警察や司法による捜査が及ばないのは、不平等な日米地位協定によって第一裁判権が米軍にあるためだ。沖縄は、そして日本は植民地ではない。いい加減にしてほしい。

日本政府の意向を無視、米軍ヘリが飛行を強行 渡名喜島不時着と同型機https://t.co/PIghcvJfOG#沖縄 #米軍ヘリ不時着  #普天間飛行場 pic.twitter.com/xHR58FzFnD

— 沖縄タイムス (@theokinawatimes) 2018年1月24日

実はこのような事故は、関東地方の中で米軍基地が集中する神奈川県や隣の町田市でも頻繁に発生している。
町田市のWebサイト「町田市周辺で発生した米軍・自衛隊機の事故」によると、1960年から2014年までの間に米軍は落下物24件、不時着10件、そして墜落6件の事故を起こしている。
落下物の中には、砂袋7キログラム、はしご、脱出用ハッチなどの重量物に加え、弾薬まで含まれていた。
人的被害が発生しなかったのはたまたまであり、昨今の人口急増の中で何ら改善されていないことを考えると背筋が凍る思いだ。
また、このWebサイトの最後にある「米軍に関する情報は非公開とされることが多いため、この表は報道等で市が確認した情報のみを掲載しています」との記述が全てを物語っている。これらの事故は、氷山の一角に過ぎないのだろう。

6件もの墜落事故は、人口密集地での基地が引き起こしたものという点で、普天間の構図と変わらない。
1964年4月5日には、沖縄・嘉手納から厚木基地に向かう米軍のジェット機 F-8U が、町田市原町田二丁目の商店街に墜落した。被害は、死者4名、負傷者32名、全半壊27戸に及んでいる。
このとき完全に破壊された一軒は、私の叔父の店舗だった。
現場へ駆けつけた両親の話によると、巨大なクレーター状になっていたとのことだ。偶然外出していた叔父は難を逃れたが、巻き込まれた店員は後々まで後遺症で苦しんでいる。
なお乗員はパラシュートで脱出し、無事であった。
 
13年後の1977年9月27日、厚木基地を離陸した直後の偵察機 RF-4B がエンジン火災を起こし、乗員は脱出。無人となった機体は横浜市緑区荏田の住宅地に墜落した。
多くの人たちの記憶に残っているように、幼い子供2人と母親が亡くなるという痛ましい被害を残している。
事故直前の5月には、近隣に田園都市線のあざみ野駅が開業したばかりであり、墜落現場付近は新興住宅地として人口が急増している最中であった。
事故機が東名高速道路、国道246号線、東急田園都市線に沿って無人飛行を続けたあげくの墜落事故である。
実際に発生した事故の被害でさえ言葉を失うほど悲惨なものであったが、さらに多数の人命を奪う可能性もあった。
この事故の後も、厚木基地からも平然とジェット機が飛び続けている。
 
行楽シーズンの渋滞で知られる東名高速道路の大和トンネルは厚木基地の滑走路の延長線直下にあるが、東名高速建設前に米軍はこの付近でも墜落事故を起こし、相鉄線に被害を与えた。
このトンネルは墜落事故に備えて建造されたのである。
しかしこの程度の建造物で、日本の大動脈を墜落事故から守れるのであろうか。

1964年の墜落事故の記憶を繋ぐために、有志によってブロンズの母子像が制作されたという。ところが、設置をめぐって市側の消極的な態度が耳に入ってくる。
おりしも2月25日は、町田市の市長と市議会議員選挙の投票日である。
候補者が米軍機事故から市民を守る気概があるのか、十分考えたうえで投票行動に結び付けたいものだ。
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内閣総理大臣の優先順位

21/1/2018

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Photo by Alice Donovan Rouse on Unsplash

2017年にノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(以下 ICAN )のベアトリス・フィン事務局長がこの1月に来日し、安倍首相との面会を日本政府に求めていたが、叶うことはなかった。
政府による拒絶の理由は「首相の日程」との一点張りで、菅官房長官は「それ以上でも以下でもない」と説明しているが、本当なのだろうか。

首相は東欧訪問から17日に帰国し、フィン氏は翌18日に離日している。
また18日の午前中は、オーストラリアのターンブル首相に付き添っているため、確かにこの日、スケジュールに調整の余地がなかったことは理解できる。
しかしここで17日の帰国後の行動を、時事の「首相動静」で確認しておきたい。
午後4時9分、東欧6カ国歴訪を終え、昭恵夫人と共に政府専用機で羽田空港着。
午後4時43分、皇居着。帰国の記帳。
午後5時2分、東京・二番町の表千家東京稽古場着。母親の洋子さん、岸信夫自民党衆院議員らとともに初釜式に出席。会食。
午後6時55分、同所発。
午後7時13分、東京・富ケ谷の私邸着。
帰国早々、何と母親らと「初釜式」出席である。
このタイミングでの東欧訪問に何の意味があるのかとか、エコノミーでの成田着でもあるまいにといった主観を伴う指摘をすべて横へおいたとしても、少なくとも首相にとって ICAN 事務局長との面会より初釜式の優先順位が高かったことは判る。
そう言えば2015年、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智氏の受賞記者会見の真っ最中に、これ見よがしにアポ無しの電話をかけてきたのは、他でもない首相であった。これほどノーベル賞が好きなのに、こと平和賞になると頑なになるのはどういうことであろうか。

なお ICAN が尽力し、今回の平和賞の理由となった核兵器禁止条約に、唯一の被爆国である日本は参加していない。恥ずかしいことだ。
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植民地支配の記録の断片

13/1/2018

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Photo by Andrew Haimerl on Unsplash

今から50年近くも前、私がまだ幼少だった頃、私の家庭では焼ビーフンなどの台湾料理が日常的に食されていた。今でこそエスニックな料理の一つとしてポピュラーになってはいるものだ。しかし当時、どうやら友達の家とは様子が違うと気が付いた。一般的な食材ではなかったのである。そして大人たちの会話から、ある時期に一族が台湾で暮らしていたらしいことを知る。今でも手元に残っている象牙の箸(今や禁制品だが)や組細工の箸箱なども現地で使っていたものらしい。しかし詳細な話を聞くこともなく、大人になってふと気が付いた時には既に手遅れで、生の情報を知る年長者たちは皆、鬼籍に入ってしまっていた。地元には何一つ文書が残っておらず、全てが忘却の彼方へ消えてしまったと思われた。

ところが最近になって、台湾政府の國史館臺灣文獻館が、日本統治時代からの膨大な公文書を整理しデータベース化していることを知った。しかもキーワード検索できるように、ネット上で一般公開されているのである。国税庁長官が公文書の廃棄を公然と口にする、この国とのあまりの違いに愕然とするばかりだが、ともあれこの中に祖先の台湾での暮らしの証跡が残っているかもしれない。さっそく曾祖父の一人の名前を入力して検索してみたところ、なんと十数にも上る公文書がヒットしたのである。

これらの文書を繋ぎ合わせてみると、彼は教員として台湾に渡り、学校長に昇進した後に何回か転勤を重ね、休職後に現地で病死したという経歴が浮かび上がってきた。文書に記載された年号と内容を、当時の世界情勢や台湾統治での出来事と共に並べた結果がこちらの一覧である。(冒頭に「・」を振ったものが彼の経歴だ。)

1895年(明治28年)日清戦争による清朝敗戦で台湾が日本に割譲
1898年(明治31年)公学校令発布
1902年(明治35年)抗日運動を制圧
  • 1902年(明治35年)公学校教員無試験検定出願、合格
  • 1903年(明治36年)公学校長心得辞令
1904年(明治37年)日露断交、日露戦争勃発
  • 1904年(明治37年)公学校教員兼校長辞令
  • 1904年(明治37年)他の公学校へ転勤辞令
1905年(明治38年)韓国を保護国化
  • 1905年(明治38年)判任官昇級
1910年(明治43年)韓国強制併合
  • 1912年 (明治45年) 休職満期により退官
  • 1912年 (明治45年) 台湾公学校教諭兼台湾公学校長辞令
1914年(大正3年) 権利を求める台湾同化会、台湾総督府により強制解散
1914年(大正3年) 第一次世界大戦開戦
1919年(大正8年) 台湾総督府、台湾での同化政策の推進が基本方針と確認
  • 1919年(大正8年) 現地で病死

当時の台湾総督府による教育政策は、「日本統治下台湾の教育認識」(呉宏明氏著 春風社)に詳しい。以下の記述はこちらを参考にさせていただいた。
1895年に日本による植民地支配が始まった時、台湾での初等教育は民間の「書房」が中心になって行われていた。「書房」の存在は、読み書きの基本を教えていた点で、日本の「寺子屋」との類似性で語られることが多いようだが、決定的な違いは科挙考試の対策を行っていたところである。しかし台湾を植民地支配下においた日本政府は、科挙考試はまったく無意味と考え、「書房」の存在意義も切り捨てた。そして日本内地の小学校に相当する学校制度として「公学校」を定め、「書房」を切り崩したのだ。

とは言え、一気に「書房」を潰すのではなく、当初は「公学校」と「書房」を併存させ、むしろ「公学校」でカバーできない漢文教育などのために「書房」を利用し、「公学校」の補助機関として黙認していた。しかし「公学校」の目的は徹底的な同一化政策、皇民化政策であり、台湾に住む人々の民族的アイデンティティを簒奪するものであった。母語であるにもかかわらず、漢文教育は「公学校」においてはあくまでも「準科目」に過ぎず、ついに1931年には保護者たちの漢文科に対する強い要望に反して、完全に漢文科が廃止されてしまうのである。

彼が、台湾の児童や保護者、あるいは周囲の住民に対してどのような態度で接していたのか、今となっては知るすべもない。記録によれば、教員としての台湾赴任に対する人気は非常に高かったという。どんな事情があれ、自ら志願し「公学校」の教職に就いたことは、植民地支配への積極的な加担であったと言わざるを得ない。しかも同一化政策を進める「公学校」の校長を幾つも歴任しているのである。台湾植民地支配の先兵であった責任から逃れることはできまい。

来年2019年は、彼の死からちょうど100年になる。戦後生まれの私自身には、植民地支配や戦争加害の直接的な責任があるわけではない。しかし祖先が周辺諸国の人々の民族的アイデンティティ簒奪に加担した事実を思い返し、二度と同じ過ちを繰り返さない努力を続けなければならない。歴史の事実から顔をそむけることは許されない。
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レイプに関する日本の沈黙を突き壊す(NYT記事翻訳)

31/12/2017

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Photo by Edu Lauton on Unsplash

12月29日、New York Times紙が1面と8面を使って、長文の記事 "She Broke Japan’s Silence on Rape" を掲載した。
記事中にもあるように、日本の主要なメディアが黙殺している事件についてのものである。すべての心ある日本人が読むべき内容であるので、ここで全文を翻訳して転載させていただく。
なお全ての著作権は New York Times紙に帰属し、誤訳の責任は私にあることを明らかにしておきたい。また誤訳やタイポなどがあった場合、コメント欄にてご指摘いただければ有難い。
原文は、こちらの "She Broke Japan’s Silence on Rape" で確認いただきたい。
日本の有名なテレビジャーナリストの一人が伊藤詩織を飲みに誘ったのは、春のある金曜日の晩のことだった。東京のニュースサービスでのインターンシップは終了しようとしており、彼女は彼のネットワークで新たなインターンシップを探していた。

彼らは東京の中心にあるバーで焼き鳥とビールを取り、その後夕食に出かけた。後に警察で述べたように、彼女が最後に記憶しているのは、めまいを感じてトイレに行き、そこで気を失ったことだった。
夜あけまでの間に、彼は彼女を自分のホテルの部屋に連れて行き、彼女が無意識のうちに強姦したと、彼女は主張している。

当時のTBSワシントン支局長で、安倍晋三首相の伝記の著者であったジャーナリストの山口敬之氏は、この告訴を否定し、2ヶ月の捜査の結果、検察は告訴を棄却した。

そして、伊藤さんは、日本の女性がほぼ決してしないことを実行する決心をした。声に出して言ったのだ。

5月の記者会見と10月に出版された本で、警察がホテルの防犯カメラの映像を入手していたと彼女は話している。ホテルのロビーを歩いている間に、山口氏が気を失った伊藤さんを支えていることを示すものだ。警察はまた、タクシー運転手を特定して事情聴取した。タクシー運転手は、彼女が気を失っていたことを証言した。警察は山口氏を逮捕しようとしていたが、彼女によれば、突然中止となったのだ。

他の場所では、彼女の主張が大騒動を引き起こしたかもしれない。しかし、ここ日本では、わずかな注目を集めたにすぎなかった。

米国では、性的不祥事の噴出が、議会、ハリウッド、シリコンバレーやニュースメディアを揺れ動かしている。一方、伊藤さんの件は日本において性的暴行は未だに避けるべき話題であるという、米国とは対照的な事例となった。女性が強姦を警察に通報するのは稀であり、そうした訴えで逮捕されたり、起訴されることはほとんどないのだ。

日本では性的暴行の率が比較的低いと言われている。2014年に政府・内閣府が実施した調査によると、米国で5人の女性のうち1人がレイプを報告している一方、日本では15人の女性のうちの1人がレイプの経験を報告している。

しかし、学者たちは、日本の女性は、西洋の女性よりも、合意のない性行為をレイプとして表現する可能性がはるかに低いと述べている。日本の強姦罪は同意について言及しておらず、デートレイプは本質的に外国の概念であり、そして性的暴力に関する教育は最小限にすぎない。

むしろ強姦は、性的教育の重要なチャネルであるべき文化において、性的満足の延長線として漫画やポルノに描かれている。

警察や裁判所は、強姦を狭義に定義する傾向があり、一般的に事件を追求するのは物理的な力と自衛の両方が認められる場合のみであり、加害者あるいは犠牲者のどちらかが飲酒している場合は告訴を抑えにかかる。

先月、横浜の検察は、一人の学生にアルコールを飲ませた後、性的暴行を加えて書類送検された6人の大学生を不起訴処分にした。

そして日本では、強姦犯が起訴され有罪判決を受けた時でさえ、懲役刑が執行されない場合もある。法務省の統計によると、約10人に1人が執行猶予付きの判決に留まっているのだ。

例えば今年、東京近郊の千葉大学の2人の学生が酩酊した女性を輪姦した件で、被告の一部は懲役刑となったものの、他の共犯者は執行猶予で釈放された。昨年秋、別件の輪姦で有罪判決を受けた東京大学の学生にも執行猶予が与えられた。

上智大学の法学部教授、三浦まり氏は、「活動家たちが “ノー・ミーンズ・ノー” キャンペーンを開始したのは極めて最近のことだ。日本の男性は、同意とは何かという意識の欠如から、いいようにしていると思う」と語っている。

内閣府調査によると、強姦を経験した女性のうち3分の2以上が、友人や家族を含め決して誰にも言わなかったと答えている。そして、わずか4%が警察へ行ったと述べている。対照的に米国では、司法統計局によると、約3分の1の強姦が警察に報告されている。

早稲田大学でジェンダー法の講師である谷田川知恵氏は「女性に対する偏見は根強く深刻であり、性犯罪による被害はまったく考慮されていない」と語っている。

山口氏に対する民事訴訟を提起した伊藤さん(28)は、日本で性的暴行を受けている女性が直面する課題を強調するため、事件について本紙と詳細に話し合うことで合意した。

「私が話をしなかった場合、性的暴行のこの恐ろしい空気は絶対に変わらないことを判っている」と彼女は語る。
​
山口氏(51)もこの記事で発言することに同意した。彼はレイプを否定した。「性的暴行はなかった」と彼は言う。「あの晩、犯罪行為はなかった。」
「勝つチャンスはない」
2015年4月3日に会う以前、伊藤さんはニューヨークでジャーナリズムを学んでいる間に山口氏に2回会っている。

彼女が東京で再び彼に連絡したとき、彼は自分の局で仕事を見つけることを手助けできるかもしれないと示唆した、と伊藤さんは語る。彼は流行りの恵比寿地区の寿司店「喜一」で飲食に誘った。

彼女が驚いたことに、店は貸し切り状態で、ビールの後に酒を飲んだという。ある時点で、彼女はめまいを感じ、トイレに行って、トイレのタンクに頭を置いたまま気を失ったと彼女は言う。

彼女が目を覚ましたとき、伊藤さんはホテルのベッドで山口氏の下におり、裸で、痛みを伴ったと語る。

日本の法律では「意識の喪失や抵抗できないことを利用」した女性との性行為を「準強姦」罪と規定している。一方、米国では法律は州ごとに異なるが、一部の州では同じ犯罪を第2度の強姦もしくは性的暴行として取り扱う。

警察は後にタクシー運転手を特定し聴取した。彼は、伊藤さんと山口氏を乗せ、山口氏が宿泊していた近くのシェラトン都ホテルに連れて行ったことを記憶していた。

運転手との聴取の記録によると、伊藤さんは当初意識があり、地下鉄の駅に連れて行くよう求めたという。しかし山口氏はホテルへ連れて行くよう指示した。

運転手は山口氏に、もっと話し合うべきだと言ったことを思い出した。彼はまた、山口氏が「何もするつもりはない」と言ったかもしれないと述べている。

運転手がホテルに到着したところ、伊藤さんは約5分間「沈黙していた」と話し、また後部座席で嘔吐していることを発見したという。

「男性は彼女をドアに向かって動かそうとしたが、動かなかった」と運転手は話す。「そこで彼は最初に降りて、鞄を地面に置き、自分の肩を女性の腕の下に滑り込ませ、彼女を車から引き抜こうとしたんです。彼女は自分自身で歩けなかったようです。」

警察が入手したホテルの防犯カメラの映像でも、伊藤さんは脱力状態に見えた。ニューヨークタイムズ紙が確認した映像の写真では、山口氏は午後11時20分ごろ、ロビーを抜けて彼女を支えている。

伊藤さんが目覚めたのは午前5時ごろだったという。彼女は山口氏の下からようやく抜け出し、バスルームに走った。彼女が戻った時、「彼は私をベッドに押しつけようとしました。彼は男性です。彼はかなり強く私を押しつけたので、私は彼に叫んだんです。」

彼女は何が起こったのか、そして彼がコンドームを使用していたのかを尋ねた。彼は落ち着くように彼女に言った、経口避妊薬を買うことを申し出た。

しかし、彼女は服を着てホテルを逃げだした。

伊藤さんは、彼女が薬を盛られたと信じているが、彼女の疑惑を裏付ける証拠はない、と彼女は語る。

山口氏は、彼女が単に飲み過ぎただけだと言う。「寿司屋では、彼女はとても早く飲んでました。実際、私は彼女に「大丈夫か」と尋ねたんです。しかし彼女は「私はすごく強いし、喉が渇いている」と言ったのです。」

彼は続ける。「彼女は子供ではありません。彼女が自分自身をコントロールできたなら、何も起こらなかったでしょう。」

山口氏は、彼女が帰宅しないことが心配だったので、ホテルに連れて行ったという。ワシントンでの締め切りに間に合わせるために、部屋に戻らなければならなかった、と彼は言う。

山口氏は、伊藤さんを部屋に連れて行くことは「不適切だった」と認めたが、「駅やホテルのロビーに彼女を放置するのも不適切だっただろう」と言う。

彼は、彼の弁護士のアドバイスに従って、次に何が起こったのか述べることを拒んだ。しかし、伊藤さんの民事訴訟で提起された裁判所の書面では、彼は彼女を身ぎれいにするために服を脱がせ、彼の部屋のベッドの1つに彼女を置いたという。その後、彼女はベッドで目を覚まし、ひざまずいて謝罪したと付け加えた。

山口氏は書面で、彼女にベッドに戻るよう促した後、彼女のベッドに座り、セックスを始めたと語っている。彼女は意識があり抗議も抵抗もしていないと言う。

しかし、その夜の後、伊藤さんとやり取りしたメールでは、彼は若干異なる言及をしている。彼女がベッドに上っていたと書いているのだ。

「意識不明のあなたに私が勝手に行為に及んだというのは全く事実と違います。」と彼は2015年4月18日付のメッセージで語っている。「私もそこそこ酔っていたところへ、あなたのような素敵な女性が半裸でベッドに入ってきて、そういうことになってしまった。私たちはどちらも自分自身を調べなければならないと思う。」

別のメールでは、伊藤さんの強姦疑惑を否定しながら、双方が弁護士に相談すべきであると提案している。「準強姦だと主張しても、勝つチャンスはありません」と彼は書いている。

メールについて質問されたとき、山口氏は、伊藤さんとの会話と対応の記録は、彼女を誘惑するために自分の立場を使う意思がなかったことを実証するものだと話した。
​
「私は彼女に悩まされたほうだ」と彼は付け加えた。
恥と躊躇
伊藤さんは、ホテルを出た後、家に帰ってきて体を洗ったと言う。彼女は現在、それを間違いだったとみなしている。「警察に行くべきだったんです」と彼女は話す。

彼女の躊躇は典型的だ。お茶の水女子大学のジェンダー研究の名誉教授である戒能民江氏は「暴行された多くの日本人女性は「おそらく私のせいだ」と自分自身を非難するのです。」と語る。

性暴力救援センター・東京(SARC東京)のレイプカウンセラーである田辺久子氏は、ホットラインに電話して警察に行くように勧められている女性でさえ、警察がそれらのことを信じるとは期待していないため、しばしば拒否するという。

「彼女たちは、間違ったことをしたと言われると考えているのです」と彼女は語る。

伊藤さんは、恥ずかしく感じ、静かにし続けることも考え、日本の男性主導のメディア業界で成功するためには、そのような扱いを容認することが必要かどうか悩み続けたと話す。しかし、彼女は5日後に警察へ行くことを決心した。

彼女は「真実に直面しなければ、私はジャーナリストとして働くことはできないだろう」と考えたことを思い出した。

彼女が泣かずに話したため、最初に彼女が話した警察官は、告訴をあきらめるよう促し、彼女の話に関して疑念を示した、と伊藤さんは話す。ある警察官は、山口氏の地位が事件追求を困難にするだろうと付け加えたという。

しかし、伊藤さんがホテルの警備映像を見て欲しいと訴えた後、結果的に警察は真剣に受け取ったという。

2ヶ月の捜査が続いた後、フリーランスとしてのプロジェクトに取り組んでいたベルリンで、刑事が彼女に電話をかけてきたという。彼はタクシー運転手の証言、ホテルの防犯ビデオ、そして彼女の下着に山口氏のDNAを検出したとの証拠の強さで、山口氏を逮捕する準備をしていると話した。

2015年6月8日、ワシントン発の飛行機で東京に到着する山口氏を空港で逮捕するので、日本に帰国するよう刑事が伊藤さんに話したという。

しかし、その日になり、刑事は再び電話をかけてきた。彼は空港にいると言うのだが、上司が彼に電話をして逮捕しないよう命じたという。伊藤さんは言う。

「私は彼に尋ねたのです、「どうしてそんなことができるの?」と。しかし彼は私の質問に答えることができませんでした。」
​
伊藤さんは、刑事を特定することを拒否した。刑事を保護したいと言うのだ。警視庁は、山口氏の逮捕計画が不調に終わったかどうかについては言及しなかった。「すべての法律に照らして必要な調査を行い、すべての文書と証拠を東京地方検察庁に送りました」と広報担当者は話す。
「私は強くなければならない」
2016年、政府の最新の統計が入手できる年度に、警察は日本でレイプ989件、すなわち女性10万人につき約1.5件を確認している。FBIの統計によると、米国では114,730件のレイプがあり、男女ともに住民10万人あたり約41件が確認されている。

学者たちは、被害者の過少な報告や日本の警察や検察官の態度を反映した統計よりも、実際の日米の犯罪率の差は小さいと話す。

この夏、国会は、110年間で初めて刑法の性犯罪規定への最初の変更を受け入れ、レイプに口腔および肛門性交を含むように定義し、潜在的な犠牲者として男性を含めるようにした。議員たちはまた、懲役刑の最短期間を長くした。しかし、法律は依然として同意については言及せず、裁判官は執行猶予にすることができる。

最近の事件にもかかわらず、大学での性犯罪に関する教育はまだほとんどない。千葉大学では、新入生のためのコースで、最近の輪姦を「不幸なケース」と呼んでおり、犯罪をしないように漠然と促すだけだ。

伊藤さんの場合、山口氏が首相との関係で好意的な扱いを受けたのかどうかという疑念もある。

日本のジャーナリスト、田中あつし氏は、伊藤さんの告訴を受けて、警視庁に立ち向かった。

元内閣官房長官秘書官の中村格氏は、調査官が山口氏を逮捕する用意があったことを確認した。そして彼が逮捕を中止したのだと、田中氏は週刊新潮で報告している。

この疑惑は、TBSでの山口氏の立場には影響しなかったが、昨年、議論の対象となった記事が発表された後、ネットからの圧力で辞職した。彼は日本でフリーランスのジャーナリストとして仕事を続けている。
伊藤さんは10月に彼女の経験についての本を出版した。しかし日本のメジャーなニュースメディアではさほど注目されていない。

伊藤さんの主張を調査する数少ないジャーナリストの一人である望月衣塑子氏は、伊藤さんが直ちに病院へ行かなかったという理由で事態を軽んじた男性の同僚からの抵抗に直面したと述べている。

「報道は性的暴行をまったくカバーしていない」と彼女は語った。

伊藤さんは、それが正に声に出して言う理由だと語る。
​
「私はまだ強くなければならないような気がします」と彼女は言う。「そして受け入れてはいけない理由を話し続けるのです。」

追記(17:30 3/1/2018)
​いかなる理由であれ、レイプ行為を正当化するようなコメントは削除しますので、ご了承ください。
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2017年の自民党不祥事を振り返る

29/12/2017

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Photo by Ian Espinosa on Unsplash

突然の衆議院解散と選挙が行われた2017年もまもなく終わろうとしている。
しかし森友・加計疑惑、レイプもみ消し疑惑、年末に突如表ざたになったスパコン疑惑など、列挙しきれないほどの疑獄のどれ一つとっても、解決どころか、まともな説明さえ為されていない。「あんな人たち」発言も記憶に残るところだ。自民党が震源となった不祥事があまりにも多かったのが2017年であった。
ここでは、森友・加計以外でも数多い不祥事を忘れないために、時系列で整理しておく。
なお、このリストはあくまでも国会議員によるものだけであり、地方首長や地方議員の不祥事は含まれていないことにご留意いただきたい。
また、不祥事の内容は各メディアが報じたものを引用させていただいた。

1月 高橋克法・参院議員、回覧板で名前入りカレンダー配布
公選法は選挙区内の有権者への寄付を禁じており、不特定多数への配布は同法に抵触する可能性がある。(福井新聞)

3月 務台俊介・政務官「長靴業界はだいぶ儲かった」と失言し辞任
台風10号に伴う豪雨被害の視察で岩手県岩泉町を訪れた際、同行者に「おんぶ」されて水たまりを渡ったことを岩手日報などが報じ、物議を醸した。都内で開催した自身の政治資金パーティーの中で、この件を振り返り「たぶん長靴業界は、だいぶ、儲かったんじゃないか」と話した。​(ハフィントンポスト)

4月 今村雅弘・復興大臣、不祥事三連発
東京電力福島第1原発事故の自主避難者が帰還できないことについて「基本的には自己責任」などとした今村雅弘復興相の発言に抗議する動きが5日、各地で広がった。(毎日新聞)
今村雅弘復興相が東日本大震災について「これは、まだ東北で、あっちの方だったから良かった。もっと首都圏に近かったりすると、莫大な甚大な被害があったと思う」と述べた。直後に撤回したが、辞任する意向を固めた。(朝日新聞)
今村雅弘氏 政治資金で高級たまごを「爆買い」していた。​(日刊ゲンダイ)

4月 中川俊直・経済産業政務官、「ストーカー登録」「重婚」で辞任
中川氏は不倫女性と2011年から交際を始め、「年に300日は一緒」にいる仲で、ハワイで「結婚式」まで挙げたという。同時進行で自民党の前川恵議員にも近づき(=前川議員は否定)、不倫女性にそのことがバレて修羅場に。中川氏は警察から「ストーカー」として登録された、という。(産経新聞)

5月 大西英男・衆院議員、不祥事二連発
自民党厚生労働部会で「(がん患者は)働かなくていいんだよっ」とのヤジが飛び、波紋が広がっている。(ハフィントンポスト)
「(がん患者は)働かなければいいんだよ」と発言し、自民党東京都連の副会長を辞任した大西英男衆院議員が、元格闘家の須藤元気氏から「推薦文」を書いていないのにホームページに掲載された、と抗議を受けた。(朝日新聞)

6月 豊田真由子議員・衆院議員、「このハゲー」
埼玉県警捜査1課は27日、元秘書の男性に対する暴言暴行疑惑で自民党を離党した豊田真由子元衆院議員(43)について、傷害と暴行の疑いで書類送検した。(日刊スポーツ)

6~7月 稲田朋美・防衛大臣、職務不適任連発、情報隠蔽で辞任
稲田朋美防衛相が東京都議選の自民党候補の応援集会で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いをしたい」と演説で述べた。自衛隊を率いる防衛相が組織ぐるみで特定候補を支援するかのような発言である。(毎日新聞)
九州北部の記録的な豪雨で自衛隊が災害対応に当たる中、稲田朋美防衛相が6日、防衛省を一時不在にした。自民党の石破茂前地方創生担当相は6日夜、BSフジの番組で「あり得ないことだ。なんで起こったかきちんと検証しないと、本当に国民に対して申し訳ない」と述べた。(時事)
自衛隊日報隠ぺいを知っていたのは稲田防衛相だけじゃない、安倍首相と官邸が指示していた疑惑が浮上(エキサイトニュース)
稲田朋美防衛相は7月27日、破棄したとする南スーダンに派遣された国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を陸上自衛隊が保管していた問題をめぐり、防衛大臣を辞任(ハフィントンポスト)

6~7月 下村博文・幹事長代行、職権でやりたい放題が次々発覚
下村博文氏らを告発 加計学園側から200万円、入金不記載容疑で(ハフィントンポスト)
ビザ発給、下村氏が働きかけか 民進が文書公表 (日本経済新聞)

8月 鈴木俊一・五輪相に架空計上疑惑、政治資金1658万円に領収書なし
「清鈴会」の政治資金収支報告書を仔細に検証すると奇妙な記載に突き当たる。支出の備考欄に記された「徴難(ちょうなん)」の2文字だ。徴難とは、収支報告書を提出する際に、「領収書等を徴し難かった支出」を指す。(ライブドアニュース)

8月 今井絵理子・参院議員、「ビール券」違法配布
今井絵理子・参議院議員(33)も人知れず、違法な「ビール券」配布に手を染めていて――。(デイリー新潮)

11月 神谷昇・衆院議員、市議に現金配布
自民党の神谷昇衆院議員=比例近畿=が衆院選前の9月下旬に自身の選挙区内の大阪府和泉市と岸和田市の市議14人に現金計約210万円を配っていたことが24日、分かった。(産経新聞)

12月 懲りない山本幸三・前地方創生相、今度は差別発言炸裂
前地方創生相の山本幸三・自民党衆院議員(福岡10区)が、23日に北九州市内であった三原朝彦・自民党衆院議員(同9区)の政経セミナーで、アフリカ諸国の支援に長年取り組む三原氏の活動に触れ「何であんな黒いのが好きなんだ」と発言していたことが分かった。(毎日新聞)

こんな政治は一日も早く終わらせなければならない。
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人権後進国・日本 Human Rights Unopened Country - JAPAN

26/11/2017

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この一週間、日本が人権問題に関して、完全に後進国であることを世界中に知らしめてしまうような恥ずべきことが幾つも起こった。​
This week, several issues happened showing that Japan is an unopened country for human rights.

女性蔑視  Female Contempt

自民党参院議員・元参院副議長の山東昭子、「子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」と発言。
Akiko Santo, a LDP member and the former vice chair person of the House of Councilors, said  "How about considering recognition of woman who give births for more than four children with the Ministry of Health, Labor and Welfare?"

「子無し税」で炎上中に山東昭子「4人以上産んだら表彰」発言の時代錯誤 https://t.co/9zLmmbtuPu #山東昭子 #大山くまお

— 文春オンライン[文藝春秋] (@bunshun_online) 2017年11月24日

​子連れで議会出席した緒方熊本市議、退去を命じられる。
Ms.Ogata, a member of Kumamoto Municipal Council, attended a parliament with a child and ordered to leave.

子連れで議会出席した緒方熊本市議 仕事と子育て両立できる社会に https://t.co/T1hEEVlojp

— 熊本日日新聞社 (@KUMANICHIs) 2017年11月26日

Reference:
CBC News:  Politician's baby banned from municipal assembly in Japan
The Washington Post: A Japanese politician took her baby to work. Male colleagues made a fuss.
NPR:  Japanese Lawmaker's Baby Gets Booted From The Floor
BBC:  Japanese politician brings baby to assembly sparking debate​
The Guardian: Japanese politicians force colleague with baby to leave chamber

なお、こちらがグローバル・スタンダード。
Anyway the followings are the global standard.​

子連れ熊本市議が話題ですが、ここで子連れ欧州議会議員を見てみましょう、ほっこりするわぁ。 pic.twitter.com/Vv4XZX4NRL

— アルパカ( ˘ω˘ )スヤァ (@HIROISM42) 2017年11月22日

人種差別  Racism

前地方創生相の山本幸三・自民党衆院議員が、三原朝彦衆院議員のアフリカとの交流について「何であんな黒いのが好きなんだ」と発言。
Kozo Yamamoto, a former Local Creation Minister and a LDP member of House of Representatives said "Why do you like such a black one?" as a mention about friendship exchange with Africa.

【前大臣 アフリカを「黒いの」】前地方創生相の山本幸三・自民党衆院議員が、三原朝彦衆院議員のアフリカとの交流について「何であんな黒いのが好きなんだ」と発言。事務所を通じ、「人種差別の意図は全くない」と説明。 https://t.co/60FpYzIkij

— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2017年11月24日

Reference:
Japan News: Ex-minister Yamamoto makes verbal gaffe over Africa
Japan Times: Ex-Abe Cabinet minister makes discriminatory remark about Africans

LGBT差別  LGBT discrimination

自民・竹下亘「宮中晩餐会、国賓のパートナーが同性なら出席に反対」。
Wataru Takeshita, a member of LDP, said "If a state guest's partner is the same sex. I will oppose against his/her attendance at the Imperial Banquet.

【講演】自民・竹下亘氏「宮中晩餐会、国賓のパートナーが同性なら出席に反対」https://t.co/O1Fr7P4z9i

「日本国の伝統に合わないと思う」と述べ、天皇・皇后両陛下が国賓を迎えて開く晩餐会について語った。 pic.twitter.com/JNPD0AUBlX

— ライブドアニュース (@livedoornews) 2017年11月23日

Reference:
Japan Times: LDP at odds on allowing same-sex partners of state guests the right to attend Imperial banquets

戦争犯罪否認 War crime denial

大阪市 少女像問題でサンフランシスコとの姉妹都市解消を表明。
Osaka municipal government announced the elimination of sister city with San Francisco on the issue of comfort women.

大阪市 少女像問題でサンフランシスコとの姉妹都市解消を表明(NHK)https://t.co/FIhbagt1vw 程度の差はもちろんあるが、構図的には日本が1933年に国際連盟を脱退した時と似た面があると思う。なぜ自国が国際的に批判されているのか、原因と向き合う代わりに逆ギレして事態をさらに悪化させる。 pic.twitter.com/5RJcRpFtpW

— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) 2017年11月24日


これねぇ…。
本来は中立で日本政府や大阪の立場にも理解を示していたサンフランシスコ市が、以後完全に日本の一部活動家を毛嫌いするようになり、慰安婦像の設立が決定的になった瞬間。
それほど彼らは無礼で支離滅裂で見るに耐えなかった。議論以前の問題。
結果がこれですよ。 pic.twitter.com/QmWgWaZgxW

— ブルドッグ (@Bulldog_noh8) 2017年11月25日

Shame on you, for denying what happened. Shame on you, personal attacks on this woman."

Reference:
Reuters: Japan's Osaka to snap sister city link with San Francisco over 'comfort women' statue
SFGate: Japanese mayor says he’ll end SF sister city status over comfort women statue
The New York Times: ‘Comfort Women’ Statue in San Francisco Leads a Japanese City to Cut Ties​
ABC: Japan protests San Francisco's 'sex slave' statue decision
CBS: Japan protests San Francisco's "sex slave" statue decision
NBC: San Francisco to Unveil Statue Honoring World War II-Era 'Comfort Women'


改めて言う。恥を知れ。
Again. Shame on you.

追記 (20:30 27/11/2017)
カリフォルニア州は9月、大戦中の日系人強制収容に関する教育プログラムの強化を発表した。大阪とカリフォルニア、どちらが真摯に戦争での誤った行為に向かい合っているのか、自明である。
California state announced expantion of education programs about Japanese-American internment camps during the WWII. It is very clear which, Osaka or California, is seriously facing own wrong actions in the war.

Reference:  
Sun Francisco Chronicle: California expands Japanese internment education to current rights threats

​​
追記 (23:50 27/11/2017)
米国市民、議員、議会への卑劣なメール爆弾の指令元を突き止めることに成功。
I caught the original sources of sneaky mail bombs to US citizens, lawmakers, and Congress.

Reference of Japan Alt-Right Sites:
http://nadesiko-action.org/?p=8510
http://nadesiko-action.org/?p=9043
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米英が報じたトランプ来日

11/11/2017

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Photo by Ty Williams on Unsplash

米トランプ大統領の来日の結果は、日本にとって散々なものだった。
まず到着場所は米軍の横田基地である。これは、米軍基地であれば入管手続きを経ることなく日本へ入国できる日米地位協定のデモンストレーションであろう。戦後70年を経て、未だに日本の主権は完全に回復していないことを見せつけられたわけだ。なお2016年、オバマ前大統領は中部国際空港から入国している。

そして離日に際してトランプは堂々と「日本に大量の武器とエネルギーを売りつけてやったぜ」とツイッターで言い放つ有様だ。

My visit to Japan and friendship with PM Abe will yield many benefits, for our great Country. Massive military & energy orders happening+++!

— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年11月6日

​​ここまでコケにされた日本側が接待ゴルフに精を出すのも情けない話だが、接待ゴルフでもバンカーに転げ落ちるとは、接待としても大失敗である。なお、この姿は英BBCや米NBCなどでも報じられてしまった。

Japan's PM Shinzo Abe falls into bunker during round of golf with @POTUS □□ pic.twitter.com/1b8wBLcqQW

— BBC News (World) (@BBCWorld) 2017年11月10日


Video has emerged, showing what appears to be Japan's Prime Minister Shinzo Abe falling during a game of golf with President Trump. pic.twitter.com/i4TZHSAYzD

— NBC News (@NBCNews) 2017年11月10日

​そして極め付けは、アメリカのテレビ番組 The Late Show の司会者、スティーヴン・コルベア氏のコメントだ。ここでは書き起こした音声の翻訳を紹介してみたい。

Colbert notices Abe's extreme flattery of Trump: "Alright, Shinzo! Leave a few of the strokes on the golf course." ???? pic.twitter.com/MCO6p5jHlK

— asuka (@asuka_250) 2017年11月8日



I’m for Trump to meet with Japanese Prime Minister and guy who really thought he would be talking to Hillary Clinton right now.
Shinzo Abe, now with the north Korea situation heating up Japan really needs the US on its side, so Abe launched a full friendship offensive first, he made their BFF (Best Friends Forever) status official by speaking Trump’s native language. Hats.
It reads Donald and Shinzo make alliance even greater.
Year. As perfect. We all know.
Historians know all the best diplomacy was accomplished via headgear. Don’t forget the great gear Roosevelt gave out at Yalta.
 
トランプに成り代わって日本の首相に会ってみようか。今の今までヒラリー・クリントンと話すつもりだと本気で思っていた奴のことだ。
安倍晋三って奴なんだけど、ちょうど北朝鮮情勢で日本が噴き上がっている最中で、アメリカに味方してほしくて、安倍はまず全力で「お友達」攻撃を仕掛けてきたわけだ。次は「永遠にお友達だよ」っていう状況を、トランプの母国語を使ってオフィシャルにしてきた。トランプの母国語っていうのは「帽子」のことだけどな。
「ドナルドと晋三の同盟は最強」って読めるだろ。
ああ。完璧だよな。皆、知ってたけどさ。
歴史家たちは、最高の外交は被り物で成し遂げられたことを知っている。ヤルタ会談でのルーズベルトのすげえ被り物を観てみろよ。
 
Then the two best friends got to feed the Koi fish at the Royal Palace now and feeding the Koi is time-honored tradition much like Japanese tea service where in the meditation of the movement is resonant with the Ja..<beeeep>.
Alright. Yeah. Suck on, your fat fish. Yeah. They go. They go. Pretty good.
 
それから二人の親友は皇居で鯉に餌やりをやった。鯉の餌やりっていうのは由緒ある伝統で、日本のお茶席のようなもので、黙想が共鳴するのが日…<ビーーーーー>
わかった。ああ。これでもくらえ、デブ魚野郎!ああ、行っちまえ。行っちまえ。よしよし。
 
Then Abe really turned on the charm offensive treating Trump to a round of golf then reminding Donald about it at that night reception.
(Abe) “When you play golf with someone not just once but for two times, the person must be your favorite guy.”
Alright, Shinzo.
Leave a few of the strokes on the golf course.
Now Trump is petting. Just petting. Just Petting.
 
その後、安倍はマジでヤバい攻撃に出た。トランプをゴルフに連れ出して、トランプも夜のパーティで思い出すくらいのものだった。
(安倍)「一度でなく二度もゴルフをご一緒できるとは、お気に入りの人物に違いないということです。」
そうだ、晋三。
ゴルフコースで何発もぶっ放せ(注:自慰行為のダブル・ミーニング)!
それでトランプはペッティングだ。そう、ペッティングだよ、ペッティング。
 
And Trump has shown concern over Japan’s national security when asked about the missiles that North Korea has been firing over Japan.
Trump said he didn’t get why a country of Samurai warriors did not shoot down the missiles.
Doesn’t have to be a Samurai could be a Ninja. Could be a Power Ranger or Godzilla you know. Mr. Miyagi.
 
それからトランプは、日本の安全保障について懸念を示してみた。北朝鮮が日本の上空に放ったミサイルについて訊かれた時だ。
トランプはこう言ったんだ。なんでサムライの国がミサイルを撃ち落とさないのか判らないってな。それならサムライじゃなくて忍者はダメなのか。パワー・レンジャー(注:米国での戦隊もの)やゴジラじゃあダメなのかよ。あと「ベスト・キッド」のミヤギさんな。
しかし、まさか21世紀になって、報道はBBCに頼らざるを得ない状況が日本にも来るとは、十数年前には夢にも思わなかった。
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