Photo by Damir Spanic on Unsplash 2020年の夏に開催される予定だった東京オリンピック・パラリンピックは、COVID-19の蔓延で丸一年延期になった。 しかし開催まで2か月となった2021年5月上旬の時点でも、ウイルスの感染は収まる気配がまったく見られない。 そもそも疫病による延期以前の問題として、東京の真夏の酷暑や、トライアスロンの会場として予定されていたお台場地区の劣悪な水質の件などはどうなったのか? 当ブログでは2018年7月に水質の問題を指摘しておいたが、COVID-19の話題に隠れたせいか、このところ新しい情報を耳にすることがなくなってしまった。 そこでお台場地区の水質を定期的に測定している港区の情報を確認してみることにした。 港区では、お台場海浜公園の水際の三か所で、定期的に水質を調査している。
3年前にブログを書いた直後に発表された、2018年5月15日午前および午後の調査結果では、糞便性大腸菌群数が次のように報告されている。 なお単位は、個/100mLである。 <午前> 水浴場水質判定基準の糞便性大腸菌群数は「1,000個/100mL以下」とされている。 この時点では、海水浴場としてはまったく適していなかったことが分かる。 その一年後の2019年6月3日は、いずれの地点においても糞便性大腸菌群数は2~13の範囲に収まっていた。 しかし雨天だった7月9日には、370~520と跳ね上がっている。 この現象も以前のブログで指摘していたことだが、雨が降ると東京中で下水処理場の処理能力を超えた下水、すなわち糞尿が河川に垂れ流しになり、東京湾に流れ込むのである。 そして本来、東京オリンピック・パラリンピックの半年前のはずだった2020年2月19日午前、糞便性大腸菌群数は再び上昇している。 <午前> この調査の3日前の2月16日、東京は雨天であった。 17日と18日は晴天である。 16日の降雨の影響によって、19日に糞便性大腸菌群数が増加したのだとすれば、その間の17日と18日の状況はどうだったのだろうか。 19日も午前から午後にかけて急速に減少していることを考慮すれば、17日や18日の糞便性大腸菌群数は非常に大きな値だったことは容易に想像がつく。 東京オリンピックが開催されている最中であったはずの2020年7月30日、日本テレビの水中撮影班がお台場海域に潜水し、その様子をレポートしている。
この記事によると「前を泳いでいる人がやっと見えるくらいの透明度」だったそうだ。 こんな場所で、生身の人間を泳がせて良い筈がない。 COVID-19対策どころか、従前から指摘されていた問題すら全く解決されていないのが、この東京オリンピック・パラリンピックの実情である。
3 コメント
荒川明
3/5/2021 21:11:47
五輪選手はCOVID-19の検査を毎日するようですが、トライアスロンの選手等糞尿海に入らなくてはならない選手達は、他の感染症の検査を東京湾に入る度受けるようにしなくてはなりませんね。
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匿名希望
5/7/2021 01:04:25
担当様
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NK
27/7/2021 08:34:05
記事ありがとうございます。港区のサイトで少し前の水質検査の結果は確認できますが、五輪の競技開催直前にも検査をしているのではないかと推察しています。この場合問い合わせ先は、港区でしょうか、それとも五輪の組織委員会になるのでしょうか。もしご存じでしたらご教授いただければ幸いです。昨日のニュース映像をみてとても気になっています。
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