久保田直己 不撤不散
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最悪の年だった2020年のライブ

13/12/2020

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Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

2017年から2019年まで毎年年末になると、その一年間に観たライブについて書いてきた。
2020年も当然そのつもりだったのだが、まさかこんな事態になろうとは、年初にはまったく予想もついていなかった。
春先にハードロック系のバンドが相次いで来日したり、ボブ・ディランが全国ライブハウス・ツアーを行ったり、ビルボード横浜のオープニングで様々なジャンルの大御所がライブを行うはずだったのである。
加えて2020年はフジロックとサマーソニックのどちらにも行くつもりで準備していたのに、コロナの影響ですべてが吹き飛んでしまった。
秋も深くなった頃、徐々にライブが再開され始めたが、海外からの渡航は叶わず、国内のミュージシャンによるものだけだ。
年末が押し迫ってもコロナが終息するどころか益々拡大する中で、2020年から2021年に延期されたライブがさらに2022年まで再延期されてしまうケースも出てきている。
いったいいつになったら、再びライブを楽しめる日が戻るのだろうか。

スタンリー・クラーク  ブルーノート東京  1/3(金)

正月三が日からライブを観に行くのは初めてだったが、この頃はコロナの影響など思いもせず、最前列に陣取って観戦していた。
スタンリー・クラークに加えて、LAジャズの新進気鋭のピアニストのキャメロン・グレイヴスと、アフガニスタン出身のタブラ奏者のサラー・ナダーという変則的なトリオである。
スタンリーが大柄なのでエレクトリック・ベースがテレキャスターのように見えるうえ、でかい手が 4フレットくらい楽勝で押さえてしまう。
さらに右手の力が強いため、通常の指弾きでもスラップ奏法のような音になる。
スラップ奏法自体はむしろウッドベースで全開させていた。
そして超高速のベースのフレーズとタブラの掛け合いが凄まじい。
アンコールは定番の "School Days" で、コード弾きにスラップ奏法にと大炸裂して終了。
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クイーン + アダム・ランバート さいたまスーパーアリーナ 1/25(土)

1月25日、さいたまスーパーアリーナにてクイーン + アダム・ランバートの来日が開幕した。
チケット転売を防ぐため身分証明書の携行を求められていたが、結局点検は無し。
またスマホによる写真や動画は撮り放題である。
セットリストは一週間前のソウルでのものとほとんど同じで、初期の怒涛のハードロック・メドレーから始まった。
 "Bicycle Race" ではアダム・ランバートがバイクに跨って歌うという、ロブ・ハルフォードのようなパフォーマンスを見せる。
ブライアン・メイによる花道でのアコースティック・ギターのソロ・タイムでは "Teo Torriatte" に続けて  "Love of My Life" を演奏し、その終盤にフレディがスクリーンに現れて共演する演出を仕掛けてくれた。
"Under Pressure" ではブライアン、ロジャー、アダムの三人が花道に集まって演奏し、本編は "Bohemian Rhapsody" で締め。
アンコールでも再びスクリーンにフレディが現れて、観客と「レーリヨヨヨヨ!」の大合唱。
最後はお約束の "We Will Rock You" と "We Are the Champions" で大団円となった。
そしてこれが、まさかの2020年最後のスタジアム級ライブとなってしまうのである。
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"My Voice, My Liberty"  オーサカ=モノレール、ソウル・フラワー・ユニオン 新宿ロフト 2/7(金)

詳細は既に「Anger Is An Energy」で書いたので割愛するが、今から思えば三密のライブハウスでモッシュができたのもこれが最後だった。
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カーヴド・エア 川崎 CLUB CITTA'   2/8(土)

既にこの頃、コロナのクラスターと化したクルーズ船が横浜港に入港し、またチャーター機による日本人帰国が始まっていた。
2月12日にWHOが「COVID―19」と命名する直前の緊迫したタイミングである。
そんな状況の中、マイク・ウェッジウッドやカービー・グレゴリーらを迎えて10年ぶりの来日となった。
長丁場のライブは、25分の休憩をはさんだ一部と二部の構成である。
70分ほどの第一部は "Air Cut" セットで、最後は "It Happened Today" で終了。
しかし一本のジャズベース (しかもパチモン) をセッティングもストラップの長さも変えずに3人で使い回すのは、プロのミュージシャンとしてどうなのか。
第二部は "Stay Human" から始まって、"Propositions"、"Vivaldi"、"Back Street Luv" など名曲集だが、最後の "Stretch" でいきなりイントロの構成を間違えて演奏を中断する始末。
しかもアンコールは第一部の最後に演奏した "It Happened Today" をまた演奏。
明らかにバンドとしてのリハ不足で、いろいろと雑過ぎだった。
最近のプログレの「昔の名前で出ています」系は、残念なことしか起こらない。
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マイケル・シェンカー・フェスト 東京国際フォーラム 3/10(火)

直前の3月4日に開催中止。

ホワイトスネイク 東京国際フォーラム 3/17(火)

3月5日に再延期、4月22日に中止。
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グリーン・デイ 幕張メッセ 3/27(金)

2月28日に2021年まで延期の発表。
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ボブ・ディラン Zepp Diver City  4/4(土)

3月13日に開催中止。
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スウィング・アウト・シスター ビルボード東京  4/11(土)

3月14日に開催中止。
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ストラッツ LIQUIDROOM   4/15(水)

4月3日に開催中止もしくは延期との発表。
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ジェーン・バーキン ビルボード東京  4/25(土)

3月26日に開催中止。
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野宮真貴 ビルボード横浜  4/29(水)

4月8日に7月まで延期の発表。
結局、6月12日に開催中止。
ビルボード横浜のオープニング・イベントの一つだった。
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アヴリル・ラヴィーン 東京ガーデンシアター 5/8(金)

3月3日に延期の発表。
残念ながら5月8分は開催中止。
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スティーヴ・ハケット 川崎 CLUB CITTA'   5/16(土)

4月3日に2021年6月まで延期の発表。
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ドリーム・シアター 東京ガーデンシアター 5/16(土)

3月17日に10月まで延期の発表。
8月21日に開催中止。
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アイアン・メイデン ぴあアリーナMM   5/19(火)

4月13日に開催中止。
ぴあアリーナMMのこけら落としとなるはずだった。
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ゼブラヘッド 新木場STUDIO COAST 6/21 (日)

5月13日に開催中止もしくは延期を検討中との発表。
6月15日に2021年6月まで延期となった。

フジロック 苗場  8/21(金)~23(日)

6月5日に一年延期の発表。
2020年は初めて苗場地区でホテルが確保でき楽しみにしていたのだが、そのホテルもコロナの影響で廃業となってしまった。
残念無念。

FUJI ROCK FESTIVAL ’20
開催延期のお知らせhttps://t.co/P4GW6Lv9T5#fujirock #フジロック pic.twitter.com/DeK6ArDsJq

— FUJI ROCK FESTIVAL (@fujirock_jp) June 5, 2020

SUPERSONIC  ZOZOマリンスタジアム&幕張海浜公園  9/19(土)~9/21(月)

こちらも8月11日に一年延期の発表。
日程は未定。

SUPERSONIC 2020開催延期のお知らせhttps://t.co/a1JlTDkYSB#スパソニ #supersonic pic.twitter.com/ENcDBpD2Pp

— ssonic_staff (@summer_sonic) August 11, 2020

寺井尚子 ビルボード横浜 10/16(金)

本来なら春先から営業を始める予定だったビルボード横浜が、7月になってようやく営業を再開した。
入場時の検温とアルコール消毒に加え、ソーシャル・ディスタンスを確保するため、座席は前後の空間を大きく確保している。
演奏は、4月にリリースされたアルバム「フローリッシュ」の曲を中心に、ヴァイオリン、ピアノ、ベース、ドラムのカルテットによるもの。
ライブは8か月ぶりだったが、やはり良い。
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カルメン・マキ & OZ 川崎 CLUB CITTA'   11/21(土)

我慢し続けた9か月ぶりの爆音である。
17時に開幕し、途中25分の休憩をはさんだ二部構成で、20時過ぎまでの演奏となった。
代表曲は演奏し尽くし、2部の冒頭はアコースティック・コーナーにするなどの演出で、久しぶりのライブを楽しめた。
チッタでも座席は間を一人分空けており、マスク着用が必須。
さらに「声を出しての応援や声援はご遠慮ください」とのことで、恒例の「六月の詩」でのシンガロングもできず、マキさんが「心の中で歌ってください」とMCするような状態である。
それでも、当たり前だがネットで配信を観るのとは大違いである。
ロックは耳でなく全身で聴くものなのだ。
コロナで奪われたものを一言で言うと「日々の身体性」だということがよく分かった。
奪われたもの、僅かでも取り返したものを思いながら、ハードロックで涙が停まらなくて困ったのも、初めての経験になった。
なお彼らも、2020年は予定していた全国ツアーや初のフジロック出演など、ほとんどの仕事が飛んでしまったとのこと。
​本当に悔しい。
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MIYAVI ビルボード東京  12/10(木)

まずチケット予約のサイトになかなか繋がらなかった。
それだけライブに飢えている人が多いのだろう。
バンドはドラム、キーボード、コーラスというベースレスの編成で、MIYAVI本人はテレキャスター1本で押し通した。
ここでもマスク着用必須のうえ、歓声は禁止で、拍手で応援してくれとのこと。
MIYAVIもMCで「心の中で踊ってください」「心の中で歌ってください」と繰り返していて、やるせない。
演奏はオリジナルに加えて、沢田研二の "TOKIO" やジョンレノンの "Happy Xmas" などのカバーもあり、大いに盛り上がった。
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ビルボード東京のカウンター席は、一人ずつをアクリル板で区切る徹底した防疫体制になっている。
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岸谷香 ビルボード東京  12/25(金)

年末は、2017年から4年連続で岸谷さんのライブで締め。
彼女たちもまた10月まで音楽活動ができなかったとのこと。
今回のオープニングはいきなりプリンセス・プリンセスの「ダイヤモンド」だったが、ここでもサビの「アア」という声出しは禁止。
しかしこの酷い年の最後に、元気いっぱいの岸谷さんから、たっぷりの元気をいただくことができた。
心から感謝したい。​
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12月25日の時点で、英国発の突然変異型のウイルス日本上陸が報じられており、新年からの状況もまったく見通せないままである。
一日も早く、以前のようにライブを心から楽しめるようになることを祈るばかりだ。
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