久保田直己 不撤不散
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東京五輪は台風の季節でもある

12/6/2021

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Photo by Neenu Vimalkumar on Unsplash
COVID-19の蔓延が一向に収まる気配を見せず、東京五輪の開催が危ぶまれている。
そもそもCOVID-19以前から散々指摘されていた東京の真夏の酷暑や、トライアスロン会場として予定されているお台場地域の水質の問題は、何も解決されていない。
さらにリスク管理の観点から考えておかなければならない重大な要素がもう一つある。
東京は、毎年夏に必ず台風に襲われるということだ。

​気象庁は、関東甲信越地方に接近した台風の数を、年次ごとに記録して公開している。
ここでは、台風の中心が茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都(島しょ部を除く)、神奈川県、山梨県、長野県のいずれかの気象官署等から300km以内に入った場合を「関東甲信地方(伊豆諸島および小笠原諸島を除く)に接近した台風」としている。
この中から、過去20年(2001年~2020年)の7月、8月、9月のデータを拾ってみた。
なお、東京でのオリンピックは7月23日から8月8日まで、パラリンピックは8月24日から9月5日までの期間に予定されている。
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一目瞭然であるが、過去20年間で7~9月の間に、台風に襲われなかった年はひとつもない。
さらに続けて、関東地方に甚大な被害を及ぼした台風に関する、気象庁や内閣府の記録を見てみたい。

  • 2001年9月8日~9月12日 台風第15号  ​引用元:気象庁
死者・行方不明者8名、負傷者51名
住家全半壊・一部損壊300棟
床上浸水183棟、床下浸水1,202棟など

11日09時半ころ神奈川県鎌倉市付近に上陸した。
台風は次第に弱まりながら、東京都から茨城県北部を経て海上に進み、12日15時に千島列島付近で温帯低気圧に変わった。
この台風により、東海から関東地方の山沿いで大雨となった。
期間降水量は奥日光(栃木県日光市)で895mmとなったのをはじめ、山沿いでは600~800mmとなったところがあった。
​平野部でも静岡市で320mmとなったほか、東京都千代田区でも160mmを観測するなど、200mm前後の大雨となったところがあった。

  • 2002年7月8日~7月12日 台風第6号  ​引用元:気象庁
死者6名、行方不明者1名、負傷者39名
住家全壊27棟、半壊55棟、一部損壊415棟
床上浸水2,453棟、床下浸水8,400棟など

11日00時過ぎ千葉県館山市付近に上陸し、鹿島灘から三陸沖を北北東に進み、11日21時頃北海道釧路市付近に再上陸した。
その後オホーツク海に進み12日00時に温帯低気圧に変わった。
この間、梅雨前線が本州上に停滞し活発化したため、中部地方から東北地方にかけて大雨となった。
9日から10日にかけて岐阜県では1時間90mm以上の激しい雨が降り、期間降水量は樽見(岐阜県根尾村)で510mmを観測したほか、関東地方の山沿いでも400mmを超えたところがあった。
また静岡市で318.5mmとなるなど、東海、関東、東北地方の平野部でも期間降水量が200mmを超える大雨となったところがあった。
​また、八丈島(東京都八丈町)で最大風速27.3m/sなど、伊豆諸島、関東沿岸などで20m/sを超える暴風を観測した。

  • 2005年8月24日~8月26日 台風第11号  ​引用元:気象庁
負傷者10名
住家半壊4棟、一部損壊148棟
床上浸水69棟、床下浸水259棟など

強い勢力で26日2時過ぎに三浦半島を通過、4時半頃、千葉市付近に上陸した。
台風はその後進路を東寄りに変えつつ鹿島灘から本州東海上へ進み、28日00時に温帯低気圧に変わった。
この台風が硫黄島南西海上を北上中の24日、宮崎県では対流雲が東海上から次々に流入し、青島(宮崎県宮崎市)で1時間降水量が72mmなど、非常に激しい雨が降った。
台風が関東地方に接近・上陸した25日から26日にかけて伊豆諸島、関東地方、静岡県、山梨県、宮城県などで大雨になった。
特に25日には関東地方南部や静岡県、伊豆諸島で日降水量が200mmを超え、箱根(神奈川県足柄下郡箱根町)では528mmを観測した。
伊豆諸島ではさらに暴風となり、同日大島(東京都大島町)で最大瞬間風速57.0m/sを観測した。
この台風により関東地方、伊豆諸島、静岡県、山梨県、宮城県で住家損壊、同浸水、停電、断水等の被害が発生した。

  • 2007年9月5日~9月9日 台風第9号  ​引用元:気象庁
死者1名、行方不明者2名、負傷者90名
住家全壊11棟、半壊60棟、一部損壊830棟
床上浸水411棟、床下浸水1,309棟など


7日00時前に強い勢力で静岡県伊豆半島南部に上陸すると、徐々に勢力を弱めながら関東地方から東北地方を縦断し、8日01時前に北海道函館市付近に、03時半頃に北海道胆振支庁西部に再上陸した。
台風は同日09時に石狩湾付近の海上で温帯低気圧に変わった。
この台風により、関東甲信地方から北海道にかけての各地と東海地方、北陸地方の一部で大雨となった。
降り始めからの総雨量は、関東甲信地方と東海地方の一部で600mmを超え、東京都、埼玉県、群馬県では9月の月間平均雨量の2倍を超える記録的な大雨となった。
24時間雨量は7日に静岡県伊豆市湯ヶ島で627mmとなるなど、東海地方の一部と関東甲信地方の各地で観測史上最大となった。
また、東海地方から北海道の各地で暴風となり、台風の通過した小笠原諸島や伊豆諸島から北海道の太平洋では波の高さが6mを超える大しけとなった。
この台風により、関東甲信地方で死者1名、行方不明者2名となり、大雨となった各地で住家損壊、土砂災害、浸水害等が発生した。
​また、農業・林業・水産業被害や鉄道の運休、航空機・フェリーの欠航等による交通障害の発生もあった。

  • 2019年9月7日~9月9日 台風第15号  ​引用元:内閣府
死者1名、負傷者150名
住家全壊219棟、半壊2,126棟、一部損壊39,828棟
床上浸水86棟、床下浸水111棟など

7日から8日にかけて小笠原近海から伊豆諸島付近を北上し、9日3時前に三浦半島付近を通過して東京湾を進み、5時前に強い勢力で千葉市付近に上陸した。
その後、9日朝には茨城県沖に抜け、日本の東海上を北東に進んだ。
台風の接近・通過に伴い、伊豆諸島や関東地方南部を中心に猛烈な風、猛烈な雨となった。
特に、千葉市で最大風速 35.9 メートル、最大瞬間風速 57.5 メートルを観測するなど、多くの地点で観測史上1位の最大風速や最大瞬間風速を観測する記録的な暴風となった。 
停電による最大供給支障戸数、約 934,900戸。
​千葉県の71の病院において停電が発生。

ほんの2年前に関東を襲った第15号規模の台風が、今年は襲来しないという保証はどこにもない。
さらに五輪期間中に大災害が発生した場合のプランが、国民として共有された記憶もない。
もし万が一の事態が生じても、この無能な政権では何もなす術がないであろう。
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