衆議院議員選挙直後の10月28日、国会での野党の質問を大幅に削減し、与党側を拡大することを検討するよう安倍晋三首相が自民党幹部へ指示を出したとの報道が流れた。 政権与党は事前に官僚から予算案や法案について十分に説明を受けており、政府と一体になって動いているため、野党側に多くの質問時間が配分されているのは不公平でも何でもない。 そもそも現行の時間配分である「与党:野党 = 2:8」は、民主党が政権を握った際に、野党であった自民党の要求に応じて設定されたのであるから、全くふざけた話だ。 ところで、与党の質問時間が足りないと主張する自民党議員の質問内容はどんなものなのか。 まず今回の時間配分の提案者の一人と言われる石崎徹・衆院議員の質問から確認してみたい。 なお以下すべての写真は11月2日に放映された「報道ステーション」からキャプチャーで拝借した。 2017年3月 衆院内閣委 石崎徹 働き方大臣ということでプレミアムフライデーに百貨店に行かれたということでございますが、このあたりご感想を少し これが国会での「質問」なのだろうか。よくも時間が足りないなどと言えたものだ。 2017年2月 衆院予算委 武藤容治 これまでの総理のご努力はまさに日本の財産であり、私は世界の財産でもあると思っております 身内のおべんちゃらは国会ではなく党本部でやったらどうか。 2017年3月 参院予算委 堂故茂 いつか言おうと思っていたんですが、答弁に立たれる度に必ずボタンをおかけになります これも酷い。もはや「質問」にすらなっていない。 さらに、堂々と「質問の時間が余った」と言い放つ自民党議員たち。 2016年3月 衆院厚生労働委 白須賀貴樹 2015年12月 衆院環境委 助田重義 そして極め付けはこちら。 2016年11月 衆院内閣委 谷川弥一 質問は終わったんですが、あまりにも時間が余っているんで 朝日新聞の報道によると、般若心経で質問時間を潰した谷川弥一議員はまだ時間を持て余し、さらに夏目漱石の朗読を始めたという。 谷川氏は法案が審議入りした11月30日の衆院内閣委員会で、40分間の質問時間をもらって最初に質問に立った。最初はカジノ合法化の理由をただしていたが、28分が過ぎた時点で「一応質問が終わったのですが、あまりにも時間が余っているので」と前置きし、「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時……」と般若心経を唱え、「『般若波羅蜜多』は『般若』は知恵、『蜜多』は行く、『波羅』が彼岸、『幸せになるための道』ということなんです。『どうしたら幸せになるの?』といったら『無念無想で生き抜け』ということなんです」などとしゃべり続けた。 こんな議員らは質問の時間配分増加どころか、質問に立たせるべきではないだろう。
国会は小学校の学級会ではないのだ。
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