Photo by William Iven on Unsplash 私自身がFacebookページの運用を開始してから凡そ6年になる。 Facebookページに多くの「いいね」を集めるためには効果的なFacebook広告を出稿することが重要になるが、開始当初からFacebook広告出稿のためのガイドとなる書籍は殆ど無かったし、さらに具体的な結果の数値はまったく見当たらなかった。 前者についてはFacebookの仕様が頻繁に変更されるため、書籍では追いつかないからであろう。 最近も「広告マネージャ」が大幅に変更になったばかりだ。 また後者に関しては企業ユーザーの場合、広告出稿金額やその効果などのデータは重要な機密に当たるので、外部に公表されないのは当然と言える。 しかし私が運営しているFacebookページ「ロックっていいね!倶楽部」は一切の利潤を考えない単なるコミュニティに過ぎないので、様々なデータを公表することに何の差支えもない。 そこで、まず最新の「広告マネージャ」による広告ターゲットの絞り込み方を、続けて広告効果の具体的な数値を提供してみたい。 「広告マネージャ」によるターゲットの絞り込み まず「広告マネージャ」を立ち上げると、デフォルトの設定として、地域は日本全国、年齢は18才以上、性別は男女双方になっている。右上にオーディエンスサイズが表示されているが、デフォルトの状態では3,200万人が対象になってしまい、ターゲティングの必要性が痛感される。 そこで評価ターゲット設定に「ロック」と入力してみると、キーワードとして「ロックミュージック」の他、「オルタナティブロック」など各ジャンルが自動表示される。 取り合えず「ロックミュージック」を選択してみる。オーディエンスサイズは480万人に絞られるが、まだまだ大きすぎて話にならない。 当Facebookページにて最近はプログレ系のネタが多かったので、対象のキーワードを「プログレッシブ・ロック」に変更。 これでもまだ26万人もいて、絞り切れない。他のジャンルでもだいたい同じくらいである。 そこで最近来日したばかりで、当Facebookページでも取り上げた「ポール・マッカートニー」をAND条件で加えてみると、3万4千人にまで絞られる。 まあいい感じではある。 要するに日本のFacebookユーザーのうち3万4千人が、プログレとポールの両方好きと表明しているわけだ。 なお余談だが、キーワード「プログレッシブ・ロック」上にカーソルを置くと、全世界で4,945万人ものプログレ愛好家がいることがわかる。 同様にポール・マッカートニーのファンは685万人である。 さて、ここでもう少しターゲットの絞り込みを行ってみたい。当Facebookページのインサイトを見ると、圧倒的に男性の率が高い。 このため今回はターゲットを女性のみに絞ることにする。 また「プログレとポールが好き」な女性の多くは、ある年齢以上と推定されるので、年齢も「35才から64才」の範囲に設定する。 ここまで絞るとオーディエンスサイズは4,200人。 あとは広告の原稿を「プログレとポールが好きな女性」向けにチューニングすればよい。 最後に気を付けなければならないのは「つながりの種類」の設定である。 今回はFacebookページへの「いいね」を集めることを主眼としているので、既に「いいね」していただいている方へ広告表示しても意味がない。 そこで ”あなたのページに「いいね!」した人を除外” することにする。 これで設定は完了だ。 Facebook広告の結果 ところで、当Facebookページの広告出稿は2014年を最後に停止しており、現在はすべてオーガニックな増加のみである。 しかし広告の仕組みの変更や効果の確認のため、年に一度は少額で広告出稿をしている。 下記の表の上の行が2016年度、下が2015年度の結果である。 「結果の単価」は、ひとつの「いいね」を獲得するために使用された金額である。 Facebookの広告の場合、入札制度を取っているので、同じターゲットに対する広告が競合した場合、入札金額が高いほうが優先して表示される。
当Facebookページの場合、立ち上げ当初で競合の少なかった2012年前後には、「いいね」獲得の単価は2円から3円くらいだった。 その時点の数値と比較すると、現在は高くなったとは言える。 しかしアカウント属性が全く不明なTwitterや、ターゲティングすらできない一般のバナー広告と比べ、きめ細やかなターゲット設定が可能なFacebook広告は、引き続き有効なツールであることに間違いない。 広告を主要な収入としているSNS各社の中で、TwitterがFacebookに水をあけられるのも、これでは仕方があるまい。
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