久保田直己 不撤不散
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2019年のライブを振り返る

28/12/2019

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2017年、2018年とライブ観戦の総括を毎年書いてきたが、2019年も片っ端からライブを観に行くことになってしまったので記録しておきたい。
2019年のライブを通して感じたのは、いわゆる一部の「昔の名前で出ています」系のバンドの劣化が激しく、観るに堪えない状態だったことである。
詳細は後述するが、はっきり言ってしまうとイエスとグラハム・ボネットが酷かった。
逆にトト、ブライアン・フェリー、カルメン・マキ&OZなどは、演奏のクオリティが非常に高く、素晴らしいライブであった。
一方、エリック・クラプトンやキッスは、もはや伝統芸能とも言うべきパフォーマンスを見せてくれた。
キッスはこれが最後の来日と謳っていたが、同じようにもう観ることができないバンドが今後増えると思われる。
もう残された時間は少ないので、機会があればできる限り見ておきたいものだ。

スラッシュ ft. マイルス・ケネディ & ザ・コンスピレイターズ 新木場STUDIO COAST   1/17(木)

​2017年のガンズ・アンド・ローゼズ以来、ちょうど2年ぶりのスラッシュの来日。
まずオープニング・アクトのデンマークのバンド H.E.R.O.からなかなか良いのだが、開場時間から遅れて到着したので、オール・スタンディングの後ろのほうになってしまい全然見えなくて辛い。
ところがいったんトイレに出たら、ステージ真横に通じている入り口を発見し、ここから潜り込んだところ、打って変わってスラッシュのかぶりつきのポジションを確保できた。
当たり前だが落ち着いて観るには、整理券の順番で入場できる時間に行かなければならない。
​年初から反省。

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PUFFY×土岐麻子 ビルボード東京 1/19(土)
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「松本隆作詞の昭和歌謡」縛りという企画のため、数あるオリジナル曲はたった一曲しか歌わなかった。
YMOの「君に胸キュン」から始まって、森進一の「冬のリヴィエラ」やら「ハイスクールララバイ」やら、このためだけに振り付けの練習をしたのはたいへんだっただろう。
松本隆氏の仕事の幅広さにも改めて圧倒された。

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ウルリッヒ・ロート 中野サンプラザ 1/21(月)
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2016年のLOUD PARKから3年ぶり、単独のライブとしては2015年以来。
19時から22時まで3時間近くにわたり、たっぷり演奏してくれた。
「22時まで」というサンプラの規則がなければ、いくらでも続けるくらいの勢いである。
LOUD PARKではスコーピオンズのステージにウルリッヒが飛び入りしたが、今回はルドルフ・シェンカーらがゲストとして現れた。
ライブは二部構成で、前半は Electric Sun の曲が中心。
若干の休憩をはさんで、後半はアコースティック・ソロで始まり、スコーピオンズの "Virgin Killer" や "Pictured Eye" なども披露した。
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トト 武道館  2/20(水)

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結成40周年記念のライブ。
"Africa" や "Hold The Line" など数々のヒット・ナンバーに加え、マイケル・ジャクソンの "Human Nature" なども演奏。
さらにスティーヴ・ルカサー自ら「憧れでありライバルだった」とMCで語るジョージ・ハリスンに、 "While My Guitar Gently Weeps" が捧げられた。
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イエス 東京ドームシティホール 2/23(土)

​3日連続の東京公演はコンセプトやセットリストが毎日異なるとのことで、2月22日(金)は「危機」完全再現、23日(土)はベスト・セレクション、24日(日)は「サード・アルバム」全曲再現という触れ込みだったため、複数回観に行かれた方も多かったのではないだろうか。
私が行った23日では、スティーヴ・ハウの指が追い付かず、リズムを外しまくり。
特に8分音符の8連のモタりが酷い。
さらに数曲のみだがドラムを叩いたアラン・ホワイトもヨレヨレだった。
ビリー・シャーウッドが何とか全体を引っ張っていたが、バンドとしてはそろそろ限界であろう。
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ブライアン・フェリー Bunkamuraオーチャードホール 3/13(水)

"Love Is The Drug" や "More Than This" など、ロキシー・ミュージックの楽曲が半分以上を占めた。
ギターのクリス・スペディングをはじめ、ヴァイオリンやサックスの女性メンバーのパフォーマンスも完璧で、プロフェッショナルなステージであった。
2019年のライブのうち、ベストのひとつ。
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DOWNLOAD JAPAN 2019 幕張メッセ 3/21(木)
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ヘッドライナーのオジー・オズボーン出演が健康問題でキャンセルとなり、一時はどうなることかと思ったが、なんとジューダス・プリーストが代打で登場。
2018年のジューダス・プリーストのチケットは抽選で外れて観られなかったので、これはこれで大歓迎である。
その他、アンスラックス、アーチ・エネミー、ゴースト、スレイヤーなど、爆音の各ジャンルを取りそろえた充実したフェスであった。
ステージ終了後にロブ・ハルフォードが号泣しており、それを見た中高年のメタル・ファンも泣いていた。
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リンゴ・スター 東京ドームシティ 4/5(金)

​リンゴも3年ぶりの来日。
今回はスティーブ・ルカサーやコリン・ヘイ、ヘイミッシュ・スチュワートらを迎え、トト、サンタナ、メン・アット・ワーク、AWBなどの曲もたっぷり演奏し、リンゴはマイク・スタンドよりもドラム・スツールに座る割合が高くなった。
スティーヴ・ルカサーはトトでの来日から二か月も経っていない。
なおトッド・ラングレンとリチャード・ペイジがいなくなったため、どうにもバンドとして切れが悪くなった。
楽器だけでなく、明らかに歌も弱くなっており、誠に残念。
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エリック・クラプトン 武道館 4/13(土)
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さらにエリックも3年ぶりの来日である。
今回は全キャリアを通じたメガヒットを揃えた中に、定番のブルース・ナンバーを散りばめた珠玉のセットリストとなった。
ブルースだけで埋め尽くした前回とは大きく異なり、ベストな選曲だったのではないか。
またアンコールでは、同時に来日中のジョン・メイヤーが参加するというサプライズもあった。
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ジョージ・クリントン ビルボード東京 4/29(月)

​ビルボードとしては2年ぶり、2018年のサマーソニックからは一年も経っていない。
狭いステージに総勢18人も並んで、しかもバンド側から「写真撮ってSNSで拡散しろ」との指示が出たため、ビルボードらしからぬハチャメチャな状態になった。
(通常、ビルボードでは撮影禁止です。)
最後は総裁自ら客席におりて、さらに大混乱。
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トッド・ラングレン すみだトリフォニーホール 5/22(水)
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2015年のフジロックで来日したものの、この時は全曲打ち込みのカラオケ大会だったので、フルバンドでの演奏は2013年以来である。
ギターのトラブルがあったものの、二部構成で往年の曲をたっぷり演奏。
やっぱりトッドのライブはバンド・サウンドあってのものである。
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Suomi Feast 2019 赤羽ReNy alpha 5/25(土)

2017年から行われているフィンランドのメタル・バンドを集めたフェスで、2019年は5月24日(金)から26日(日)の3日間にわたって開催された。
LAメタルのようにメロディを全面に出すビースト・イン・ブラックに加え、デス、スラッシュ、ドゥームなどメタルのサブジャンルのショーケースのようであった。
なおプロモーターの Evoken de Valhall Production が5月31日に事業休止を発表し、これが最後の企画となってしまった。
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アルカトラス TSUTAYA O-EAST 5/31(金)

​グラハム・ボネット・バンドがアルカトラスに改名し来日。
この日の内容は「DOWN TO EARTH 完全再現」とのことであったが、残念ながらグラハムは音程を外しまくり、結局最後まで音程が合うことなくやり通した。
若干フラットしている程度ではなく、キーがAの曲なのにD#で歌って不協和音になっているような状態である。
コーラスが付く時だけは音程が合っていたので、もしかしたらカラオケのようにガイドが必要なのかも知れない。
イエスと並んで2019年のダメダメ・ライブのひとつ。
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サイモン・フィリップス Protocol 横浜 Motion Blue 6/9(日)

サイモンのソロ・プロジェクト Protocol 結成30周年のライブ。
ドラムの他、ギター、サックス、キーボード、ベースの編成である。
サイモンのドラムはツーバスにスネアが複数、タムは10発以上で、期待した通りの手数の多さだった。
ギターは26才とのことで、結成時には生まれていなかったはずだが、アラン・ホールズワースを彷彿させる速弾きを炸裂させていた。
すべての楽器で、超絶テクを楽しませてくれた。
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キャラバン クラブチッタ 7/20(土)

​結成50周年記念の来日で、第一部と第二部に分けての演奏だった。
第一部は "In the Land of Grey and Pink" から長編の "Nine Feet Underground" を披露したが、演奏時間は1時間にも満たなかった。
演奏はしっかりしているものの、パイ・ヘイスティングスのボーカルの音程が安定せず、やはり中高年になってからのプログレはきついのであろうと感じるものがあった。

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バナナラマ マイナビBLITZ赤坂 8/15(木)

​シヴォーンはいないものの、実に27年ぶりの来日。
8月10日のサマーソニック出演に先駆けた単独公演で、80年代のメガヒット曲を炸裂させた。
懸念されていたカラオケやクチパクではなくフルバンドで歌ったが、コーラスや振り付けは超テキトー。
しかも短い曲ばかりなので、15曲演奏しても70分くらいで終了してしまった。
まあ、こんなものだろう。
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サマーソニック マリン・スタジアム & 幕張メッセ 8/16(金) - 17(土)

​例年は二日間だが、2020年はオリンピックにより開催がないため、2019年度は特別に3日間となった。
このうち16日と17日の2日間に参加。
16日はマリン・スタジアムでストラッツ、屋内でパスコード、マイケル・モンローの流れ。
パスコードは何の予備知識もなく流れで観ただけだったので、何かのアイドルグループかと舐めてたら、いきなりのデスボイスでたまげた。
デスメタル・アイドル・ユニットとでも言えばいいのか、いろいろ考えるものである。
この日のマイケル・モンローは10回くらい客席に飛び込んできて、大サービスであった。
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翌17日は、ゼブラヘッド、マシンガン・ケリー、ダムド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズで、爆音大会。
ゼブラヘッドは、ギターが何故かヴァン・ヘイレン・モデル。
ステージでビール一気飲みしたうえ、「チンコチイサイ」とか意味不明な日本語を連発し、客にタオル振り回させたり中指立てさせたうえ、サークルピットを煽るなど傍若無人ぶりを発揮。
さらに〆はホイットニー・ヒューストンのクチパクで、あまりにもくだらな過ぎて正しいバカだった。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズは、言うまでもなく超ヤバい。
メンバー全員の上半身裸は、グランド・ファンク・レイルロードから引き継がれるアメリカン・ロックの正義である。
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タル・ウィルケンフェルド ビルボード東京 8/28(水)

元々2018年にも来日が予定されていたが、本人が交通事故に遭ってキャンセルになってしまい、容態が心配されていた。
まずは無事に来日が実現し、何よりである。
バンドはギター、ドラム、キーボードを引き連れての4人編成。
一曲目にプレベでジャズ・ロックを展開した後は、スライドギターによるブルース、五弦ベースの弾き語り。
さらにプレべに戻ってのコード弾き、サイケなハードロックに加え、自らアコギを弾いて歌う曲も3曲披露。
良く言えばバリエーションの広さがあったが、ライブとしては散漫でもあったのは否めない。
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リサ・ローブ ビルボード東京 9/4(水)

​5年ぶりの来日。
若い日本人男性のマルチ・プレイヤーがギター、ウクレレ、キーボードなどでサポートしたほかは、すべて本人のギター弾き語りだった。
MCの報告で、通常のライブ会場だけでなく政治集会やLGBTQパレードでも歌ってきたことを伝えていた。
こういう人が日本で存在し得るだろうか。
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エグジット・ノース ビルボード東京 9/27(金)

​元ジャパンのスティーヴ・ジャンセンによるユニットの、世界に先駆けた初のライブ。
2018年にリリースされたアルバムを中心に、スティーヴのソロアルバムやレイン・ツリー・クローからの楽曲も演奏された。
ライブではゲストのダブルベースに、日本人4人のストリングスも加えた大所帯のバンドである。
ステージの背景には曲とリンクした映像作品も流し、実兄デヴィッド・シルヴィアンにも通じるアンビエントな世界を展開した。
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ナイト・レンジャー 昭和女子大学人見記念講堂 10/7(月)

14回目にもなる来日。
東京では10月7日と8日分が完売となり、前倒しで5日に追加公演が行われた。
前半がファースト "Dawn Patrol"、後半がセカンド "Midnight Madness" の全曲再現となった。
まず一曲目の "Don't Tell Me You Love Me" でいきなりヒートアップし、最後は三々七拍子で終了。
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シンディ・ローパー Bunkamuraオーチャードホール 10/11(金)

​4年ぶりの来日。
多くのメガヒット曲を炸裂させ、さらに新曲 "Hope" などが披露された。
客席に2回も飛び込んで歌う大サービスも見せてくれた。
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ストラングラーズ 渋谷WWW 11/3(日)

​実に27年ぶりの来日。
初来日を観に行ったのは1979年の後楽園ホールだったので、個人的にも40年ぶりの再会である。
スタッフは全員ハチマキを締めていたが、なぜかプリントされている日本語は「溝鼠」だった。
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カルメン・マキ&OZ クラブチッタ 11/23(土)

2018年に続き、2019年も45周年記念として全国ツアーをやってくれた。
チケットの争奪戦が激しく、立ち見しか取れなかったが、観ることができただけでもよい。
ドラムの武田治さんが70才になっており、カルメン・マキの「古希のメンバーもいるし、緩々やろうと思っても、そんな曲無いんだよ」とのMC。
最高である。
「崩壊の前日」、「六月の詩」 から始まり、「私は風」 まで惜しみなく演奏してくれた。
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ジェネレーション・アックス 豊洲PIT 11/29(金)
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​トーシン・アバシ、ヌーノ・ベッテンコート、ザック・ワイルド、スティーヴ・ヴァイ、イングヴェイ・マルムスティーンが集まってのスーパー・ギタリストのユニット。
一曲目は全員でフォーカスの "Hocus Pocus" で開幕した。
続けて各ギタリストが30分ずつのソロを取り、3時間を超えるライブになった。
ザックは3回も客席に飛び込んで "Purple Haze"、"War Pigs"、"Still Got The Blues" などの名曲のカバーを披露した。

ポール・ギルバート 新宿ReNY 12/3(火)

​2017年の Mr. Big 以来の来日。
Mr. Big の時とは異なってスライド・バーを使いまくり、さらにMCで「今日俺のギターがリード・シンガーだ」と言うようにすべてインストで押し通した。
また数々の有名なカバー曲も、歌メロをギターで弾いて披露。
カンサスの "Carry On Wayward Son"、ヴァン・ヘイレンの "Runnin' With the Devil" など、さすがツボを押さえている。
レインボウのカバー "Still I'm Sad" の途中では、ドラムのバス・ペダルが壊れてもまったく動じず、ペダルが治るまでアドリブで場繋ぎするプロ根性を見せてくれた。
なお一曲ずつのキーがC#とかBmなどと解説していたのは、観客にギターを弾く人が多いことを考えての配慮なのだろう。
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キッス 東京ドーム 12/11(水)
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2015年以来4年ぶりの来日で、おそらくこれが最後と思われる。
ジーン・シモンズは70才、ポール・スタンレーも67才だが、相変わらず巨大な衣装や靴を装着し、ステージのトップや会場内の空中を飛び回った。
演奏時間も2時間半に達するもので、驚くべき体力である。
NHKのインタビューでジーンが「75才になってこんなことは無理だ」と語っていたが、その通りだろう。
なおアンコールでは、なんとYoshikiが参加し、彼のピアノで "Beth"、ドラムで "Rock'N Roll All Night" を演奏するサプライズがあった。
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​岸谷香 ビルボード東京 12/28(土)

3年連続でライブ三昧の〆は岸谷香さん。
MCが楽しく、また来年も頑張ろうという元気を貰うことができる。
席の予約が難しくなってしまうので余り宣伝したくないのだが、心からお薦めできるライブである。
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2020年もクイーン、グリーン・デイ、マイケル・シェンカー、ホワイトスネーク、ドリーム・シアター、ボブ・ディランなど、既に前半からビッグ・ネームの来日が目白押しとなっている。
夏にはオリンピックにもかかわらずフジロックが開催され、さらにサマーソニックに替わるスーパーソニックの開催も決まった。
一年後には再びライブのレポートができるように、とにかく足を運んでおきたいと思う。
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