久保田直己 不撤不散
  • Home
  • Blog
  • Music
  • Politics
  • About

共謀罪に対する国連人権理事会プライバシー権特別報告者の懸念           UNHR Mandate of the Special Rapporteur for the right to privacy on 'Anti-conspiracy' bill in Japan

20/5/2017

0 コメント

 
2017年5月現在国会で審議が続いている「組織的犯罪処罰法の一部を改正する法案」、いわゆる「共謀罪」に対して、国連人権理事会のプライバシー権特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏から、日本政府に対して懸念の書簡が届けられた。
原文は国連人権理事会のWebサイトでPDFにて公開されている。
Picture
Picture
Picture
Picture
Picture
​また弁護士の海渡雄一氏らのグループの努力により、早速日本語による全文翻訳も作成された。

なお、ケナタッチ氏による懸念のポイントは次の通り。
  • 法修正の重要な部分は「別表」の形になっているため、専門家でさえ実際の適用範囲の理解が困難。
  • 277に上る「犯罪」には、およそ組織犯罪やテロリズムと無関係のものが多い。
  1. 森林法第198条:保安林における産物の窃取
  2. 文化財保護法第193、195、196条:重要文化財の無許可での輸出や破壊
  3. 著作権法第119条:著作権の侵害
  • 政府は「テロ組織を含む組織犯罪グループ」が関与する犯罪に限定されると主張しているが、「組織的犯罪グループ」の定義はあいまいで、テロ組織と明確に限定されていない。
  • 捜査対象となる「計画」と「準備行為」も何によって構成されるのか定義があいまいで、禁止行為の範囲が明確でなく、恣意的な適用の危険性が懸念される。
  • こうした定義のあいまいさが残ったままであるため、「計画」や「準備行為」の存在や範囲を確定するには相当高いレベルでの監視に繋がると考えるのは合理的である。
  • 監視実施を事前に認可する法的に独立した組織を確立する計画もない。このため実際の運用は捜査当局の自由裁量のままになっている。
  • 法案の拙速な可決をするための政府の圧力で、国民的議論の十分な推進が毀損されている。

これに対して日本政府はどう応えるつもりなのだろうか。

追記 (2017/05/21) 各メディアでの関連記事
  • ​朝日新聞:「共謀罪」法案、国連特別報告者が懸念 首相に書簡送る
  • 毎日新聞:共謀罪 プライバシー制約の恐れ 国連報告者、政府に書簡
  • 東京新聞:「恣意的運用」国際視点から警告 国連報告者、首相に書簡 「共謀罪」採決強行
  • 東京新聞:全文日本語翻訳記事
0 コメント



返信を残す

    Categories

    すべて
    Business
    Law
    Music
    Social

    RSSフィード

不撤不散
HOME        BLOG        MUSIC        POLITICS        ABOUT
All copy right reserved.  Since March 18 2017.
  • Home
  • Blog
  • Music
  • Politics
  • About