久保田直己 不撤不散
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1973年のロック・シーン

25/1/2023

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Photo by Stefano Zocca on Unsplash
2022年に亡くなったミュージシャンを追悼する記事の中で、「ロック黄金期の70年代から半世紀」と書いたのが昨年末である。
それから既に1か月が経過し、50周年盤の企画が耳に入り始めてきたので、このあたりで半世紀前に当たる1973年のロック・シーンを振り返ってみたい。
まず、この年はプログレ・シーンにとっても絶頂期であった。
リリースされたアルバムは、ピンク・フロイド「狂気」、イエス「イエスソングス」、EL&P「恐怖の頭脳改革」など大作そろいで、その後、長期にわたって聴き継がれてきたものが多い。
アルバム名を敢えて邦題で書いてみたが、ぶっ飛んだ意訳のものが多く、しかもそれが的を得ているところが面白い。
プログレ以外でも、レッド・ツェッペリン「聖なる館」、クイーン「炎のロックンロール」、ザ・フー「四重人格」など、ぶっ飛んだ邦題ですっかり定着しているのではないか。

様々な新しい音楽が興る中、60年代の大御所が変わろうともがいていたのも、この年の特徴である。
イギリスではエリック・クラプトンがドラッグで何年も引き籠った状態だったが、ピート・タウンジェントらの助けを得て、レインボー・シアターでリハビリを兼ねたライブを行った。
翌年1974年には、大きく変貌を遂げた "461 Ocean Boulevard" で復活を果たすことになる。
一方、ビートルズは解散からまだ3年しか経っておらず、再結成を期待する空気が強かった。
ポールはウィングスでツアーを開始し、ジョンは "Mind Game" を、ジョージは "Living in the Material World" をそれぞれリリースし、ソロ活動で既に成功している。
年末にはリンゴのアルバム "Ringo" に、ポール、ジョン、ジョージ全員が楽曲を提供し、再結成の期待がますます高まったが、遂に叶うことはなかった。
そしてアメリカでも、グランド・ファンク・レイルロード、オールマン・ブラザース、ニューヨーク・ドールズなど様々なジャンルが入り乱れての百花繚乱状態であった。

時代は混乱の60年代から落ち着きを取り戻しつつあったが、ベトナム戦争が終結するまでさらに2年待たなければならなかった。
そして南米チリでは民主的に選出されたアジェンデ政権が、CIAにバックアップされた軍部ファシストのクーデターで倒され、暗黒の時代を迎えることになってしまった。 

1月6日 カーリー・サイモン “You're So Vain” 全米一位。

1月9日 ローリング・ストーンズの来日、ミック・ジャガーのドラッグを理由に入国できずキャンセル。
1月13日 エリック・クラプトンがレインボー・コンサートで復帰、カーリー・サイモン ”No Secret” 全米一位五週、スレイド “Slade” 英一位三週。
1月18日 ローリング・ストーンズがニカラグア大地震被災者救済コンサート開催。

1月27日 スティーヴィ・ワンダー “Superstition” 全米一位。
1月30日 キッス、ステージ・デビュー。

2月3日 エルトン・ジョン “Crocodile Rock” 全米一位、スティーヴィ・ワンダー “Talking Book” 全米三位。

2月10日 エルトン・ジョン “Don't Shoot Me I'm Only the Piano Player” 英一位六週、3月3日には全米一位。
2月17日 ウォー “The World Is A Ghetto” 全米一位、フリー最後のライブ。

2月24日 バーズ、米国で最後のライブ。

3月3日 グラミー賞で “The Concert for Bangla Desh” が最優秀アルバム受賞。
3月8日 ポール・マッカートニー、スコットランドにてマリファナ所持で罰金。

3月10日 ピンク・フロイド “The Dark Side of the Moon“ (邦題「狂気」)リリース、28日に全米一位。
3月24日 アリス・クーパー “Billion Dollar Babies” 英一位。

3月28日 レッド・ツェッペリン “Houses of the Holy” リリース、4月10日に全英一位、5月12日に全米一位。
4月2日 ビートルズ、いわゆる赤盤・青盤リリース、青盤は5月26日全米一位。
4月9日 クイーン、マーキーでライブ・デビュー。

4月13日 ロジャー・ダルトリー “Daltrey” リリース。 

4月25日 スウィート “Little Willie” ゴールド。

4月28日 フェイセス “Ooh La La” 英一位。
5月1日 バックマン・ターナー・オーヴァードライヴ “Bachman-Turner Overdrive” リリース。

5月7日 ジョージ・ハリスン “Give Me Love” リリース。
5月11日 ウィングス初の全英ツアー。

5月14日 スティーヴィ・ワンダー “You Are the Sunshine of My Life” 全米一位。

5月17日 “Yessongs” ゴールド。
5月21日 エドガー・ウィンター “Frankenstein” 全米一位、6月19日にゴールド。
5月23日 ボブ・ディランとザ・バンドのベイスメント・テープス公開。

5月26日 ディープ・パープル “Smoke on the Water” リリース、8月28日にゴールド。
5月28日 ロニー・レイン、フェイセスを脱退。

5月29日 バーズ解散、マイク・オールドフィールド “Tubular Bells” リリース。

6月1日 ロバート・ワイアット骨髄損傷。

6月2日 ウイングス “My Love” 全米一位、”Red Rose Speedway” 全米一位。
6月23日 10CC “Rubber Bullets” 英一位。ジョージ・ハリスン “Living in the Material World” 全米一位。

6月29日 第二期ディープ・パープル解散。

6月30日 ジョージ・ハリスン “Give Me Love” が、ポールの “My Love” を蹴落とし全米一位。

7月2日 イーノ、ロキシー・ミュージックを脱退。

7月6日 クイーン “Keep Yourself Alive” でデビュー。
7月7日 ビリー・プレストン “Round in the Circles” 全米一位二週。

7月13日 クイーン “Queen” リリース。

7月14日 ゲイリー・グリッター、ライブ・デビュー。

7月27日 ニューヨーク・ドールズ “New York Dolls” リリース。
7月28日 グランド・ファンク・レイルロード “American Band” 、9月27日に全米一位。
7月29日 レッド・ツェッペリン、18万ドルの盗難被害。

8月7日 映画 “Jesus Christ Superstar” リリース。

8月11日 エドガー・ウィンター・グループ “Free Ride” リリース。

8月18日 ジェスロ・タル “A Passion Play” 全米一位、ドゥービー・ブラザース “China Grove” リリース。
8月20日 ローリング・ストーンズ “Angie”、10月に全英・全米共に一位。
8月26日 10CCライブ・デビュー。

8月31日 ローリング・ストーンズ “Goats Head Soup” リリース。

9月1日 ロッド・スチュワート “Sing It Again Rod” 英一位三週、キャンディーズがシングル「あなたに夢中」で歌手デビュー。
9月8日 マーヴィン・ゲイ “Let's Get It On” 全米一位、オールマン・ブラザース “Brothers and Sisters” 全米一位五週。
9月15日 チリ軍事独裁政権がヴィクター・ハラを虐殺。
10月6日 スレイド “Sladest” 全英一位四週。
10月12日 エルトン・ジョン “Goodbye Yellow Brick Road” ゴールド。

10月15日 キース・リチャード、フランス入国禁止評決。

10月24日 ジョン・レノン、米政府を盗聴などで告訴。

10月27日 エアロスミス、ボストンでモット・ザ・フープルの前座。

10月29日 ジョン・レノン “Mind Game” リリース、ザ・フー “Quadrophenia” リリース。
11月2日 リンゴ・スター “Ringo” リリース。

11月3日 デヴィッド・ボウイ “Pinups” 英一位五週、ホール&オーツはアルバム・デビュー。
11月9日 ビリー・ジョエル “Piano Man” リリース。

11月10日 ジョン・レノンがフィル・スペクターに “Rock’n Roll” のプロデュースを依頼。

11月24日 リンゴ・スター “Photograph” 全米一位。
12月1日 カーペンターズ “Top of the World” 全米一位。
12月2日 ザ・フー、モントリオールのホテル破壊でメンバーとクルー全員逮捕。 

12月3日 リンゴ・スター “You're Sixteen” リリース。

12月10日 CBGB開店。

12月12日 EL&P “Brain Salad Surgery”(邦題「恐怖の頭脳改革」) ゴールド。
12月15日 スレイド “Merry Xmas Everybody” 英一位五週。
12月24日 ドゥービー・ブラザースのトム・ジョンストン、マリファナ所持で逮捕。

12月31日 AC/DCがシドニーで、ジャーニーはサンフランシスコでライブ・デビュー。

ローリング・ストーンズの“Goats Head Soup”は既に2022年に50周年記念盤がリリースされ、ピンク・フロイドの "The Dark Side of the Moon" も予定が見えてきた。
こうなったら、とことん付き合ってやろうと思う。
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