久保田直己 不撤不散
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Amazon Echo Dotでハードロックを試す

9/12/2017

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Google Homeに続いて、Amazon Echo Dotを入手した。
Amazon Echoは、アマゾンから「招待」されないと購入することができない。
そして「招待」されるためにはまず「招待」の申込をしなければならないという手順になっているが、実際にやってみた人でなければ何を言っているのかさっぱり判らないだろう。
本当に訳が判らないが、申し込まないことには入手できないので仕方ない。
私の場合、11月の中旬に申し込んだところ、2週間くらいで「招待」のメールが飛んできた。
ネット上のブログやニュースなどでは、アマゾンのプライム会員なのに何週間も待たされたり、逆に非プライム会員でも数日後には招待されたりといった情報が飛び交っており、この辺りの基準もさらに訳が判らない。私自身はプライム会員であるので、「招待」のメールさえ貰えれば、翌日には実機を届けてもらうことができた。

さて何とか入手したAmazon Echo Dotだが、筐体は掌に乗る程度で、直径はCDよりも小さい。
諸々のスペックやセットアップの詳細については、既に多くの記事で報じられているので、ここでは全て割愛し、ひたすら「ロックを聴くためのデバイス」としてどうなのかという視点でのみ追及してみたい。

まずAmazon Echo Dotに先んじて入手したGoogle Homeと異なる点は、音声の外部出力ができることである。
内蔵スピーカで聴く限りでは昔のトランジスタラジオのような音だが、外部出力端子に直接ヘッドフォンのジャックを刺して聴くことができるし、アンプを通して外部スピーカを鳴らすことも可能だ。
この点は大きい。
楽曲はAmazon Musicから配信されるが、ストリーミングのビットレートが最大256kbpsあり、ファイルサイズに換算すると一曲5MBほどに当たる。
​CDのサイズからはかなり圧縮されているが、MP3のように明らかに楽器の線が細くなるような音質劣化は感じられなかった。
音声外部出力ができず、本体からの音質も劣悪なGoogle Homeは、この点において、Amazon Echo に相当に遅れを取っていると言わざるを得ない。
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そして音質の次は、楽曲の選曲能力の確認である。
あらかじめGoogle検索で「Amazon Echo 選曲」と入力してみたところ、何故か的確な情報が全くヒットしない。
​何か嫌な予感がする。もしかしたら業界的に敢えて触れてはいけない部分なのかも知れない。
ならば益々自分で掘り下げてみるしかないではないか。

では公平を期して、Google Homeでの実験と同様に、まずレッド・ツェッペリンをキーワードにして試してみる。
アレクサ、レッド・ツェッペリンをかけて。

​「レッド・ツェッペリンの楽曲をシャッフル再生します」と答えた後は、順不同で曲を流してきた。一曲しか返してこないGoogle Homeよりは、まあましか。
続けて、「アルバム名」を加える。
アレクサ、レッド・ツェッペリン ファーストをかけて。

またも「レッド・ツェッペリンの楽曲をシャッフル再生します」で始まり、しかもファーストではなくサードの曲からであった。
​どうも「バンド名とアルバム名」の組み合わせをうまく認識できない様子である。
仕方ないので、若干方針を変えて、「曲名」で挑戦。
アレクサ、「ステアウェイ・トゥ・ヘブン」 をかけて。

「ステイカン・トゥ・ヘブンという曲を見つけられませんでした」。
もはや何が何だかわからない。
​「バンド名と曲名」を組み合わせて「レッド・ツェッペリンのステアウェイ・トゥ・ヘブンをかけて」では音声での回答すらなく、謎のノイズ音で停止してしまう始末である。
そこで「曲名」を邦題にしてみることにした。
アレクサ、「天国への階段」をかけて。

​「渡辺香津美、天国への階段を再生します」。
いや、それ全然違うし。
​「曲名」での指定もかなり怪しい。
さらに方針を変更し、さすがにこれを認識しなかったらまずいだろうと思われる鉄板曲を投入。
アレクサ、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」をかけて。
回答は、何と「スモーク・オン・ザ・ウォーター」が聴きたければ、有償の Amazon Music Unlimited に加入しろとのことである。
「ホテル・カリフォルニア」でも同じ。


この辺りでちょっと日本のバンドにも挑戦してみることにした。
外道や頭脳警察はまったく認識されなかった。まあ仕方ない。
そして「プリンセス・プリンセスのダイヤモンドをかけて」と要求したところ、またしても Amazon Music Unlimited に加入するよう勧められた。
ご丁寧に、30日無料、4000万曲が月380円との説明付きである。
仕方ないので受け入れることにした。
手続きそのものは、Amazon Echoからの「購入しますか」との問いに「はい」と応えるだけで、あっという間に完了した。
曲を出し渋ったうえで有償サービスへ誘導するとは、さすが「AI」である。
しかし「AI」と言っても、実際はバックエンドで動いている決済システムへのトリガーが、マウスのクリックから音声入力に替わった程度のことだ。
横道に逸れてしまうが、鉄道の運行状況の確認なども、既にスマホ用に動いているビジネスロジックをキックして答えを持ってくるだけなので、現時点での「AI」はしょせんがこの程度と達観し、過大な期待はしないほうがよいのだろう。

さて、選曲の能力の話に戻る。
「曲名」や「バンド名と曲名」での指定の多くは Amazon Music Unlimited に加入することが前提になっているようだ。
​既に加入手続きを済ませてしまったので、これで多少は改善されただろう。
再度「スモーク・オン・ザ・ウォーター」に挑戦。
アレクサ、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」をかけて。

Amazon Music Unlimited に加入後は、無事認識するようになった。
「ディープ・パープルのスモーク・オン・ザ・ウォーター」でもOK。
「ホテル・カリフォルニア」や「イーグルスのホテル・カリフォルニア」でも大丈夫になった。
ところが「ディープ・パープルのマシン・ヘッド」のように、「バンド名とアルバム名」では相変わらず認識してくれない。

レッド・ツェッペリンの「ステアウェイ・トゥ・ヘブン」はやはりダメ。
ところが「レッド・ツェッペリンのコミュニケーション・ブレークダウン」ではなぜか認識した。
​謎である。

​
取り合えず気を取りなおして、振り出しに戻り、「バンド名」をどこまで認識するか試してみることにした。
アレクサ、ビートルズをかけて。

「ビートルズの楽曲をシャッフル再生します」と答えて、延々とビートルズを流し始めた。
「ビートルズのヘイ・ジュード」など「曲名」を付けても、今回はほとんど大丈夫。
​さすがにビートルズではある。
しかしプログレで試したとたん、まさかの事態が発生した。
アレクサ、ピンク・フロイドをかけて。

いくら何でも「ピンク・フロイドの楽曲を見つけられませんでした」となるとは思わなかった。
キング・クリムゾンやEL&Pもダメ。
​Google Homeではソフト・マシンやホークウィンドも認識したのに、トホホとしか言いようがない。

結論。結局のところ、Amazon Echo では、ある程度メジャーな「バンド名」しか認識されないようである。
さらにメジャーなものでも
「バンド名とアルバム名」の組み合わせはほとんど認識されず、「曲名」や「バンド名と曲名」の指定では、ほぼ有償サービスの加入が前提になる。


そういう訳で、なぜ「Amazon Echo 選曲」で検索をかけてもヒットしないのか、その理由が判った気がする。
もっとカジュアルな使い方しか想定されていないのだろう。
「朝らしい曲かけて」みたいなやつだ。
申し訳ないけど、そんな使い方は、私には要らない。
「外道の香りをかけて」との指示に対して、高音質で確実にかけて欲しいのだ。
​

Amazon Echo ​はGoogle Homeよりもはるかに音質がいいのに、楽曲の認識能力の点で「ロックを聴くためのデバイス」としては結局いまひとつであった。
​実に残念である。
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