2023年9月にオープンしたばかりの「Kアリーナ横浜」で、ライブ終演後の混雑がひどいと報道されている。 これを受けて、会場の運営会社が「退場についてのお詫びとご報告」をアナウンスする事態になっていた。 このアナウンスには、退場ルートの図が掲載されている。 私自身も、11月3日にモトリー・クルーとデフ・レパードのライブを観戦した際、大渋滞に巻き込まれた。 その時の経験を踏まえると、運営会社作成の図には、重要な情報がいくつも欠けていると言わざるを得ない。 それらの情報を書き加えると、こんな感じであろう。 まず、通路が全て鉄柵で封鎖され、数メートル幅しかなかった。 さらに直角に曲がる箇所が2地点あり、そこに人が滞留してしまう。 そして滞留の先は下り階段になっていた。 さて、ここで兵庫県警が作成した資料「雑踏警備の手引き」を見てみたい。 これは、2001年に死者11名、負傷者229名という大惨事を引き起こした、明石市の花火大会での事故の反省を踏まえて作成されたものだ。 現在、各種イベントやデモ行動まで、安全を確保するために幅広く活用されているようである。 この資料の35頁に、こんな図が掲載されている。 「動線が直角に近い状態に曲折している場合に、危険が増大する。さらに、階段や下り坂であれば最悪である」とのことである。 これは正にKアリーナでの動線そのものではないか。 そして、このような状態の中で、明石の大事故が発生したのだ。 この危険な状態を解消するのは、それほど難しいことではあるまい。 要は、「鉄柵」も「歩道へ出る箇所への出場規制」も解除すればよいだけだ。 環状線となっている道路「高島台第298号線」は車両通行が殆ど無いんだから、一時的に歩道として確保すればいいだろう。 アンパンマン・ミュージアム横の通路を封鎖する意味もわからない。 結局、要所要所に配置すべき要員の準備に手を抜いているだけの話なのではないか。
まず運営会社には、兵庫県警の「雑踏警備の手引き」を熟読して、研究してもらいたい。
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