久保田直己 不撤不散
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知の崩壊と首相の座

12/8/2018

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Photo by Jared Rice on Unsplash

2018年の国会最終日で内閣不信任案を提出した野党を代表して、枝野幸男議員が不信任の趣旨説明を3時間近くにも渡って繰り広げた。
この大演説が文字起しされ、「枝野幸男、魂の3時間大演説」と題された書物として出版されたことが話題となっている。
現在のメディア情勢では、この内容が報道記事になることは殆どないだろう。
しかしこの書籍によれば、枝野氏は簡単なレジュメだけを元に、極めて論理的かつ端的に「安倍政権が不信任に足る7つの理由」を展開している。
こうした知性こそ、国会での議論としてふさわしいものと言えよう。

一方、今回の国会での与党側の答弁は、余りにも不誠実で、国会や国民を愚弄するものであった。
さらに残念なことに、その見苦しい姿も報道では切り取られ加工されてしまい、実態が国民の目に触れることは殆どない。
しかしながら国会の模様はYouTubeなど動画で記録されているため、検索など多少の手間をかければ、生の様子を振り返ることはできる。
例えば、5月28日の衆議院予算委員会の集中審議のもようがYouTubeでアーカイブされていた。(その後削除。)
この日の予算委員会では、加計疑惑に関する集中答弁が行われていた。
無会派の江田憲司議員は、「加計孝太郎から首相・安倍晋三への、飲食やゴルフなどの供与」疑惑を追及している。
これに対する安倍晋三の答弁を、まず見ていただきたい。
なお下記の文字書き起こしは、ツイッターのアカウント @buu34 氏によるものを引用させていただいた。
あのー、まるで犯罪者扱いされていることは、極めて、極めてこれは、えー、失礼な話ではないかと思いますよ、これ、自白しろとかですね、それは犯罪者扱いではないんでしょうか。つまり、対価性の認識と言うことをおっしゃった、わけでございますが、まさにずーっと、いわば、たとえば大蔵省の人はですね、えー、MOF担から御馳走されるわけでありますから、直接付き合ってる相手から、御馳走されれば、当然これは、対価性の認識っていうのは、起こるんだろうと、こう思うわけでございますが、ないんです、ずーっと御馳走してもらい続けていたんだろうと。え、こう思いますよ、で、一方、私の場合は、こちら側もですね、相当、あ、あ、あの、いわば、何回も、こちら側も、ですね、御馳走していることも、ある、わけで、あります。これ、40年間、中でもやってみなければいけないような話でありますが、しかし、ゴルフ等においてはですね、これ、たか、あの、割と、高価な、これ、あの、お、えー、費用がかかります、から、それはこちら側で、こちら側で全てもっている、と言うこと、でございます。え、焼肉、焼肉屋等で、エーの場合はですね、これもう、こちらが払ってる場合もありますし、それ、それがですね、私はその、いわば、えー、贈収賄に、なるとは、とても、考えられない、わけで、ございまして。その、えー、こちら側もですね、十分費用を出している、ところで、ございますし、またですね、先ほど申し上げましたように、秘書官、等の支払いについては、ま、あの、えー、大体、大体の場合は、こちら側が行っている、それと、たとえばですね、向こう側が開いている、この、桜を見る会、沢山ですね、この、この相当の人数、4~50人か100人か分かりませんが、そういう所に来て、いわば花を添えてもらいたいと言う事が果たして、これ向こう側に御馳走してもらう事になるのかどうかと言う、実際にですね、その食事の費用は払ったとしても、私はまさに、その後も、ま、家でもう一回食べるってことも、な、な、え、結果として、みんなと、皆さんに、お話をしなければならないわけでありますから、と言うこと、で、えーございまして、今の、えー、江田委員の推論には、私は、納得できないと言うことでございます。
何を言っているのか、さっぱりわからない。もはや不誠実などというレベルを通り越してしまっている。
幼稚な人物が口先だけでいい加減な言葉を適当に繋ぎ合わせて垂れ流しているだけなのであろう。
それでもこの酷い答弁から、何とか趣旨を抜き出してやると、「加計に奢ることもある」「ゴルフや焼き肉は40年間奢り奢られの関係なので贈収賄にはあたらない」と言いたいようだ。
それ自体、まったくもって許しがたい主張である。
加えて、その高々10秒程度で答えられる内容を、無駄な言葉で延々と引き伸ばすのは、発声者が決定的に知性を欠いているからだと考えざるを得ない。
冒頭で紹介した枝野氏の演説とは比べるまでもなく、まさに月とすっぽんである。

しかし、こんな幼稚な人物に5年もの期間、首相の座に座らせているのは、実像を伝えないメディアの責任であり、また見ようとしない有権者の責任でもある。
ぜひ先ほどの動画だけでもご覧いただき、この面々が首相や内閣にふさわしいか、よく考えていただきたい。
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