久保田直己 不撤不散
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学級崩壊と化した閣議決定

20/5/2018

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もPhoto by Gary Chan on Unsplash

5月18日に各メディアが伝えたところによると、安倍内閣が「現行法令において『セクハラ罪』という罪は存在しない」との答弁書を閣議決定したという。
閣議とは内閣法を根拠法として執り行われているが、実務については明文化されておらず、慣例に従ったものである。
閣議の案件には、法律や条約の公布、政令の決定などと共に、国会での質問主意書に対する答弁書も含まれている。答弁書は閣議決定が義務である。
この度の「セクハラ罪」の件については、立憲民主党の逢坂・衆院議員の質問に対する答弁書であり、手続き的には「内閣として閣議決定の義務を果たした」と言うことができる。
しかし逢坂議員の質問は、財務省でのセクハラ問題に絡めた財務大臣・麻生太郎の「セクハラ罪は存在しない」という発言の趣旨を問うたものであり、この閣議決定は開き直って形式的に答弁したものに過ぎない。
言わば万引きで捕まった犯人が「万引き罪は存在しない」と主張するようなものである。
「セクハラ罪」なるものが存在しないのは誰が見ても自明のことであり、実務上は強制わいせつや迷惑条例などで対応可能であろう。
そして現行法で対応が難しいのであれば、政府として今後セクハラ問題に対しどのように対処していくのかを答えるべきである。
この閣議決定の問題は、「セクハラなんてたいした問題ではないのだから黙ってろ」との政府から国民へのメッセージにもなっていることである。

それにしても、安倍政権が始まってから異常な閣議決定があまりにも目立つ。これらを並べて検討してみると、二つのカテゴリーに分けられることに気が付く。
一つ目は、日本国憲法を愚弄し、捻じ曲げた解釈を肯定するためのものである。
  • 2016年4月1日 「憲法9条は一切の核兵器の保有及び使用を禁止しているわけではない」
  • 2017年3月31日 「教育勅語を教材に用いることは、憲法や教育基本法に反しない形である限り、否定されない」
  • 2017年5月12日 「(自衛隊と米軍の共同訓練について)武力の威嚇にあたらない」

これらはほんの一例に過ぎない。
そして二つ目は、安倍政権の無能ぶりを強引に糊塗し、開き直るものである。
  • 2015年6月2日 「安倍首相はポツダム宣言を読んでいる」
  • 2016年2月19日 「島尻沖縄北方大臣が『歯舞』の読み方を知らないという事実はない」
  • 2017年3月14日 「昭恵夫人は公人ではなく私人であると認識している」
  • 2017年5月12日 「『そもそも』という言葉には『基本的に』という意味もある」

続けて今回の「セクハラ罪は存在しない」である。まったく溜息がでる。
そのうち「安倍首相はバカではない」とでも閣議決定するのではないか。
これ以上日本を劣化させないためにも、こんな知性も誠実さにも欠ける政権は一刻も早く終わらせるべきである。
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